山崎先生の運用記です.記されている時間は特に断りのない限り現地時間です.(3月末より夏時間になりUTC+2時間,JST-7時間となりました.)


研究室の西側に広がる公園では、毎年6月末に夏至祭(mid summer day)が行わます。夏至祭の象徴であるポールの周りに、多くの人が集まっています。 (アンテナ祭りではない)

Magic Band in Sweden (22)

編註;先生からいただいた音声ファイル(AIFF形式)は
小生がMP3形式に編集しております.概ね100KB以下です.

なおビーコンにつきましては、こちらにまとめてあります.

2002.08.26 (Mon)


私は今日、美女の魅力に負け、不覚にも我を失ってしまった。それは、予定していた仕事がすべて終わった夕方のことである。日中はWeb Clusterには大した情報がなく、何も心配することなく仕事に集中していたが、帰り支度を済ませてコンピューターの電源を切ろうとマウスに振れた瞬間、スクリーンセーバーの裏から衝撃的なニュースが飛び込んできた。「OH3### 59a」、「GM4*** 53a in IO73」夜明けの女神、オーロラの再来である。SM7から見て東のOH、西のGMから同時にレポートされている。しかも、GM某局のロケーターはIO73、マルメよりも南だ。私は、当然SM7でもAuがオープンしていると信じて疑わなかった。もちろん、屋上へ全力疾走で駆け上がった。アンテナを立てる時間がどれほど長く感じられたことか。ビームを北へ振り、 これで女神との再開の準備は整った。胸の高鳴りを抑えつつワッチを開始すると、「あれ、、、!?」何も聞こえないではないか。アンテナの接続も確認したが問題はない。要するに、この時点でSM7ではAuはオープンしていなかったのである。「少し待てば聞こえてくるかも?」私は粘ってみることにした。しかし、30分、1時間と待ってみても、女神の気配さえ感じられない。不安になった私は、6階へ戻ってWeb Clusterを再確認した。私が屋上へ上がった後も、GMではAuが開いているらしい。 どうしても女神に会いたかった私は、さらに待つことにした。しかし、、、今日のデートは完全にすっぽかされてしまったようだ。2時間近く待ち続けたが、結局彼女は現れなかった。今日は何人の男を誘惑したのだろうか。本当に罪深い女神だ。

2002.08.27 (Tue)


今日もまた、帰り支度を済ませてから大どんでん返しがあった。状況は昨日と全く同じである。スクリーンセーバーの裏から現れたWeb Clusterに「cq NAC」という書き込みがあった。「NACって何、、、?」、「そうか、今日は第4火曜日、Nordic Activity Contest(NAC)の日だ!」今年2月に初めてNACに参加したときは(2002.02.26の運用記参照)ほとんど誰も出ていなかったが、夏場はEU内でのQSOが主となるため、今夜ならば何局かで出ているかもしれない。20:00少し前からワッチしてみると、意外に多くの局で賑わっていて驚いた。手始めにOZ7CQからコールすると、レポートとロケーターをデンマーク語で送ってきた。スウェーデン語とデンマーク語は、日本語の標準語(関東弁)と関西弁ぐらいの違いしかなく、スウェーデン人とデンマーク人はそれぞれの言葉で会話ができる。しかし、私にとってデンマーク語は完全に外国語である。レポートとロケーターくらいなら理解できるが、それ以上込み入った話は全くわからない。そのような事態になることを避けるため、私はあえて英語で応答し、先に自分が日本人であることを告げた。すると、「君のことは聞いたことがある」、「1年ほど前にOZ6OMにメールを出さなかったか?」と聞かれたのである。正にその通りである(遠かった開局までの道のり参照)。彼らは同じクラブのメンバーであった。「OZ6OMによろしく」と言ってQSOを終えた。バンドをスキャンすると、55で入感するDL3TWを発見した。彼のQTHはJO44SK、マルメから約260kmしか離れていないDL最北端とのGw QSOとなった。さらにダイヤルを回すと、微かに聞こえるCWに気が付いた。なかなかコールサインがコピーできずに苦労したが、最初がLであることが判明した。「LAしかない!」それまで東に振っていたビームを北西へ向けると、そのシグナルは539まで上昇し、LA1V JO49UFとコピーできた。マルメからの直線距離は450kmほど。伝搬経路は海岸線に沿っていて、途中何の障害物もないとは言え、Gwにしては少々遠いかもしれない。Trだろうか。(定義によっては、TrはGwの一種に入ると聞いたことがある。)その後、OZ8ZS, OZ9KYとナンバー交換したところで、遂に待ちに待った獲物が現れた。SK7MWである。この局とのQSOで、念願のJO65(自分のいるグリッド)を獲得した(笑)。その直後、SM7FJEもコンテストに参加し始めたため、どさくさに紛れてレポート交換し、かくして超有名DXerをgetした(笑)。JAでは、DXやEsが出ていないときでも、Gwで交信できる範囲内を対象にしたCQをよく聞く。しかし、私が聞く限り、SM7周辺ではそのようなCQはあり得ない。 つまり、EUでは(少なくともSM7周辺では)50MHzは完全にDXバンドであり、JA各局がJCCを追いかけるような楽しみ方は存在しないのである。よって、NACのようなコンテストにでも参加しない限り、ローカル局と交信するチャンスは皆無と言ってよい。 今年2月に初めてNACに参加したときは、このコンテストが50MHzのアクティビティーを高めているとは思えなかったが、今日のような状況ならばその意義が理解できる。私はNACをしっかりと楽しむ気になった。アンテナを少しずつ動かしてはバンドをスキャンし、「どこまでGwが届くのか」、「どんなローカル局が出ているのか」を観察することにした。SM6EHY(JO67CL、約210km)とナンバー交換し、さらに丹念にワッチすると、LA8AVのシグナルを発見した。しかし、先ほどのLA1Vに比べて弱く、かつ419-539のQSBがある。何度かコールして、やっとフルコピーしてもらうことができた。彼はロケーターをJP40SFと打ってきた。マルメからおよそ550kmの距離だ。これもTrだろうか。その後も数分ごとにビーム方向を変えながらワッチしてみたが、CQを出している局はすべて交信済みの局ばかりであった(以前にQSOした局も含む)。自分からCQを出せばある程度はコールされたかもしれないが、帰宅の時間となったためQRTしてしまった。10数局がコンスタントにCQを出し、数分に1回の頻度でコールされていた。SM7周辺の人口を考えれば、今夜はまあまあのアクティビティーだったと思われる。

この日の成果

2002.08.30 (Fri)

6W4RK,,, 6Wってどこ?」それは20:20のことであった。久しぶりに私の知らないプリフィックスがWeb Clusterにスポットされた。報告したのはSV某局である。私が知らないということは、AFの珍entityである可能性が高い。すぐにプリフィックス一覧表を確認し、6Wがセネガルであることを知った。「おお、セネガルか!」、「デンマーク戦で見せたあのカウンター攻撃は見事だった!」などと、先日のワールドカップのことを思い出した。通常、AF各局が入感するときは、EA, I, SV等の南部から始まり、F, DLを経てOZ, SM7にパスが来るまでにしばらく時間がかかる。(DL北部、OZ南部で止まること多し!)「30分ぐらいしたらワッチしてみるか」とのんびり構えていたところ、いきなりSP, DLからもレポートが上がった。「やられた!見事な速攻だ!」ワールドカップのグループ戦で、あっと言う間に同点ゴールを決められたデンマークの気持ちがわかったような気がした(笑)。慌てて屋上へ上がり、ワッチを開始したのは20:35。50.110にダイヤルを合わせ、51-55で入感する6W4RKを確認。OZ, SM7各局のパイルが聞こえる。私もパイルに加わろうとしたそのとき、6W4RKは50.140へQSYするとアナウンスした。先にその周波数で待ちかまえていると、今度は「listening 2 to 5 kHz up」とアナウンスしてスプリット運用を始めた。OZ, SM7各局はもちろん、中南部EU各局もback Scで聞こえてくる。かなり激しいパイルになっている様子だ。コールバックを聞いていると、ピックアップされるのは中南部EUばかりで、レポートも59を送っている。北部EU各局にとっては苦しい戦いだ。SM7AEDもパイルに加わっているが、全くピックアップされる気配がない。しばらくして、QSBのピークでOZ某局がピックアップされた。「今6W4RKはこの周波数をワッチしている!」OZ某局の周波数にダイヤルを合わせてコールしたが、周辺の各局も同じことを考えていたようだ。OZ, SM7が一斉にその周波数でコールし始めた。しかし、誰ひとりピックアップされる者はいない。5分後、6W4RKのシグナルは徐々に弱くなり始め、ピークで51となってしまった。ところが、依然として中南部EU各局へは59を送っている。どうやらSM7AEDは諦めてしまったようだ。いつの間にか彼の声は聞こえなくなっていた。そして、6W4RKのシグナルはさらに弱くなり、21:10遂にフェードアウトした。私が聞いていた限りでは、OZは1局QSOできたが、SM7は誰もピックアップされなかった。「OZが引き分けなら、SMは負けか、、、」それは、先日のワールドカップにおける対セネガル戦の結果そのものであった(6W vs OZ = 1 vs 1, 6W vs SM = 2 vs 1)。

追伸:6W4RKはQSY直後にスプリットをアナウンスしたが、その後は一度もアナウンスしなかったため、スプリットと知らずにオンフレでコールする局や、それを聞いてオンフレに変わったと勘違いする局が続出した。このため、6W4RKのシグナルをきれいに録音することができなかった。

2002.08.31 (Sat)

午前中のEsを期待して朝から屋上へ上がった。09:40にワッチを開始した途端、非常に強力なCWが飛び込んできた。最初はローカルかと思ったが、それはEH5AKTであった。ほとんど落ち込みもなく、強力に入感しているにもかかわらず、空振りCQが続く。どうやら、ごく限られた地域のみでオープンしているようだ。SM, OZ, DLにしかコールバックがない。一発コールであっさりとピックアップされた。次に発見したのはEH5HBのCQであった。彼のCQは典型的なスペイン語訛りのCQである。ちなみに、編集で前後の部分をカットした訳ではない。これが彼のCQのすべてである。EH5HBともQSOを終え、さらにダイヤルを回すと、今まで聞いたことのないビーコンを発見した。50.070で入感するEA3VHFは、私の持っている最新のビーコンリストには載っていない。新しいビーコンか、それとも、しばらく停波していたのだろうか。その後も、EA北部から東部各局のQRVを期待してワッチを続けたが、新たに入感する局はなく、30分ほどでEsも消えてしまった。久しぶりの強いEsであっただけに残念である。

本日の成果

2002.09.01 (Sun)

昨日と同様に、Esを期待して午前中からワッチを開始した。最初はUU5SIX/Bがかすかに聞こえるだけであったが、しばらくしてUT5G/B, YO3KWJ/Bも聞こえ出した。しかし、どれも深く周期の長いQSBがあり、しかもピークで519とまったく元気がない。LZ, SV某局のCQも聞こえてきたが、ともに419-519であった。「今日のEsは弱いな」などと考えていると、突然LZ2IIが57でクリアーに入感した。「おお、やっと開いたか!」と喜びながらバンドをスキャンしたが、強く聞こえるのはこの1局だけであった。LZ2IIとQSOしてしまうと完全に暇になってしまったため、6階へ下りてWeb Clusterで情報を得ることにした。「どうせ大した情報はないだろう」と予想していた私は、思わずコンピューターの前で愕然とした。何と、EU中でEsが炸裂しているではないか。東西、南北にパスが入り乱れ、何でもありの状態である。これだけ気合いの入ったEsは約1ヶ月ぶりだ。信じられないことだが、どうやら、マルメ周辺(JO65)だけバンドが開いていないらしい。SM7某局(JO76)がON某局とQSOするのを(ONは聞こえない)、私はただ指をくわえてワッチするしかなかった(泣)。



Magic Band in Sweden (23) へ つづく



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