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| 山崎先生の運用記です.記されている時間は特に断りのない限り現地時間です.(3月末より夏時間になりUTC+2時間,JST-7時間となりました.) |
Magic Band in Sweden (19) |
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| 編註;先生からいただいた音声ファイル(AIFF形式)は 小生がMP3形式に編集しております.概ね100KB以下です. なおビーコンにつきましては、こちらにまとめてあります. |
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2002.08.01 (Thr)
中南部EUでは午後からURが入感しているらしいが、Web
Clusterには北部EUからの情報は全く見あたらない。あまり期待せずに18:30頃ワッチを始めると、意外にもUT5G/B, UU5SIX/Bの入感を確認した。また、昨日と同様に雷のようなノイズも聞こえている。30分ほどワッチしていると、弱いながらもYO3KWJ/B, LZ2CC/Bも聞こえ出し、UR, YO, LZ各局のシグナルが入感し始めた。しかし、どの局もあまり強くなく、深く長いQSBのため、なかなかコールできない。LZ3CQをQSBのピークで捕らえるのが精一杯だった。ここまでは昨夜と同じパターンである。ところが、19:30頃、雷のようなノイズが消え、その直後にGB3MCB/Bが聞こえ始めた。コンディション変化は明らかだ。ビームを西へ向けてワッチすることしばし、先日尻切れQSOで終わってしまったMW1MFYのCQが、いきなり59で飛び込んできた。先ほどまでの南東方向からの弱いシグナルと異なり、西方向はフルスケールだ。QSBもほとんどなく、非常に安定している。MW1FMY, MW5VZWと2局続けてQSO。その後、GB3MCB/Bのシグナルはどんどん強くなり、G各局も入感し始めた。空いている周波数を探してCQを出すと、すぐにG3KMAからコールあり。しかし、この局のシグナルはQSBが強く、途中で一度聞こえなくなってしまった。およそ1分後に再びシグナルが上昇し、何とかQSOを終えることができた。次に私を呼んできたGW某局のシグナルも強いQSBがあり、「こりゃだめだ!また今度!」と言われてしまい、結局QSOは成立しなかった。さらにコンディションが変化したのかと考え、一度バンドを軽くスキャンしてみたが、先ほどQSOしたGW2局は、相変わらず安定して聞こえている。どうやら、このオープンは地域差が大きいらしい。さらにCQを出してスタンバイ。次の瞬間、私は思わずガッツポーズした。
「SM7XQZ, this is GI0SFX.」先日あと一歩で逃したGIを、自らのCQでもぎ取った!彼も私の1st
GIを喜んでくれた。CQが5回空振りしたのを機にワッチにまわる。すぐにEI7BFBのCQを発見し、難なくgetした。GI, EIのシグナルはQSBも弱く、非常に安定している。アイルランド海の上に北北西から南南東に延びる境界線があり、それより西側は安定し、東側はQSBが強いようだ。しばらくワッチを続けると、QSBを伴いながら入感するCWを発見した。コールサインはMD3LEG。「マン島だ!」先日のMU0FALの一件で、私はG関連のプリフィックスを予習しておいたのである。QSBのピークを待ってコール。すぐに「QRZ,
QZ?」と返ってきた。「よっしゃぁ!」もうもらったも同然だ。私は落ち着いて2回コールサインを繰り返してスタンバイした。しかし、コールバックがない、、、。数秒後、「QRZ?
DE MD3LEG.」が空しく響き渡った。「まだチャンスはある!」そう信じて再度コールしようとした瞬間であった。MD3LEGは静かにその姿を消し、残念ながら、今日2つめのnew
entityとはならなかった。「さすがは霧で有名なマン島、まるで厚い霧に包まれるようなフェードアウトだ、、、」などと独りで詩人になってみた(笑)。さらにダイヤルを回すと、GB3IOJ/Bが入感している。 これはGJ(ジャージー島)にあるビーコンである。GJ, GU各局のQRVを期待したが、そのシグナルは確認できなかった。そうこうしているうちに、オープンしている範囲が南へと広がったようだ。気が付けば、F西部の局も何局が聞こえている。F1DUZ, F5MMF, F1SAC, M0WIN, F1IHP, F1ORL/Pと連続してQSO。これらの局はどれもQSBの強いタイプであった。オープンの中心が南に移動するにつれてEI,
GW等は姿を消し、最終的にバンドにはF各局だけが残った。聞こえている局はすべてQSOしてしまい、「そろそろ帰るか」と思ったとき、突如EH5FKXがフルスケールで飛び込んできた。ほとんど落ち込みがなく、Fとは別のEsで、新たにEAがオープンするものと期待した。
EH5FKXを一発コールで軽く料理した後、バンドを上へ下へと移動してみたが、期待に反して他に入感する局はなく、EH5FKXも10分ほどでどこかへ行ってしまった。局地的な短時間のオープンだったようだ。
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この日の成果
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2002.08.02 (Fri)今日も日中からEUの広い範囲でEsが出たらしい。Web ClusterにSM, OZもスポットさ れていたが、そのときは残念ながら忙しく、17:00過ぎまでアンテナ作業をする時間がなかった。夕方からワッチしてみたものの、バンドはとても静かな状況で、昼間のEsがまるで嘘のようだ。また、ここ数日聞こえる雷のようなノイズも聞こえなかった。「しばらく待ってみるか」私は6階へ下りて仕事を再開した。18:00、Web ClusterにSM7某局がレポートされた。SP-SM7がTrでオープンしているらしい。早速屋上へ上がってワッチしてみたが、聞こえてくるのは雑音だけであった。スポットされたSM7某局(JO67)はSM7の北端、これに対し、マルメ(JO65)は南端に位置する。 「やっぱりだめか?」とあきらめかけたその瞬間であった。突如その周波数に、フルスケールのシグナルが現れた。それまでボリュームを上げてワッチしていたため、私は本当に驚いた。それは期待したSPではなく、I某局のシグナルであった。いきなり強力なEsがオープンしたのである。ローカル各局よりも強いI各局のシグナルで、バンドがあっと言う間に賑やかになった。I0KNQ/P, I8JITと続けてQSOしたが、あとは既に交信済みの局ばかりであった。ワッチに徹すること30分。LZも強力に聞こえ始めた。すぐに空いている周波数を探してCQを出す。ところが10回CQを出しても応答がない。不思議に思い、再度ワッチにまわると、どうやら私がCQを出している間に、コンディションが大きく変化したらしい。先ほどまで安定して聞こえていたI, LZ各局のシグナルは、強いQSBを伴うようになっていた。しばらくバンドをスキャンしていると、SV1SIX/Bの入感に気が付いた。(後述するSK3SIX/B のように2種類のパターンが繰り返されているようだが、QSBが強く、その一方しか録音できなかった。)しかし、QSBのピークで519にしかならず、あと一歩押しが足りない。その後コンディションは徐々に低下し、バンドは何となく閉じてしまった。20:00頃から再びワッチを始めたところ、昨日、一昨日と同様に、雷のようなノイズが聞こえている。「よし、これが聞こえるとバンドが開く!」私はここ数日の経験からそう判断した。しばらくして、UR, I各局のシグナルを確認し、 「さてこれからだ!」と思ったそのとき、ヘッドフォンの外から何かが聞こえたような気がした。不安に思って屋上へ出るドアを開けると、いつの間にか外はドシャ降りの雨となっていた。「ゴロゴロゴロ、、、」やはり聞こえていたのは雷鳴であった。 今日の雷のノイズは、南の方で発生したものではなく、自分の頭の上から降ってきていた。迷わずアンテナを下ろしたのは言うまでもない。 |
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この日の成果
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2002.08.03 (Sat)明け方にドシャ降りの雨音で目が覚めた。バケツをひっくり返したような勢いで雨が降り、アパートの前の道はまるで川のようだ。日本では時々見かける光景であるが、スウェーデンでこれだけの雨がまとまって降ることは非常に珍しい。(4年半の滞在中で初めてである。)今日は午前中から研究室で仕事をしようと考えていたが、あまりの雨足の強さにビビッてしまい、あっさりと計画を変更した。雨足が弱くなるのを待って自宅を出たのは、既に14:00過ぎであった。午前中の状況から判断すれば、今日はアンテナ作業どころではなく、落ち着いて仕事に専念できるはずであった。ところが、研究室に着く頃から雨が上がり、天候は一気に回復し始めたではないか。「magic bandの女神がQRVしろと言っている!」自分勝手な私は迷わずそう解釈した(笑)。しかし、ワッチを始めても、聞こえてくるのは雑音だけで、例の雷のノイズも聞こえない。結果的に仕事に精を出すこととなった。19:00少し前、それまで比較的静かだったWeb Clusterに動きがあった。LAとSMの北部がEU全般にオープンしたようだ。早速ビームを北へ向けてバンドをスキャンすると、LA1NG(既にQSO済み)のCQが飛び込んできた。前回(2002.07.16)と同様に、そのシグナルは強く、ほとんどQSBがない。この局以外にも数局LAを確認したが、どれもみな他局のCQに応答していて、こちらからコールできない。30分ほどした頃、突如OH9SIX/Bが強力に入感し始めた。これも先日と同じパターンだ。「同じパターンだとすれば、そろそろLA1NGが消えてOHが聞こえ始める頃だ」と思っていたら、本当にその通りになった。どうやら北からのEsは、パスが北西から南東へ移動するらしい。その途中、ピーク539で入感するSK3SIX/B(SK3SIX/B は、「コールサイン、QTH、短点の連続」、「コールサイン、LOC、短点の連続」の2種類の異なるパターンが交互に繰り返されている。)を、数分間だけ受信することができた。前回はOH数局とQSOできたが、今日この時点で聞こえてきたのはOH9MRWだけであった。先日のOH各局のシグナルはあまり落ち込みがなく、比較的安定していたが、今日のOH9MRWは非常に強いQSBを伴っていた。何度もコールするタイミングを計ったが、遂に1回もコールせずに終わってしまった。20:00を過ぎ、コンディションもそろそろ下り坂かと思われた頃、再びLA とSM北部が強くオープンした。その直後、UT5G/B, YO5KWJ/B, I0JX/Bが連続して聞こえ出し、UR, YO, LZ, YU, S5, I各局、さらには、EIと思われる局(ロケーターから判断)のシグナルも確認できた。つまり、この時点で、西から時計回りに南まで、270度の範囲にバンドがオープンしたことになる。ちょうど1ヶ月前のメガトン級Esの再来かと思われた。しかし、今日のEsは、北方向以外はあまり気合いが入っていない。LAとSM北部の各局以外はQSBが強く、落ち込むとしばらく何も聞こえない。 「よし、今日は北だ!」アンテナを北へ固定して改めて戦闘開始だ。LC1PAT, SM2BYA, SM2GCQ, SM6CMU/2(厳密にはSM2CMUが正しいと思われる:免許事情の項を参照)をgetした。また、QSOには至らなかったが、KQ10(北緯70度)からQRVするLA1YCAのシグナルを確認した。(北緯70度がどれほど北の果てなのか、みなさんも一度地図で確認して頂きたい。)北方向の局を一通り片付けたところで、「そう言えば、南方向はどうなっているのだろう?」と、何気なくビームを南へ振ってみた。相変わらずQSBが強そうだが、まだ何局か聞こえている。まずは、タイミング良く浮き上がってきたところを捕らえて、YT1AUを料理した。さらにダイヤルを回すと、579で入感するCWに出くわした。「...Z3...」と聞こえたので、「ああ、OZ3のローカルか」と思ったが、何か少し雰囲気が違う。もう一度じっくり聞いてみる。「CQ CQ, Z32ZM, Z32ZM...」私は反射的にパドルに手を掛けた。次の瞬間、「SM7XQZ, UR 5NN...」、「やった!!」遂に曰く付きのZ3を撃ち落とした。Z32ZMは南部EU各局の中では比較的安定していたが、それでも10分ほどでフェードアウトしてしまった。気をよくして、再度アンテナを北へ向けてみた。北方向のEsはまだまだ絶好調だが、そろそろ帰宅の時間となった。最後にOH8Kを1局追加し、今日はQRTとした。 |
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この日の成果
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2002.08.04 (Sun)一雨ごとに季節が移り変わるのは、世の東西を問わない。一昨日までは日本のように蒸し暑かったSM7だが、昨日の大雨であっと言う間に秋が近付いたようだ。(例年SM7では、8月中旬から秋が訪れる。)例によって、仕事と無線を兼ねて、午後から研究室へと向かった。14:00過ぎにWeb Clusterをチェックすると、LY某局が「スカンジナビア、LA, SM, OH方面へのコンディションがよい」と書き込みをしている。早速アンテナを東へ降ってワッチしてみたが、何も聞こえないではないか。落ち着いて考えてみれば、「OZ」とは書いてなかった。要するにオープンしているのは「スカンジナビア北中部」という意味だ。しばらく静かなバンドを上下していると、弱いCWのシグナルを発見した。QSBのピークで何とかコールサインを確認すると、それはT90Aであっ た。すぐにビームを南へ振ると、ピークで539となった。よく聞くと「CQ TEST」と打っている。さて困った。一体何のコンテストだ。コンテストナンバーの送り方がわからない。仕方なく、しばらくワッチして、コンテストナンバーの送り方を確認することにした。ところが、そんなことをしているうちに、T90Aはフェードアウトしてしまった。しかし、ガッカリしている場合ではない。南方向にバンドがオープンしていることは確かだ。注意深くバンドをスキャンすると、あちこちでラテン系のアクセントが少しずつ聞こえ始め、さらに数分後、バンドはI, F各局のシグナルで一気に賑やかになった。IK4JPR, F5MFI, IW8ERC/IC8(IC8/IW8ERCが正しい?)とQSO。バンドが開いた当初は、真南からくるI各局のシグナルは深く周期の長いQSBを伴っていたのに対し、南西方向のF各局はほとんど落ち込みがなかった。さらに、EA(IN73)のシグナルも聞こえ始めたため、「このまま強いパスが南西へ移動すれば、未交信のCTが聞こえるのでは」と期待して、アンテナを南西へ向けて待つことにした。しかし、南西方向へ動きは見事なフェイントであった。Fに落ちている強いパスは、反対に東方向へと移動を始めたのである。同時に、Iに落ちているQSBを伴ったパスも徐々に北へと移動し、Fから移動してきた強いパスといっしょになったようだ。HB9周辺だけが非常に強く、かつ安定して入感し始めた。QRMと戦いながら、HB9TIH, HB9AAI/M, HB9DRM, HB9DDS, DF3GY, IZ1EPM, DL3GA, DK7UY, HB9PHJ, OE9NJJ, F1DZFと勢いに 乗って連続getし、一瞬だけ浮いてきたI7FMN(I中部)ともQSOした。とにかく、かなり気合いの入ったEsだ。このままOEを越えて、OK, OM, HAまで行ってもらいたかったが、OE西部が聞こえたところで急速に弱くなり、10分ほどでバンドは静まりかえってしまった。チロルの山並みは、乗り越えるには少々厳しすぎたのだろうか。その後もEU各地では、引き続きEsが開いていたようだが、SM7で再びバンドがオープンしたのは19:30のことであった。先ほどとは反対に、今度は北向きのEsだ。OH9SIX/Bがクリアーに入感し、SM北部とOH各局が強く入っている。「さて、今度は北だ!」とワッチを開始してしばらくすると、突然LZ, YU各局もその姿を現した。先日と同様に、南北両方向への同時オープンである。今回のEsは両方向とも強力で、ビームをどちらへ向けるか大いに悩んでしまった。私が高校生の頃、JA8とJR6が同時に開いて、どちらを呼ぶか悩んだのと同じだ。未交信のグリッドを優先してコールする作戦を立てた。 SM2EJE, OH8MFH, OH4RHとQSOしたところで、さらにバンドが騒がしくなった。Esが南東方向にも開き、UR各局が聞こえてきたのである。この時点で入感を確認できたビーコンは、OH9SIX/B, UT5G/B, UU5SIX/B, LZ1JH/B, LZ2CC/Bとなった。YO3KWJ/Bが聞こえなかったのが興味深い。アンテナを北へ南へ、バンドを上へ下への忙しいQRVとなった。しかし、その割には収穫は少なく、UR8QA, UR5QU, SM6CMU/2(JP97、昨日の JP95よりもさらに北へ移動)をgetするにとどまった。その後のコンディションの移り変わりは非常に面白く、まず南方向のEsが消え、ついで南東方向のコンディションが一度は低下したものの、しばらくして復活した。最後に残った北からのシグナルはほとんど衰えず、私がQRTするまで終始ガンガンの状態であった。 |
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この日の成果
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