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| スェーデンの免許事情は、その本免許を受けた当事者本人から、日本語で紹介されたことはなく、貴重な情報と思われます.日本と比べるとはるかに融通の効く?お役人様のようです.どうぞご覧下さい! |
【編註:情報はSM7XQZの免許を得られた2001年当時のものです.】
(1)資格スウェーデンのアマチュア無線には、klass 1(1級)と klass 2(2級)の2種類の資格があります。klass 2の試験は筆記(無線工学と電波法規)だ けですが、klass 1 の試験は毎分25字のCW送受信が加わります。ここまで聞くと、日本の3級と4級のように思われますが、日本の資格制度との大きな違いがいくつかあります。スウェーデンではklass 1と klass 2ともに、最大出力 1 kW(バンドによって異なる)が許可されます。資格による出力の差はありません。ただし、klass 1 はオールバンドの運用が許可されるのに対して、klass 2 は50MHz 以上しか許可されません。また、驚いたことに、klass 2 の資格でも 50 MHz以上ならばCWを運用することができます。つまり、klass 1はCW用の資格ではなく、HFに出るための資格なのです。 (2)免許スウェーデンの免許は包括免許です。日本のように従免と局免の区別はなく、一枚の紙切れに、名前、住所、コールサイン、資格が書かれているだけです。写真はありません。有効期間は10年です。また、日本と異なり、免許の登録料(?)として毎年約500クローネ(約6000円)を支払わなければなりません(2002年1月から値上げされる予定)。これは少々高いと思います。資格の範囲内であれば、どの無線機でどのバンドにQRV しても構わず、 宇宙無線通信に関しても、特別な許可は不要です。 (3)50 MHz 用の特別免許先に述べたとおり、klass 2を持っていれば50MHzを運用することができます。しかし、50MHzは他のバンドと異なり、予め特別な申請が必要です。 スウェーデンの一部では 48MHz がテレビ放送に利用されているため、地域によっては50MHzが許可されません。免許の申請の際には、次のいずれかの方法で、アンテナの位置を正確に届け出る必要があります。 1)北緯、東経表示 2)GPS 測定による X-Y コーディネート表示 3)5万分の1の地図にアンテナの位置を示す 申請が受理されると、アンテナの位置を明記した、50MHz専用の免許が交付されます。他のバンドと異なり、50MHzは移動(ポータブル)運用が認められません。何と、鈴木先生お得意の「迎撃」は、スウェーデンでは禁じ手なのです。50MHz特別免許の有効期間は、通常免許の10年なのに対して、2年と短くなっています。50MHz特別免許を所有すると、通常免許の登録料だけでなく、特別免許の登録料(一般免許とほぼ同額)がかかります。そのためか、スウェーデンでは 50MHzはあまり人気がなさそうな雰囲気です。私は、自宅の他に、研究室のあるビルの屋上をアンテナの設置場所に指定して、2カ所で50MHzの運用許可を得ました。アンテナの設置場所が複数でも、登録料は変わりませんでした。出力はアンテナの場所によって制限があり、最高で500Wです。私は 200Wの許可を得ました。 50MHzの特別免許については、SM7AED局のホームページに、詳しい記載があります。 http://www.algonet.se/~sm7aed/pts50.htm (4)コールサインご存じの通り、スウェーデンのプリフィックスはSMです。エリアは0から7まであり、全エリアで同一のサフィックスはひとつしか存在しません。つまり、私のサフィックスXQZは私だけのものであり、SM?XQZ はすべて私を意味します。もしも、私が1エリアに引っ越した場合、私はコールサインを SM1XQZ に変更して運用します。この変更は完全に自動的で、変更申請等の手続きは一切不要です。また、夏休みの間だけ2エリアにある別荘から運用する場合も、SM2XQZとして QRV します。(編註:お隣の韓国でも同じですね.)日本では、「JG2GSY/1固定」、つまり 、「免許上の常置場所は2エリアだが、現在1エリアのアパートから固定で運用している」という状況が存在しますが、スウェーデンで「SM7XQZ/1」と言えば、それは、「1エリア内で本当に移動運用中」を意味します。また、通常のコールサインの他に、別料金(毎年100クローネ)を払えば、誰でも2X 1形式の コンテスト用の、短い特別コールサイン(SM1A、7S2B、8S3Cなど)がもらえます。この特別コールサインは、先に誰かに使われていない限り、希望したコールサインがもらえます。 余談1: 私は、一度だけ同じサフィクッスの人(JJ2GSY)とQSO したことがあり、 その時は何とも言えない親近感を覚えました。その感動は、スウェーデンでは味わえないようです。 余談2: 私が開局した頃の2エリアでは、2年でひとつのプリフィックスが終了していました。コールサインの再割り当てが始まる直前頃では、1年1プリフィックスのペースであったと記憶しています。しかし、スウェーデンでは、未だにひとつのプリフィックスさえ使い切っていません。スウェーデンのアマチュア無線連盟(SSA)に尋ねたところ、現在発行されている有効なコールサインは、スウェーデン全体で12000強、そのうち8000ほどがアクティブにQRV しているとのことでした。スウェーデンの人口は約900万人で、日本の人口の約14分の1です。スウェーデンはひとつのプリフィックスしか持たないのに対して、日本には全エリア合わせて140弱のプリフィックスが存在します(自分で計算しました)。日本はスウェーデンに対して、人口比では14倍、コールサイン比では140倍と考えると、日本人の方が10倍アマチュア無線に興味を持っていると結論してよさそうです。日本で街を少し歩けば、必ずアマチュア無線のアンテナのひとつやふたつは見つけることができます。しかし、私は人口25万人のマルメに4年住んでいますが、今まで3回しかアマチュア無線のアンテナを見たことがありません。コールサインはSSA発表のコールサインの発給状況を見る限り、機械的に発給されているようです。しかし、相手はスウェーデンのお役所です。あくまで私の個人的な予想ですが、必死に頼めば、もしかしたら、コールサインを選ぶことができるかもしれません(!?)。 (5)日本の免許でスウェーデンの免許を取得するには日本とスウェーデンは相互運用協定を結んでいませんが、日本の免許を持っていれば、スウェーデンの免許は簡単に得られると思います。しかし、長期滞在者と旅行者では、少々事情が異なります。私のような長期滞在者に対しては、SM7XQZ のようにスウェーデン人と同じコールサインが発給されます。私の場合、まず最初に、ストックホルムの Post & Telstyrelsen(郵便通信省)のアマチュア無線担当者へ手紙を送って、日本の免許でスウェーデンの免許を取得できるかどうかを尋ねました。2週間ほど過ぎたある日、いきなり専用の申請書が送られてきました。と言うことは、免許がもらえるのだろうと理解しましたが、念のため担当者に電話をかけて確認したところ、「Japan, OK!」という明確な返事が返ってきました。送られてきた申請書に必要事項を記入して、日本の電監で発行してもらった従免(1級)と局免(10 W)の英文証明を提出しました。通常免許と50MHz の特別免許を同時に申請したところ、通常免許は3週間ほどで届きましたが、50MHzの特別免許は審査に少々時間がかかるようで、1ヶ月半ほどで運用許可が出ました。私は日本の従免1級を持っているので、当然 klass 1 がもらえるものと思っていましたが、最初に私に与えられたのは klass 2の免許でした 。「局免が10W までの免許だったために、klass 2 しか許可されなかったのかもしれない」と考え、スウェーデンのアマチュア無線連盟(SSA)に問い合わせたところ、「それは何かの間違いだろう」、「日本の1級を持っていれば何の問題もないはずだ」と言われました。そこで、再度 Post & Telstyrelsen の担当者に手紙を送り、「日本の1級を持っているから、 klass 1 をくれ」と頼んだところ、今度はあっさりと klass 1 の免許が届きました。どうやら、SSAの言う通り、単なる手違いだったようです。最初から申請書に「klass 1 がほしい」と明記しておけば、ことようなトラブルは避けられたかもしれません。先にも述べた通り、klass 1 は毎分25字のCWを必要とします。日本の1級、2級はもちろん、おそらく、3級の従免があれば、 klass 1 の免許が発給されるのではないでしょうか。 申請先: Eva-Lisa Johansson(アマチュア無線担当の気さくなおばちゃん) Post & Telstyrelsen BOX 5398 SE-10249 Stockholm Sweden 旅行などの一時的な滞在中の免許については、SM6/JR4QZH局の例がインターネットで紹介されています。 http://www.qtc-japan.net/2001/10_reading/jr4qzh/unyo.htm 申請の手続きは、基本的に私の場合と変わりません。しかし、一時的な免許の場合、「何日から何日までどこに滞在するか」を明らかにして申請する必要があると思われます。 余談: SM6/JR4QZH局の例をインターネットで見つけるまでは、正直言って、旅行者に対する一時的な免許の発給は困難であろうと考えていました。その理由は、スウェーデンという国のシステムにあります。スウェーデンでは、住民登録をした人(1年以上滞在する人)全員にパーソナルナンバー(国民背番号)が与えられます。スウェーデンで何かするときは、いつもこのパーソナルナンバーが必要で、これがないと日常生活に支障が出ます。例えば、電気、電話、銀行のすべてが、パーソナルナンバーがないと利用できません。当然のことながら、アマチュア無線の免許申請書にもパーソナルナンバーを記入する欄があります。よって、私は「1年以上滞在しない人(パーソナルナンバーのない人)には免許が与えられないのではないか」と考えていました。しかし、スウェーデンのお役所は、日本のそれと大きく異なり、我々の話をよく聞いてくれて、頼めば何とかしてくれます。日本では信じられないことですが、何かの書類を期限までに提出できなくても、「ごめんなさい、忙しかったのです」と言えば、ほとんど許してくれます。SM6/JR4QZH局の免許に関しても、担当者が良きに計らってくれたのではないかと思われます。 |
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Tomio YAMAZAKI, M.D.(SM7XQZ esJG2GSY) & Hideki SUZUKI, M.D.(JN1BPM) ,2002