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| 山崎先生の運用記です.記されている時間は特に断りのない限り現地時間です. |
| 編註;先生からいただいた音声ファイルは 小生がMP3形式に編集しております.概ね100KB以下です. なおビーコンにつきましては、こちらにまとめてあります. |
バーミンガム
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![]() 地図はFLand-Ale(英語版)で作成しました. |
2003.07.10 (Thr)コペンハーゲン経由でバーミンガムへ到着。予約してあるホテルへ着くと、そこはバーミンガムで一番のショッピング街の一角で、鉄道の駅から歩いて3分というロケーションであった。普通の旅行客ならば最高のロケーションかもしれないが、私はノイズレベルが気になった(笑)。チェックインの際、南向きに窓のある部屋をリクエストすると、フロントの姉ちゃんは快く応じてくれた。7階の部屋に陣取り、早速 あれこれとチェックを始めると、何と小さなバルコニーまであるではないか。アンテナの設置には何の問題も見当たらなかった。次に、備え付けの机の上を整理して、リグを置く場所を作った。「ここにリグを置いて、電源コンセントは、、、えっ!!」 次の瞬間、私は呆然と立ち尽くした。「電源コンセントの形が違う、、、」イギリス式の電源コンセントはスウェーデン式(=大陸式)とは異なることは知っていたが、 大きなホテルではどちらも使えると聞いていた。手持ちのスウェーデン式のアダプターを無理矢理に差し込むこともできそうであったが、それが原因でトラブルを生じても仕方ない。今日はあきらめて寝ることにした。 |
2003.07.11 (Fri)今日の午後遅くから学会の受付が始まり、発表と討論は明日から7日間続く。よって、バーミンガム滞在中、まとまった時間がとれるのは今日だけだ。時差ボケの頭に喝を入れ、朝食後すぐに近くの電気屋へ出かけた。予想通り、電源コンセントのアダプターは簡単に見つかった。これでQRVに必要なものはすべてそろったことになる。 「早速ホテルへ戻ってQRVだ!」ベランダで意気揚々とアンテナ作業を始めると、1年前の興奮が一気に蘇ってきた。「さあ、ワッチするぞ!」ポールの先にDPを取り付 け、ベランダから外へ1メートルほど突き出した。「さあ、次はリグだ!」部屋の中に戻って、カバンからFT-817を取り出そうとしたそのとき、予期せぬ事件が発生した。突如、ものすごい音量でサイレンのような音が鳴り響いたのである。「何だ!?」、「火災報知器!?」慌てて廊下に出てみると、天井のスピーカーから耳に突き刺さるような不快な警告音が発せられている。「とにかく、一度ロビーまで下りた方が良さそうだ!」非常階段に通じるドアを開け、階段を一歩下りた瞬間、私は3秒ほど立ち止まって考えた。「まさか、アンテナ、、、?」私の部屋のすぐ下は歩行者天国になっていて、常に多くの人で賑わっている。私は、アンテナを見つけた誰 が不審に思って警察に通報し、テロリストか何かと間違われたのではないかと心配になった。「このサイレンは特殊部隊突入の合図かもしれない!」、「マズい!!」私はすぐに部屋に引き返し、速攻でアンテナを下ろし始めた。さすがはコンパクトな移動用DPアンテナだ。撤収が完了するまで要した時間は2分であった。「これで大丈夫だ!」再び非常ドアを開け、わざとらしいほど落ち着いた足取りで階段を下りて行っ た。しかし、4階まで下りると、何だか焦げ臭いにおいがするではないか!「マジかよ!!」何と本当の火事であった。先ほどまでの落ち着いた足取りはどこへやら、4 階からは一気に階段を駆け下りた。その直後、階段を駆け上がってくる消防隊のメン バーとすれ違った。「もう大丈夫だ!」、「慌てずにゆっくり下りてくれ!」消防隊の落ち着いた言葉遣いに、私も落ち着きを取り戻した。指示通りゆっくりとロビーまで下りて行くと、既にロビーは避難した多くの宿泊客でごった返していた。「あんたが一番最後よ!」、「この騒ぎの中で寝てたとでも言うの!?」いきなりフロントの姉ちゃんが呆れた口調で私にそう言った。どうやら、彼女は避難した宿泊客の人数をチェックしていたらしい。心配をかけたことを丁重に詫びておいた。(もちろん「アンテナを片付けていて遅くなった」とは言わなかった。)20分ほどして、やっと各 自の部屋に戻ることが許可された。2階のレストランで小火があったが、消防隊が到 着したときには既に鎮火していたそうだ。「やれやれ、、、」部屋に戻った私を強い疲労感が襲っていたが、そこは気を取り直して、もう一度アンテナ立て、予定よりも 30分ほど遅れてワッチを開始した。ワクワクしながらリグの電源を入れ、期待を込めてダイヤルを回す。しかし、私の耳に飛び込んできたものは、久しぶりのEsのシグナルではなく、S7-8の強烈なノイズであった。(アンテナはそのままで)他の周波数も聞いてみたが、皮肉なことに18 MHzと50MHzだけノイズレベルが高いことが判明した。強いシグナルならば聞き取れそうだが、とにかくノイズが煩わしくて長時間ワッチする気にならない。10分ほどノイズと格闘してみたが、Esが開く雰囲気はなく、 あっさりと降伏してQRTした。その後、午後と夜に1回ずつワッチしてみたが、ノイズの強さに変化は認められなかった。「こりゃぁ、M/SM7XQZ/Pは無理かな、、、?」 1年ぶりのEUのEsを楽しみにしていた私は、とても暗い気持ちになった。 |
2003.07.13 (Sun)午前中の学会は興味深い発表ばかりで休む暇もないほど忙しかったが、午後になって2時間ほど暇な時間ができた。急いで昼食をとり、迷わずホテルへ直行した。一昨日のワッチでホテル周辺のノイズレベルが異様に高いことは承知していたが、フルスケールのEsならばノイズよりも強いと考えた。ベランダからポールを伸ばし、今回はZeppアンテナをぶら下げた。あまり期待せずにダイヤルを回すと、突如「ガン!」と入感するシグナルがあった。気合いを入れ直してワッチする。「CQ contest. This is IW5BML/P.」彼とは昨年2回QSOしている。「そうか、7月中旬の週末はイタリアの6Mコンテストがあった(2002.07.13-14の運用記参照)」1年前はEsが全くオープンせず、完全に期待外れのコンテストになってしまったが、今年はタイミング良くEs が開いているようだ。遂にマイクに手をかける瞬間がやってきた。「M/SM7XQZ/P」、 緊張の一瞬の後、「Mike station again?」と返ってきた。2回コールサインを繰り返してスタンバイ。「M/SM7XQZ, you are 59-082, JN62PI.」、「Roger, you are 59-001, IO92BL. QSL?」、「QSL, 73! QRZ .....」かくして、SM7XQZのコールサインで久しぶりのQSOは終了した。しかし、調子に乗ってダイヤルを回してみたが、残念 ながら他に聞こえてくる局はなく、再びノイズとの戦いが始まった。「DPで水平偏波 にしたらノイズが減るのでは、、、?」ふとそう思った私は、アンテナをZeppからDPへ交換してみたが、現実はそれほど甘くはなかった。しばらくしてIW5BMLのシグナルが少しずつ弱くなり始めた。「もうこのEsも終わりだな」既にQRTモードに入りつつあった頃、バンドの下の方でCWのシグナルを発見した。それはI某局と交信するG3KPTであった。相手のI某局はかけらも聞こえないが、G3KPTは599で入感している。QTHはバーミンガムと打っている。やはりローカルのシグナルであった。少し離れた周波数で、私もCWでCQを出すことにした。誰かがコールしてくることを期待したのではなく、今回のために購入した新しいパドルに慣れるための練習が目的であった。2回目のCQの後、「?」と打ち返されたが、そのシグナルの強さから、先ほどのG3KPTではないかと予想できた。「QRZ? DE M/SM7XQZ/P, M/SM7XQZ/P, K.」「DE G3KPT .....」やはりそうであった。ラバースタンプQSOで終わるかと思いきや、「旅行か?」などと込み入ったことを聞かれてしまい、激しいノイズの中で必死に応答する羽目になった。新しいパドルの練習にはちょうど良かったが、わずか数分の交信でドッと疲れてしまい、そのままQRTとした。 |
2003.07.14 (Mon) - 17 (Thr)朝から夕方までは学会に参加し、夜はスウェーデン留学中の元同僚たちと夕食に出かける日が続いた。学会場の一角に無料のインターネットコーナーがあり、 休憩時間中に何回かWeb Clusterをチェックしてみた。しかし、いつ見ても期待できそうな情報はなく、安心して学会に集中することができた。バーミンガムとマルメ間はかなり距離があるため、バーミンガムでEsをワッチすれば、昨年マルメで聞くことのできなかったビーコンが受信できるのではないかと期待 していた。しかし、結果的には火災報知器に驚かされ(笑)、ノイズに悩まされただけで、M/SM7XQZ/Pは大した成果は上げられなかった。残念!! |
| バーミンガムでの結果 M/SM7XQZ/P@IO92BL total 2 stations in 2 entities; I, G |
番外編:手荷物検査 |
| 今回の旅行中、各地の空港で計4回の手荷物検査を受けた。精密機械である無線機は必ず機内へ持ち込んでいるが、X線検査で引っかかることが多く、いつも心の準備をしている。最初の名古屋空港では、カバンからFT-817を取り出して見せただけで、それ以上調べることもなくOKが出た。成田空港では、検査台のベルトコンベアが一瞬止まり、検査官がX線の画面を覗き込んだものの、何も言われずに通ってしまった。バーミンガム空港で検査を受けたときは、X線の画面に映し出されたリグ、マイク、パドルに検査官の目が釘付けとなった。
何か言われる前に「アマチュア無線の機械です」、「どうぞ、カバンを開けて確認して下さい」と申し出ると、別の検査官が現れ、私の目の前でそれらをチェックすることになった。まずはリグを取り出して見せると、検査官は一応はそれを手に取ったが、詳しく検査する訳でもなく、すぐにOKと言った。彼は次
に出てきたマイクには、一瞥を与えただけであったが、カバンの中にパドルを見つけるや否や、すぐに「これはモールスか?」と尋ねながら、楽しそうにパドルをカチャカチャと操作(捜査ではない!)し始めた。「うーむ、結構です
」と満足そうに無罪放免を言い渡したが、検査官が個人的にパドルに興味を持って遊んでいたことは誰の目にも明らかであった(笑)。私も笑いながら「ご苦労さま」と声をかけて通りすぎた。最後のコペンハーゲン空港では、リグ一
式を予め別の小さなカバンに入れ、目視検査に即対応できるようにした。この空港では大型のニッカド電池が検査に引っかかって苦労した経験がある(TF/ SM7XQZ/P運用記参照)。リグの入ったカバンをX線装置に通す前に、「無線機が入っています」と告げると、「ああ、大丈夫、大丈夫!」とあっさりと言われ、その言葉通りに本当にフリーパス状態であった。「せっかく準備したんだ
から、少しは見てくれよ!」と思ったが、藪蛇になっても困るので、素直に通らせて頂いた。要するに、手荷物検査に引っかかるかどうかは、その場の検査官によって状況が大きく異なるようだ。 |
| 【編註】この検査官、単に無線家だったんじゃ・・・?? |
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Tomio YAMAZAKI, M.D.(SM7XQZ esJG2GSY) &
Hideki SUZUKI, M.D.(JN1BPM) ,2003