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| 山崎先生の運用記です.記されている時間は特に断りのない限り現地時間(冬季なのでUTC+1時間,JST-8時間)です. |
Magic Band in Sweden (4) |
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| 編註;先生からいただいた音声ファイル(AIFF形式)は 小生がMP3形式に編集しております.概ね100KB以下です. なおビーコンにつきましては、こちらにまとめてあります. |
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昨夜から激しい雨が降り続いていた。「アンテナ作業が大変だな」、それを思うと、研究室へ向かう足取りが重くなる。意を決して屋上に出ると、何と数分前の大粒の雨が嘘のように小降りになっている。
「今日は何かよいことが起きそうだ!」、そんな予感がした。Web
Clusterでも南部EUから、JA, ZL, V7, EXなどがレポートされている。これらが北部EUまで上がってくることを期待してワッチを続けたが、私の予感は最後まで予感で終わってしまった。SM7では、EY8CQが3分間だけ519で入感しただけだった。 |
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この日の成果
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2002.02.13 (Wed)今日は最初から、昨日と同じ作戦で行くことにした。朝一番から仕事を始め、時々Web Clusterをチェックして、バンドがオープンし たら屋上に上がる計画であった。しかし、仕事が忙しく、結局一度も屋上へは上がらなかった。Web Clusterでは8Q7JE (OP. JE1NCP) がEU各地からレポートされていた。SM7で聞こえていたのかどうか、 自分の耳で確認できなかったのが少々心残りである。もしも聞こえていたら、「こんにちは!SM7XQZです、どうぞ!」と日本語でコールすれば、EUのパイルの中でも目立ったのではないだろうか。でも、 それって、卑怯かな? |
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2002.02.14 (Thr)今日はミーティングの日である。本来ならばQRVしない日であるが、 朝一番のWeb Clusterが私を大きく誘惑した。JA, EUの双方から UN1SIX, EY8CQ, VU2LOがレポートされている。「今日は要注意だ!」、 私はミーティングが一刻も早く終わることを願った。ミーティング終了後、すかさずWeb Clusterをチェックすると、JA-OH, ONがSc でレポートされている!今日は帰りが遅くなる(仕事を始めるのが 遅くなる)ことを覚悟して、一気に屋上へと駆け上がった。今日は無風快晴。どこを見ても雲一つない。海の向こう側のコペンハーゲンもくっきりと見えている。magic showには最高の日和だ。アンテナを立て、ワッチを開始するまでの約10分が、まるで1時間のよう にもどかしく感じられた。期待を込めて、無線機に一礼してから電源を入れた。YU, DLがback Scで聞こえてくる。しかし、目的のJAはもちろん、UN, EY, VUさえも影も形もなかった。ワッチを始めたばかりだというのに、back Scもぐんぐん弱くなっていく。どうやら、祭りは既に終わっていたようだ。しばし呆然、、、。「あと30分 早ければ、、、」と悔やんでみても、文字通り「後の祭り(祭りの後?)」であった。(今日SM7にパスがあったかは不明。)バンドは完全な静寂に包まれた。しかし、あきらめずにワッチを続けること 10数分、バンドのあちこちで少しずつバズ音が聞こえ始めた。 さらに10数分後、UN7GMのCQが入感。それまで聞こえなかった UN1SIXも聞こえ始めた。コンディション再上昇の予感に、ローカル各局がCQ DXを繰り返す。EUのback Scも再び聞こえてきた。10:49 遂にDU1/GM4COKのシグナルを確認。緩やかなQSBをともないながら、519-539で入感している。コールバックを聞いていると、EUの割と広い範囲で開けているようだ。何度かコールしてみたが、全くピックアップされる気配がない。さすがにローカルのbig gun各局は次々とピックアップされていく。しかし、彼らの設備をもってしても、 559のレポートを送っている。「こんな設備では論外か?」、私の自信が徐々に失われていくのに合わせるかのように、DU1/GM4COKの シグナルも弱くなっていく。既に約30分が経過していた。どうやらオープンも終わりに近付いたようだ。DU1/GM4COKがCQを出し始めた。 しかも連続して空振りしている。「ここを逃したら、二度とチャンスはない!」、私は必死にコールを続けたが、このとき既に DU1/GM4COKは419-519となっていた。何回目のコールだっただろうか、私はパドルをミスタッチして「SM7XQ7」と打ってしまった。すると、 「QRZ, 7?」というコールバックが聞こえた。怪我の功名とばかりに、 「SM7XQZ, SM7XQZ」、今度は慎重に2回コールする。すると、 (私にとっては)信じられないことが起きた。何とDU1/GM4COKは私のCWスピードに合わせるかのようにQRSしたのである。 「QRZ, 7, QZ?」もう私に間違いない。パドルを持つ手が震える。 何とかして私をピックアップしようとする彼の心遣いに感謝しながら、 再度2回コールを繰り返す。そしてスタンバイ。「SM7XQZ, UR 419, BK」、 「R, UR 519, BK」、 「,,,,(10秒ほどの沈黙),,,,, TU, DE DU1/GM4COK, QRZ?」 一応QSOは終了した。しかし、彼は私が送ったレポートは受信できていないかもしれない。後は「not in the log」とならないことを祈るだけである。私とQSOした直後、DU1/GM4COKは遂にその姿を消した。「あと数分遅かったら、、、」、「彼が親切な人でなかったら、、、」「これも一種のmagicか?」などと事後満足していると、何と数分後にDU1/GM4COKが復活したではないか!しかも、 前よりはるかに強く(579-599)!「やられた!こっちが本当の magicだ!」一旦フェードウトしてしまったためか、まだ誰も DU1/GM4COKの復活に気付いていない。CQの空振りが続く。私は悩んだ。「もう一度コールするべきか?」今コールすれば楽勝で QSOが成立することは明らかである。「しかし、それは、先ほど 必死に私をピックアップしてくれた彼の好意を踏みにじることにならないか」、私はパドルに手を掛けたまま数分間自問自答を繰 り返した。さすがにEU各局もDU1/GM4COKの復活に気付いたらしく、 再び巻き起こったパイルが徐々に大きくなっていく。「彼の好意を信じよう」そう決心してパドルから手を離した次の瞬間、何と DU1/GM4COKはSSBでQRVし始めた。「Lucky! SSBならもう一度コールしても許されるだろう!」喜んでマイクを握ったが、既にパイルは大きく膨れ上がっていた。全く歯が立たない。何度かコールしているうちに、まだパイルは続いているにもかかわらず、DU1/GM4COKが連続して「QRZ?」と言うようになった。どうやら(ノイズか何かで)受信状況が悪くなった様子だ。その後、DU1/GM4COKはCW, SSB を交互に切り替えながらQRVを続け、12:00頃にフェードアウトした。今日のmagic showは第1部こそ逃したが、第2部は十分に堪能できた。 追伸: QSOの直後にDU1/GM4COKにメールを送り、粘り強くピックアップしてくれたお礼を伝えたところ、すぐに返事が届いた。彼も私とのQSOを印象深く覚えていて、メールには「We made it!」と記されていた。 やはり彼はいい人だ。 |
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