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| 山崎先生の運用記です.記されている時間は特に断りのない限り現地時間です.(10月末よりは冬時間になり、UTC + 1 hr, JST - 8 hr となりました.) |
Magic Band in Sweden (32) |
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編註;先生からいただいた音声ファイル(AIFF形式)は 小生がMP3形式に編集しております.概ね100KB以下です. なおビーコンにつきましては、こちらにまとめてあります. |
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2002.11.20 (Thr)昼前からWeb Clusterが突然忙しくなり、私の知らないプリフィックスで画面が一杯になった。「C56R, C56RF, C56JHF, XT2WP.....どこ?」すぐにプリフィックス一覧表を確認し、C5がガンビア、XTがブルキナファソであることを知った。これらの局が一斉に入感している中南部EUの大混乱が、コンピューターの画面から伝わってくるようだ。西はEIから東はYOまで、これだけ広い範囲が同時にオープンすることは珍しい。例によって北部EUは完全に仲間はずれにされ、パスがOZに届く雰囲気さえ感じら れない。しかし、恐ろしいことに、最近はそういう状況にも慣れてしまった(笑)。 「ふーん」としか思わないのである。しばらく画面を眺めていた私は、ある意外な事実に気が付いた。EA, CTからは全くレポートが上がっていないのである。普段は美味 しい思いをしているイベリア半島各局であるが、今日ばかりは指をくわえて画面を見ているに違いない。さて、南と東からの伝搬が中南部EUの特権ならば、我々北部EU各局の専売特許はAuである。一昨日、短時間ではあるがAuが開いている。Au一日おきの法則に従えば、今日は夜明けの女神がやってくる日だ。午後遅くに、期待しながらオーロラの活動状況をチェックしたが、アクティビティーはそれほど高くなかった (level 7)。「今日はAuはオープンしない!」自信を持ってそう結論し、夕方から同僚とバドミントンをすることにした。1時間のプレーで体重が3キロ近く減少するほどの激しいバドミントンを終え、フラフラになって帰宅したのは20:30。メールチェックのついでにWeb Clusterを覗くと、何と、画面中が夜明けの女神の噂で持ちきりであった。東西、南北ともに、これだけ広い範囲からAuのレポートが出るのは見たことがない。大オープンはまだまだ続きそうな気配ではあったが、残念ながら、私には研究室に戻るだけの体力が残されていなかった。 |
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2002.11.21 (Wed)今日はWeb Clusterの進みが遅い。C56R, XT2WP, 9L1ABがレポートされているが、どれも単発で、コンディションは長続きしないようだ。特に大きな動きもないまま1日 が終わるものと思われたが、午後の休憩中に見たオーロラの活動状況は、比較的高い値を示していた(level-8-9)。すぐにWeb Clusterで144MHzの状況をチェックすると、144MHzでは既に昼過ぎからAuが炸裂している。今日だけはAu一日おきの法則が外れることを祈り、少し遅くまで研究室に残ることにした。16:00少し前、「そろそろAuが開きそうな時間だ」と考え、再びオーロラの活動状況を見てみたが、期待に反してlevel 7と低下していた。「やっぱり今日は早く帰るか?」そう思い始めた瞬間であった。「55A jo59/jo54 hrd」OZ某局がLA某局をスポットしたのである。「待ってました!」すぐにアンテナを立ててワッチすると、LA2局がCWでザーザーと聞こえている。しかし、今日のAuはあまり迫力がなく、CWなら何とか交信できそうという強 さである。SSBで別のLA2局が聞こえたが、SSBではかなり苦しそうだ。LA各局に応答 しているES, OH某局のシグナルも聞こえることは聞こえるが、まるで蚊の泣くようなシグナルで、コールサインを確認するのも一苦労である。OZ各局のCWも、今日はGwによる通常のトーンでしか聞こえない。(強いAuが発生すると、OZ各局はGwとAuのシグナルが重なって聞こえる。)今日はこれ以上のコンディションは無理だと判断した。 さて、何とか交信できそうなのはLAだけであるが、QRVしている4局はすべてAuで交信済みである。他にQRVしている局がいないかと探し回ったが、ただ空しく時間が過ぎるだけであった。16:45頃、50.092で非常に弱いCWを発見した。21A-31AではQSOできるとは思えなかったが、他にすることもないので、何とかコールサインだけはコピーしようと、しばらくそのシグナルに集中してワッチした。しかし、5分ほど費やしてみたものの、コールサインの中に「8」があること以外は何も判別できなかっ た。「こりゃダメだ!」と諦めモードに入りつつあった頃、50.092を受信中に他局のCQがザーザーとかぶってきた。コールサインの最初が「O」であったため、「ああ、 OZのローカルか」と思ったが、よく考えてみれば、今日のOZ各局はザーザーとは聞こえない。「ではOHか?」いや、それもあり得ない。今夜のOH各局はコールサインが判別できるほどの強さはない。「じゃあどこだ?」急いでダイヤルを50.093へ合わせる。次の瞬間、私は一気にやる気モードへと切り替わった。「CQ CQ A, DE OY9JD OY9JD K.」今まで巡り合わせが悪く、何度も逃してきたOYが目の前にいる!「絶対に getだ!!」完璧なタイミングでコール。しかし、反応がない、、、。数秒してから再びCQが聞こえてきた。「全く聞こえていない訳ではない!」、「今の一瞬の沈黙は、自分のシグナルが届いた証拠だ!」そう信じて再びコールする。すると、GM某局 がピックアップされ、レポートは55Aを送っている。「ちょっと苦しいか、、、?」 私のところでは、ほぼ51A、時々53Aという強さであった。GM某局とのQSO後、ES某局がコールしてQSOに入った。今度も55Aだ。しかし、私は諦めなかった。「パイルさえなければ、自分のシグナルは届くはずだ!」ES某局が73を送った直後に祈りを込めて3度目のコール。今度は間髪をおかず「?」と返ってきた。「絶対に自分だ!」2回 コールサインを繰り返してスタンバイ。「SM7XQZ, GE, UR 52A 52A, BK.」、「やっ た!!」右手でパドルを操作しながら、左手で小さくガッツポーズ!念願のOYを打ち落とした瞬間であった。「今日はもうこれで十分だ」QRTを決めた私の心を、夜明けの女神も読みとったのだろうか。OY9JDとのQSOの直後からコンディションが下がり始め、10分ほどでバンドは静まりかえってしまった。あまり迫力のない小オープンではあったが、貴重なnew entityをプレゼントしてくれた女神の計らいに、私は感謝の気持ちで一杯であった。 |
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この日の成果
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2002.11.22 (Fri)今日もまたAF旋風が吹き荒れたようだ。XT2WP, C56R, C56JHF, 9L1ABが中南部EUで何時間も大暴れし、XT2WPは昼頃にOZまでやってきたと言う。私自身は忙しくて全くワッチできなかったが、明らかに一昨日をはるかに上回るコンディションだ。感心しながらWeb Clusterの画面を見ていると、例の同僚が側を通りかかった。ふと気になった私は彼に尋ねてみた。「お前、今日のランチはあのイタリアレストランへ行かなかったか?」、「えっ、何で知ってんの!?」やはり、そういうことであった (笑)。本当に偶然とは思えない。 |
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2002.11.23 - 24 (Sat - Sun)週末はあちこちへ出掛けていて、あまりワッチする時間がなかったが、SM7ではとにかく何も入感しなかった。最近話題のAF各局は連日姿を見せているようであるが、スカンジナビアの気候は彼らには寒すぎるのだろうか。今回も、DL北部あたりでお帰り になったようだ。 |
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2002.11.25 (Mon)外は強い風が吹き荒れたが、バンドは無風快晴。今日は安心してバドミントン を楽しんだ。 |
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2002.11.26 (Tue)夕方、Web Clusterを開いてみて驚いた。13:30頃からおよそ3時間にわたって 、C56Rがビッシリと並んでいる。南はIから北はOHまでほぼ同時にバンドがオープンしたようで、OZ, SM7からもレポートが上がっている。こんな日に限っ て、私は所用で研究室を離れていた。自分の運のなさを恨みながら仕事を始めると、「NAC」という文字がWeb Clusterに現れた。「そうか、今日はNordic Activity Contestの日か!」しかし、私の反応は極めて鈍かった。8月末のNACではまあまあのアクティビティーであったが、月が進むにつれて参加局が少なくなり、今夜の状況が容易に想像できたのである。「さあ、仕事、仕事! 」私は今夜のNACに参加する気は全くなかった。そう、あの書き込みを見つけるまでは。「ON4ANT 50190 OH0JFP, Great signs as usual」私はその画面を 見てしばらく悩んだ。この時期にEsはあり得ない。しかし、通常のGwでは距離がありすぎる。では、Trか。TrならばOH0とONの中間点にあるSM7でも聞こえている可能性がある。「ここで考えていても仕方ない!」私は先程までの決心を あっさりと捨て、ワッチしてみることにした。果たして、アンテナをOH0へ向 けてダイヤルを合わせたが、何も聞こえてこない。もう一度Web Clusterをチ ェックしてみると、ON4ANTはさらにSM3, SM1某局もスポットしているではないか。「彼の巨大なアンテナのなせる業か?」さらにWeb Clusterを詳しく見る と、PA-OZがTrでオープンしているとある。様々な情報を総合した結果、どうやらSM中部からスカンジナビア半島の走行に従って、G, ONあたりまで強いTrが発生しているらしい。私はもう一度屋上へ上がってワッチしてみた。そして 、残念なことに、マルメがギリギリでTrの外にあることを確認した。何かの拍子にパスが少しだけ移動すると、突如SM0, SM3各局が55で入感するが、それは10秒とは続かなかった。ON, Gのシグナルも数秒間だけ受信できたが、それではQSOには至らない。マルメの対岸のOZ各局が、これらの局に55(9)を送るのを聞いて、「もういい!勝手にやってくれ!」とQRTを決意した。すると、「じゃあ、勝手にやらせてもらいます」と言わんばかりに、今夜のWeb Cluster はNACのレポートで大いに盛り上がったようだ。 |
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