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| 山崎先生の運用記です.記されている時間は特に断りのない限り現地時間です.(10月末よりは冬時間になり、UTC + 1 hr, JST - 8 hr となりました.) |
Magic Band in Sweden (29) |
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編註;先生からいただいた音声ファイル(AIFF形式)は 小生がMP3形式に編集しております.概ね100KB以下です. なおビーコンにつきましては、こちらにまとめてあります. |
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2002.11.05 (Tue)久しぶりに早朝のWeb Clusterで中央アジア(EX)のコールサインを見た。EX-JA, A4-JAがスポットされている。このようなときは、EUからも東方向のオープンが期待できる展開だ。A4, 9M, VKが南部EUからレポートされ始め、雰囲気は一気に盛り上がった。「もう少しだ!頑張れ!」と東の空に向かって念力を送り続けたが、そんな努力のかいもなく、パスはSPまでで止まってしまった。 |
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2002.11.06 (Wed)08:40頃にUR-VKがWeb Clusterにレポートされ、SP某局も9M TVの入感を報告した。EU 各局は、VKの入感地域の拡大と9MのQRVに大きな期待を寄せたことだろう。ところが、いくら待っても何の動きもない。「すべては見かけ倒しか、、、?」と思い始めたそのとき、衝撃的な展開が待っていた。YA-SP, YA-DL、南部EUを飛び越えていきなりのオープンが報告されたのは、およそ1時間後のことであった。ほぼ同じ頃、I, 9A, SPからVK入感のレポートが上がり、9A-JAもScでQSOできたようだ。しかし、私は 「屋上でワッチ」->「何も聞こえない」->「Web Clusterをチェック」->「屋上でワッチ」という一連の行動を空しく1時間ほど繰り返すだけであった。「今日はマルメ周辺までパスは北上しないのでは、、、」そんな諦めムードを自覚し始めた11:00 過ぎ、事態はさらに意外な方向へと動き始めた。「3XY7C 559」それが南部EUからの報告であれば、特に慌てる必要もない。ところが、スポットしたのはOZ某局であっ た。「何ぃ!?」またしても南部EUを飛び越えて、いきなり北部EUへのオープンである。「今日は何かが違う!」急いでアンテナを南へ向けてワッチを開始したのは、OZ某局のレポートから3分後。しかし、その時点では影も形もない。10分ほどワッチ してみても何も聞こえなかったため、もう一度Web Clusterを覗きに6階へ戻ると、 既に3XY7CはEUの広い範囲からスポットされていた。「SM7までパスが延びる可能性は大いにある!」私はすぐに屋上へ戻り、いつでも狙撃できるよう態勢を調えた。果た して、11:30頃、3XY7Cが出ているはずの周波数で、一瞬だけCWが聞こえた。さらに息を潜めて待つこと10分、遂に弱いCWが連続して聞こえるようになった。しかし、 コールサインが確認できるほどの強さはない。パスが移動してくることを信じてさら に待つ。11:44、遂に419で入感する3XY7Cのコールサインをこの耳で確認した。ローカルのSM7某局が3XY7Cをコールし始めたようだ。その結果に注目していると、見事に数回目のコールでピックアップされ、559のレポートを送った。続いてもう1局別の SM7某局がコールし、こちらは1発コールでQSOを終えた(この局も559を送った)。 これら2局のQTHはマルメから南、または南東へ約30kmほどの距離である。「あと一歩だ!!!」私の期待が最大限にまで高まった次の瞬間、3XY7Cは静かにその姿を消した。私がそのシグナルを419で受信できたのは、ほんの3分間のことであった。 |
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2002.11.07 (Thr)「今日は何か起こりそうだ」私は昨夜からかなり大きな期待を持っていた。定例のミーティングが始まる前に必要機材は7階へ持って上がり、あとはアンテナさえ立てれば即QRVできるところまで準備をしておいた。10:00少し前にミーティングが終わ り、期待に胸を膨らませながらWeb Clusterを開く。すると、そこはEUの広い範囲か らレポートされた9M2TOのコールサインで埋め尽くされていた。SM6-9Mも報告されて おり、SM7でも聞こえている可能性は非常に高い。さらに、LY, SP, DL, S5, 9AとJA がScで開いているらしい。既に私の期待は、確信へと変わりつつあった。しかし、唯一の心配は、最初のレポートから1時間以上が過ぎていたことである。SM7では既にコンディションが下がっているかもしれない。「とにかくワッチだ!」全速力で屋上へ上がり、息を切らしながらアンテナを立てた。軽くバンドをスキャンした瞬間、 「ああ、ダメだ、、、」私は思わずため息をついた。DXはもちろん、それをコールするローカル局さえ聞こえない。10分ほどダイヤルを上へ下へと回してみたが、何のシグナルもキャッチできなかったため、もう一度Web Clusterで戦況を確認すること にした。すると、私が屋上でワッチしていた時間に、OZ3K(JO45)が9M2TO 559とスポットしているではないか。マルメ(JO65)ではかすりもしなかった。最近わかってきたが、東南アジア方面からのパスは、まずSM7を飛び越えてSM6(SM7のすぐ北)と OZ東部の海岸線に落ちた後、SM7の南側から反時計回りに北上することが多いような気がする。少々落ち込みかけた私であったが、ON, PA, DLからXY1Mがレポートされて いるのを見て、再び気合いを入れ直した。「もしもXY1Mをgetできれば、50MHzに対する最高のリベンジとなる!」パスがマルメまで移動してくることを祈り、9M2TO, XY1MがQRVしている周波数を中心にワッチを再開した。しかし、私はさらに2段階の落ち込みを味わうことになる。まず、OZ3Kが誰かをコールする声が聞こえた。それ は、XY1Mがスプリットで受信しているはずの周波数だ。3回目にピックアップされ、 59のレポートを送った。その数分後、9M2TOが出ている周波数で、SM7AED(QTHはマルメの南30 km)が「You are 59. 73!」と言っているのが聞こえてきた。そして、それが今日私が聞いた最後のシグナルとなった。今日の東南アジアからのパスは、マルメ を目前にして止まってしまったようだ。「あと一歩なのに、、、」私は2日連続で同 じ悔しさを噛みしめた。しかし、考え方によっては、その悔しさもmagic bandの魅力なのかもしれない。 |
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2002.11.08 (Fri)VK-URで始まる展開は一昨日と同じだ。その後VKはSPまでやってきたが、それ以上動 く気配がない。最近は、この程度の情報ではQRVしないのであるが、今日はあるレポートに誘惑され、ついアンテナを立ててしまった。SP某局がJA某局をScでレポート した時点で、私は半分ほど腰を上げていたが、決定的に席を立つきっかけとなったの は、JG3LEB東口さんからの報告であった。ScでSPが入感したらしい。「空振りでもいい、ワッチしてみよう」早速アンテナを立て、何度か時間を見つけてはワッチしてみたが、やはりSM7は遠すぎたようだ。さて、正午を過ぎ、狙いは南からの客となっ た。AF各局の入感に備えてビームは南へ振っておいたが、肝心のお客さんが現れない。今日は所用のため、16:00には研究室を離れる必要がある。ギリギリまで粘ってみたが、何も起こらないままQRTとなった。所用を済ませて帰宅したのは19:00頃。 メールチェックと同時にWeb Clusterを覗いて仰天した。私がQRTしたおよそ30分後から、3XY7Cが大ブレークしているではないか。SM7某局からのレポートもあり、またしても絶好のチャンスを逃してしまった。3XもTRと同様に、鬼門となってしまうのだろうか。(私には一体いくつ鬼門があるのだろう?) |
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2002.11.09 (Sat)結論から言おう。午前中は東、午後からは南を警戒していたが、10:10頃にSM7FJEの空振りCQ DXを1回聞いた以外は、遂に何のシグナルも入感しなかった。13:40頃にI からDLまで一斉に3XY7Cが入感したときには、「これは!」と期待したが、パスはOZにさえ届かなかった。「CQ連発で誰もコールしない」という中南部EU各局の書き込みが、私の心に重くのしかかった。 |
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2002.11.10 (Sun)本当に空しい週末である。朝早くからQRVしていると言うのに、10:50頃に50.110付近 で一瞬のバーストでCWらしきものが聞こえただけであった。午後になって西部、南部 EUに上陸した3XY7Cも、今日はあまりパワーがないようだ。 |
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【Japan International DX Contestでの出来事】最近の私の運用記は重苦しい内容ばかりで、読んで頂いてもあまり面白くないのでは ないかと心配している。せめてもの話題提供として、今週末に21MHzで参加した Japan International DX Contestにおける出来事を紹介したい。(懲りずに浮気をしている!) | ||
久々のProject JJapan International DX Contestでは、日本の都道府県がマルチになっているが、小笠原は東京都とは別の独立したマルチとなっている。小笠原からは8N1OGAが精力的にコンテストに参加し、EU中から凄まじいパイルを浴びていた。マルチ目当てのコンテ スト参加局はもちろん、EUからは交信しにくいJD1をgetする目的でパイルに加わった局も多かったのではないだろうか。私の貧弱な設備(100W + IV)ではパイルに勝つのは至難の業と思われたため、久しぶりに秘技Project J(2002.02.19の運用記参照)を試してみることにした。まずは、普通に「SM7XQZ」とコールしてみたが、10 回ほど繰り返しても歯が立たない。これは予想した通りだ。そこで、Project Jの登場である。「こちらはSM7XQZ、よろしくどうぞ!」すると、一発で「QZどうぞ!」と日本語で返ってきた。感動の一瞬である。やはり、Project Jは非常に有効な手段であると確信した。 |
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Nice Japanese!コンテスト中はこちらからCQを出すことはなく、CQを出しているJA各局を呼んで回っ た。ほんの短い時間ではあるが、日本語で交信できるのは非常に嬉しいことである。 いつもピックアップされると、「了解しました。こちらはSM7XQZ、スウェーデンに住む山崎と申します。こちらから59-14、ゴーキュー、イチヨンですどうぞ。」と答えると、ほとんど局は私が日本人と知って少し感動した様子で、もう一言、二言会話を してからお別れをするというパターンが多かった。しかし、最後にQSOしたJA6某局の反応は、私の予測をはるかに越えていた。私がコンテストナンバーを送ってスタンバイすると、一瞬の沈黙の後、「Nice Japanese! Thank you. サヨナラ!」と返ってきた。確かに、無線の世界では、片言の日本語を話す局は珍しくない。しかし、その時 の状況から考えて、先方の受信状態が悪かったとは思えず、私が「山崎」と名のったことは聞こえているはずだ。おそらく「SM =スウェーデン人」という先入観から、どうしても離れられなかったのであろう。一瞬の沈黙があったのが、何とも印象的で あった。 |
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Tomio YAMAZAKI, M.D.(SM7XQZ esJG2GSY) &
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