山崎先生の運用記です.記されている時間は特に断りのない限り現地時間です.(3月末より夏時間になりUTC+2時間,JST-7時間となりました.)


2001年の夏に学会でパリに行きました。左から、教授(前出)、世界的に有名な教授を完全にその尻の下にひく教授の奥さん(笑)、OZ出身の大学院生、LA出身の大学院生(前出)、SM出身の大学院生(注)、GとSMのハーフの大学院生(前出)。 (注)彼はサッカー選手です(ポジションは守備的MF)。高校を卒業後、医学部に進学するか、プロのサッカー選手になるか真剣に悩んだ結果、前者を選択したそうです。

Magic Band in Sweden (27)



編註;先生からいただいた音声ファイル(AIFF形式)は
小生がMP3形式に編集しております.概ね100KB以下です.

なおビーコンにつきましては、こちらにまとめてあります.

2002.10.16-18 (Wed-Fri)

少々体調を崩したことと仕事が忙しかったことから、3日間全くワッチできなかった。Web Clusterをチェックしていた限りでは、幸いにも大魚は逃してはいないようだ。

2002.10.19 (Sat)

仕事と無線の両方を兼ねて、午後から研究室へと足を運んだ。まず、コンピューターを立ち上げてWeb Clusterを開いたところ、Z3某局が書き込んだ「JAS All over the band!」という衝撃的なコメントが目に止まった。「バンド中にJA各 局!?」、「何だそれ!!」もちろん、速攻でアンテナを立て、すぐにワッチを 開始した。その時点では何のシグナルも確認できなかったが、「EU南部にパスがあって、北部にないことは珍しくない」、「そのうちSM7でもバンドが開くかも しれない」私は全く希望を失わなかった。とりあえず、できる限りの情報を集めるため、JA各局のホームページを開いて反対側の状況を確認しようとした。とこ ろが、どこを見ても、その時間にEU-JAがオープンしたという情報はない。落ち着いて考えてみれば、SpにしろScにしろ、13:10という時間帯はJAに対しては 少々遅すぎる。EU側のWeb Clusterにも、その後JAに関するレポートは出てこな い。YU某局がZ3某局に対して何か書き込みをしていたが、彼らの言葉で書かれていたため理解できず、結局、Z3某局のコメントの意味するところは謎のまま終わってしまった。

2002.10.20 (Sun)

今日は朝から雨が降り、外はかなり寒そうだ。久しぶりに自宅で一日中ゆっくりとする予定であったが、やはり予定は未定であった。昼過ぎにメールをチェック したついでにWeb Clusterを見ると、1時間ほど前の「gd scatter」という書き込みに始まり、EUの比較的広い範囲でScによるQSOがレポートされている。「夏場のEsで交信できなかったEUのentityをgetするにはScしかない」と常々考えていた私は、急いで食事を終えて出動することに決めた。しかし、私には一抹の不 安があった。Scの第一報から既にかなりの時間が過ぎている。ワッチしても空振 りに終わる可能性も大きい、、、。果たして、その悪い予感は見事に的中し、私がワッチを始めたときには、ローカルの声さえ聞こえなかった。(実際にSM7でScが開いていたかは不明。)そのまま帰宅するのも悔しかったので、少しだけ仕事をしてから帰ることにした。ああ、せっかくの日曜日だったのに、、、。

2002.10.21 (Mon)

まだ夜も明け切らぬ07:00、私は既に屋上にいた。コンディションを読み切った上でオープンを予測し、いつもより早めにワッチを始めた訳ではない。明け方に変な夢を見て目を覚ました私は、その後再び眠ることができなくなり、仕方なくまだ暗いうちに研究室へとやってきたのである。バンドがオープンするにはまだ早いとは思ったが、いつでもQRVできるように準備は済ませておいた。Web Clusterの情報に注意しながら仕事を進め、じっとオープンを待った。最初に動きがあったのは10:00頃。VK6JQがSP, OK, DLに上陸したようだ。私も研究室と屋上を忙しく往復して、VK6JQの入感に備えることにした。ところが、彼はしばら くしてI, S5, 9Aへと行ってしまった。「まあ、今日のSM7は寒いから仕方ないか」などと勝手に納得していると、今度はG-JAがスポットされた。遂にEU-JAが Scでオープンしたようだ。さらに、昼過ぎには中部EUからVU2ZAP入感の報告が。 ワッチにも気合いが入る!しかし、ScはG, ON, F周辺のみ、VK6JQはOZまで、 VU2ZAPはDL北部止まりで、SM7は静寂そのものだ。結局、OZローカルのシグナルを少し聞いただけで終わってしまった。ああ、眠い。

2002.10.22 (Tue)

午前中に所用があり、研究室に着いたときには既に正午を過ぎていた。毎日の日課の如くWeb Clusterを開くと、10:00頃からVK各局がEUのあちこちで入感し、SM中部からもレポートが!!今からQRVしても遅すぎることは明らかだ。しかし、 自分自信を納得させるためにはワッチしてみるべきか、、、。少し悩んだ末、私 はアンテナを立てる気になった。そして、およそ30分後、私は強い疲労感とと もに研究室に戻ってきた。JG3LEB東口さんのホームページによれば、SM7BAEが数 分間だけScで聞こえたとのこと。その程度のオープンでは、私にチャンスがあっ たとは思えないが、せめてそのときにワッチしていたかった。

2002.10.23 (Wed)

ここ数日の借りを返すべく、今朝は計画的に07:30にアンテナを立てた。まだバ ンドがオープンするには少々早く、Web Clusterも閑散としている。いつでも中断できるデスクワークをしながら、その時がくるのを待つ作戦だ。果たして、今日最初に動きがあったのは09:00頃であった。VK6JQがSP, OE, ONからレポートさ れ、私もすぐに狙撃態勢を取った。ところが、09:30頃にはOH, SM6(SM7のすぐ 北)からもスポットされいるにもかかわらず、VK6JQのシグナルが全く確認できない。少々焦りを感じ始めた09:50、遂に50.115で何かCWらしきものが聞こえてきた。219-319で入感するそのシグナルは、時々QSBのピークで419に達するのが精一杯であったが、ピーク時にそれがVK6JQであることをこの耳で確認した。そのときはOZ某局と交信していたようだ。「もう少し南東へ来てくれ!」祈りを込めて雑音に埋まりそうなVK6JQをワッチしていると、突然強烈なシグナルがかぶってきた。50.110でCQ DXを出すSM7BAEであった。限界までボリュームを上げてワッチしていたため、マジで鼓膜が破れるかと思ったほどである。SM7BAEはマルメの隣町に住んでいて、近い周波数で送信されると全く受信ができなくなってしまう。しかも、その時はマルメの方向(彼のQTHから西方向)へアンテナを向けていたようだ。今までに経験したことのない最悪のかぶりであった。私は3分間ほどVK6JQを見(聞)失った。幸いにも(?)SM7BAEのCQ DXは空振りに終わり、 私はやる気を取り戻した。再びVK6JQのシグナルを捕らえると、先程とは別のOZ 某局とQSOしている。そのOZ某局はJO66から579のレポートを送っているが、マルメ(JO65)では依然として219-419が続いている。OZ某局はCW QSOが終わるとSSBをリクエストした。VK6JQもこれに応じてSSBで出てきたが、そのシグナルはピークでも31で、何を言っているのか全くわからない。VK6JQはすぐにCWに戻ったが、 またもやSM7BAEの攻撃を受けてしまい、その攻撃が終わったときには既にVK6JQは姿を消していた。そこで一旦屋上を離れてWeb Clusterをチェックしてみると、 OZ屈指のDXerであるOZ3Kのところ(JO45)では、先程のSSBが59で入っていたと言うではないか。彼のホームページによれば、彼は6ele八木シングルを使っているそうだ。いくら私のアンテナが2ele HB9CVだとは言え、アンテナだけでそこまでの差は出ないだろう。やはり、マルメはギリギリでパスの外か境界線上にあったものと思われる。しかし、ここで落ち込む必要はない、パスがこちらに移動してくる可能性はまだ十分にある。すぐ屋上へ上がってワッチを再開すると、しばらくしてVK6JQが期待通りに復活した!今度は419-519で聞こえている。先程とは一段階の違いだが、この差は大きい。とりあえず、彼が打っていることはほぼ理解できる強さになった。私は意を決してパドルに手を掛けた。それは、私がVK6JQのシグナルを最初に捕らえてから30分後、10:20のことだった。OZ某局とのQSOが終わった瞬間を見計って、2回コールサインを繰り返してスタンバイ。 すると、間髪を置かずに「SM? SM?」と返ってきた。もちろん私以外のSM各局もコールしていたかもしれないが、タイミング的には私のコールに対するQRZである可能性が非常に高い。久しぶりに、心臓が喉から飛び出るかと思うほど興奮した。祈る気持ちで3回コールを繰り返し、スタンバイと同時に全神経を耳に集中させた。しかし、「、、、、、」そこには雑音だけが残されていた。数分後に一瞬だけシグナルを確認できたが、もはやQSOできるほどのコンディションではな く、VK6JQはそのまま静かにフェードアウトした。残念ながら、DU1/GM4COK (2002.02.14 QSO)のときのようにはならなかったが、今シーズン初めて聞いたF2で、久しぶりの興奮を味うことができた。今日はそれだけで十分満足だ。

2002.10.24 (Thr)

毎週木曜日は午前中に研究室のミィーティングがある。よって、たとえバンドがオープンしてもQRVできないのであるが、magic bandはいつ何が起こるかわからない。無駄になることを覚悟の上で、早朝にアンテナ作業だけは済ませておいた。 ミィーティング終了後、急いでWeb Clusterを覗いてみたが、最近常連のVK6JQも YO, LZから単発で報告が上がっただけで、久しぶりにバンドは無風状態だ。「せ っかくアンテナを立てたのだから」と昼休みに少しワッチしてみたが、やはり何 も聞こえなかった。普通ならここでアンテナを下ろしてしまうところだが、今日はそうできない理由があった。昼頃にオーロラの活動状況をチェックしたところ (http://sec.noaa.gov/pmap/)、非常に高い値(Level 10)を示していたので ある。「これは夜明けの女神がやってくる!」午後からは頻回にWeb Clusterをモニターすることにした。144MHzでは既に13:30頃からAuがレポートされ始めたが、例によって50MHzではまだその気配はない。16:30にワッチを始めたときは、 OZ某局のCQもGwのシグナルしか聞こえなかった。(Auが発生すると、OZ各局はGwとAuの両方が同時に重なって聞こえる。)50MHzでAuがオープンするにはまだ少 し時間がかかると判断し、144MHzを覗いてみることにした。144MHzではSM, UA がAuで入感しているが、ノイズレベルすれすれのシグナルであった。再び50MHzへ戻ると、16:50頃からOH, ES各局がAuで弱く聞こえ始めたが、「CWなら何とかなるかも」という微妙な強さだ。 コンディションの上昇を期待して待っていると、17:05頃に彼らは一斉にフェードアウトしてしまった。「えっ、もう終わり!?」と少しビビったが、単にパスの方向が大きく変わっただけであった。それまで聞こえなかったLA各局が入感し 始め、シグナルも一気に強くなった。何局かSSBにも出てきたようだ。LA5ZK, LB6SEと楽々QSO。およそ20分後、再びコンディションが変化し、一旦姿を消したOH各局も強力に復活した。未交信局を探してOH5ZA/1をget。この時点でGM某局のシグナルもかすかに聞こえ、入感範囲もGM, LA, SM, OHと大きく広がった。 「さあ、これからだ!」と思ったのも束の間、どの方向もジリジリと弱くなり始 め、コンディションのピークは長く続かなかった。18:00にはほとんど何も聞こえなくなってしまったため、144MHzの状況を観察してみると、案の定まだ数局がAuで入感している。しかし、その144MHzも15分ほどで静かになり、この時点で今日はQRTすることを決めた。ところが、研究室へ戻って1時間ほど仕事の後片付けをしていると、何とWeb ClusterがAuの再オープンを伝えているではないか。 たまたまアンテナ作業を後に回した偶然が幸いし、早速ワッチを再開することができた。既に交信済みの常連さん2局を確認したが、シグナルはあまり強くない。 しばらくワッチしてみたが、他に出てくる局もなく、いつの間にか常連さんもお帰りになったようだ。

この日の成果

2002.10.25 (Fri)

デジャブ現象とはこのことか?今日のコンディションは、まるで2002.10.21の再現フィルムを見て(聞いて)いるかのようだった。朝一番にアンテナを立てて待っていると、10:00頃にVK6JQが中部EUに入感するが、やがてパスは南部EUへ移動。 昼過ぎにScでJAが開くも、パスがあるのはG, ON周辺のみ。その後、A45XRがレポートされたが、開いたのはDL北部まで。一体先日と何が違うと言うのだ。まず、今日はVU2ZAPではなくA45XRであったこと。次に、今日は最後までローカルのシグナルさえも聞こえなかったこと。そして、昨夜は変な夢を見ることもなく、ぐっすりと眠れたことである。



Magic Band in Sweden (28) へ つづく



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