山崎先生の運用記です.記されている時間は特に断りのない限り現地時間です.(3月末より夏時間になりUTC+2時間,JST-7時間となりました.)


毎年7月末、マルメの近くの海岸で、sand castle contestが開かれます。教授以下、研究室の仲間と何回か参加しました。写真は1999年のものです。シャベルを持っているのが私です。

Magic Band in Sweden (18)

編註;先生からいただいた音声ファイル(AIFF形式)は
小生がMP3形式に編集しております.概ね100KB以下です.

なおビーコンにつきましては、こちらにまとめてあります.

2002.07.25 (Thr)

所用(スペイン出張)で1週間ほどマルメを離れていたため、バンドをワッチするのは久しぶりである。Web Clusterが、夕方から中西部EUで5C(モロッコ)が入感していると告げている。SM6からもレポートがあったときは大いに期待したが、残念ながらSM7ではかすりもしなかった。ローカルのbig gunのCQに応答する局もない。今日は早々にQRTとしよう。

2002.07.26 (Fri)

突然、急ぎの仕事が舞い込んできた。たくさんの書類に目を通し、今日中にアメリカにFAXで送らなければならない。昨日の借りを返そうと気合いを入れていたが、忙しくてとてもQRVする時間はなさそうだ。わずかな休憩時間に見たWeb Clusterは、かなり賑わっているようだ。しかし、今日は心を鬼にして、レポートの内容を詳しく見ることはしなかった。もしも、SM7でバンドがオープンしているとわかれば、その後の集中力に大きく影響するからである。なるべく早く仕事を終わらせ、少しでもワッチできればと考えていたが、最終的にFAXを送信し終えたのは20:30頃であった。疲れ果てた私は、迷うことなくそのまま帰宅した。

2002.07.27 (Sat)

ここ数日、薄曇りの肌寒い日が続いていたが、今日は雲ひとつない快晴だ。午後から研究室へ向かい、やり残した仕事を進めながら、時々休憩してはワッチする作戦だ。 15:00過ぎから約1時間おきにバンドをチェックしたが、天気と同様に無風快晴。今日も例によって北部EUだけが取り残されるパターンで、中南部EUはEsで賑わっているらしい。私は黙々と仕事を進めるだけであった。18:30頃、Web Clusterの状況には変 化がなかった(北部EUはレポートされていなかった)が、ほとんど期待せずに屋上へ上がったところ、意外にも、強く入感するI中部の各局を発見した。I0JX/B, I5MXX/B もきれいに入感し、弱いながらも、EA, F, LZのシグナルも一瞬だけ確認できた。既にI各局とは数多くQSOしており、いつもなら未交信のグリッドを探してコールするのだが、今日は久しぶりのEsということで、2nd QSOでない限り、あまり深く考えずに コールした。I4ZQS/6, IW5DHN, I4YSS, I0VHL, IW4CUUと連続してQSO。どの局もあまりQSBがなく、非常に安定して入感しているが、パスの落ちる場所がどんどん移動しているようだ。どの局も5分ほどで姿を消してしまう。聞こえてくるI各局のエリア番号とロケーターを聞いていると、入感する地域がI中部から南東方向、つまりイタリア半島の向きに沿って移動していることがわかった。「これは、そのうちにアドリア海へ出そうだ」と思った直後、予想通り、I各局のシグナルは消えてしまった。 「少し待てば、パスの落ちる場所がバルカン半島に再上陸するのでは?」と期待して、そのまま粘ることにした。およそ30分後、私の計算では、そろそろパスがバルカン半島にさしかかる時間となった。ところが、聞こえるのは雑音ばかりで、全くの期待はずれであった。Esが消えてしまったか、パスの落ちる場所が地中海のド真ん中へ行ってしまったか、、、。一旦はQRTを考えた私であったが、なぜか今日はもうひと山あるような気がしてならなかった。理由は定かではないが、とにかくそんな気がしたのである。その後も30分おきにワッチしてみたが、状況に変化はなく、「やはり思い過ごしか?」と考え始めた21:00頃、IでOZのビーコンが入感しているとレポートが上がった。早速屋上へ上がってバンドをスキャンすると、I0JX/B, S55ZRS/B, 4N1ZNI/Bが聞こえるではないか。しかし、どのビーコンも強く周期の長いQSBを伴っていて、数分間559で聞こえたと思ったら、次の数分間は何も聞こえない。先のEsほど安定していないが、入感範囲は広そうだ。これは、いつどこで何が出るかわからない「モグラたたき」のパターンと予想した。待つこと20分。遂に再びバンドが賑やかになった。IK5RLP, I6BQI, YU1EU, F1GTUと続けてget。S5, 9A某局はタイミングが合わず、コールできなかった。「ここでCQを出せば、どこから声が掛かるか全く予想できず、面白いのではないか?」と考え、空いている周波数でCQを出すことにした。しばらくワッチした後で、「Is this frequency new? This is SM7XQZ.」と確認した 瞬間、いきなり「QRZ?」と返ってきた。誰かがその周波数を既に使っていたのか、それとも誰かが私をコールしているのか、、、。判断に苦しんだ私は、もう一度自分のコールサインをアナウンスした。それは、私をコールするF5LRLであった。まさに神出鬼没、「どこから声が掛かるか全くわからない」状況だ(笑)。そのまま続いてCQを出すと、F1PJBからもコールがあり、さらにCQを出す。「3局目はどこだろう?」などと考えながらスタンバイした私を待ち受けていたのは、何とHB9RDEであった。先 日のメガトン級のEsの際に逃してしまった念願のHBを、自らのCQでget! これには少なからず感動した。その後もF1GCX, IZ3APLと連続して呼ばれるが、IZ3APLとのQSO終了間際に、彼のシグナルはストンと落ちるように姿を消した。コンディションが大きく変化しているらしい。ワッチにまわると、もはやI中部各局の姿はなく、聞こえるのはI北部とFだけになっていた。F1UJT, IK1YWB/PとQSOしたところで、コンディションはさらに下り坂となったようだ。そろそろQRTかと思ったそのとき、53で入感するDL9MSのシグナルに気が付いた。「おお、DLにはパスが残っているのか?」早速コールすると、ロケーターはJO54WCだと言う。マルメから直線距離およそ180km。「すみません、Gwですね」と詫びると、「まあ、それもいいじゃないか!」と言われた。最後に「Hej da!(スウェーデン語のさよなら)」と挨拶されたので、「Auf wiedersehen!(ドイツ語のさよなら)」と返してQSOを終えた。

この日の成果

2002.07.28 (Sun)

今日も午後から研究室へ足を運んだ。目的は仕事と無線の両方で、その時間配分は仕事40%、無線60%と計画した。ところが、実際には仕事95%、無線5%となってしまった。しかも、その5%は、ほとんがアンテナ作業の時間であった。Web Clusterも寂しい状況で、バンドがオープンする雰囲気は微塵も感じられない。こんなことなら、どこかへ遊びに行けば良かったと後悔したが、既に時計の針は21:00を指していた。

2002.07.29 (Mon)

「another boring day on 6」そうWeb Clusterに書き込みをしたF某局の気持ちがよくわかる。一瞬だけUR-DL, SMにパスがあったらしいが、それ以外は何の動きもない。私は今日のQRVをあきらめ、久しぶりに夕方から同僚とバドミントンを楽しんだ。念のため、帰宅前にもう一度Web Clusterをチェックしたが、私の判断は正しかった。

2002.07.30 (Tue)

幸か不幸か、何の心配もなく仕事に集中できた1日であった。中南部EUでは、東西方向のEsが開いたらしい。状況は昨日よりは幾分マシと言うことか。しかし、ここ数日、Esの発生頻度が明らかに低くなっている。7月も明日で終わり。やはり、Esの最盛期は過ぎたと言うことか。

2002.07.31 (Wed)

全くついてない1日であった。昼過ぎに所用で研究室を離れ、戻ってきたのは15:00少し前。Web Clusterをチェックすると、私が外出したのとほぼ同じ頃にバンドがオープンしたらしい。久しぶりのまともなEsで、ほぼEUの全域で、最低どこか一方向はバンドが開いている。「やられた!」私はすぐにアンテナを立て、ワッチを開始した。バンドの下から上へ勢いよくダイヤルを回すと、強いシグナルがいくつか飛び込んできた。「やった、まだオープンしている!」改めてじっくりとバンドをスキャンし、I, 9A, Fの入感を確認した。ところが、今まで59(599)だったシグナルが、グングンと弱くなって行くではないか。「ああ、待ってくれ!」急いでコールしたが、 9A/SP6WAS1局をgetするにとどまった。まさに絶妙のタイミングで、コンディションが急降下してしまった。外出のタイミングを完全に間違えたようだ。中南部EUではその後もオープンは続いていたらしいが、SM7ではかけらも聞こえなかった。仕方なく仕事に集中していると、16:30にSM3(JP74)、17:30にLA(JP61)に、夜明けの女神が現れたらしい。彼女にはもう2ヶ月以上会っていない。私は急いで屋上へ駆け上がったが、彼女はSM7までは足を運んでくれなかった。何と言うことだ。今日のSM7 は、Esには北過ぎて、Auには南過ぎると言うことか!その後も何度か屋上へ上がり、北へ(Au)南へ(Es)とアンテナを振ってみたが、聞こえてくるのは雑音だけであった。20:00過ぎ、「今日はもうバンドは開かない!」そう確信した私は、アンテナを下ろして帰宅することにした。最後にコンピューターの電源を切ろうとしたとき、ひとつメールを出し忘れていたことを思い出した。仕事に関する少々難しいメールで、書き終えて送信したときには、既に21:00を過ぎていた。メールの画面を閉じた瞬間、その裏側に隠れていたWeb Clusterの画面が目の前に現れた。「やられた!またか!」私がメールを書いている間に、再びバンドが開いていた。SM7-SPもレポートされ、どうやら近距離のEsらしい。一瞬迷ったが、私はもう一度アンテナを立ててQRVすることにした。ワッチを開始すると、バンド中ノイズレベルが異常に高く、時々雷のようなノイズも聞こえている。先日、雷で少々恐い思いをした私は(AO-40への挑戦参照)、すぐに空を見上げて確認したが、SM7はほぼ快晴だ。と言うことは、南の方で発生した雷のノイズが、EsでSM7まで届いているのではないかと想像した。最初に捕らえたシグナルは59で入感するSSBであった。コールサインは聞けなかったが、 「KO10ER」とロケーターだけコピーできた。これはSP, UR, OMの国境付近で、マルメから約820 kmの距離だ。「うまく行けば、この近距離EsでOMやOKがgetできるのでは!?」そう期待した瞬間であった。KO10ER某局のシグナルはあっと言う間に弱くなり、コールサインも確認できないまま姿を消した。無情にも近距離のEsが消えた瞬間であった。一度はガックリと肩を落とした私であったが、落ち着いてワッチしてみると、依然として雷らしきノイズが聞こえている。「まだバンドは閉じていない!」もう少し、そのまま粘ることにした。私の願いが通じたのか、しばらくしてUS5CCO(既にQSO済み)のCQが聞こえ出し、そのシグナルは徐々に強くなってきた。さらに、 LZ, YU, 9Aと入感し、パスがURからバルカン半島の方向へ移動したようだ。ところが、そこから先は全くメチャクチャであった。再びURが強く聞こえたと思えば、突如OEが入感し、Iが飛び込んできた次の瞬間には、パスがLZに移っていたりした。QSBの周期と強さも全くバラバラで、ほとんどQSBなく入感していた局が、一瞬のうちに強いQSBを伴ったタイプに変化したり、その逆のパターンもあった。とにかく、コールするタイミングを計るのが一苦労だ。1時間ほど頑張ってみたが、強いノイズのせいで頭が痛くなり、結局1局もQSOすることなく帰宅する羽目になった。メールを書くタイミングを間違えたのか、それとも、最初にQRTした時点で素直に帰宅するべきだったのか。いずれにしても、本当についてない1日であった。



Magic Band in Sweden (19) へ つづく



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