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| 山崎先生の運用記です.記されている時間は特に断りのない限り現地時間です.(3月末より夏時間になりUTC+2時間,JST-7時間となりました.) |
Magic Band in Sweden (15) |
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| 編註;先生からいただいた音声ファイル(AIFF形式)は 小生がMP3形式に編集しております.概ね100KB以下です. なおビーコンにつきましては、こちらにまとめてあります. |
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2002.07.03 (Wed)午前中からWeb Clusterがかなりの賑わいを見せている。日本のJN1BPM鈴木先生からも、「クラスタで見る限り、EUではEs炸裂しているみたいですね」とメールをもらった。確かにその通りだ。ワッチを始める前から、Web Clusterを見ただけで、「今日はひと味違う」と感じるものがあった。昼休みにアンテナを立て、ワッチを開始するや否や、S5, I各局が強力に飛び込んできた。S52U, S54G, IW7BVY, IW0GPN, IZ4AFMと連続でQSO。どれもフルスケールで、非常に安定している。いつも聞こえるIK5ZUL/B, I0JX/Bだけでなく、今日は559で入感するS55ZRS/Bも発見した。しばらくしてから、さらに少し西寄りの方向にも パスが開いたようだ。F南部とEA東部の各局が聞こえ出す。しかし、この方向のパスはQSBが強く、あまり安定していない。「そろそろ昼休みも終わりか」 と考えたその瞬間、私は思わずマイクを握り締めた。「T77GOだ!」躊躇することなく即座にコールすると、何と一発でT77GOにピックアップされた。I北部周辺からのシグナルが、時間とともに強くなってきているようだ。私はもう少し粘る ことにした。9A2DS, IW2NMTを追加し、さらにワッチを続けると、蚊の泣くような弱いシグナルを発見した。最初は、EU南部とQSO中の局が、(back Sc等で)弱く聞こえているのだと考えた。ところが、そのシグナルは急速に強くなり始め、数秒後にはコールサインを確認できるまでになった。何とそれはHB0/DM2AYO/PのCQであった。バッチリのタイミングで応答すると、またもや一発コ ールでQSOは成立した。QSO終了後、HB0/DM2AYO/Pのシグナルは再び弱くなり、 あっと言う間にフェードアウトしてしまった。最初から最後まで、およそ1分間の出来事であった。「やはり今日は何かが違う!」そう確信しながらワッチを続けると、突然「ガン!」と入感するシグナルに出くわした。それはES4EQであった。この方向のEsは初めてだ。軽くレポート交換して、さらにダイヤルを回すと、先程から不安定に入感していた地中海西部の各局が、いつの間にか強さを増している。この時点で東、南から南西の方向に、同時に安定したパスが存在したことになる。EH3TA, EH3DHRをgetしたところでタイムアップとなっ た。その後、このコンディションがどのように変化するのか、自分の耳で確認できなかったのが、唯一の心残りであった。「いやー、確かにEs炸裂してるよ !」私は、鈴木先生の言葉を思い出しながら仕事を再開した。しかし、この時点で炸裂していたのは、単なる手榴弾クラスであったことを、私は知る由もなかった。16:00過ぎに少し時間ができたので、屋上へ上がることにした。コンディショ ンはやや下火になったようだが、まだI, F, EA各局がQSBを伴いながら聞こえている。IS0IGV, EH7EYXの2局とQSO。「今日は何が起きるかわからない!」 、「早く仕事を片付けよう!」、私はすぐに研究室へ戻ることにした。必死に仕事を片付け、再び屋上へ上がることができたのは19:30頃。ワッチを再開し た私は、予想を上回るコンディションに動揺を隠せなかった。昼休みのときよりも強いEsが南から南東方向に開き、バンド中にS5, 9A, YU, I各局があふれている。そんな中、DK1MAXのシグナルを発見し、遂にDL南部もEsでQSOすることができた。さらに、S57AC, S58J, 4N1NB, I0JXX, IZ5EMEをgetしたところで 、徐々にQRMが強くなってきた。オープンが少し東方向にも広がったため、 YO, LZ各局があちこちに出現し始めたのである。(この時点で、YO3KWJ/B, I0JX/B, IK5ZULはもちろん、新たにI5MXXの入感を確認できた。)空いている周波数はほとんどない!「これが今日のmagic showか!」と思ったが、まだまだ考えが甘かった。 およそ30分後、この状況にさらに追い打ちをかけたのは、西から南西方面のオープンであった。G, EI, F, EA各局が、既に限界まで混雑しているバンドに、容赦なく突入してくる。バンド中で数kHzおきに各局が並ぶのはもちろん、時には同じ周波数で複数のQSOが進行するという異常事態 となった(QRMの音声ファイル)。例えば、I某局とDL某局がQSOしている周波 数で、同時にG某局がES某局と交信中ということが何度かあった。QSOの様子を 注意深く聞いていると、IとGの間にはパスがなく、互いにQRMとなっていないようであるが、SM7から見れば(聞けば)互いのシグナルをつぶし合っているとしか思えない。皮肉なことに、あまりにもコンディションが良すぎて、QSOが困難になってしまった。IA5/HB9OABのCQに応答したときのことである、スタンバイすると、数kHz上のQRMに完全につぶされて全くわからない。そのQRM局 がスタンバイした瞬間に、「SM7XQZ, you are 59.」だけが聞こえた。私の声は聞こえているようだ。一方的にレポートとロケーターを送ってスタンバイすると、またQRMで何も聞こえない。しばらく待っていると、QRMの切れ目に、「JN52CS, QSL?」とだけ聞こえた。どうやら、IA5/HB9OABも私の状況を理解しているらしい。まるで、違法局のQRMを避けながらQSOするFMレピーター衛星のようだ。バンドの端から1局ずつコールしていたら、夜が明けてしまう。未交信のentityとグリッドに狙いを絞ってバンドをスキャンする。1時間ほどかけて、必死の思いでIW3SBR, 9A1CEI, IK2DUV, F5JDG, IZ4DJZ, IZ1EGT, IK1TXM, EI8HTをgetした(ほとんどの局はQRMがひどくて録音できず)。未交信のHB9, OEのシグナルも確認できたが、残念ながら交信することはできなかった。時計を見ると、もうすぐ22:00だ。Esの勢いは衰えることを知らないが、私自身が衰えて(疲れて)きた。 「そろそろ帰ろう」と思ったそのとき、卑怯にも、いきなり私の背後から襲いかかる奴がいた。OH8MFHであった(QSOには至らなかった)。何と、さらに北東方向にもバンドがオープンしたのである。「もういい!やめて!」冗談ではない。マジでそう思った(笑)。こうなると、パスのない方向を探した方が早い。あまりアクティビティーのない北寄りを除けば、残るは東から南東方向(SP, UR方面)である。「もしもURまでもオープンしたら、、、」想像した途端に恐ろしくなってきた私は、即座にQRTを決意した。 今日の夕方から炸裂したEsは、いったい何メガトンあったのだろうか。 |
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この日の成果
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