山崎先生の運用記です.記されている時間は特に断りのない限り現地時間です.(3月末より夏時間になりUTC+2時間,JST-7時間となりました.)


左:実験助手のおばちゃんです。彼女から時々スウェーデン語を習っています。 右:大学院生。LA出身ですが、底抜けに明るい性格で、自ら「私はラテン系」と言っています。

今年は早めの夏休みをとって、5月末から6月下旬まで日本に一時帰国しました。JG2GSY/2にてQSOして頂いたみなさん、どうもありがとうございました。 私がスウェーデンを離れている間にも、EUではほぼ連日どこかでEsが発生していたようです。非常に強いEsも数回出たらしく、SM7-PAの近距離QSOの他、マルチホップによるWの入感もあったと聞きます(泣)。「こんな時期に一時帰国なんてもったいない!」と言う人もいました(編注;オレです!)が(笑)、まだまだEsシーズンが終わった訳ではありません。今後もしばらくの間、Esを中心にEUのmagic bandの様子をお伝えしたいと思います。
【編註;先生の一時帰国の目的はもちろん日本で行われたワールドカップ観戦です.サッカー好きな先生は愛知から日帰りカシマスタジアム遠征など強行軍もされたとか・・・以前、ワールドカップの前「JAがベスト8に行く(不可能ではないが極めて困難だという例え)」を運用記の中に書いていらっしゃいましたが、我がJAチームは先生のそんな「例え」をもう少しで覆すような大活躍だったのは皆さんご承知の通りです.トーナメントの組み合わせが決まったときに、「これはJAvsSMでベスト8でぶつかるかも?」と思っていましたが、惜しくも両国とも1回戦敗れてしまいましたね.】


Magic Band in Sweden (13)


編註;先生からいただいた音声ファイル(AIFF形式)は
小生がMP3形式に編集しております.概ね100KB以下です.

なおビーコンにつきましては、こちらにまとめてあります.


2002.06.26 (Wed)


 仕事が早めに終わったので、夕方から久々にQRVすることができた。ところが、1時間ほど粘ってみたものの、ローカルの声さえ聞こえなかった。19:30頃 、50.110でSSBのシグナルが一瞬だけ(1〜2秒)入感した。コールサインはもちろん、DXかローカルかさえもわからなかった。

2002.06.27 (Thr)


色々と雑用で忙しい1日であった。昼過ぎにEsがオープンしたことはWeb Clusterの情報で知っていたが、残念ながら、全く時間が取れなかった。結局、仕事が一区切り付いたのは18:00過ぎ。Web Clusterでは何の動きもなかった が、「ダメで元々」と屋上へ上がることにする。あまり期待せずにワッチを開始したところ、UU5SIXUT5Gがそれぞれ579と559で聞こえている。急いでバンドをスキャンすると、599で入感するUY5HFをあっさりと発見した。さらに注意深くワッチしてみたが、18:30の時点で確認できたのは、この局だけであった 。「とにかく今はUR方向にパスがある!」UR各局からの応答を期待して10分ほどCQを出してみたが、期待に反して全く声は掛からない。気が付けば、既にUY5HFの姿はなく、18:45頃にはUT5Gのシグナルも確認できなくなった。UU5SIXはまだ聞こえていたが、徐々に弱くなりつつあった。「もうオープンは終わりか?」とあきらめかけた19:30頃、突如UR5HARUT1IAが559で飛び込んできた 。二股ワッチをしていると、UR5HARのロケーターは未交信のグリッドだったので、是非getすべく気合いを入れて待っていたが、たまたまUT1IAの方が先に某局とのQSOを終えて「QRZ?」を出していたので、この局からコールすることにした。30秒ほどでQSOを終了し、UR5HARの出ている周波数へ戻ったが、「? ???」誰もいない、、、。最初は、「いつもの長いQSBだろう」と考えて5分ほど待ってみた。しかし、今日は様子が違うようだ。UR5HARは2度と復活しなかった。さらにワッチを続けると、19:45に559で入感するLZ2CC/Bを発見。 ところが、5分でフェードアウトしてしまった。どうやら、今日のオープンは、パスの落ちる場所が狭く、しかも、移動速度が速いらしい。どの局も入感すると強いが、シグナルは数分間で落ち込んでしまい、2度と戻ってこない。「チャンスは1度しかない!」気合いを入れ直してさらにワッチする。1時間ほどの間に、タイミング良くLZ1AQ, LZ2PP, LZ1SJ, LZ2CMをgetすることができ た。また、これらのQSOの間に、YO3KWJ/B, LZ1JH/B, 4N1ZNI/B, 復活したUT5Gのシグナルを捕らえることができたが、どのビーコンも入感していたのは数分間であった。(50.012で入感する正体不明のビーコンもどきも発見した。(後述))パスの移動する方向を注意深く観察してみたが、パスの中心がLZ近辺であること以外は、何の法則も見出すことができなかった。面白いと言えば面白いのだが、何だか変なコンディションであった。


2002.06.28 (Fri)


正午頃からDL, SP以南でEsが開いたらしい。しかし、ワッチする時間がなく、SM7でオープンしていたかは不明。夕方から屋上へ上がったが、雑音を1時間ほど聞いただけで終わってしまった。

2002.06.29 (Sat)


昼過ぎに所用のため研究室に立ち寄った際、Web Clusterを見て仰天した。EU 中でバリバリにEsが開いている!北へ南へ、東へ西への大騒ぎだ!。SMも何局かレポートされており、明らかにハズレはなさそうだ。しかし、今日はワールドカップの3位決定戦(HLvsTA)がある。キックオフまであと1時間、、、。QRVするか、それともサッカーを見るか、、、?「録画で見ろよ!」、「4年に一度のイベントだ!ライブで見なくてどうする!」10分ほど2人の私が心の中で激しい戦いを繰り広げた。勝ったのは後者である。私は今日のQRVをあきらめて帰宅することにした。ところが、とんでもない落とし穴が私を待っていた。キックオフの時間(13:30)の少し前に、ビールとおつまみを持ってテレビの前に陣取ったところまでは良かったが、なぜか、どのチャンネルを見ても3位決定戦の中継をする気配がない。「そんなバカな!」慌てて番組表を確認した私は、思わず言葉を失った。スウェーデンでは、3位決定戦の放送はライブではなく、20:00から録画の放送であった。私が迷わず研究室へ取って返したのは言うまでもない。研究室に着いた14:30頃、Web Clusterを見ると、明らかにコンディションはピークを過ぎた感がある。レポートの数が激減していた。まだバンドが開いていることを祈って、急いでワッチを開始すると、UT5G/B, YO3KWJ/B,IK5ZUL/Bが入感している。この方向にはまだオープンしているらしい。ほぼ5分おきにLZ3RX, IW5ECW, YO5BWDとQSOできたが、後が続かない。「もうオープンも終わりか?」と思ったそのとき、突然、強力なシグナルに出くわした。GM0EWXであった。ビームは完全にサイド方向であったにもかかわらず、59で入感している。どうやら別の強力なEsが開いたらしい。すぐにアンテナを西へ向けて狙撃態勢に入る。GM0EWX, GM4VVX, GM8LFB, GM4WJAと連続して射殺した。15:45頃、バンドの下の方でQSOするSM7FJEに気が付いた。「えっ?今 W何とかって言ったよな!?」相手の局は聞こえなかったが、確かにSM7FJEはそう言った。慌ててビームを北西へ振って、50.110近辺を注意深くワッチすると、15:47に強いQSBを伴いながら41-53で入感するW3CMBを捕まえた。誰もコールしておらず、連続してCQを出している。QSBのピークでコールしたが、私の声は全く届いていないようだ。まるで私を無視するかのように、CQを繰り返している。さらに2回コールしてみたが、結果は同じであった。「100 Wに2ele HB9CVでは無理か、、、?」脱力感に襲われたそのとき、W3CMBは静かにフェードアウトして行った。わずか3分間の出来事であった。「CWならば、まだチャンスがあるかも?」と考え、バンドの下の方へ行くと、OZ, SM7数局がCQ DXを出している。W####, K****等のコールサインが聞こえるが、どれも319-519だ。ローカルのbig gun各局は、それらのシグナルに559-579を送っている。状況は、春先の東南アジア方向のScと全く同じだ。私はあきらめて、ワッチに徹することにした。約20分後、OZ, SM7各局のCQも空振りばかりになり、祭りも終わりに近付いたようだ。久々に強い敗北感に抱かれながらのQRTとなった。


この日の成果


2002.06.30 (Sun)


私が今朝起きて最初にしたことは、ワールドカップ決勝戦の中継の有無と、放送の開始時間を確認することであった。さすがに決勝戦はライブで放送するらしい。今日は放送開始ギリギリまでQRVすることにした。昨日の借りを返そうと、気合いを入れて研究室に向かったが、その気合いも午前中は空回りであった。Web ClusterにはEU各地からEsのレポートが上がっているが、どうやら SM7を飛び越えているらしい。どこも聞こえてこない。正午少し前、OZ某局が 「band open, Balkan voices!」と書き込みをした。ワールドカップ決勝戦は 13:00からだ。まだ40分ほど時間がある。急いで屋上へ上がり、アンテナを南東方向へ振ってワッチを開始するが、バルカン各局は全く聞こえない。代わりに強力に飛び込んできたのは、予期せぬMM5DWWであった。ビームの方向を修 正してバンドをスキャンするとGMが数局入感している。まずはMM5DWWを軽くgetし、さらにダイヤルを回すと、SM7某局とQSO中のEI3JKを発見した。他のどの局よりも強く入感している。未交信のEIをgetするには絶好のチャンスだ。通常のshort QSOで終わると思っていたが、どうやら彼らは意気投合したらしい。天気の話をきっかけにラグチューを始めてしまった。しばらく終わりそうもなかったので、バンドを一通りスキャンしてみた。GMは数局確認できたが、 EIはEI3JK1局であった。仕方なくこの局に狙いを絞り、じっと待つことにした。10分ほど過ぎた頃、ようやくQSOが終わりそうな雰囲気となった。SM7某局が先に73を送ったところまでは良かったが、最後にEI3JKにマイクが渡ったその瞬間から、グングンと彼のシグナルが弱くなって行く。「あああ、、、待ってくれ!!」そんな私の叫び声も空しく、10秒ほどで一気にフェードアウトしてしまった。あきらめきれない私は、その周波数でEI3JKを2回コールしてみたが、返ってくるのは雑音だけであった。言葉が出ない、、、。しばらく呆然としていた私であったが、何気なく時計を見た瞬間、一気に我に返った。 あと5分でQRTしなければ、決勝戦のキックオフに間に合わない。「最後にも う一度だけ」とバンドをスキャンすると、先程とは別のSM7某局が誰かをコールしている。その局はピックアップされるとスウェーデン語で話し始め、レポートとロケーターを送っただけでQSOを終えた。スウェーデン語で話したと言うことは、相手はSM, LA, OZしかあり得ない。(スカンジナビア人はそれぞれの言葉で会話ができる。)また、short QSOで終わったことから、ローカルの OZ, SM7の可能性は低い。「北だ!」アンテナの方向を変えて耳を澄ますと、それはLA4LN/M (JP78HG)であった。およそ北緯68度、文字通り北の果てからのシグナルは41-53で入感している。それほどパイルにはなっておらず、時々 CQを出している。しかし、QSBのタイミングが悪く、なかなかピークでコールできない。数回コールしたところで、遂に帰宅する時間となってしまった。2日連続で不満を残しながらのQRTとなった。

この日の成果




Magic Band in Sweden (14) へ つづく



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