![]()

| 山崎先生の運用記です.記されている時間は特に断りのない限り現地時間です.(3月末より夏時間になりUTC+2時間,JST-7時間となりました.) |
Magic Band in Sweden (11) |
||||||
| 編註;先生からいただいた音声ファイル(AIFF形式)は 小生がMP3形式に編集しております.概ね100KB以下です. なおビーコンにつきましては、こちらにまとめてあります. | ||||||
2002.05.18 (Sat)朝から雲一つない完璧な快晴。いかにもEsが出そうな雰囲気だ。「今日こそ借りを返してやる!」オープンを信じて、気合いを入れて研究室へと向かった。 しかし、そんな気合いも午前中は見事に空回りで、Web Clusterにも大した情報は上がらなかった。仕事をしながら、時々FM衛星にQRVして待つこと2時間半。12:08、遂に579で入感するIK5ZUL/Bを発見。12:44にはUT5G/Bも519で聞こえ出した。Web Clusterも南部EUの賑わいを伝え始め、いよいよ祭りの始まりだ。IK5ZUL/Bはしばらくしてフェードアウトしてしまったのに対し、UT5G/Bは徐々にシグナルが上がり、13:20には599となった。「今日は南東方向だ!」狙いをURに絞る。13:30、期待通りにURが「ガン!!」と入感し始めた。シグナルは強いが、入感時間が短く、あっと言う間に落ち込んでしまい、また聞こえ出すまでに数分かかっている。今日最初に捕らえたのは、先日CWでQSOしたUT5JAJのSSBであった。SSBでもQSOし、先日のCW QSOのお礼を伝えた。13:50にはUU5SIX/Bも聞こえ出し、南東方向のコンディションはグングン上昇しているようだ。さらに3局のUR(US0AK, UY5QZ, US5CCO)と交信することができた。 US0AKへのパイルに参加していたときのことである。突如1kHzほど上に強力な局が現れた。早速コールを確認すると、何とEA某局であった。ビームのサイド方向にもかかわらず、フルスケールで入感している。別方向のEsもオープンしたようだ。アンテナを南西に向け直してダイヤルを回すと、すぐにEH5AAJを発見。一発コールでEH5AAJをgetした。彼は、突然SMからコールされたことに驚いた様子で、すかさず「QRZ, another station from Scandinavia?」とアナウンスしていた。しかし、この南西方向のオープンは長く続かず、残念ながら、他のEA各局とQSOすることはできなかった。再びビームを南東方向へ振ってワッチを続けると、徐々に聞こえる地域が南下しているらしい。UR各局が姿を消すのと同時に、今度はYO各局が入感し始めた。YO3KWJ/Bがピーク579で入感し、14:31の YO/ER1BLに始まり、計3局のYO(YO/ER1BL, YO4BZC, YO5BLA)をgetした。「パスがもっと南下すればLZも聞こえるのでは?」と考えていた矢先に、LZ2PG とLZ3BDのCWが飛び込んできた。両局ともトーンに若干の歪みがあり、かつ周波数がフラフラと上下して安定しない。ブルガリアは電源事情が悪いと聞いているが、それが原因なのだろうか。これらLZ2局を簡単に料理してしまうと、その後新たに聞こえてくる局はなく、ここSM7では、16:45頃にバンドは一旦静かになった。しかし、Web Clusterの賑わいは止まるところを知らない。「きっと、またバンドは開く!」そう信じて、今日は時間のある限り粘ることにした。仕事をしながら、時々屋上へ上がってワッチを繰り返していると、19:08、SM7某局がI某局とQSOしているのが聞こえた。私にはI某局は全く聞こえなかったが、そのSM7某局はJO66から59のレポートを送っている。ここJO65へもパスが下りてくると信じて待つこと約10分、遂にIW5BML/6が59で入感し、再びEs がオープンした。このEsはこれまで体験した、長く深い落ち込みのあるEsと異なり、日本で聞くEsのように、比較的強いQSBはあるものの、数分間シグナルが消えてなくなることはない。「これはいける!」私は、久しぶりに自分からCQを出す気になった。19:20にバンドの上の方でCQを出し、そして緊張のスタンバイ。次の瞬間、私を待っていたのは南部EU各局からのコールであった。パイルになる程ではなかったが、約20分間にI8局、YU1局、9A1局(IW6AFT, IV3SXI, IW0CKB, I6CXD, IZ7ERA, YZ1RA, IT9IPQ, IZ8DXB, 9A2PK, IW0CJE)から、ほぼ連続して呼ばれ続けた。EUでは日常茶飯事とはわかっていても、自分のCQにDXが応答してくるのは初めての経験であり、大いに感動した。特に、YUと9Aはnew entityであり、コールされたときは、マイクを握りながら思わずガッツポーズしてしまった(笑)。一旦CQを中断して、バンドをスキャンするとURも聞こえている。別方向のEsも同時に開いたようだ。しかし、UR方向のEsは、長く深い落ち込みを伴っていた。その後、CQを出したり、呼びに 回ったりを繰り返し、さらにI4局、UR4局、9A1局(IK8/OE3MWS, IW8ERC, IK6ZDF, I8OHQ, UT7QF, UR3IFD, UR5EVI, UR5EH, 9A6R(9A6R))を追加した。まだまだバンドはオープンしていたが、帰宅しなければならない時間となり、21:00 少し前に、後ろ髪を引かれる思いでQRTとした。今日の成果は31 QSO, 7 entities(4 new entities up)であった。 |
||||||
この日の成果
|
||||||
2002.05.19 (Sun)昨日のEs大オープンに気を良くした私は、今朝も早くから屋上を目指した。しかし、午前中は何も聞こえず、例によって北部EUだけが取り残されていた。所用のため昼頃に一旦研究室を離れ、16:30頃から再度ワッチを開始すると、午後のコンディションは、「バンドがオープンしそうなのだが、あと一歩押しが足りない」という状況であった。時々単発的なバーストでラテン系のアクセントが59で聞こえてくるのだが、あっと言う間に消えてしまい、コールを確認できない。そこで、コンディションが上昇した瞬間に、南部EUの誰かが聞いていることを期待して、自分からCQを出すことにした。ところが、3回目のCQに応答してきたのは、ローカルのOZ2PBSであった。「すみません、QRMを与えてい ましたか?」心配になってそう尋ねてみたが、全くの取り越し苦労であった。 彼は「先ほどまでF各局が聞こえていた」と情報をくれたのだった。再度、ワッチに回ると、バーストで聞こえるF各局を何回か確認した。しかし、聞こえている時間が短く、タイミング良くコールできない。「これはしばらく待つに限る」と考え、研究室に下りて、今あなたが読んでいるこの運用記を書きながら、録音ファイルの編集をすることにした。1時間ほど作業をしていると、OZからIM0/G1GCV/P(サルディニア島)がレポートされた。屋上に戻ってダイヤルを合わせると59で強力に入感している。タイミング良くコールすると、IM0/G1GCV/Pから一発でコールバックあり。しかし、数秒後には奈落の底に落ち込むように弱くなり、次のピークが訪れたのは約5分後であった。どうやら、今日のEsも、そんなコンディションらしい。バンドを丹念にワッチすると、相変わらず時々バーストで何か入感しているが、聞こえている時間が先ほどよりも長くなっている。 「これだけの時間があればQSOは成立する!」そう考えて、再びCQを出すこと にした。いつコンディションが上がってくるのか予測できないため、短いCQを何度も繰り返す作戦に出た。すると、数回目のCQにF1RKFが応答してきた。Fは new entityである。手短にレポートとロケーターを交換をしただけのshort QSOであったが、最後の方では51-41ぐらいになっていた。その後も連続してCQを出していると、7,8分に1回くらいの割でコールがあり、さらに2局のF (F6GEA, F5GOP)をgetした。面白いことに、これらF3局のロケーターは、すべてIN96であり、おそらく、非常に限られた地域へのオープンだったのだろう。さらにCQを続けると、突然、「Hello, my friend!」と声が掛かった。「QRZ?, this is SM7XQZ.」と返すと、それは4日前にCWでQSOしたIS0GQXであった。実は、彼とのCW QSOの際、レポート、ロケーターの交換までは良かったのだが、彼が「73, VA」を送っている間にコンディションが急激に落ち込んでしまい、私の方から最後の挨拶をすることができなかった。そこで、彼にメールを送り、「73を送ることができずに申し訳ない」と伝えていたのである。彼は 「メールありがとう」と言いたくて、私をコールしてくれたのだ。これがラテンの血である。彼はラグチューぎみに色々と親しく話しかけてくるが、私は「いつまたコンディションが落ち込むか」とヒヤヒヤしていた(笑)。幸いにも、今回のQSO中はシグナルは安定していて、最後に再開を誓い合って「さよなら」を言うことができた。 |
||||||
この日の成果
|
||||||
2002.05.20 (Mon)今日はキリスト教の祝日である。3日連続で朝から屋上へ上がった。10:00頃にSM7某局がFとQSOしているのが聞こえたが、相手のFは影も形も確認できない。昨日と同じパターンになりそうだ。10:55にUT5G/Bが419-519で入感したが、すぐに消えてしまった。その後、聞こえてくるのはローカルのCQだけである。しかも、ほとんど空振りばかり。「しばらく動きはなさそうだ」と思った瞬間、ローカルよりも強いシグナルが飛び込んできた。「これはDXだ!」期待を込めて耳を澄ます。GM7PBBであった。 OZ某局のCQに応答している。GM7PBBをコールして、「10
kHz up, please!」と言おうか迷ったが、迷っているうちにどこかへ行ってしまった。すると、20kHzほど上で、別のOZ某局のCQをコールしているではないか。「よし、さらに20
kHz上でCQを出して、待ち伏せしてやる!」そう考えて、早速CQを出し始めた。しかし、10回CQを出しても呼ばれない 。不安になってバンドをスキャンすると、何と彼はバンドの下の方で自らCQを出していた。「やられた!」見事に裏をかかれたが、11:34に一発コールで、無事GM7PBB、new entityをgetした。「余裕だぜ!」と思ったのも束の間、私のQSOから数十秒後にシグナルは一気に落ち込んでしまい、2度と上がってこなかった。実は、全く余裕などではなく、かなり危ないところであった(笑)。その後、1時間ほど粘ってみたが、運良くピークを捕らえることができたF1CPXを1局追加しただけであった。 |
||||||
2002.05.21 (Tue)今日も朝から素晴らしい青空が広がり、夏の日差しが降り注いでくる。「その日差しがEsを運んでくるのだ!」どうしても、私の思考回路は無線へと向かうようである(笑)。午前中は仕事で忙しいため、昼休みにアンテナを立て、午後から暇を見つけてはワッチする計画を立てた。昼休みの時間になってもWeb Clusterには特に大きな変化はなく、まずはアンテナ作業だけ済ませておこうと考え、無線機を研究室においたまま屋上へ上がった。作業を終えて戻ってくると、何と3分前にOZからZ33A入感のレポートが上がっている。屋上へ引き返し、急いで無線機をセットしてその周波数をワッチすると、Z33AのCQが51で聞こえている。ちょうどQSBの谷間だと判断した私は、次のQSBの山でコールしようと、マイクを握り締めて待った。しかし、、、それはZ33Aの最後の一声であった。いくら待っても、どこを探してみても、Z33Aの姿は2度と見つからなかった。「あと5分早ければ、、、」magic bandにとっての5分とは、ひとつの歴史を作るのに十分すぎる程長い時間である。今さら後悔しても遅い。失意のドン底に突き落とされた私は、夢遊病者のようにあてもなくダイヤルを回し始めた。すると、強力に入感するLZ1ZXを発見。LZは既にQSO済みであるが、「気分転換に」という軽いノリでコールすることにした。ところが、なかなかピックアップされないではないか。コールバックを聞いていると、北中部EUで広くオープンしているらしい。気分転換どころではなく、だんだん意地になってきた。30分ほど呼び続けた頃だった、ローカルのクラブ局SK7MWがピックアップされた。すると、頼んだわけでもないのに、SK7MWは「先程からSM7XQZもコールしているのでよろしく!」と言うではないか。LZ1ZXもこのリクエストに応えて、「SM7XQZ, this is LZ1ZX, over.」とアナウンスしてくれた。私は「Thank you guys!」と2人にお礼を言ってからQSOを始めた。私の機嫌が良くなったのは言うまでもない。しばらくして、LZ1ZXはエリアを指定してパイルを処理し始めた。この時間帯は他に聞こえる局がなく、どうやらかなりの大パイルになっているようだ。私がQSOできたのは、完全に彼らのおかげである。2人に感謝したい。1時間ほどでLZ1ZXがフェードアウトしてしまうと、バンドは完全に静かになった。研究室に戻って仕事を再開し、30分から1時間おきにワッチを繰り返したが、17:30の時点までは何も聞こえなかった。ところが、18:00に屋上へ上がってみて驚いた。I, F各局がガンガン入感しているでは ないか。まだWeb Clusterには何も報告されていないことから、バンドがオープンしたのは数分前のようだ。今回のEsは強力で、ほとんど落ち込みがないタイプだ。前回のEsでは、I中南部しか聞こえなかったが、今回はI北中部が中心だ。各局ともかなりのパイルを浴びている。私も早速パイルに参戦したが、ピックアップされるのはいつもDL各局である。DLは局数が多いこともあるが、今回のEsでは地理的に伝搬状態が有利だったのかもしれない。彼らの壁は本当に厚く、40分コールし続けた結果、QSOできたのはIとF各1局(IW5ACZ, F4CYH)という有り様だった。SM7FJEも呼びに回っていたが、彼のようなbig gunでさえもが、いとも簡単にDL各局に跳ね返されている。それでも私は、必死に食い下がり、何とかI2局(IW0UUP, IK1/DK5DQ/P)をさらに追加することができ た。18:45頃から、コンディションが大きく変化し始めたようだ。F各局はフェードアウトし、南部のI8, IS, 9Hが聞こえ出した。そして、それまでの強く落ち込みのないタイプのEsが、短時間だけ強く開いては数分間何も聞こえないタイプへと変化した。タイミング良くI8を1局(IZ8EEL)追加したが、後が続かない。19:30頃、コンディションも下がり始めたためQRTとした。 |
||||||
この日の成果
|
編注; EsでどんどんNewが増えていくヨーロッパがうらやましい・・・ P5出てこないかなぁ・・・
無断転載・引用を禁じます
Copyright(c); All rights reserved :
Tomio YAMAZAKI, M.D.(SM7XQZ esJG2GSY) &
Hideki SUZUKI, M.D.(JN1BPM) ,2002-2005