DXing by UO-14 in EU

みなさんは、どのような目的で(何に興味があって)UO-14にQRVされるのでしょうか。宇宙を飛ぶ衛星を介した通信そのものにロマンを感じる人、偏波面の変化や自動追尾等の技術的な部分に興味がある人、その理由は様々であると考えられます。鈴木先生を始め、無軌道庵の常連の方々と同様に、私は衛星を介したDXing(DXCC, JCC hunting等)に興味を持っています。EUではUO-14のwindowの範囲内に多くのentityがあり、かつ、ある程度のアクティビティーが期待できます。よって、EUでUO-14にQRVすれば、簡単な設備でDXingを楽しむことができるのです。私がEUでUO-14にQRVし始めてから8ヶ月が過ぎました。この間に私が体験したUO-14を介したDXingについて、簡単にご紹介したいと思います。



最初に、EUの各entityのアクティビティーについてお話しします。自分の経験をもとに、UO-14における各entityのアクティビティーを5つのランクに分けてみました。
  • Aランク:ほとんどどのパスでも最低1局は聞こえる
    DL, F, EA, I
  • Bランク:数パスにQRVすれば1回は聞くことができる
    G, GW, GM, PA, ON, OZ, SP, OH, S5, OM, YO, U, UR
  • Cランク:10パスほどQRVすれば1回は聞くことができる
    EI, HB9, LA, SM
  • Dランク:今まで数回しか聞いたことがない
    GI, CT, EA8, LX, TK, OE, OK, HA, YU, SV, LZ, YL, ES, 7X, TF, SV9
  • Eランク:全く聞いたことがない
    その他のentity

Aランクの4 entitiesは、どれも非常に多くの局がQRVしています。これに対して、OZ, SP, OH, S5, OM, YOは、特定の局のアクティビティーが高く、その局以外はほとんど聞こえません。また、entityによっては、145MHZ, 435MHzが許可されないため、衛星のアクティビティーがゼロというところもあると聞きました。

さて、これらのentityとUO-14でQSO(DXing)することを考えてみましょう。

残念なことに、たとえ多くの局が聞こえていても、簡単にQSOが成立しないのがEUのUO-14の特徴です(詳細はスウェーデンで聞くUO-14を参照)。たとえ本格的な設備を持っていても、1回のパスで複数の局とQSOを成立させることは容易ではなく、A, B, Cランクのentityを制覇するには、それぞれ1日(SM7では最大で6パス/日)、1週間、1ヶ月が最低限必要と思われます。

ここまでは時間の問題ですが、Dランクに関しては、運が全てを左右します。ほとんどのDランクのentityでは、単にアクティビティーが低いだけでなく、しっかりとした衛星用の設備を持っている局がいないようです(UO-14に限った話)。よって、彼らのシグナルは比較的弱く、他局のシグナルに簡単につぶされてしまいます。タイミング良くDランクの局をコールできても、downlinkを聞かずに延々とCQを出し続けるバカのために、コールバックが確認できずに終わったことが何度もありました。こればかりは、たとえ自分が良い設備を持っていても何の解決にもならず、ただストレスがたまるばかりです。当初私は、uplink 4W(FT-51)でUO-14にQRVしていましたが、Cランクをすべて制覇するのに3ヶ月かかりました。

その後、Dランクの局を制覇すべく40WにQRO(IC-706MKIIG)したところ、確かに私のシグナルはつぶされなくなりましたが、交信できたDランクのentityは期待したほど増えていないのが現状です。しかし、「たまに聞こえるが、必ずQSOできるとは限らないDランクの局」は、考え方によっては、これぞDXingの標的にぴったりと言えるかもしれません。「相手の受信アンテナの偏波面が合っていることを祈りつつ、QRMが切れた一瞬のスキを突いてDランクの局をコールし、あとは、もう一度QRMが切れた瞬間に応答があることを信じてじっと待つ、、、」それがEUにおけるUO-14を介したDXingのひつの姿であると、私個人は考えています。

クラスDのエンティティのQSL

もちろんDXingの対象はentityだけではありません。多くのgrid squareを稼ぐことも、DXingの大きな目標となります。EUではQSOの際に必ずgrid squareを交換するため、QSLを待つことなく、どのgrid squareを制覇できたのかわかります。よって、entityだけでなく、grid squareを聞いてからコールするかどうかを決めているDXerもいます。また、EUは陸地ばかりなので、UO-14だけで100 gird squaresを達成することも、決して不可能ではありません。このgrid squareを目標にすれば、うるさいほどQRVしているDL各局ともQSOする気になると言うものです(笑)。

では、EUにはDXerの範疇に属する局はどれくらいいるのでしょうか。私がまず筆頭に挙げたいのはOH5LKOZ1MYです。彼らは決して自分からCQを出しませんが、いつも息を潜めて(?)ワッチしています。そして、珍しいentityや未交信のgrid squareが出た瞬間、電光石火の早技で襲いかかるのです。彼らは非常に耳も良く、いつコールバックがあっても、絶対聞き逃すことはありません。また、彼らほどではないにしろ、各entityに最低ひとりはDXingに興味を持った局がいます。(面白いことに、それらの局の多くは50MHzでもアクティブです。)しかし、冒頭に述べたように、各局がUO-14にQRVする理由は、何もDXingだけではありません。あまり声は聞こえないが、いつもアンテナをいじって楽しんでいる局もいれば、毎日のように特定の局と挨拶だけしている局もいます。

以前、7X0DX(アルジェリア)がUO-14に出てきたときの話です。DXer連中が必死にコールするのはもちろん、普段はあまりDXingに興味がない(と思われる)局も何局かコールし始めました。当然のことながら、UO-14は大混乱です。次の瞬間、私にとっては信じられないことが起こりました。DL某局がCQを出し、それに別のDL某局が応答してラグチューを始めたのです。私は開いた口がふさがりませんでした。7X0DXをコールしている多くの局に迷惑をかけてまでラグチューする根性もすごいのですが、「DXingに興味のない局は、とことん興味がない」ということを初めて知りました。

最近は、アメリカの免許を持つJA各局が増えていると聞きました。UO-14を介したDXingやexpeditionに興味のある皆さん。仕事等でEUに来た際に、珍しいentityからUO-14にQRVしてみませんか。アメリカの免許があれば、基本的に何の手続きもなしでXX/W1AAA/Pで運用できます(XXはentityのプリフィックス)。

日本から比較的行き易く、かつアクティビティーの低いentityとして、私はLX(ルクセンブルグ)、HB0(リヒテンシュタイン)、3A(モナコ)を筆頭に挙げたいと思います。ローマ市内にあるHV(バチカン市国)も、QRVすれば超ドパイル間違いなしと思われますが、果たして敷地内で運用を許可してくれるかどうか、、、?




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