「医療人のための群馬弁講座」特講

 

■ 天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 ■


第102回(2022) 天皇杯





■ 2022年6月1日(水) ■

天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 2回戦

モンテディオ山形(J2) 1−3 ザスパクサツ群馬

NDソフトスタジアム山形 2052人

初先発陣躍動

 ザスパが3得点で快勝した。前半6分、MF田中のクロスにFW北川が頭で合わせて先制、24分に同点に追い付かれたが、34分にFW白石の折り返しをMF田中が直接枠へ蹴り込んだ。
 後半も攻撃の手を緩めず、田中のアシストをFW高木が押し込んでリードを広げた。(6月2日『上毛新聞』より引用)





■ 2022年6月22日(水) ■

天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 3回戦

ザスパクサツ群馬 1−0 浦和レッドダイヤモンズ(J1)

正田醤油スタジアム群馬 5893人

だからザスパサポはやめられない

 人件費2.5億円のチームが、約12倍の32億円のチームに勝てる。(2020年度で比較)
 だからサッカーはおもしろい。

 2022年の天皇杯。初戦のモンテディオ山形を3-1で下すと、にわかに周囲が騒ついてきた。次の3回戦の相手は、前回天皇杯覇者の浦和レッズ。しかも、ザスパにとってホームの正田醤油スタジアム群馬での開催が決定したのだ。かつてプレシーズンマッチを行ったことはあるが、浦和との公式戦を正田スタで行うのは初めて。決して大きくはないそのスタンドを、真っ赤な浦和サポーターが埋め尽くすのは容易に想像できる。しかも、今のザスパと浦和には浅からぬ縁があるのだ。ご存知のとおり、ザスパを率いる大槻毅監督は、昨年まで長らく浦和に在籍、監督も務めた。さらに我らがキャプテン細貝萌が初めて所属したクラブであり、下部組織出身の山田晃士や山中惇希もいる。浦和側を見れば、ザスパ出身で日本代表まで昇り詰めた江坂任がいる。牲川歩見はかつて苦難を共に味わったGK。キャプテン岩尾憲は邑楽町出身、この日はエントリーされなかったが、小泉佳穂は前橋育英出身など、群馬ゆかりの選手も多い。
 実はザスパが天皇杯で浦和と対戦するのは、これが初めてではない。2014年、秋葉忠宏監督率いるザスパは、敵地駒場スタジアムで、2-1の逆転勝利を収めている。まだ声を出して応援するのが当たり前の時代。勝利のホイッスルが鳴った瞬間の歓喜と感動は、今でも忘れられない。
 時は流れ、再び相見えることとなった両者。ただ、どちらも現在のチーム状況は芳しくない。ザスパはリーグ戦で勝ちのない状況が続き、気づけば降格圏も視野に入る18位に。浦和は直近のリーグ戦こそ名古屋グランパスに快勝したものの、それまでは引き分けが続き、なかなか調子が上がらない。ACL出場権が優勝チームに与えられる天皇杯は、浦和にとって大きな意味を持っている。
 迎えた決戦の日、予報ほど天気は崩れず、日中は時折晴れ間も見えたが、試合開始の19時が近づくと、敷島公園周辺は濃い色の雲に覆われてきた。水曜日開催にも関わらず、徐々に埋まっていく北側のザスパゴール裏。一方の南に目をやると、ゴール裏だけでなく、メイン、バック両スタンドも既に赤く染まり始めている。リーグ戦とは違いスタンドにBGMは流れず、その静寂が逆に緊張感を高める。
 こちらもいつもとは違う、淡々としたスタメン発表に違和感を感じつつも、ゆかりの選手、特に江坂の名前が呼ばれた時には、スタンドから大きな拍手が鳴り響いた。気がつけばザスパのゴール裏は、懐かしいレプユニを着た人や子供たちも多く、コロナ前の賑わいに近づいていた。反対側のゴール裏は、選手入場に合わせて大小たくさんのフラッグがはためいている。
 いよいよキックオフ、その刹那に赤いスタンドが一斉に手拍子を始めた。気をつけないと、自分達の手拍子のリズムが崩されてしまうほど。声のない中でも、対面で受ける威圧感が凄まじい。そんな雰囲気の中でも、ザスパの選手たちは臆することなく、攻める浦和に立ち向かっていく。
 そして最初の歓喜の瞬間は、唐突に訪れた。自陣でカットしたボールを平松宗がキープ、右サイドの田中稔也に渡すと、高卒ルーキー岡本一真が果敢に飛び出す。田中のパスを受け取った岡本がドリブルで切り込み、ゴール前にグラウンダーのクロス。高木彰人の後ろで受けた天笠泰輝が潰され、ボールがこぼれると、待ち受けた高木が反転しながら右足一閃、浦和のGK西川周作の伸ばした手の先をすり抜け、ボールはゴールネットに突き刺さった。GOOOOOAL!!!
 後半開始早々、浦和の怒涛の攻勢が始まる。個の力で勝る赤い選手たちは、正確なパス、トラップ、ドリブルで揺さぶりをかける。だが、今シーズン序盤に猛威を奮ったザスパの守備は、たとえメンバーが変わっても崩れない。
ー誰が出てもザスパー
 大槻監督の言葉が脳裏に浮かぶ。
 勝利の瞬間、前回ほどの感動はなかった。それは、2回目だったからではなく、赤いブーイングに気圧されたたからでもなく、応援するチームへの情熱が薄れたからでもない。勝つに値する試合内容だったからだ。正確には、勝つにはこの勝ち方しかない、と言った方が良いかもしれない。実力差は明らか、10回やったら半分以上は負けても不思議ではない。それだけのクラブ規模の差があるから。前線からの守備でビルドアップを限定し、ブロックの外に追いやる。SHは自陣深くまで守備に戻る。引っ掛けたボールを素早く展開し、相手の守備が整う前に攻め切る。先制した後はより守備に重点を置き、最後は5バックに移行して逃げ切る。ここのところ研究され、リーグでは通用しなくなってきているが、上位カテゴリかつ前回覇者のプライドが足枷となった浦和には、その戦術が見事に嵌まる結果となった。
 鳴り止まぬ浦和のブーイングの中、ザスパのサポーターは無言で、しかし力強い拍手で、勝利のプランを全うした紺黄の勇者たちを讃えた。温泉街で生まれた20年目のクラブは、日本のサッカー史を長らく牽引するクラブに比べれば、足りないものはたくさんある。しかし、この小さなクラブにしかないものもある。地方からJの開拓者は、ただ与えられたのではなく、共に育んできた。ザスパクサツ群馬というクラブは、会社と、選手・スタッフと、スポンサーと、サポーターが、紆余曲折しながらもその歴史を少しづつ積み上げてきた。だから、このクラブと関わる密度が高くなればなるほど、自分の行いがクラブに与える影響を理解している。

だから、ザスパサポーターはやめられない。
【yosuie@中毛】



■ 2022年7月13日(水) ■

天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 ラウンド16(4回戦)

ザスパクサツ群馬 0−1 サンフレッチェ広島(J1)

正田醤油スタジアム群馬 2362人

ベスト8ならず

 3回戦で8年ぶりに見事浦和を下し、ジャイアントキリングを起こしたザスパ。しかしその後のリーグ戦は5連敗中。リーグ戦に限れば10試合未勝利とゆう散々な低空飛行状態で、J3降格危機に瀕してるで。迎えるはラウンド16(4回戦)、相手はJ1リーグで4位につける好調の広島。再びジャイアントキリングを起こせれば、18年ぶりのベスト8だぃね。
 水曜夜のナイトゲーム、前回の浦和戦みてぇに駐車場争奪戦になんねぇだんべと思って、仕事終わってから出発。狭めぇ東部バイパスは避けて国道50号→(上武道路じゃねぇ)17号で行ってみたら、前橋市街がまぁず混雑してて、キックオフ5分前になんとかスタジアムにたどりついたで。いやぁ間に合ってよかったぁ。あきべー@北毛さんに大村屋さんのソースかつ丼買っておいてもらって助かったで。危うく弁当難民になるところだったぃ。(なぜ天皇杯では登利平さんの出店がねんかねぇ?)ゴール裏やザスパ側のバックスタンドは結構埋まってるだけんど、ザスパ側メインスタンドは空席が目立たぃなぁ。
 今日のザスパのスタメンはリーグ前節の町田戦からなんと全員総取っ替え。GK清水、DF城和・藤井・岡本・高橋、MF岩上・田中・奥村、FW深堀・平松・山根 永遠、サブにはGK山田、DF山田、MF白石・山中・天笠・中山、そしてこれが公式戦初登録のルーキー田部井。相手の広島は、直近の湘南戦に大幅なターンオーバー、温存してた主力をこの試合にぶつけてきたで。(フツー逆だんべ?(笑))加えてこの日にE-1選手権日本代表が発表になって、広島からは大迫・佐々木・荒木・野津田・森島・満田の6選手が選ばれたんだけんど、なんと先発メンバーには、その全員!が名を連ねてらぃねぇ。広島の本気度がまぁずハンパねぇけんど、J2ボトムズのザスパがどこまで対抗でぎるんか注目だぃね。
 梅雨は明けたはずなんに、どんより鉛色の雲が覆い、時折ポツポツ雨が落ちる中キックオフ。ゲリラ豪雨がいつ降ってくるんかまぁず気がかり。ザスパはいつもの4-4-2ではなく左の山根が下がった5-4-1の5バックみてぇだ。守備を固めて対抗する作戦だぃな。最近の試合では前半早々に失点を繰り返しているんで、広島の攻撃をどこまで耐えることがでぎっかなぁ。
 いやぁ広島の主力たちがのレベルが半端なかったで。スピード、展開力、球際、体の入れ方・強さ、セカンドボールの回収率・・・すべてにおいてザスパを圧倒。ザスパは9割方、自陣に押し込まれ、いわゆる「ハーフコートゲーム」になってるし。いつ失点してもおかしかねぇ押されっぱなしの展開。なんとか広島の攻撃を全員で耐え凌ぎ、反撃のチャンスをうかがうザスパ。前半27分、岩上のFKは相手の隙を突くリスタート、グランダーのボールを素早く右のフリーの田中に送り、田中はボックス右に入って、その折り返しに深堀がシュート。ボールは相手DFに当たり、ふんわりとゴールに向かう。おおっ先制か!?と思ったけんど、不運にもクロスバーに当たって跳ね返った!こぼれ球は相手DFにクリアされ、千載一遇の得点のチャンスを逃しちまった。残念無念。その後の広島の攻撃もなんとか守り切って、前半終了、0-0。まぁなんということでしょう!広島を無失点に抑えたで!
 後半開始、ザスパはラッキーパンチでもオウンゴールでもいいんで、なんとか先取点を取りてぇところ。広島は、後半から柏に替えて藤井を投入。後半8分ざ、ザスパのFK。岩上のキックはファーの平松へ。しかし頭でうまく合わせることができず。そして後半12分、広島の攻撃。元日本代表のCB塩谷が替わった右の藤井に展開。藤井が切り込んで奥からクロス、そのままゴール前に上がっていたどフリーの塩谷が頭で合わせてゴール。失点、0-1。流れるようなJ1らしいきれいな攻撃だったぃなぁ。
 追いつきてぇザスパは後半19分に田中に替え、前節リーグ戦で濡れ衣を着せられ退場になっちまった白石を投入。ぜひがんばってほしいやぃ。広島の攻撃を全員で守り、反撃のスキをうかがうザスパ。岩上のミドルシュートはわずかに枠を逸れ、白石のシュートは敵に阻まれた。後半34分には、深堀に替えザスパの次世代の担う期待の新人・田部井を投入。これが公式戦初出場さね。終盤の広島のセットプレーもなんとか凌ぎ追加点は与えなかったもんの、ザスパはリーグ戦同様、得点力不足で1点が遠く、0-1のまんま試合終了。
 18年ぶりのベスト8進出はならず。今年の天皇杯のザスパの進撃もここで終了。ゲリラ豪雨が来なくてほんとよかったぃねぇ。今日は5-4-1の守備的な布陣だったもんの、すべてにおいて格上だった広島の怒涛の攻撃を防いで、懸案の序盤に失点をしなかった点は大きな自信になるんじゃねぇか。いっそリーグ戦も(攻撃は相変わらず湿ってるんだし)、専守防衛の守備的布陣を敷いて勝点を積み上げる方針に変えてくんねぇかな。いずれにせよこの1戦の経験をきっかけに、リブートしてJ3降格危機から少しでも早く脱してもらぃてぇやぃ。【すずき@東毛】








Special Thanks

え亥輪@前橋 様
yosuie@中毛 様
Y夫妻@熊谷 様

製作協力三束雨@藤岡



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すずき@東毛

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