「医療人のための群馬弁講座」特講

■  第85回 天皇杯 (2005) ■




2005 天皇杯にて






■ 2005年10月9日(日) ■

3回戦

ザスパ草津(J2) 3−2 愛媛FC (愛媛県代表)

群馬県営敷島公園サッカーラグビー場 2015人

J2の意地

 サカラグよ、私は帰ってきた!いや〜、スタンドも売店も(ついでに河川敷Pの警備員も)ないサッカーラグビー場って久しぶり。いいよね、この臨場感溢れる箱庭競技場(近隣P付き)。今や小雨・本白根第3に次ぐ聖地の風情だいね。
 今日の試合はJ2レギュラーシーズンの試合とは違って、ガチンコ一発勝負の天皇杯。お相手は昨年JFLで共にしのぎを削った愛媛FC。J2で喘ぐ我らがザスパ草津に対し、悲願のJ昇格を目指しその実力を満天下に知らしめたい現在JFL首位の愛媛。今回の草津としては、昨年とは異なり、痩せても枯れてもJリーグの一員を名乗る以上、JFLのチームに易々と敗れるわけにはいかないという、追われる側のプレッシャーも克服しなくてはいけません。しかも相手の士気はこの上なく高い様子です。う〜む、油断してるとヤバイかも…。
 試合が始まってみると、引いて守ってカウンターを基本としながらも、今日の愛媛のDFラインは高く保たれています。一方の草津は、まあ、何時も通りかな。序盤は草津のポゼッションが勝り、好機も多く作り出します。が、ここも何時も通りというか、フィニッシュまでは至りません。どうもMF後藤選手がサイドバックの位置に下がり、4バックになっているように見えます。あんなに低い位置から果たして彼の持ち味である素早いドリブルが効果的に行えるのか、ちっとんべ不安です。その4バックのラインが低いのが一番気がかり。愛媛のキャプテン・友近選手は常に前線に張り、少しの隙でも果敢に突っ込んできます(→うちで言えばヨージのような選手)。その技量の高さに精神力の強さが相まって、今日の友近選手は鬼神の如し。前半23分、一瞬の隙を突き、友近選手の放ったループシュートが、仰け反るGK岩丸選手の頭上を越えてゴールマウスの奥に収まります。“ズーパー”の二つ名は伊達ではありませんでした。これで目が覚めて欲しいところですが、最近の草津は先制されるとどうもバタツキます。きちんと丁寧にやれば何でもないようなところでも、慌てるあまりミスをする。時間はあるんだから、丁寧にやろうよ。ね。とはいえ、前半のうちに追いついておかないと、軌道修正に時間を使いすぎてそのまま終、いやいや、悲観する暇があったら声を上げて応援せねば。この沈滞ムードを救ってくれたのがFW樹森選手。前半も終わり近い42分に、まさに起死回生となるゴールをその左足で決め、同点で前半を折り返します。草津の得点シーンを見るのは何時以来か。キモリン、ナイス♪
 後半もほぼ前半と同じ展開で、攻め寄せる草津vs隙を突いてカウンターアタックする愛媛の構図です。ですが、やはり前半と変わらず、DFラインの低い草津は攻め手が遅い。いいところまでは組み立てるんですが、詰めが甘い。気が付けば後半12分にカウンターが図に当たり、再度愛媛がリードを奪います。この時間以降、さすがに疲れが見えますが、愛媛はドン引き亀の子堅守作戦には出ません。自分たちのすべきサッカーのスタイルを丁寧に実践しているではないですか。草津の本来の姿をお見せせねば、愛媛の選手達にも失礼ってもんではないですか。見せてあげましょうよ、見せてくださいよ、泥臭い前に向かうサッカーを。その願い、想いが通じたか、後半41分・42分と立て続けに交替出場のFW・佐藤選手がゴールを決めてくれました(アシストは共にチカ選手)。場内を包む大歓声に応え、マチャミが雄叫びを上げマッスルポーズを披露します。この突き上げるような歓声と感激、久しく忘れてました。
 今日の戦利品は次への切符ですが、J2の残り試合を戦う上で必要な「勝利への強い意志」をこの試合で見いだしてくれた(と信じてます)のが何よりです。(ダシに使ったみたいで申し訳ありませんが、)愛媛FCの皆さんには忘れかけていた「何か」を呼び覚ますきっかけを与えてもらったような気がしてます。
 次はJ1との対戦です。はっきり格上のチームとの対戦です。気負いも遠慮も無用です。J最底辺からの挑戦です。夢と奇跡の舞台を目指し、再びあの戦場へ。さあ、行こう。 【ほーせん@高崎】



 天皇杯の組み合わせを見たとき、「こりゃ、やべぇなぁ」と思ったぃね。Jへの夢に邁進中の愛媛FC、そしてJ2最下位に低迷する我らがザスパ。昨年はJFLでザスパは愛媛に天王山・南長野で引導を渡したけんど、今回はひょっとしたら、ホーム敷島で引導を逆に渡されちゃうかもしんねぇ。今、ザスパはいろんな問題で散々なんかもしんねぇが、この一戦だけは両者プライドをかけてぶつかるはず。この試合だけは絶対に見逃せねぇやぃね。チケット発売してすぐにゲット。しかし水戸戦や甲府戦で勝てなかったんで、ちっとんべ負けるんじゃねぇかと不安だったんさ。
 決戦の日、10月9日。朝から曇天、時々雨。11時前に家を出発、前橋に近づくと雨が降ってきたぃね。カッパ着て、セガレと敷島へと向かう。今日の舞台は、あのサカラグ。今日はバックスタンドでみることにしたで。この角度、この情景、みんな懐かしぃや。去年のJへの夢を追い続ける姿を見続けた場所だぃね。今日はあの頃みてぇな必死な姿が見れるんだんべか?でも、ちっとんべ昔の事なんに、はぁ何年も前のことみてぇに感じらぃね。 選手入場。ザスパはホームなんにアウェイユニ。驚いたんは、ザスパの選手の体格の良さ。愛媛の選手がまっさかちっちゃく見えらぃね。草津節を詠って、さぁ試合開始。
 愛媛の選手はみんな気合がなっから入ってたんさ。ザスパを喰って大きくJ参入にアピール!の意気込みがひしひしと伝わってきたで。特にズーパー友近の意気込みはほとばしってたぃね。片や、ザスパは前半、オレの見た目、熱さを感じたのは鳥居塚と樹森ぐれぇだ。あぁこんなんじゃやられるかもしんねぇな・・・と思っていたら、前半23分、その友近の技ありのループ気味のヘディングシュートが、岩丸の伸ばす手の先を越えて、ゆっくりとゴールに転がり込んだんさ。やられた。まっさか覇気が感じられねぇザスパは点が返せるんきゃ?と思って見ていたが、その後は一進一退の攻防。前半43分、樹森が右サイドに上がった酒井のクロスから同点ゴールを決めたぃね。何とか前半のうちに追いつけたぃね。勝負はこれから。あの南長野も後半怒涛の反撃だったじゃねーか。
 さぁ行ぐぞ、後半開始。今度ぁ一転してザスパペース。こりゃ点がへぇるぞ!南長野の再来!と思っていたら、後半12分、愛媛の絵に描いたようなカウンター攻撃、ズーパーからのパスを受けた広庭に左サイドを駆け上がられ、そのままシュートされちまった、1-2。おいおい、どーしたんだ?ザスパ。ザスパは、山口を投入。更に佐藤、”天皇杯男”依田を投入し、愛媛に攻撃の連続。愛媛はというと後半15分に精神的支柱のズーパーが退いちまって、ちっと雰囲気が変わっちまった感じだぃね。
 ザスパはなおも分厚い攻撃。御給は退いちまったけど、斉藤やチカの高さに愛媛は苦労しているみてぇだったぃね。そんな中、佐藤がゴール前でパスを受けシュートを打たねぇで、バックパスをしたんを見たときにはオレは激しくキレちまった!「おいおい!点を入れる気がねぇんなら出てくんな!」と思わず叫んじまったほどだぃね。その数分後に、佐藤から劇的なゴールが2本も生まれちまうとは、その時点では夢にも思えなかったぃね。
 ラスト10分、1−2、1点ビハインド。雨はますます強く降ってきたんさ。ザスパは猛攻をかけるんだけんど、愛媛のGKの再三の好守にあったりして点がへぇんねぇ。今だから話すが、オレの脳裏には敗戦の光景がよぎってたで。スコアボードの時計は残り5分を指す。サポは声をふりしぼり大声援。そんな中、チカのヘディングを受けた、あの佐藤のシュートがゴールを揺らす。GOOOOOAL!! 2−2同点!佐藤がバックスタンドに駆け寄ってきた。そして更に逆転を信じてボルテージを上げるザスパサポのコール。そして2分後、CKからのゴール前の混戦の中、佐藤の放ったボールはゴールへと転がった。GOOOOOAL!! やった!ついに逆転!3−2!大歓声とハイタッチ、歓喜の渦。「J2-JFL入れ替え戦」と揶揄されたこの一戦は、最後の最後でオレたちのザスパの「J2の意地」が上回ったんさ。「最後まで絶対にあきらめねぇ」 これこそ、ザスパが今まで多くの人の魂を打ち抜いてきた「アイデンティティ」だんべ?今日はその姿をじっくり見してもらったで。びしょ濡れだったけど、勝って詠う「草津節」、サイコーだぃね。
 しかし敗れたとはいえ、愛媛のこの一戦に懸ける気迫と熱い魂は、前半は確かにザスパをはるかに凌駕してたで。特に、初めて生で見るズーパー友近の速さ、強さ、熱さ。そして気迫の技ありのヘディングシュート。敵ながら、オレはすっかり魅了されちまったんさ。ズーパー、来年はぜひJ2に昇格して、また敷島で熱いプレーを見せてくんな。
 それにしても、サカラグは選手の気迫や息づかいまで伝わってくらぃね。どーしてここを改修してくんなかったんかな。ほんと、つくづく残念だぃね。【すずき@東毛】



■ 2005年11月3日(木・祝) ■

4回戦

アルビレックス新潟(J1) 1−0 ザスパ草津(J2)

新潟市・ビッグスワン 10892人

未来への糧に

 天皇杯4回戦、対アルビレックス新潟戦。ビッグスワンを訪れるのは初めてですが、その距離(昨年の新潟県中越地震の影響で関越が片側1車線なのが響いています)および日帰り日程を考慮して、今回は某サポーター団体のバスに同乗させてもらって新潟へ向かいます。
 道中ではBSフジで放映されたというビデオが流され、車内は否が応にもザスパムードに包まれていきます。そんな中で画面にはJFL最終節対ホンダFC戦、サポーターの目の前で北選手の横っ飛びも及ばず3点目を奪われたシーンが映し出されました。目を背けたくなるシーン。その後の画面は試合後の泣き崩れる選手たちに切り替わり、あの日寒風吹き荒ぶ都田で教えられたJの舞台に立ち、Jの舞台で戦うことの意味を再認識させられました。今日(こんにち)Jリーグの旗の下で戦えるまでに流した涙の量、その結果右袖に縫いつけることを許されたJワッペンの重みに思いを馳せつつ、バスはビッグスワンに到着します。
 初めて訪れたビッグスワンですが、立派の一言につきます。電光掲示板はカラーで映るし、スタンドの大半には屋根が設置されているし、何より清潔なトイレが豊富に用意されています。スタジアム食は極めて貧弱(スタ前のコンビニに行くための再入場も禁止)でしたが、天皇杯の会場で売店が豊富だった記憶もあまりないので、もしかすると天皇杯仕様の風景であり、リーグ戦の状態とは異なるのかもしれません。また、天皇杯というと、上位カテゴリーチームのホームスタジアムでアウェイチームがホームユニを着て、場内アナウンスは(一応)中立で開催されるイメージがあったのですが、この日は完全新潟ホームでした。中立のはずのスタジアムDJ、新潟選手の紹介にあたり選手の苗字をアナウンスした後に、名前をサポとDJが声を合わせて叫びます。流石にオレンジ色のエスコートキッズは現れませんでしたが、しかしザスパは白いアウェイユニで登場してきました。
 先発はGK小島、DF杉山/斎藤/チカ/籾谷。MFはボランチに小久保/櫻田、右サイドに後藤、左サイドに佐田が入ります。2トップは樹森と佐藤正美です。リザーブとして北/小川/氏家/佐藤大典/樋口が控えます。
 前半9分、左サイド佐田選手が右足でクロスボールを供給します。そのボールをニアサイドで待っていた樹森選手がヘディングで合わせますが、ボールは惜しくもゴール右へと外れていきます。その後も両サイドの佐田選手・後藤選手を中心にスピード溢れる攻撃を繰り出し、ゴール前で相手DFに阻まれフィニッシュに至るシーンこそ少ないものの押され気味な展開のなか積極果敢にゴールを狙っていきます。同時に、守備陣もセンターバック斎藤選手を中心によく守り、またGK小島選手の獅子奮迅の活躍もあって、前半は両チームスコアレスのまま終えます。
 ハーフタイム、サポーターはフィールドから確実な手応えを感じていました。たしかにボールの支配率は新潟に握られ、また両サイドバックがオーバーラップしたスペースを突かれることもありましたが、センターバックの斎藤・チカ両選手のフォローや周囲の選手のカバーリングで決定的なピンチを防いでいきます。小島選手もゴールマウスに立ちはだかり、身を呈してゴールを死守します。この試合、焦っているのは新潟のはず。しっかり守って、少ないながらもチャンスを活かせば勝てる。スタンドには強い気持ちと期待感が充満していきます。
 後半。新潟が攻めのレベルを上げてきます。開始早々のピンチを防ぐも、新潟の波状攻撃に晒されます。そしてついに53分。ザスパ右サイドを破られ深い位置からクロスを入れられます。このクロスをゴール前で新潟・寺川選手に合わせられ、これを一度は小島選手が阻んだものの、こぼれたボールはザスパゴールへと転がり込んでしまいます。津波のような歓声が新潟スタンドから伝わり、0対1。
 しかしながら、まだまだ時間はあります。この日の実質的ゲームメイカーの櫻田選手を中心に両サイドを佐田・後藤・杉山選手が駆け上がり、2トップも積極的にゴールを狙います。もう一本の決定的なパスが繋がらず得点こそ奪えないものの、ゴールを狙う意思がフィールドから伝わってきます。
 62分、佐田選手Out、佐藤大典選手In。小久保選手Out、氏家選手In。大典選手がトップ下に、佐田選手の左サイドに櫻田選手が入ります。ボランチを1枚にしてトップ下に人数を配し、前掛かりなパワープレイに移行していきます。さらに72分、樹森選手Out、樋口選手In。前線に元気のいい勢いのある選手を投入して、相手守備陣にプレッシャーをかけます。もちろんこの時間帯にも新潟の攻撃の局面はあり、削減されたワンボランチで中盤の底を支えた氏家選手や前掛かりになりがちな守備陣をコントロールした斎藤選手の活躍も忘れることはできません。
 こらえつづけた84分。中盤から前線に供給されたロビングに大典選手がダイビングヘッド。充分な角度はなかったものの、ボールはGKの飛びついた先をゴールに向かっていきました。が、わずかにポストに当たり、ゴールはならず。溜め息が漏れながらも、ゴールへの期待は高まっていきます。その後もチカ選手が前線に張り付くなど更なるパワープレイを仕掛け、最後の最後まで諦めずに攻撃を繰り出しますが、結局新潟ゴールをこじ開けるまでには至らず、ついに試合終了のホイッスル。0対1、ザスパの2005年天皇杯は終了しました。
 試合直後は「トーナメントなのだし、今日の新潟の状態であれば勝たなくてはダメ」とおもっていました。しかし、帰りのバスの中でなぜか(行きのビデオの影響とはおもいますが;)昨年のホンダFC戦を思い出し、不思議な爽やかさを感じていました。それは、絶対に取らなければならない1点の重み、そこに向かって最後まで諦めずに戦っていた選手たち、残念ながらそれでも及ばなかったものの選手たちから感じることができた未来への可能性。カテゴリーこそ違え、アルビレックスもホンダもそのときのザスパの先を走るチームです。追いつき追い越すための指標を示してくれたと考えれば、敗戦も未来への糧となることでしょう。今日感じたJ1との差をチームとしてどう埋めていくか。これからの課題となるとおもいます。
 天皇杯という日本最大のオープントーナメントはJFL3位がJチャンプに勝つこともあれば、J30位がJ31位(=JFL首位)に大苦戦することも起こります。今回の敗戦は残念ですが、それもサッカー。ザスパライフの一部です。まだ残っている2005年残りのシーズンを来期に向けての助走期間と考えれば、活きのいい若手の台頭は希望の光です。5年後のザスパから逆算して考えるときに、今のザスパは種を蒔く時期だと考えます。若い力の成長を確かめながら残りシーズンを楽しませてもらいたいとおもいつつ、バスは帰路につきました。【昴⊂上州】



わずか2試合で無念の敗退
サッカーの神様は、今年はわれらの元に舞い降りなかった

来年こそ、また快進撃を






Special Thanks
御寄稿・御協力あんがとね!

ほーせん@高崎 様
あきべー@北毛 様
昴⊂上州 様
特派員F@前橋 様


製作協力三束雨@藤岡


Copyright(c) 2005
すずき@東毛

無断転載、複製公開はかたくお断りすらぃね!

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