「医療人のための群馬弁講座」特講





第22〜42節

降格危機














■ 2013年7月3日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第22節

アビスパ福岡 1−0 ザスパクサツ群馬

レベルファイブスタジアム 2640人

一瞬の散漫

 ザスパは前半、相手の出足の早さに苦しんだ。中盤で思うようにパスがつながらず、ミスからカウンターを受ける展開。両サイドの裏のスペースを突かれる場面も多く、押し込まれる時間が続いた。それでも守備の集中力を保ち、スコアレスで折り返した。
 後半開始直後の1分、左サイドからクロスを許し先制点を献上。9分にFW平繁、17分にFW青木を投入して反撃し、後半だけで10本のシュートを放った。しかし、相手の堅守に阻まれてゴールを奪えなかった。(7月4日『上毛新聞』より引用)







■ 2013年7月7日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第23節

ザスパクサツ群馬 0−1 水戸ホーリーホック

正田醤油スタジアム群馬 3883人

臍を噛む

 例年より早い梅雨明けで、群馬はいきなし灼熱地獄(笑)チームのメンバーの約半数が入れ替わったザスパは、初めて経験するであろう酷暑の群馬の夏を凌ぎきる事ができるんか、ちっと心配。アウェイで福岡に負け、仕切り直しの今日の一戦、午後7時半キックオフの水戸戦さね。一応北関東ダービーと銘打たれてるんだけんどね。今日の先発メンバーはGK22北、久々のDF5中村、DF13有薗、DF4小柳・出場停止明けのDF2保崎、MF16永田、スタメン復帰のMF6櫻田、MF18加藤、MF7青木、そして2トップのFW15エデル、エースのFW10平繁、サブにGK23富居、DF28瀬川、初ベンチ入りのDF3ジュニオール アウベス、MF25坂井、MF19黄、MF11小林、FW8遠藤。かつて水戸に所属していた保崎、中村、遠藤の意地のパフォーマンスに期待すっか。相手の水戸は主力2人が累積警告で出場停止のいわば「飛車角落ち」状態。ぜひ圧倒して勝利を手中にしてぇとこだぃね。
 キックオフ前、榛名から見事なV字の後光が指したで。いやぁ何とも言えねぇ神々しい風景じゃねーきゃ。長年群馬に住んでっけど、こんな景色初めて見たで。このV字は「Victory」の「V」とゆう天啓と信じてぇやぃね。その後も榛名の夕焼けは美しくて幻想的、まぁず見事だったぃ。(結果的に、この日の一番良かったことは、この榛名の夕日を見られたこと・・・だったぃ・・・orz)日が沈んでもまだ気温は30℃近けぇみてぇで蒸し暑ちぃ。この暑さの中、高ぇパフォーマンスみせることができるんか注目さね。
 試合開始。いきなしの水戸の圧倒的攻勢、シンプルにボールをつないでゴールに一気に迫ったり、サイドをえぐったりとキョーレツ。防戦一方のザスパ。本当にこれが飛車角落ちのチームなんきゃ?片や水戸の強烈なプレスに圧倒され、ボールをちっとも前に運べねぇで、ハーフラインをも越えられず、横パスの連続の挙句ボール後ろに下げるべぇのザスパ・・・完全押されまくりorz それでもここで失点しなかったんは幸いだったぃ。徐々にサイドバックのサイドチェンジを行うなど、攻撃を押し上げ、ミドルを放つなどでぎるようになってきたで。平繁がボックス内で粘って粘って抜け出て、転倒!やった!PKと思いきや・・・主審はまるで野球の本塁クロスプレーの「セーフ」のジャッジの如く何度も両手を横に広げ、PKなしの宣告orz 蒸し暑さのためなんか、その後のプレーも精彩を欠いたまんま、前半終了、0-0。あの入り際の水戸の攻勢に失点しなくてよかったぃ。まぁ前半凌いで、後半勝負とゆう作戦・・・だんべ?でもいっつも後半やられとまうことが多いんは気がかりなんだけんどね。
 ハーフタイムにはサンクス渋川デーってことで、渋川市長の挨拶と、出ました!今年も奇祭・へそ祭の「へそ踊り」がシュールな世界を披露。なんだか脱力した妙な雰囲気のまんま、後半へ。
 後半開始。いきなし後半3分、保崎のシュートはクロスバー直撃!orz この後も櫻田がうまくボールを散らしてザスパの攻勢が続く。徐々に弱い雨が降り出してきた。平繁のドリブルで得たゴール前のFK。得点のチャンス。が、キックは壁を突き抜けるが不運にも水戸GKの正面orz 徐々に暑さの影響なんか、中盤でパスを見事にカットされ、何度もピンチを招き、水戸が連続CKのチャンスを得る。そして何度目かのCKでヘッドで決められ失点。ちなみに、ちょうどこの時、雨の勢いが強くなってきて、オレはデジカメを水に濡れねぇようにポリ袋にしまおうと目を切ったら、観客がどよめいたんで、視線をあわててゴールに送るとまさにボールがネットを揺らした瞬間だったぃorz なんだかなー。  残り時間は25分ほど。まだ時間はあるで。失点の直後、ベンチは直後に小柳から瀬川、永田から黄と一気に2枚の交代。フレッシュな選手の活躍に期待したんだけんど、相変わらずゴールは遠い。後半32分には青木から遠藤の最後のカードを切るも水戸の攻勢が続く。降ってた雨も収まってきたぃ。左SBに入った瀬川からエース平繁にボールが渡るも決められず。平繁は元ザスパの尾本が徹底マークしてたで。 42分エデルのミドル、45分、右SB保崎のクロスをエデルがシュートを撃つも決まらず。ロスタイムは5分。最後のチャンスに中村がミドルを放つもゴール上に飛び、試合終了。0-1敗戦。岐阜がお付き合いで負けてくれたんで、なんとか最下位転落は避けられたぃ。
 なんだか試合内容もダービーとは思えねぇ気合の入ってねぇ低調なまんまの、なんだかなぁな敗戦だったように思うで。(まぁ興行的にダービーと銘打ってるんだけんど、茨城はダービーの相手にするんは関係や因縁浅すぎ。歴史的にも文化的にも政治的にも群馬の真のダービーの相手は栃木だけじゃねんかとオレは思うんだけんどね・・・)もうちっと気迫見せてくんねぇもんかね。試合データのスタッツを見っと、ザスパのシュートは水戸の倍近くだったようだけんど、現地で観てっと、そんな感じにはとても思えなかったぃなぁ。「日本のへそ」を自称する町渋川の、サンクスデーだからってわけじゃねぇだんべけんど、毎度毎度「臍(ほぞ)を噛む」展開の繰り返しだぃなぁ。バックスタンドに飛び交うブーイングと怒号。汚名返上のチャンスの残り試合は、すでに20試合を切ってるで。くれぐれも「J2残留」が「臍で茶を沸かす」なんて事態にならねぇよう切に祈らぃ。【すずき@東毛】



■ 2013年7月14日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第24節

V・ファーレン長崎 1−0 ザスパクサツ群馬

長崎県立総合公園陸上競技場 3981人

勢いの差



  ザスパは前半、序盤の数分は前線からのプレスでリズムをつかみかけたが、12分に右サイドから自陣深く入りこまれ失点。27分、31分とMF青木が惜しいシュートを放つが、相手GKの好セーブに阻まれた。
 後半は立ち上がりから反撃するも、ミスが目立って好機をつくれず。セットプレーの精度も低く、後半だけで9本のCKを得たが、生かすことができなかった。(7月15日『上毛新聞』より引用)







■ 2013年7月20日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第25節

徳島ヴォルティス 4−1 ザスパクサツ群馬

鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム群馬 4664人

前回と真逆

  ザスパは前半6分、MF青木のスルーパスにMF小林が抜け出し、ファーストシュートで先制に成功した。だが、その後は押し込まれ、39分にDF小柳が相手を倒しPKを献上。これを決められ1−1で折り返した
 後半は9分にFKを直接決められて逆転を許すと、その後は相手のゴールラッシュ。38分にDF有薗がPKを与えて3点目を献上すると、直後40分には守備の集中力を切らして4点目を許し、力尽きた。(7月21日『上毛新聞』より引用)







■ 2013年7月27日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第26節

ザスパクサツ群馬 1−1 カターレ富山

正田醤油スタジアム群馬 1815人

点かぬ灯

 家を出る頃(16:00頃)は強い陽射し照る晴天でしたが、今日これからの天気予報は雷雨。スタジアムに着いて定席に腰を落ち着けた辺りから急速に天候が悪化。慌てて雨支度をしていると、大粒の雨がザーっと降り出します。全天が真っ黒に変わったかと思ったら、黒を切り裂く白い閃光が空を走ります。そこから先は雷、雷、雷。バックスタンドコンコースへ誘導されて避難していましたが、物凄い閃光と雷鳴が至近で轟き、コンコースの一同から悲鳴と響めきが起こります。どうも、バックスタンド南側の照明塔に直撃したらしく、灯りも落ちました(故障です)。17:00〜19:00の間は雨が降り続き、完全に雷雲の下に入ったらしく雷鳴が切れません。生粋の上州人である僕でもあまり経験の無いくらいの凄い雷です。速報サイトで見た所、栃木では試合が中止された模様。この天候を鑑みて、はて、うちは試合をするのかしらん。照明一個お釈迦だし。結局、開始時間を19:45へ遅らせて開催される事となりました。チーム史上初の「試合中止・再試合」はお流れになりましたが、まあ、余分なお金が掛からなくて良かったぃね(笑)。
 今日の対戦相手は現在19位の富山。群馬は4連敗中と喘いでいますが、富山も8戦勝利が無い状態で苦しんでいます。この試合の勝ち負けで両者の順位入れ替えはありませんが、群馬が勝てば富山の背後にピッタリと寄せる事が出来ます。反対に勝ちを逃すと、条件次第では(今節岐阜が勝った場合)、再び最下位へと転落するという一戦でもあります。
 その大事な試合のスタメンはこうなりました。GK:22・北選手、DF:13・有薗選手、24・乾選手、32・クォンハンジン選手、MF:18・加藤選手、19・黄選手、29・夛田選手、2・保崎選手、FW:14・横山選手、10・平繁選手、11・小林選手、リザーブメンバー・GK:23・富居選手、DF:5・中村選手、17・星野選手、28・瀬川選手、MF:6・櫻田選手16・永田選手、FW:15・エデル選手。フォーメーションは3-4-3で、2ボランチ・2シャドー・1トップが濃厚です。これは、富山と同じ布陣でもあります。今日の目玉は、7月の移籍ウィンドウで加入(レンタル)したクォン選手で、先発登場となります。そびえ立つ防壁に期待です。
 直前まで退避していたため、スタンドに戻って間もなく選手入場の時間となります。ピッチに現れた選手達の装いがいつもと違う事に気が付きます。ユニフォームの基本色はホーム色である紺色ですが、肩の所とパンツのサイドライン、ソックスが鮮やかなオレンジ色に染められた特別仕様です。この組み合わせは綺麗だし映えて良いなあ。さて突然ですが、ここで質問です。雨で濡れたピッチ条件、積極的に取るべき作戦は?………そう、正解!ミドルシュートですね。何かが起こるかも知れないコンディションなので、兎も角もアクションを起こさないと。バンバン撃っていぐんべぇや。
 南東角のピッチが妙に暗い中、試合は始まります(よく見れば電光掲示板にも電気が通ってない様子)。前半3分、富山・池端選手のミドルシュートがファーストショットとなりました。やはりと言うべきか、富山サイドは雨を考慮した戦い方をしてきましたね。続く前半4分、富山は左サイドを拠点として、ソヨンドク選手がゴール前へクロスを入れます。ペナルティエリアに防衛ラインを布いていた草津DFが蹴り返しますが、クリアが小さくボールは依然ペナルティエリア至近に落ちます。このボールに國吉選手が詰めて、ボレーシュートでゴール右脇を狙います。低く抑えた(スリッピーなピッチを考えると非常に有効な)シュートでしたが、ここはGK・北選手がうまく弾き出しました(うっかり正面に叩くとリバウンドに詰められてゴールを割られる危険性がありますので、ここはゴールラインに逃げて正解です)。この出だしのシュートでリズムを掴んだか、引き気味になった群馬に対して富山がアタックを仕掛けます。ただ、今日は両軍とも中盤の人数が多い上、共にパス主体のサッカーをするもんですから、当然のようにハーフエリアでの攻防が頻発して前線へボールが収まるシーンが作れません。むう、こりゃ消耗戦だな。時間はあっという間に過ぎ去り、残り5分を切りました。いつもの「危ない時間」です。前半43分、富山はペナルティエリア左隅に持ち込んでタメを作る西川選手からフリーになった大西選手へマイナスのパスが入ります。大西選手、ゴール正面でDF・クォン選手を背負いながら自陣方向を向いている苔口選手へ宛ててセンタリングを蹴り入れます。このハイボールを苔口選手が押し戻したか、はたまたクォン選手がキックで蹴り返したかはよく見えませんでしたが、ともかく、ボールは再びマイナス方向へ転がります。このこぼれ球に真っ直ぐ走り込んで来たのが朝日選手です。朝日選手、駆け込みざま、ミドルレンジから強烈なシュートを放つと、横っ飛びで手を伸ばす北選手も及ばず、ゴール右隅へと突き刺さります。シュートを打った朝日選手の周りからGKまでの間には、群馬の選手が6名居ました。直前のプレーで西川選手を追っていたのが2名。反対サイドのフォロワーが1名。つまり、前線に残っていた1トップ平繁選手を除く全員がシューターの至近に居た事になります。どうしてフリーで打たせた…。やられたのは、やはりミドルシュートでした。古代ギリシャの哲学者も、「雨の日にはミドル」と言ってます(嘘)。序盤から打ってたし、もっと警戒した方が良かったと言っても後の祭り。前半は全く良い所なく終了。
 前半気が付いたのは、守備の時にDF陣が下がってラインを作るのは良いんですが、釣られて2名のボランチまでもがこのラインに溶け込んでしまい、結果として自陣アタッキングサードで相手に前を向かせる余裕やスペースを安易に与えてしまう場面が多かった事。これは攻撃に切り替わった時にもマイナスに作用します。前線の3名とカウンター発動時の拠点となるボランチの距離が遠く、パスが繋がらなかったり、そもそも速攻パスが出せなかったりと言ったケースが散見されました。もっと悪いのは、下がったボランチとの距離を詰めるべく小林選手が頻繁に下がったり上がったりを繰り返す事。これが彼の稼働時間を削り取って行きます。タツキ君に非は無いんだけれど、もう少しチームとしてその辺りを考えてみた方が良いかと。
 ハーフタイムの頃には雨も上がり、結構涼しい風が吹いてきたりします。さあ、後半はまず1点返そう。後半に入ると一転、群馬はエンジンを吹かし始めます。後半3分、加藤選手がまずミドルシュートを見舞います。これですこれです。打ちゃぁ良いんですよ。群馬ベンチは攻勢と見て早めに選手交代を行います(後半7分:小林選手→永田選手、後半18分:横山選手→エデル選手)。永田選手とエデル選手が入ると、前線でのボール回りが俄然良くなりました。ハーフに入った永田選手と2トップに入ったエデル選手の位置関係が近く、ここでのボールのやり取りが増えた事に端を発し、必然的にここに引き付けられる富山の選手が増え、結果、2トップのもう1人である平繁選手や上がってくるSH(夛田選手、保崎選手)のフリースペースを生み出している、と言う構図です。後半22分、相手陣内左サイドエリアから乾選手のパスがゴール正面へ送られます。自陣からのセットアップだったため、このパスが蹴られる段階では、富山側はペナルティエリア直前に5人からなる綺麗なDFラインが構築されており、ボールサイドに1名、ファー側のフォロワーが1名と、守備陣形は万全でした。乾選手からのパスを受けたのは黄選手です。黄選手、富山のDFラインにドリブルで飛び込むと、これを突破。エリア内を中央から左サイド方向へ切り裂きながら、追走するDFの隙を突いてシュート。ボールはゴール右隅へと突き刺さりGOOOOOAL!!! 黄選手のJ初ゴールにより、同点!守備のラインは綺麗に整っていたものの、結局寄せの甘さが命取りになってゴールを許した格好です。前半の群馬と同じだぃね。アディショナルタイムには永田選手が強烈なミドルショットやヘディングシュートを放つなど、終始攻めましたが後一歩ゴールに届かず、試合は引き分けに終わりました。
 前半、群馬が放ったシュートは4本にとどまり、富山には7本を浴びて1点を失いました。後半は相手をシュート1本に封じ込める一方で、こちらは6本のシュートで1点でした。まあ、ドローは妥当なんでしょう。しかし、後半はあれだけ場を支配しながら局面を大きく動かせなかったのも事実で、決定的な場面へのアプローチ(遅速の切り替え、縦への突破、クロス、スルーパス、ワンツー等々)に時間が掛かって機を逸するケースがこの試合でも多く見られました。また、そうしたチャレンジを試みた場面でも、精度を欠いて次に繋がらないといった事も頻発しました。パスで繋ぐ形を軸にしていながら、肝心のパスが繋がらない。そこには、パスの出し手/受け手の意図・意思の共有に大きな齟齬が見えます。今年のチームは善し悪しは別として、ボールを受け渡しする中核となるパサー(大きな意味で言えばゲームメイカー)が居なくて、その代わりにフィールドプレーヤー全員が均等にパスの出し/受けを担っています。かつての島田選手のような中核パサーを擁した場合、ここを封じられると手も足も出なくなるといった弱点がありましたが、現行チームのスタイルが上手く機能すれば、こうした弱点は生じません。そう、「上手く機能さえすれば」、ですが。今季の低迷の最大の要因は、まさにここに集約されるんじゃないかと僕個人は見ています。解決策は2つ。1つ、上手なパサーを用意する。2つ、現行のまま、スキルの底上げを図る。前者は劇的に改善される可能性を秘めていて一見よく見えますが、連携馴致をどれだけ短時間で出来るかがネックになる上、しくじった場合のリスクが大きすぎます(時間的、金銭的に)。結局のところ、後者、すなわち現行スタイルの徹底的な改善とレベルアップしか手がないんです。こればっかりは、もう選手・スタッフに頑張って下さいとお願いするしかありません。
 あわや敗戦5連敗、と言う何にも得られない事態だけは回避しましたが、富山に肉迫して危険水域から少しでも遠ざかる、と言うミッションは失敗に終わりました。再び最下位に転落です(´・ω・`)。雷神の一撃を食らって消えた灯りが何とも暗示的で、心に仄暗い染みを残しました。でも、敷島の照明塔が1つ消えてもまだ3つあるように、完全なる暗黒に呑まれた訳ではありません。点かぬ灯を嘆くでなく、残された種火を熾して、闇夜に足を取られて崖下に転げ落ちないよう慎重に歩いて行きましょう。【ほーせん@高崎】



■ 2013年8月4日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第27節

ザスパクサツ群馬 3−0 松本山雅FC

正田醤油スタジアム群馬 6822人

緑波紺撃

 敷島に向かう道では、「長野」「松本」ナンバーの車を多数見かけます。国体道路を北に歩く人の流れにも緑色が目立ちます。河川敷には15:30時点で既に多くの車が駐まっていて、その多くがやはり長野方面の車です。スタジアムメイン側広場は、人で溢れ返っています。そして、その色合いは「緑」。事前にアウェイチケット完売の情報を得ていたため、納得の光景ではありますが、いや、それにしても凄いな。
 入場して定席に着いた頃はまだ陽が高く、ジリジリと肌を焼くような暑さです。程なくして一般入場が開始されると、アウェイ側のゴール裏〜バックスタンドがあっと言う間に満員になり、それどころか、メインスタンドの南側半分も緑色に染められてゆくではないですか。近くは「赤青」に占拠された事がありました。それ以前には「黄色」に乗っ取られた事もありました。今度は「緑色」です。現状自力で紺色満員にする力が無いので、色々と複雑な気持ちもありますが、松本サポの皆様には売り上げにご協力頂いて有り難いなと。せっかくおーか遠くから来たんだから、自慢のスタジアムグルメでもいっぺぇ味わってってくんなぃ!でもって、勝ち点はスッパリ置いて行ってくんなぃ(笑)。
 それでは今日のスタメンを確認しましょう。GK:22・北選手、DF:4・小柳選手、24・乾選手、13・有薗選手、MF:18・加藤選手、19・黄選手、29・夛田選手、16・永田選手、2・保崎選手、FW:14・横山選手、10・平繁選手、リザーブメンバー・GK:23・富居選手、DF:5・中村選手、MF:6・櫻田選手、7・青木選手、11・小林選手、FW:15・エデル選手、20・野崎選手。フォーメーションは3-4-3で、前節同様対戦相手の鏡写しにしてフィールドプレーヤーが1対1で相手をカバーする、ガップリ四つ組みの陣形です。前節からの変更点は、CBの中央が小柳選手になった事と、トップ下に永田選手が入った事、それから横山選手がトップに宛てられた事です。前節途中出場の永田選手は、ボランチよりもむしろもっと攻撃的なポジションの方が活きる気がしていたので、この起用は納得です。2トップの相方に指名された横山選手ですが、これまでOMFとして中継役をしている時にはどこか窮屈そうな雰囲気がありました。若さに任せて少しぐらいわがままに走り回ってしまった方が彼の持つ良さが出るかも知れません。直前に移籍が発表されたFW・ロビーニョ選手は、登録の関係で今節は間に合いませんでした。少し気になるのは、前節起用されたCB・クォン選手が今節はベンチにも居ない事ですかね。何でもなければいいんですが(全く情報が無いのでね)。
 試合開始が近づく頃には、メイン北側もすっかり人で埋まりました。メイン指定席とホーム・ゴール裏が埋まれば完璧でしたが、ともあれ久しぶりに賑やかな試合になりそうです。ジャックされた南側からは迫力の大歓声が轟きます。立派な庭(アルウィン)とこの動員力。考えさせられますなぁ、色々と。しかし我々もやられっぱなしで引き下がれません。数で劣る分は気迫でカバーします。開幕戦に強風でお流れになった紙テープパフォーマンスを今日やります。バックスタンドではお馴染みとなった黄色と紺色の小旗も振ります。大きなメッセージボードも用意しました。立教大学・チアリーディング部の応援も借ります。ジャックされようが、ここ敷島はうちのホームです。主導権は渡しませんよ。そして、本日の試合は、恒例の「高山眼科スペシャルマッチ」です。試合前には、すっかりお馴染みの院長先生がスーパーハイテンションな応援とコールで場を盛り上げます(毎年これが楽しみなんだぃね^^)。更にもう一つ、今日も群馬の選手達は紺にオレンジのスペシャルユニフォームを着用します。
 そして今日は、本県出身で松本に所属していた松田直樹さんの命日です。試合前に選手達がセンターサークルに並び、黙祷を捧げます。1分間の完全なる静寂。故人にゆかりある両チームがこの日に対戦するのも奇しき縁でしょう。静かなる祈りの後、場内は両軍サポーターによる大音声へと変わります。第27節、開幕です。
 序盤は松本がペースを掴みます。前線からハイプレスを掛けて、ボールとラインを群馬側へと押し込めます。これとは対照的に、群馬側はあまり積極的なプレスを掛けず、どちらかと言うと「受けて立つ」姿勢に見えます。これで松本側が縦にポンポンと入れてくるようだと、ズルズルと下がっていつものお決まりジリ貧コースまっしぐらなんですが、幸いにしてあくまでもパスで繋いで崩しに来てくれている分、前を向いて対応出来ています。中盤の厚い構成なので、前さえ向いて対峙できれば、そう易々とはゴールに近付けさせたりしません。前半12分、北選手の蹴ったゴールキックが存外伸びて、相手陣内深くで大きく弾みます。これに平繁選手が猛然と詰め寄ると、対応に当たった松本DFが慌ててヘディングでGKへバックパス。ところが前に出て来ていたGKがこれをキャッチ出来ずに後逸。あわやオウンゴールと言う場面でした(もっとも、枠は外れていましたが)。しかし何がきっかけになるか分かりません。松本優勢で来ていた試合の流れが、ここから変わり始めます。前半17分、群馬は右タッチラインからリスタートの場面です。夛田選手が加藤選手へ宛てて投げ込むと、加藤選手はダイレクトキックで前方へフィードします。これに反応して飛び出したのが永田選手。ペナルティエリア右端から球足の速いマイナスパスを中央で待つ平繁選手へと送ります。平繁選手、フリーな状態で鋭いシュートを放ちますが、松本DFにコースを塞がれて防がれます。ダイレクトプレーからチャンスを演出しました。ここ最近あまり見なかった攻撃の形とスピード感です。続けよう。前半19分、直前のプレーで得た右CKの場面です。キッカー・横山選手がニアサイドに蹴り込んだボールに、ペナルティエリア外から突っ込んできた乾選手が飛び込みざま頭で押し込み、GOOOOOAL!!! 決して良くなかった流れの中で挙げた、セットプレーからの得点です。この場面、ゴール前には加藤選手がターゲットマンとして入っていて、これに松本DFのマーカーが引き付けられていた事が、結果として乾選手がフリーで飛び込むスペースを生み出しました。見事なデコイでした。前半21分、右サイド深くを果敢にドリブルで突破する横山選手、立ち塞がる松本DF2人を立て続けに抜き去りエリア深くに侵入、そのままシュートを放ちます。シュートは惜しくも右サイドネットへと外れましたが、溌剌としたプレーは見ていて爽快です。頑張れショウヘー。対する松本は前半22分に好機を迎えます。エリア前でポストに入った塩沢選手からマイナスのパスがセットされると、フリーな状態で走り込んだ鐡戸選手がシュート。ゴール右隅へ蹴り込まれたボールは横っ飛びするGK・北選手の指先に当たってコースが変わり、右ポストへ当たりながら枠外へ出て行きます。おおう、危なかった〜、良く守った〜。ナイスキーパー!好守で流れを引き寄せた群馬は、横山選手をはじめとしたオフェンスの選手達によるプレス・チェイスで松本の出足を完全に封殺します。しっかりと仕事をしていればご褒美の時間はやって来ます。前半42分、群馬はGK・北選手のゴールキックからの場面です。北選手が大きく蹴ったボールはハーフウェイラインを越えた右サイドへ落着します。このボール処理を松本の選手と競ったのが永田選手。両名は結局ボールに触れず、落ちてきたボールはバウンドして前方へ転がります。これにいち早く反応して足下に収めたのが平繁選手です。平繁選手、斜めに掛けざま弾むボールをノートラップで中央前方へと蹴り込みます。6人もの松本守備陣の中で群馬の選手は平繁選手と永田選手の2人だけ。しかし永田選手は平繁選手の動きと意図をしっかりと把握しながらスペースへと走り込んでいました。平繁選手が蹴り込んだパスを、相手DFが詰める前に左足で一閃。ゴール右端へ飛ぶダイレクトボレーシュートは、GKの伸ばす手の先を通過してゴールネットに突き刺さります。GOOOOOAL!!!! 北選手→平繁選手→永田選手の3名が、都合3蹴りで得点を奪うと言う省エネゴールでした。前半終了間際に追加点で中押しとは理想的。こんなに心豊かにハーフタイムを迎えられるのはいつ以来でしょう。後半、松本サポーターの声援が更に大きくなると思われ、こちらも負けてはいられません。気合いだ!気合いだ!
 松本・反町監督は、まず守備の立て直しから着手します。ハーフタイムにDF・犬飼選手→DF・川鍋選手の交代です。群馬側は現状維持で後半に臨みます。後半は、3分、5分、11分と松本が立て続けにシュートを放つなど、攻勢を強めてきます。こうした状況を受けて、群馬ベンチも対応します。後半12分、横山選手→青木選手の交代です。前半から献身的にボールチェイスをして攻勢の足掛かりを作ってくれた横山選手。代わって入るのが似たタイプの青木選手なので、引き続きねちっこいチェイスを頼みます。何が何でも点が欲しい松本は、後半20分にMF・楠瀬選手→FW・北井選手、後半28分にDF・鐡戸選手→FW・長沢選手とアタッカーを投入して来ます。そしてどうやらフォーメーションも4バックに変更してきたみたいです(うーむなんか変則的だけど、2バック+ボランチで守備をして残りは全員攻撃参加、みたいに見えますが)。かなり前掛かってます。群馬サイドは松本側の変化に対応すべく、後半32分に夛田選手→小林選手の交代を図ります。これが効きました。小林選手、投入直後から野に放たれた子犬のようにボールを追いかけて縦横無尽に走り回ります。前方への圧力を強めている松本にしてみると、エース・平繁選手を放置するのは危なすぎるし、さりとてウロチョロする小林選手は鬱陶しい。隙を見せれば保崎選手や永田選手、青木選手らがカウンターを仕掛けてくるので、行きつ戻りつの往復運動を強いられるといったボディブローにすっかり手を焼いていると言った状態です。そしてこれが実を結びます。後半38分、群馬はカウンターアタックを発動し、乾選手が左サイド方向前方のぽっかりと空いたスペースへと走り出した平繁選手目掛けてスルーパスを送ります。戻りながらの守備となった松本DFは、良い勢いで突破を図る平繁選手に全員が引き寄せられます。うむ、これぞデコイラン。この状況を左サイドを上がりながら見ていた青木選手、引っ張り出されたDFの背後に回り込む形でゴール前の空きスペース目掛けて走り込みます。平繁選手もこれら一連の動きを良く感じていました。十分に3人のDFを引き寄せた所で左前方の青木選手へとパスを流し込みます。今まさに、青木選手はフリーです。ペナルティエリア内でパスを受けた青木選手、ワントラップの後シュート体勢に移行、思い切り左足を振り抜きます。ボールは低い弾道でゴール右隅へと飛び込みGOOOOOAL!!! 試合を決定付けるダメ押しの3点目を奪います。青木選手はこの得点の前、後半25分にもダイビングヘッド(GKの好セーブに防がれました)を放つなど、状態の良さ、前へ向かう意思の高さを感じさせていただけに、このゴールは色々納得です。これで更に一皮剥けてくれると嬉しいですね。群馬は、後半41分にFW・平繁選手を下げてDF・中村選手を投入、守備を固めて逃げ切りを図ります。アディショナルタイム4分も何のその。今日の群馬防衛隊は盤石です。バックスタンドで詠唱される草津節をバックに主審のホイッスルが鳴り響き、群馬の選手達が諸手を挙げて吠えます。
 押し寄せる緑色の波濤を、上州の紺撃によって打ち散らした会心の一戦でした。序盤の感じから、またしてもの展開を危惧していましたが、セットプレーによる先制でリセットする事が出来て、そこから先は攻守の歯車が噛み合った良い試合となりました。後半は松本に16本ものシュートを浴びましたが、GK・北選手の好セーブ、守備陣の堅守、前線の献身的なプレーでゴールを死守、反対に4本のシュートでとどめの1点を奪い取る効率の良い攻撃でいなしました。思い返せば、今季3得点以上を挙げたのは今日を入れて3試合になりました。6連敗明けの11節・徳島戦が4得点(4-1)、8戦未勝利明けの20節・熊本戦が3得点(3-2)、で、5戦未勝利明けとなった今節が3得点です。こうして見ると、たまった鬱憤を一気に吐き出すかのようにも見えますね(まるで火山噴火だぃね^^)。ただ、チームの置かれた順位的な状況を鑑みるに、今日の歓喜は今日明日までにして、しっかり引き締めて次節に臨んでいきましょう。
 それでは、今日の試合の特筆事項なんぞを書いておきましょうか。個人的には、苦しい時間を前線で支えた横山選手を大いに讃えたいですね。これまでは(本人にそのつもりが無いのかも知れないけれど)諸先輩方に気を遣ってか、無理押しするようなプレーがほとんど無くて、彼への評価は芳しくありませんでした。横山選手のポテンシャルはこんなものじゃ無いと常々思っていただけに、今日のはじけたような生き生きとしたプレーは胸に染みました(ちょっとんべぇワガママにやっちゃったっていいのよ?)。それから永田選手。ここ最近の動きを見ると、本質的には守備的なタイプではなさそうですね。しかしながら、いわゆるストライカータイプとも違うし、さりとてゲームメイカーでもないし、単なるパサーでもない。表現しにくいんですが、前線に居ると、アタッカーとなる選手達(平繁選手やエデル選手、今日なら横山選手など)との距離感が絶妙で良いんです。これ、言葉で説明するの難しいんで、是非スタジアムで直に見て下さい(笑)。1人では抜けないDFの壁も、2人の連携によって突破する事は出来ます。ああ、そうだ、キャプテン翼の岬君タイプだな、永田選手は。
 なかなか結果が出せないと、ふと自分は何も出来ない無能力者なんじゃないか、なんて思う瞬間があったりします。プロである以上、結果が出せない事について色々と言われるのは、ある面仕方ないのかも知れませんが、チームに人並み以上の愛着を持ち愛情を注ぐサポの身としては、非常に歯がゆくも切ない思いで一杯です。でも、今日の試合です。やれば出来るって事を証明してくれた。僕達のチームは間違っても無能では無いって事を示してくれた。これがどれほど嬉しい事か。この上は、今日出来た事を次も、その次も継続して、最終的には想いは叶うって事を証明して欲しいですね。【ほーせん@高崎】



■ 2013年8月11日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第28節

モンテディオ山形 1−1 ザスパクサツ群馬

NDソフトスタジアム山形 7032人

課題のセットプレーからの失点

 ザスパは前半立ち上がり、FW横山が右サイドを崩し、中央のFW平繁のシュートにつなげるもゴールを割れず。35分、右CKから山形のDF西河に頭で決められ先制を許した。美ボール保持で後れを取った。
後半3分、MF黄誠秀のディフェンスの裏へのパスを受けた平繁がエリア内で切り返して中央へパス。横山が飛び込んで左足でゴールした。ボールを大きく動かす攻撃や途中交代のFW青木の意表をつくミドルなどで押し込んだがゴールを奪えず、引き分けた。(8月13日『上毛新聞』より引用)







■ 2013年8月18日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第29節

ザスパクサツ群馬 1−0 ロアッソ熊本

正田醤油スタジアム群馬 2841人

The North Face

 甲子園球場で開催中の高校野球選手権大会では、本県代表の前橋育英高校が物凄い試合を制して4強の座を勝ち取りました。その興奮を抱いたまま、ナイターの行われる敷島へと向かいます。事前アナウンスの通り、正田醤油スタジアムでは南北ゴール裏観客席の改修工事が始まっています。僕はメイン側からサカラグ脇通路を通ってバック側へ移動しますが、仮通路が狭い!緊急避難とか発生したらどうするのよ、これ。工事業者さん、もうちっとんべぇ頭使おうよ。バックスタンドに入場した16:00頃はまだ陽も高く、着座していると西陽が肌を刺して痛い程でしたが、夕刻深くなるに連れて雲が懸かり、風も吹いてきて涼をもたらします。
 今日の対戦相手は熊本。池谷監督代行が就任して以来、5試合負けなしです。この試合では、勝利によってのみ、勝ち点で並ぶ岐阜を引き離し、近接する上位に再び肉薄する事が可能となります。ボトムズ戦線の泥沼にどっぷり嵌まってしまうのか、はたまた抜け出す一歩を踏み出せるのか。実は大きな意味を持った一戦です。
 今節のスタメンは次の通りです。GK:22・北選手、DF:24・乾選手、32・クォン ハンジン選手、13・有薗選手、MF:18・加藤選手、19・黄選手、4・小柳選手、29・夛田選手、FW:16・永田選手、10・平繁選手、14・横山選手、リザーブメンバー・GK:23・富居選手、DF:5・中村選手、28・瀬川選手、MF:6・櫻田選手、11・小林選手、FW:7・青木選手、33・ダニエル ロビーニョ選手。群馬は、ハンジン選手をDFの中央に据えた3バック、加藤選手・黄選手の2ボランチ、小柳選手と夛田選手を本来のSBから一列上げたSHへ当て、前線を平繁選手の1トップ、横山選手と永田選手の2シャドーで構成する3-4-3で臨みます。対する熊本も同様の3-4-3を採るため、この試合も中盤の厚いシャドーゲームになります。そして、群馬ベンチには新鋭・ロビーニョ選手が入りました。フィッティング等に不確定な部分がありますが、どんなタイプの選手なのか大いに気になります。早く見てみたい^^。
 熊本のキックオフで試合開始となります。前半3分、熊本は左CKからシュートまで持ってきますが、これは大きく上へ外れます。これがこの試合のファーストショットです。群馬の初弾は前半12分、永田選手がハイボールを競り勝ってそのままミドルシュートを放ちます。ここはGK・南選手が好セーブで弾きます。前半16分、熊本・原田選手に最初のイエローカードが掲示されます(思えばこれが始まりでした)。これで得たFKから前半18分までの間に群馬は攻勢を掛けますが、ゴールを割ることが出来ません。前半28分、相手クリアミスを平繁選手が奪取すると、そのままペナルティエリア内まで持ち込みます。平繁選手、立ち塞がる相手DF2人をキックフェイントでかわしてシュート。ここは熊本守備陣に防がれます。前半29分、群馬はカウンターからチャンスを作ります。横山選手が加藤選手とのワンツーパスでゴール前へ抜け出し、同時に入ってきた平繁選手へとボールを渡します。平繁選手、ダイレクトシュートを放ちますが、GK正面でキャッチされます。 対する熊本は、前半34分にミドルシュートで応戦しますが、GK・北選手が無難にキャッチして対処します。前半37分、乾選手にイエローカードが掲示され、ここから本格的にカード祭りが始まります。前半39分、今度は黄選手にイエローカードが掲示されて、左タッチ沿い45mの位置でFKを与えます。このFKはクリアして右CKへと変わります。そして訪れた前半41分、熊本右CKの時です。エリア内でハンジン選手が相手選手を倒したとしてイエローカードを掲示されます。PKです。連続して掲げられた黄色いカードに、場内は騒然。メインスタンドの観客も一体になって群馬へ、GK・北選手へエールを送ります。熊本のキッカーは堀米選手。キック直後、北選手は右方向へ横跳びし、伸ばした右手でシュートブロック!神降臨!北選手が文字通りとなって絶体絶命のピンチを守り抜き、熊本に得点を与えません。前半43分にも熊本にFK(左45°,45m)を与えますが、群馬守備陣は良く集中してこれも防ぎ切ります。前半は、まあ、何だかアレな展開でしたが、選手達は良く走り良く守り良く攻めました(そして良く耐えてくれました、色々と)。
 後半、ハーフタイム明けに群馬は乾選手→瀬川選手の交代を行います。突破力、推進力を期待しての交代ですが、カードの多さも考慮したものと思われます(今日の感じでは退場者が出かねませんし…^^;)。後半は、まず5分の平繁選手のシュートからスタートです(GK・南選手がパンチングでガードしました)。後半7分、夛田選手にイエローカードが掲示されます。後半も主審は絶好調ですな(笑)。後半9分、熊本の左CKを防ぐと、群馬はカウンターアタックを仕掛けて攻め込みます。ドリブルで持ち上がる平繁選手がペナルティエリア内でシュートに行く所をDFに阻まれて一端ボールが戻ります。このリフレクトボールを加藤選手が収め、オーバーラップして来た瀬川選手へと繋ぎます。瀬川選手、足下に転がって来るボールに向かって左足を合わせてシュート。グラウンダーのシュートは緩い弧を描いて飛び、枠の右へ外れました。いやあ惜しい。後半14分、群馬は横山選手→青木選手の交代です。足色の悪い熊本に対して、フレッシュな青木選手が猛烈なチェイス&プレスを掛けると、相手守備ラインに綻びが生じてきます。後半20分、熊本DFが自陣内でパス交換をする所に青木選手が猛烈なプレスを仕掛けてボールを奪取、前線に張っていた平繁選手へすかさずスルーパスを流し込みます。綺麗なカウンターアタックが決まり、熊本DF陣は慌てて駆け戻ります。平繁選手はペナルティエリア内へ驀進、戻って来たDF2人を相手にフェイント、フェイント!完全にボールホルダーである平繁選手に引き付けられました。平繁選手にはゴール正面にぽっかり空いたフリースペースと、そこに向かって駆け込んでくる味方が見えたようです。十分に引き付けた頃合を計り、フリースペースへセットボールを蹴り出します。突っ込んで来たのは加藤選手。右足を合わせて真っ直ぐ蹴り込みGOOOOOAL!!! 群馬が先制します。加藤選手がシュートした時点では相手の守備人数は5人でしたが、そのほとんどが平繁選手に引き寄せられていました。それと、GKの至近に永田選手がフォローに入っていたのも牽制になりました。なによりも、ボランチがチャンスに長駆して飛びこんで来ていたことがこの得点に繋がりました。皆で守って皆で点を取る。ここに来て今年のチームの目指す姿が見えました。この得点で俄然動きが良くなった群馬は、ここから攻勢を掛けます。 後半22分、瀬川選手がオーバーラップからシュート(サイドネットでした)。後半25分、カウンターアタックで平繁選手→黄選手へと繋いでシュート(GKにキャッチされました)。後半33分、またもカウンターアタックで、右サイドを駆け上がる夛田選手からのセンタリングがゴール前へ蹴り込まれましたが、中央に選手が入れず、ここはシュートを打てませんでした。後半41分、今度は熊本・吉井選手にイエローカードが掲示されます。まだ出すのか。後半42分、群馬はまたしてもカウンターアタックからチャンスを作ります。ロングフィードされたボールをトラップした永田選手が駆け込みざまミドルシュートを放ちますが、わずかに枠の左へと外れます。むむっ、惜しかった。後半43分、遅延行為の判定で加藤選手にイエローが提示され、これで群馬は5枚目となります(熊本は2枚で、この試合7枚ものイエローが出されてます)。後半43分、群馬は左CKからハンジン選手がヘディングシュートを打ちますが、ここは枠に飛びません。出来れば逃げ切りを図りたい群馬としては、残り時間も頭に入れて行動しなくてはいけません(痛い目をいっぺぇ見てっからなぁ)。そして掲示されたアディショナルタイム6分に響めく場内。…なんか、ほんと今日は色々とあらぃな、色々と。後半アディショナルタイムも残りわずかとなったタイミングで、群馬は平繁選手に替わってロビーニョ選手を投入します。短い時間ながら初登場のロビーニョ選手。評価すべきプレータイムはほとんどありませんが、ハイボールをトラップする時の体捌きにはしなやかさが見られますし、寄せる選手に対してのボールコントロールと体の入れ方などは良さそうです。ポストプレーとペナルティエリア内外でのダイレクトプレーを平繁選手や横山選手、青木選手辺りとのコンビで出来たら得点機会が増えそうです。今後に大いに期待できます。後半は熊本攻撃陣を完全に封殺。5分から6分へ増量されたアディショナルタイム(笑)にも集中力を持って対処し、前掛かって来る熊本の威勢を削ぎます。バックスタンドの応援は益々音量を増し、呼応するようにメインスタンドの歓声が被さって選手達を後押しします。そして試合終了。熊本側だけでなく群馬側にも疲れて膝に手を突く選手がちらほら居ることからも分かるように、今日は本当に良く走りました。
 両チーム合わせて7枚のイエローカードが乱舞するなど、主審の存在感が悪目立ちする試合でした。大荒れの末に退場者が出ても不思議はなかった中で、選手達は感情をコントロールしてくれました。GK・北選手がPKを止めた事が選手達に溜まった鬱憤を晴らすと共に正方向への情熱と闘志を煽り立てたのが最大の要因で間違いないでしょう。結果的に、PK阻止が今日の試合の分水嶺となったと言えます。グランドジョラス北壁、マッターホルン北壁、アイガー北壁の3つが三大北壁と呼ばれ、攻略の難しい岩壁として知られています。今やベテランとなったGK・北選手。彼こそは、まさに我が群馬の誇る「North Face」です。
 今日の勝利の結果、降格圏からの脱出に成功しました。しかし、残留へ至るにはまだまだ険しいルートをよじ登って行かなくてはなりません。少しでも手を緩めれば、すぐにでも奈落の底へと落ちてしまいます。ここ最近になって、ようやく今よじ登っている岩壁の攻略方法が見えてきた気がしています。残り13節。手掛かり、足場を見失わないように、確実に手を伸ばし歩を進めて登って行きましょう。【ほーせん@高崎】



■ 2013年8月21日(水) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第30節

ジェフユナイテッド千葉 2−2 ザスパクサツ群馬

フクダ電子アリーナ 9258人

育英の夏



 ザスパは前半34分、相手GKのこぼれ球をMF小林が頭で押し込み先制。36分にはFW平繁がシュートを放つもキーパーにはじかれ、前半を0−1で折り返した。
 後半6分、相手CKから頭で合わせられ同点とされ、17分には相手のクロスがDFに当たりオウンゴール。36分にMF横山がゴール前の混戦からこぼれ球を強く振り抜き同点とした。途中出場のロビーニョはテクニックを生かし再三の見せ場をつくったが、得点には結びつかなかった。(8月22日『上毛新聞』より引用)







■ 2013年8月25日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第31節

ザスパクサツ群馬 2−1 愛媛FC

正田醤油スタジアム群馬 2496人

イージス

 ザスパ草津(これで合ってます)は、その歴史に新たなページを刻みました。本日昼に行われた県会長杯決勝戦にて、強敵tonan前橋を打ち破って、ザスパ草津チャレンジャーズが天皇杯への出場権を獲得しました(観戦記はこちらをご覧下さい)。その一報に歓喜しつつ、バックスタンドへ入ります。早いもので、今節が8月最後の試合です。ここ最近の我がチームは好調で、7/27の富山戦(ドロー)以降敗戦がありません(目下5戦して2勝3分)。ただ、「負けなし」って言うのは判断が難しくて、△の後に来るのが○か●かで大きく評価が変わります。○ならはっきり好調、●ならばここまでギリギリ持ち堪えてただけ、ってな具合です。そんな中で迎える相手は愛媛。下位に居るものの若い攻撃陣が持つ破壊力は侮りがたく、現在の群馬の状態判断には格好の相手ではないでしょうか。順位的にも今節の勝敗が今後の展開に大きな意味を持ってくるので、出来れば愛媛さんにもボトムズの仲間に入って頂きたい(笑)。
 それではスターティングメンバーの確認です。GK:22・北選手、DF:4・小柳選手、32・ハンジン選手、13・有薗選手、MF:18・加藤選手、19・黄選手、2・保崎選手、29・夛田選手、FW:16・永田選手、10・平繁選手、14・横山選手、リザーブメンバー・GK:23・富居選手、DF:5・中村選手、28・瀬川選手、MF:6・櫻田選手、11・小林選手、FW:7・青木選手、33・ロビーニョ選手。基本フォーメーションはすっかり定着した3-4-3です。過密日程のターンオーバーのため、前節スタメンだった櫻田選手、青木選手、小林選手がサブに回り、代わりに黄選手(出場停止明け)、永田選手、横山選手が起用されました。横山選手の母校・前橋育英高校が甲子園で優勝した勢いを借りて、ホーム初ゴールに期待しましょう。対戦相手の愛媛は、重松選手を1トップに据え、加藤選手と東選手を2シャドーとした3-4-3です。したがって、今日もミラーゲームとなります。愛媛の最多得点者である加藤選手と、控えに回っていますが第2位得点者の川原選手の前線での動きには細心の注意が求められます。
 試合前のイベントでは、おそらくJ2で一番の人気キャラと思われる、熱烈な愛媛サポーター「一平君」がチームマスコット「伊予柑太」、群馬のチームマスコット「湯友」らと共に登場、お馴染みの「担架芸」を披露して場内を沸かせます。う〜む、実に愉快でユニークなキャラクターだ。
 楽しい雰囲気を一端リセットし、両軍サポーターは臨戦態勢へと移行します。戦場の空気が出来上がったピッチに選手達が散り、群馬のキックオフで試合開始です。前半1分、愛媛はペナルティエリア左サイドから加藤(大)選手がファーストシュートを放ちます。立ち上がりにいきなり良いシュートを打たせてしまうと、相手を勢い付かせてしまいますが、この後の展開はまさしくその通りとなります。序盤から愛媛が縦に早いパスを入れてスペースを使う戦術からペースを握ります。群馬側は、相手側深い位置でのチェックを敢行してラインを下げさせつつショートカウンターに打って出たいんですが、愛媛側の球出しのタイミングが早く、反対に押し戻されて5バックでの守備を余儀なくされます。ただ、シーズン前半であればこうした状況からズルズルラインを下げて、左右に振られた挙げ句にあっさり失点と言ったパターンに嵌まっていましたが、ここ最近はそうした場面がめっきり減りました。今日も、押し込まれてはいるものの、ボールホルダーへのチェック、想定されるパスレシーバーのマーク、パスコースの封鎖等々、守備での連携は相当高まっています。変わったと言えば、頻繁に見られた「不用意な横パス&バックパス」がほとんど無くなりました。いや、パス自体は無くなっていませんが、それらにはきちんとした意図が感じられるようになりました。「出す所がないから取りあえず後ろへ…」から、「ここで一端下げて相手を引き出しておいて空きスペースを前線に衝いてもらおう」に変わりました。この意識一つの差が、守備の「網」を「壁」へとリフォームさせます。攻撃に掛かる時でも、ボールホルダーの選手はほぼ必ず首を振って視界内の敵味方の状況を確認していました。自陣での不用意な横パスカットが大きく減った一因はここにあります。前半21分、有薗選手がドリブルで持ち上がり、アタッキングサード右サイドで保崎選手へとボールを受け渡します。保崎選手、相手DFラインの突破を試みる味方攻撃陣3名が走り込むファーサイドへ向けてクロスを蹴り込みます。この3名中真ん中に居た横山選手が、DFの背後の死角に入って飛来するセンタリングに頭を合わせます。このヘディングシュートがゴールマウスに突き刺さってGOOOOOAL!!! 横山選手、2試合連続にしてホーム初ゴールです。しかも押し込まれた展開の中で上げた先制点です。これは大きい。
 後半15分、群馬は最初の交代カードを切り、永田選手→青木選手へとバトンタッチします。これを受けて、愛媛も重松選手に替えて川原選手を投入してきます。危険人物登場です。そして、群馬側は矢継ぎ早に策を講じます。前掛かる愛媛の勢いを削ぎ、カウンターのワンチャンスで追加点を狙うため、群馬は横山選手からロビーニョ選手へとスイッチします(後半22分)。ホームスタジアムで本格登場のロビーニョ選手、楽しみです。交代直後からロビーニョ選手は良い動きを見せます。後半27分、右サイド深い位置で加藤(弘)選手との間で綺麗なワンツーパスを見せ、加藤(弘)選手のシュートのお膳立てをします。愛媛は、後半32分に東選手→オズマール選手、後半35分に加藤選手→赤井選手と、次々と選手交代を行います。若きゲッター加藤選手からMr.愛媛・ベテラン赤井選手の交代が果たしてどんな効果を生み出すのか。後半37分、青木選手が上げたセンタリングを、平繁選手が胸トラップで落ちるボールを左足一閃。強撃のダイレクトボレーシュートを撃ち出すと、ドライブの掛かったボールは一直線にゴールネットに突き刺さります。GOOOOOAL!!! 場内を「おぉう!」と言う驚嘆符が響かせる程のスーパーゴールでした。やはり平繁選手は非凡です。そして試合は終盤を迎え、後半ロスタイムも残りわずか。たぶんラストプレーであろうCKからのこぼれ球を愛媛・浦田選手に蹴り込まれて失点しましたが、ゲームはここまで。勝ちました!
 シュート数は群馬=9(前半;4,後半;5)に対して、愛媛=20(同12,8)と、倍以上のシュートを浴びた群馬が少ないチャンスをモノにして勝利を得た一戦ではありますが、数字で見るよりも愛媛側の決定機は多くありませんでした。これは、群馬側の守備ブロックが愛媛の前線に自由を与えなかった事の証左とも言えます。現在の好調を支えているのは、間違いなく守備の安定だと思います。3バックを構成するCBの堅守もさることながら、2ボランチとSHの守備意識の高さと守備貢献なくして、今の群馬を支える防壁は造り得ません。もとより平繁選手を中心とした前線には攻撃力が備わっていたので、堅守から打って出るカウンターアタックが先鋭化し、結果として無敗進行となっている事は、まあ理に適っているな、と(堅守カウンターのチームだったんですね、やっぱり^^)。降格の危機に瀕する群馬が煩悶の末に手に入れたのが、この神の盾「イージス」と言う訳です(ちなみにイージスとはギリシャ神話で女神アテナが持つ盾で、ありとあらゆる邪悪・災厄を払う魔除けの能力を持つとされていますので、この意味でもあやかりたいですね^^)。
 平繁選手は今日のゴールで二桁10点目となり、またこのゴールによって、フリーで前を向けさえすれば、恐るべき決定力を持っていることが証明されました。来季の去就にも関わってくる話ですが、現状では今が大事なので、平繁選手にはもう構わずバンバン得点を積み上げて欲しいですね。そして、ロビーニョ選手。ドリブルに独特のリズム感があり、しかもかなり力強い。コンビプレーやポストプレーも器用にこなすなど他の前線の選手とはまたひと味違った特徴があって、リーグ後半戦のスパートに向けて戦術の幅を広げられる格好のピースが手に入った印象です。
 さて、これで8月は無敗(3勝2分)で終える事が出来ました。順位の上昇もさることながら、熊本、愛媛と相次いでボトムズ戦線へと引き摺り込む事に成功したのが快事です(相手にとっては迷惑千万でしょうが^^;)。降格圏から多少なりとも距離が取れたのは幸いですが、まだまだ油断なりません。この「夏の勢い」を持続して、恒例のラストスパート無敗街道驀進といきましょう。【ほーせん@高崎】



■ 2013年9月1日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第32節

横浜FC 2−0 ザスパクサツ群馬

ニッパツ三ツ沢球技場 4127人

老獪さにハマる



 ザスパは前半15分、パスミスからボールを奪われると、DFの裏を取られ先制点を献上。27分にはロングボールのこぼれ球を拾われ、追加点を許した。30分過ぎに4バックに変更し、2点ビハインドのまま折り返した。
 後半は徐々に自分たちのペースにするも、シュートの精度が低い。26分にサイド攻撃からFW平繁が決定機を得たが、シュートは枠の外。41分にFWロビーニョがドリブルで持ち込んで放ったシュートはクロスバーを越えた。(9月2日『上毛新聞』より引用)







■ 2013年9月15日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第33節

ザスパクサツ群馬 0−1 FC岐阜

正田醤油スタジアム群馬 2310人

台風前夜

 先週の天皇杯2回戦で延長戦の末、松本に破れたザスパ。今年も初戦敗退だけんど、考えようによってはこれで「J2残留」に集中できる環境になったともゆえらぃね。今節の相手は最下位に低迷する岐阜。とはいえ神戸を破ったり、外国人選手を積極的に補強を重ね、決して侮れる相手じゃねぇし。勝てば勝点差は9に広がりJ2残留に安心感が強まるけんど、もし負けっと勝点差が3に縮まって降格圏に再度転落の可能性もあらぃね。今日は事実上の「J3降格候補決定戦」みてぇなもんか。
 15日朝、本州に迫る台風18号の影響で朝からすんげぇ土砂降り・・・こんな中豪雨に打たれて試合するんきゃ?と心が折れ気味だったんだけんど、3時頃にはまさかの青空が出てきたで!蒸し暑ちぃが風も強くなくって、本当に台風来てるんきゃ?みてぇな天気さね。敷島に到着すっと、灰色の雲が層を成して榛名が麓まで雲に覆われてらぃ。なんとか最後まで雨が降んねぇといいやぃなぁ。
 今日の先発は、GK北、DF小柳、乾、ハンジン、MFソンス、横山、加藤、夛田、FW平繁、青木、永田、サブにGK内藤、DF中村、保崎、MF櫻田、小林、そしてFWエデル、ダニエルロビーニョ。岐阜の控えにはあのGK高木が。杉本がいなかったんは残念さね。新戦力のスティッペ、いつも痛ぇ思いをさせられてる染矢、ベテランの服部は要注意だで。
 蒸し暑ちぃ中試合開始・・・岐阜の4バックに対抗して、こっちも夛田が左SB、永田が左SHの4-4-2みてぇだ。ザスパは(中盤組み立て省略)縦へのパスで岐阜の裏をうかがい、岐阜も前線のスティッペにボールを集める。13分はペナルティエリア外から平繁が強引にシュート!これは外れたけんど、ゴールへの積極さがいいね!その後も一進一退の展開(とゆうよりはさすがにJ2下位どうしの戦い、双方ミスが多いんさね)。こぼれ球に反応した永田のシュートは外れ、岐阜のシュートは北の真っ正面で難を逃れたぃ。そして前半31分、この試合の分水嶺を迎える。
 31分ソンスが相手選手と交錯。あぁ黄紙でっかな?と思ったら主審が提示したのはまさかの赤紙。足裏を見せた危険なプレーで一発退場らしいorz 赤紙相当のプレーには見えなかったんだけんど・・・これで残り60分余、ザスパは10人での戦いを余儀なくされちゃったぃ。ピーンチ!ザスパは永田、青木を1列下げて、4-4-1に。ラインを高く取って守勢を張り、岐阜の方もそんなに仕掛けてこなかったんで助かった。消耗しねぇで後半に焦らず仕留めようっつー魂胆か。40分過ぎのゴール右奥のFKのチャンスをいかせず、前半はこのまま終了、0-0。
 ハーフタイムには綺麗な月の姿・・・本当に台風来てるんきゃ??さぁ後半開始。こっちは岐阜の攻撃をブロックして、カウンターや1トップの平繁のプレーに勝機を見いだすしかねぇか。主審の微妙な判定に苛つき、審判に頻繁にクレームをつける夛田。余計なカードをもらわねぇか心配だぃ。後半15分頃、ロビーニョが呼ばれ、4審と一緒にサイドライン脇に立ってるで。誰と替えるんか?どーやら平繁と替えるらしいで。試合が止まり・・・交代したんは、あれれ?岐阜のほうが先だったぃ。スティッペに替えてバージェ。前半の岐阜の攻撃を組み立ててたスティッペが下がったんは、これ幸いだぃなぁ。と、思った矢先、岐阜右サイドからの低いクロスに、バージェがまさに絶妙なタイミングであわせ、失点orz やられたぁ〜!後半24分には、またも岐阜CKから再度ネットを揺らされ、溜息がバクスタを覆うが、これは直前のファールで点が取り消されたぃ。スコアボードに一時0-2と表示されさらに騒然(笑)まぁ良かった。結局、ロビーニョが入って下がったんは横山。平繁はそのまんまきゃ。さぁ反撃に期待するんべぇや。
 負けるわけにはいかねぇザスパ。苛つく夛田に替えて、熱くなる時はチョー熱くなる保崎を投入。(かえって心配)更に青木に替え、エデルを投入。4-2-3にシフトし、一気の3トップ前がかりで得点を狙う。そしてハンジンを前線に残したパワープレーも。岐阜はリスクを犯さず、0-1で逃げきる体勢きゃ。やはり百戦錬磨の服部が老獪にゲームをコントロールしてる印象。ザスパは気力を振り絞る平繁を中心に反撃を試みるが、シュートはGKに阻まれ、ロスタイム4分も時間をうまく使われ同点に追いつけず、0-1でタイムアップ。
 譲れねぇ一戦に無念の敗戦。幸いにも順位は変わらなかったけんど、勝点3差に詰められちまったぃ。今日は前半30分にまさかのソンスの退場でゲームプランが狂っちまったんだんべなぁ。引いてドロー狙いっつーんも監督の性格上まぁ無理だんべし、観てるオレたちもそれは望んでなかったけんどね。今年は連勝もするけんど、ズルズルと連敗しちゃうんも気がかりだぃなぁ。次節の栃木戦の結果によっては再び降格圏に巻き込まれる可能性が出てきたぃ。注意報から警報レベルに昇格だぃなぁ。試合後はサポと監督との間で大嵐。監督は次の栃木戦を観に来てくれとゆってたけんど、もしダービーにも屈したら警報どころか、特別警報レベルだんべ?J3への嵐がますます近づくんか、立ち去り安堵するんか。来週の栃木戦は、いろんな意味で負けたくねぇやぃな。1週間で立て直してほしいやぃ、いやマジで。
 今日唯一良かったんは、台風が来てるんに試合の最中は雨が降らなかったこと・・・オレが家に着いた途端に、土砂降りさね。【すずき@東毛】



■ 2013年9月22日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第34節

ザスパクサツ群馬 0−1 栃木SC

正田醤油スタジアム群馬 3706人

何より結果を

 北関東ダービー栃木戦。とはいえ、はぁ今年の北関東ダービーは水戸の圧勝、両チームともすでに優勝の目はなく、単なる消化試合になっちまってらぃ。いや、この一戦に懸けるのは双方のプライド、絶対に栃木だけには負けらんねぇ!ダービーと名乗る以上、意味があるんは勝利のみ!されどダービーと銘打っても、いっつもダービーとゆうには余りにもお粗末な気迫が伝わってきねぇ試合が多ぃいザスパ。今日こそはダービーに相応しい一戦となることを期待すっか。折しも世間は「半沢直樹」が席巻中。(しかも本日「半沢直樹」は最終回)春先のアウェイで0-3で完敗したお返しをしようじゃねーきゃ。やられたら、やり返す!倍返しだ!・・・って6点はいくらなんでも無理かね(笑)
 恒例の「ゆるキャラグランプリ」も開催され、現在3位の我らが「ぐんまちゃん」を始め、「とちまる」や「ハッスル黄門」も敷島に参戦。「あの赤いゆるキャラは何ですか?」と聞かれたけんど、あれはわたらせ渓谷鐵道の「わっしー」だから良く覚えておくように(笑)そして本日は、そのわたらせ渓谷鐵道のある、みどり市PRデー。お気の毒にも先の台風18号の影響で発生したレベルF1の竜巻でみどり市の多くの家や畑が被災しちゃったんさ。あわせてその竜巻被害への募金活動も行われたぃね。ザスパフロント、珍しくGJ!また初の「だるま弁当」「峠の釜飯」も販売されるっつーんで期待してきたんだけんど・・・16時45分時点ではぁ売り切れだったぃorz
 隣県より多数の栃木サポに来襲いただき、相手ゴール裏は黄色で埋め尽くされてらぃね。先週の岐阜戦の後、サポに奮闘を誓った秋葉監督がどうチームを立て直したんか、栃木も監督が替わって、J最年長の松田監督が就任。J最年少のウチの監督と親子ほど歳が離れた監督どうしの采配にも注目さね。ザスパのメンバーはGK北、DFは今日はCBに小柳、クォン ハンジン、SBに夛田、保崎、MFは前回赤紙退場で出場停止のにソンス代わって今日は坂井、そして加藤の2ボランチ、永田、青木、FW平繁、そして初先発のダニエル ロビーニョ、控えにGK内藤、DF中村、星野、MF櫻田、横山、そしてFWエデル、野崎。対する栃木の強力な3人のFWクリスティアーノ、サビア、近藤をどう抑えるんか、そして控えに入ぇってる元日本代表三都主が出てくるんかも楽しみさね。
 敷島に響く草津節に負けじと、栃木県民の歌が錯綜し試合開始。双方4バックか。序盤は栃木のプレスがキツく、ザスパはしばらくの間、自陣から出られねぇ展開。それでも17分には加藤がミドルシュートを放つが右にそれた。この頃からザスパが攻勢を強め、サイドチャンジでサイドから積極的に攻撃、徐々に流れを引き寄せる。ロビーニョの個人技のやや強引すぎる(笑)突破も光る。平繁が徹底マークされてるだけに、これは栃木も気がぬけぇだんべぇ。栃木はクリスティアーノにボールが渡ると、攻撃の起点となり華麗な個人技でザスパゴールに迫る。この選手はキケンだぃね。30分過ぎには栃木のCKから混戦、シュートを見舞われるが、DFが身を挺してこれを防いだぃね。危ねぇ危ねぇ。終了前にはゴール左前のFKを得るが、栃木の守備陣を崩せず、得点に至らず。一進一退の攻防、前半終了0-0。勝負は後半さね。
 ハーフタイム抽選会もまた見事に外れ、後半開始。そういや吹く風が半袖だと妙に涼しい。はぁ秋分だもんなぁ。開始早々、平繁がゴール左からシュート!これは相手GKに弾かれる。惜しい!カウンターから永田につながりシュートもこれはゴールを外れる。押せ押せになり、栃木陣内に攻め込むザスパ。栃木もカウンターで反撃するがゴール直前で小柳が捨て身の防戦。ザスパはロビーニョ、平繁が果敢に攻め込み次々とチャンスを演出。CKのチャンスも何回か得たが得点を奪えず。ロビーニョにも決定的チャンスがあったが決められず。押してるんに得点が奪えねぇもどかしい展開。後半34分、ザスパは永田に替え横山を投入。フレッシュな横山に期待したんだけんど・・・37分、栃木が左サイドからクロスを上げ、後半交代で入った菊岡にゴールを決められ失点。完全にザスパが押してた展開だったんだけんど先に得点を奪ったんは栃木だった。後半41分、得点を奪うため加藤に替えエデルを投入。遅まきながら3トップの超前掛かりモードとなったけんど、結局交代はこの2枚だけ、なぜか1枚残しだったぃ。ロビーニョの個人技に期待したんだんべけんど、スタンドから見てもはぁ疲れは隠せず足も止まり気味だった感じだったし、野崎の投入や後ろに誰かを入れて横山を1枚上げるとかでもよかったんじゃねぇかと思うんだけんどね・・・ロスタイムは3分。そして、47分パワープレーで残ったハンジンがゴール前に抜け出たものの、見舞ったシュートは狙い過ぎたんかポストを直撃。虚しく響く甲高い音に片膝が折れちまったで。なんだかはぁ運もねぇや。結局0-1でダービー敗戦、好機を逃さずモノにして勝ったんは栃木だったぃ。トホホな結果に呆れちゃった雰囲気とあまりの放心からか、ろくすっぽブーイングも起きねぇバックスタンドと対照に、栃木ゴール裏からは勝利の凱歌が敷島の杜に響いてたで。
 確かに今日は内容は良かったんかもしれねぇが、結果、倍返しどころか勝点1点も奪えず、先の岐阜戦の時に1週猶予をくれと云ったんにまた同じ負け方をした監督の采配の不信とJ2残留への不安がますます募っただけの結果となっちまった。内容はどんなに良かったとしても、この時期に於いては欲しいんは何より結果だんべ。たまたま順位に変動はなく20位のまんま、とはいえ、この日鳥取との一戦を制した岐阜に勝点で並ばれ、最下位の鳥取とは勝点3差だけんど、まだ鳥取にはJリーグじゃ一度も勝ってねぇっつー相性の悪さは歴然。残り8試合、最後3試合がその鳥取、強豪J2反則の神戸、G大阪と続くだけにJ2残留に黄信号が灯ったんは否めなぇやぃなぁ。
 一番負けたくねぇ栃木に負けたっつー悔しさも加わり、暗澹たるキモチでウチに帰ぇったら、ちょうどテレビで半沢直樹が頭取からまさかの子会社へ出向を命じられてたぃ。・・・この分じゃウチらもJ3に出向になるかもしんねぇね。【すずき@東毛】




■ 2013年9月29日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第35節

東京ヴェルディ 2−1 ザスパクサツ群馬

国立霞ヶ丘競技場 9002人

聖地での奮戦も虚し

 前節、栃木に屈し3連敗。岐阜に勝ち点で並ばれ、最下位鳥取との差は3。その鳥取とは直接対決を残してるとはいえ、相性が悪りぃし、最後の2戦が神戸、G大阪、その前にもプレーオフ進出を懸けるチームとの対戦と、毎節厳しい戦いが予想されらぃ。残り8試合、是が非でも結果を残して、なんとしてもJ2に残留できるようにしなくっちゃなんねぇな。今節は東京Vとのサッカーの聖地・国立霞ヶ丘競技場でのアウェイ戦。ザスパは過去ここで東京Vで2戦、横浜Cと1戦を戦い、2008年の横浜C戦で国立初勝利を収めてらぃね。あの試合は佐田のシュートや島田のPKで盛り上がったっけなぁ・・・国立競技場は来る2020年の東京オリンピックのメイン会場になるべく、今秋から改修工事が始まるそうで、J2リーグ戦ではこの一戦が現・国立競技場での最後の一戦だそうだぃね。そんなんでオレもぜひこの改修前の聖地を今一度見物すんべぇかってことでやって来たんさね。
 秋晴れの好天。代々木ゲートより入場。久々の国立競技場は今でもさすがの威容。でもこれが2019年にはあんな流面形の斬新なデザインになっちゃうんかぁと思うと感慨深ぇもんがあらぃね。アウェイゴール裏に行ぐと・・・おおっJ2の試合なんにあのバックスタンド最上段の聖火台に聖火が灯ってるじゃねーきゃ!ヴェルディの運営GJ!スタ飯もまっと敷島みてぇに充実さしてくれりゃまっと良かったにね。
 今日のスタメンはGK北、DF小柳、乾、ハンジン、保崎、MF坂井、瀬川、加藤、青木、FWロビーニョそして平繁の登録だと4-4-2の布陣。サブに内藤、中村、夛田、永田、小林、ソンス、そしてエデル。ソンスの出場停止は解けたんにベンチスタート。前節の加藤と坂井のDMFが調子がいぃってことなんかな。かたや東京Vは元日本代表のあの巻と高原のツートップ。サイドバックにかつてザスパに属してた小池の名も。スタメン紹介でかつて東京Vに所属してた平繁にはヴェルディサポから温ったけぇ拍手が送られてたんに、小池の時はオレたちからブーイング(笑)ゴール裏に集ったザスパサポ、ざっと500人余。今日またここで勝利の草津節を高らかに詠うんべぇ!いや何より欲しいのはボトムズを抜け出すための勝ち点!
 試合開始。なんと3バック・・・今日は4-4-2じゃなくって、また世界基準の3-4-3なんきゃ!?(3バックは乾・ハンジン・小柳)・・上手く行ぐんきゃ?1トップに平繁、シャドーにロビーニョと青木きゃ。早々ヴェルディの激しいプレスに自陣に釘付けとなるザスパ、全然ボールを前に運べず。何より強烈な巻・高原の2トップ、つい数年前まで日本代表FWでバリバリやってたこの2人、高原の強力なフィジカル(日焼けしてて遠目だと日本人にみえねぇ)、度々DFをかわしてゴール前に現れ、ゴールに迫る巻。さすがにどっちも脅威さね。ザスパもサイドからの上がりも厳しいんで、ボールを奪ったら平繁に縦パスで渡そうとするんだけんど、精度も悪くってヴェルディ守備陣の網にかかりことごとく返されちまう。何度かのチャレンジの後、やっと平繁に渡り、チャンスが到来するも、これを外すorz そうこうしてたら前半19分、左SBの小池から飯尾に渡り、このクロスをきっちりDFのマークをかわした巻がドンピシャのヘッドで先制。さすが「利き足は頭」と豪語していただけのことはあるで。その後もザスパはプレスに負け続け、いつしかずるずると5バック化しちまって、自陣でボールを回すべぇの消極的なプレーに終始。縦パスも通らず跳ね返され、とても追いつける気配がねぇやぃ。その後またもう一度平繁につながってチャンスを得たんだけんど、またもシュートは外れちまう。いっつも思うんだけんど、ヴェルディってヘッドでボールをどんどんつないでぐんが伝統的?に巧いやねぇ。なんだかはぁ追いつけねんじゃねんかと思うぐれぇの冴えねぇデキで前半終了。このまんまじゃ敗色濃厚。
 ハーフタイムに他会場の結果をチェックすっと、試合のねぇ岐阜を除いて、ボトムズチームが皆リードしてるじゃねーきゃ!ヤバイよヤバイよ。
 後半開始、DMF坂井に替え黄を投入。前半は消極的な試合運びだったんで黄の積極的なマネージメントに期待すっか。と思ったところに、開始早々、青木が左からペナルティエリアでボールをキープ、中央のロビーニョへ、右に流すと、フリーで平繁が流し込み、GOOOOOAL!!! 同点!前半なんであんな苦しんでたん?と思ったほどの、あっという間の同点劇!ゴール裏大騒ぎ!その後もザスパペースで、前半とはまるで違うチームみてぇに押せ押せの展開。ザスパは後半7分に保崎から夛田、後半19分に青木から永田を投入。前節は交代枠を一人残して負けたんに、今節は後半19分で交代枠3人を使いきったで!これが吉と出っか凶と出っか。もちろん守備的な選手は入れてねんで、ドローで勝ち点1じゃなく勝利で勝ち点3を狙うべぇってことだんべ。ヴェルディと、さながらカウンターの応酬となってきたけんど、北が何本もファインセーブをみせ窮地を救う。後半の北はおーかノッてたで。ザスパもロビーニョ、永田がチャンスがあったが、枠に飛ばずに決められず。後半28分にヴェルディは高原を下げて、中島を投入。あぁ高原いなくなってよかったぁと思ってたら・・・双方足が止まってきた後半37分、ヴェルディのその交代して投入された中島(ちなみに19歳だそうだぃね)が、ボールを奪うや、ズバッと右を切り裂かれ、ペナルティエリアちょい外側から思いっ切りよく放ったミドルシュートがザスパゴールに突き刺さり失点、これで2-1(´Д` )。残り時間は10分かそこら、でもザスパはすでに交代枠を使いきってるんで、はぁフレッシュな足のある選手を投入でぎねぇし。ハンジンを前線に送るパワープレーも実らず、AT3分もヴェルディに時間を巧く使われ試合終了。2-1、虚しく敗戦。
 今日は選手は良く走ってた。後半は内容的にも押してた。戦う姿勢や執念は随所に見えた、まさに「奮戦」だった。けれどもこんなけ内容は良くっても結果は伴わず、勝ち点は1点も奪えず、これで4連敗。鳥取が後半徳島に逆転され、追いつかれなかったんは幸いだった。後半早々に同点に追いついてまだ時間は45分ぐれぇあって、その後の展開も押し気味だっただけに、ドローで終わらせて、とにかく勝ち点1上積みっつー機運にベンチも(もちろんサポも)ならず、果敢に勝ち点3を狙いに行ったからこその結果なんだんべなぁと思う。むしろあの時間に得点しちまったことが、かえって試合の方針を難しくしちまったんかもしんねぇなぁ。まぁ決定力不足が一番の敗因なんは間違いねぇんだけんど。もちろん相手の若武者のまっさか思いっ切りのいぃプレーも想定外だったんべなぁ。
 奮戦した選手たちをゴール裏のサポーター達はブーイングじゃなくって、チャントと大声援で迎えた。平繁は長い時間、深々と頭を垂れていた。残りはあと7試合、J2残留への正念場は続く。
 早まった日没で、すでに暗くなった空をバックに聖火は明々と燃えていた。さらば国立。次にここに来るときはJ1のチームとして来ようじゃねーきゃ!(・・・って、でもその前に、今のJ3降格危機をなんとか回避しねぇとね)【すずき@東毛】



■ 2013年10月6日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第36節

コンサドーレ札幌 1−3 ザスパクサツ群馬

札幌厚別公園競技場 6396人

なぜか相性抜群!



 ザスパは前半、序盤から猛攻を仕掛けた。4分に左サイドからMF保崎、FW青木とつなぎ、最後は中央でFWエデルが詰めて先制。15分過ぎから守勢に回るもDF陣が体を張って守った。
 後半は1分に保崎のシュートのこぼれ球にエデルが反応し追加点。21分に失点したが、28分にMF加藤のFKをDF乾が折り返し、最後は途中出場のFWロビーニョが押し込んで試合を決めた。(10月7日『上毛新聞』より引用)







■ 2013年10月20日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第37節

ザスパクサツ群馬 2−3 京都サンガF.C.

正田醤油スタジアム群馬 2781人

それは無理

 雨天確定の試合は、今ひとつ気合いが入りません。現在の成績や対戦相手の事を考えると、一層滅入ります。でも、だからと言ってスタジアムへ行くことを止めたりはしません。確定した未来なんてもんはどこにもない訳で、だからこそ、歴史の一幕を目撃するために参戦するのです。
 本日の対戦相手は、現在リーグ3位の京都。プレーオフ進出はもとより、自動昇格圏内目指して5連勝の猛チャージ中です。対する我が群馬は下から3番目と対照的ですが、前節札幌に良い形で勝利したイメージを継続出来れば、なに京都と言えど容易くやられはしないでしょう。
 それではスターティングメンバーの確認です。GK:22・北選手、DF:4・小柳選手、32・ハンジン選手、24・乾選手、MF:18・加藤選手、2・保崎選手、29・夛田選手、7・青木選手FW:10・平繁選手、11・小林選手、15・エデル選手、リザーブメンバー・GK:1・内藤選手、DF:5・中村選手、28・瀬川選手、MF:6・櫻田選手、16・永田選手、25・坂井選手、FW:20・野崎選手。今日の先発フォーメーションはいつもと様子が違います。加藤選手をアンカーに置き、ワイドの位置に保崎選手・夛田選手、2列目に小林選手と青木選手を配し、平繁選手とエデル選手を2トップに据えた3-5-2です。前節も試合展開の中でこの形をとっていましたが、加藤選手が良くコントロール出来ていた印象でした。対する京都は4-4-2。中盤を容易く突破されると京都の思う壺となりますので、前線からのチェックとセカンドボールの確保、その後の速攻が群馬にとっては勝利の鍵となりそうです。
 雨の降る中、京都のキックオフで試合開始です。前半4分、山瀬選手のシュートをGK・北選手が好セーブで弾き出したのを端緒にゲームは進行します。序盤は、細かいパス回しを信条とする京都が中盤での圧力を高めて流れをリードして行きます。群馬は3バック+2ワイド+アンカーの5名が隙のないマーク&チェックを繰り返し、京都の攻勢をいなします。ポゼッションを高めつつ好機を窺う格好の京都ですが、一瞬の隙を群馬が上手く衝きます。前半13分、右サイドを駆け上がる夛田選手から、自陣最終ラインから長駆オーバーラップして相手DFラインを突破した小柳選手へと綺麗なスルーパスが通ります。この時、併走していた前線の3選手(小林選手、平繁選手、エデル選手)には相手マーカーが付いて来ていましたが、まさかの4枚目、小柳選手はノーマークです(そりゃそうだぃね)。小柳選手、駆け込みながらペナルティエリア内でパスを足下に収めると、背後から殺到する京都DFをかわして右足を振り抜きシュート。ゴール前に立ち塞がるGK・オ スンフン選手の伸ばす左手の先を高速で通過するボールは、右ポスト至近をかすめてゴールネットへ到達。GOOOOOAL!!! ファーストシュートで先制点を奪ったのは群馬です。
 リードを奪ったとはいえ、フィールドの支配権は変わらず京都サイドが握っています。失点にも動じることなく、粛々とパスを繋いで圧力を掛けてくる戦いっぷりは堂々たるもので、知れず感嘆の声が漏れます。戦上手の京都に対し群馬は如何に戦っているかと見れば、守備に当たる各人が決められた役目と約束事をしっかりとこなして、付け入る隙を与えません。相手の強拳をスルリスルリといなし、躱しているイメージです。そうこうしているうちに、前半も残り時間が少なくなってきました。1点リードで後半を迎えられれば上々だぃねぇ、と思っていた前半40分、群馬・左CKのチャンスです。キッカー・小林選手はショートキックを寄せて来た平繁選手へと預けます。チェックに来る相手DFを巧みにかわしてゴール前へと切り込む平繁選手、その勢いのままシュートを放ちます。このシュートは相手GKによって一端弾かれますが、体勢を崩しながらもこぼれ球にいち早く足を伸ばしたハンジン選手によってゴールネットが揺らされます。GOOOOOAL!!! なんと3本目のシュートが2点目となりました。これは、予想外にして望外の好展開ではありませんか。リードが広がったので、無理押しな攻撃をする必要がない分、現状の堅守を維持したまま後半を戦っていければ勝利へと至れるのではなかろうか、誰もがそう思ったでしょう前半残り僅かです。事件はそんな和やかな雰囲気の中で起こりました。前半ロスタイム、ペナルティエリア内でのハンド判定により、保崎選手が一発レッドで退場となります。エリア内でのファールなので当然PKとなりますが、いや、倉貫選手のあの速いシュートを故意にはたき落としたと見る判定はどうなん?ハンド判定はともかく、レッドはねぇべや…。もうここは守護神・北選手に託すしかありませんが、京都・横谷選手が無難にゴールを決めて1点差となり、前半は騒然としたまま終了です。
 群馬はサイドの選手が欠けたため、後半開始時にFW・平繁選手に替えてDF・瀬川選手を投入します。言うまでもなく、ここからの45分間は守りの時間です。後半8分、山瀬選手のミドルシュートは低い弾道で危ないコースに飛びましたが、北選手が好セーブで凌ぎます。後半10分、エデル選手に対してイエローカードが掲示されます。後半15分、群馬はカウンターから好機を得ます。エデル選手がドリブルで縦に突進し、右サイドを上がって来る小林選手へとラストパスを送ります。前が空いた絶好の場面での小林選手のシュートでしたが、枠を捉えられませんでした。惜しかった。この場面では個人技でチャンスを作ってくれたエデル選手ですが、今日は前半からボールへの寄せが緩く、ボールを奪われる場面が目立つなど全般に精彩がありません。カードも一枚もらってるし、監督さん、ここは替え時じゃねんきゃ。後半17分、京都は数的優位を効果的に使うべく、機を見てMF・倉貫選手→FW・原選手の交代を行います。そして、何とな〜く、悪い予感はしてました。後半22分に、エデル選手に対して2枚目のイエローカードが掲示され、合わせレッドで退場となります。あ、やっぱりこうなるん?これで9人。残り時間は25分程度はあるでしょう。点差は1点。とくれば、やる事は一つです。群馬ベンチは青木選手に替えて永田選手を投入(後半23分)。堅守!死守!こうなると、ただでさえ自力に勝る京都は、じっくりと確実に群馬の息の根を止めに掛かって来るのは必定。後半25分(DF・染谷選手→FW・三平選手)、後半30分(DF・下畠選手→FW・中村選手)と立て続けにFWを投入しての猛攻撃が開始されます。普通これだけ攻守のバランスを大きく偏らせると、主に守備において大きな穴が空くもんですが、そこはさすが京都と言った所、全く破綻を見せません。頼む、耐えてくれ!後半33分、群馬は最後のカードとして、小林選手→坂井選手の交代を行います。守備的にしたいベンチの意図は分かるんですが、苛烈なフォアチェックによって相手の出足を削いでくれていた小林選手を下げた判断が徒にならねば良いのですが…。で、得てして不安要素はそちらに向かって転がって行くものです。後半34分、三平選手にCKのこぼれ球を蹴り込まれて同点とされると、もはや防ぐだけの力もなくなった群馬を慎重に料理するかの如く、後半44分にショートコーナーからのセンタリングを頭で合わせた原選手に逆転決勝弾をねじ込まれて万事休す。残り時間はロスタイム5分。9人で取りに行く勝ち点1は刻一刻と遠くなり、そして遂に試合終了。
 現在リーグ3位に居るのにはそれなりの必然性がある訳で、そんなチームに対して9人で30分以上を守り切るのはかなりハードなミッションであり、逆転された後に至っては、残り6分で追い付く事はもはや不可能でした。2人目の退場者が出た時点で、「無理ゲー」モードへ突入していたように思います。
 僕は、個人の信条として「レフェリー・イーブン」を掲げております。審判といえど人の子ですから、こちらに有利な試合もあればあちらに有利になる試合も出てくるでしょうが、まあシーズンを通して見れば、結果イーブンじゃね?って思ってます。しかしながら、その「あちら」に傾いたのがよりにもよってこの大事な大事な終盤の(しかも勝てそうな気配ありの)一戦となったのが痛恨です。ダメージは一通りではありません。収まりの悪い気持ちを整えることが出来ないままスタジアムを後にしながらも、良く戦ってくれた選手達を思い出してちょっとだけ前を向けました。
 ふと見渡す秋の夕暮れは思いの外暗く、雨はまだ止まない。【ほーせん@高崎】



■ 2013年10月27日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第38節

ザスパクサツ群馬 2−1 ファジアーノ岡山

正田醤油スタジアム群馬 2763人

俺たちがついてるからな

 2013年10月22日「後藤涼選手 窃盗の容疑で逮捕」 ・・・ そのニュースをはじめて目にしたとき、意味がわからなかった。悪質な冗談かとさえ思った。リンクをたどり新聞社のサイトにたどり着いても、その内容はすんなりと頭に入ってこなかった。あの後藤選手が?と、理解しがたかった。なにより、そこに書かれていた内容を信じたくなかったし、何かの間違いであって欲しかった。
 しかしこれは、残念ながら現実のようだ。
 ただそう分かっても、不思議なほどに憤りはなく、裏切られたという思いよりも、大切な仲間を失ってしまった悲しみが大きかった。落胆と喪失感ばかりが心に広がっていたのは、これまでに後藤涼という選手がザスパの歴史とともにいてくれたからだろう。そして、後藤涼という選手からたくさんの感動と興奮と歓喜をもらっていたからだろう。多くの人を悲しませ、多大な迷惑をかけてしまっているはずだ。犯した罪はしっかりと償わなければならない。まだ、どのような処分が下るかはわからないが、しっかりと受け止めてそれを乗り越えて欲しい。俺たちの知っている後藤涼なら出来るはずだ。これまでもさまざまな苦難を乗り越えてきたんだ、このあやまちからも立ち直ってくれると信じている。
 このどうしようもない喪失感は、なかなか埋まりそうにないけれど、それでも試合はやってきます。多くのサポーターから、いまこそチームを支えようという声が聞かれます。この想いは簡単に切り替えられるもんじゃないけれど、いま出来ることはこれしかないからね。
 10月27日、日曜日、18時。場所は俺たちの正田醤油スタジアム群馬。ザスパクサツ群馬は、前節の京都戦での退場により保崎選手とエデル選手を欠き、ソンス選手をはじめけが人も多い苦しい状況。(試合翌日の発表されたところによると永田選手は京都戦で眼窩底骨折とのこと。みんな早く回復して楽しくサッカーが出来ることを祈ります。)そんなザスパの今日の布陣は、GK:北、DF:小柳、ハンジン、乾、MF:加藤、坂井、夛田、星野、小林、FW:平繁、青木。保崎選手の代役は瀬川選手ではなく、なんと星野選手。個人的にはこれは意外。果たして抜擢に応えられるか、期待です。登録上は3−5−2ながら、実際には平繁選手ワントップの3−4−2−1の布陣。リザーブは、GK:内藤、DF:中村、増田、瀬川、MF:枝本、横山、FW:野崎。鎖骨骨折から復帰の増田選手は久々のメンバー入り。枝本選手にチャンスはあるか? 一方、月曜の練習試合で得点していたロビーニョ選手は不在。櫻田選手もメンバー外。
 対するはファジアーノ岡山。プレーオフ圏内との勝ち点差7を埋めるべく、ひとつの勝ち点も落とせない覚悟で群馬に乗り込んできたはずです。立場は違えど負けられないもの同士の対戦、果たしてどんな試合になるでしょうか。
 ピッチアップ前に植木社長から、今回の事件に関する説明と謝罪がありました。沈痛な空気の中、岡山サポから「がんばれ!クサツ!」の声、そしてザスパコール。ありがたいなぁ。心無い野次のひとつも飛んできたって不思議じゃないのに、あたたかいなぁ。さすが桃太郎の国。サムライのような男気に感謝です。ザスパサポからも、岡山サポへファジアーノコールの返礼。感動的な場面でした。
 ピッチアップで選手たちが登場するとサポーターは「俺たちがついてるからな、オオオー!」と歌って迎えます。いつもの5割増しの声量に、メインスタンドやバクスタ南も手拍子をあわせます。選手入場ではいつも以上にタオルマフラーが振られます。いい一体感なんだけど、なんというか、今日は一体感とともにふつふつとした気合を感じます。さあ、何が何でも今日は勝つよ!!
 キックオフ。立ち上がりは双方コンパクトな布陣で相対します。序盤にペースを握ったのは岡山。中央に二人、両サイドに一人ずつと、4人ほどが前線に張り付き、そこへすばやくパスを入れてきます。前線へのパスの選択肢が多いため、ザスパは中盤の選手も守備重視の動きを強いられます。ザスパもしっかりと跳ね返し決定的なチャンスは与えませんが、中盤が下がり目なのでセカンドボールを拾いきれず、岡山の優勢が続きます。ザスパは最終ラインから最前線へボールを蹴りこみますが、平繁選手は前線で孤立気味。一人で岡山の3CBを相手にするのは流石に難しい。それでも平繁選手を狙い、あるいはディフェンスラインの裏へ放り込んで小林選手を走らせるなど、繰り返すことで徐々にペースを取り返してゆきます。
 そして前半32分。右サイドから青木選手がゴール前へアーリークロス気味のボールを入れます。これを平繁選手が受けますが岡山の守備に阻まれボールは奪われます。岡山は奪ったボールを中盤の選手へのパス。しかしこれがなんと主審の足に当たって跳ね返る! これを拾った小林選手、左サイドに上がっていた星野選手へパス。寄せてきた岡山ディフェンスをステップでかわすと右足でシュート。ボールはきれいな弧を描いてゴール右隅にっ! GOOOOOAL!!! 今季初先発の星野選手のJ初ゴール! 抜擢に応えたゴールでザスパ先制!
 負けられない岡山は早速ベンチが動きます。ここで荒田選手がピッチに入ります。水戸時代から怖い印象のある選手の登場です。しかしザスパもゴールにより動きがよくなり、その後は互角の展開で前半終了。
 この日はFMぐんまの中継が入っております。実況は笹川さん、解説は高田さん、ピッチリポートは佐田さん。試合開始前は事件のこともあり、少し神妙な語り口でしたが、先制してのハーフタイムでようやく妙な力が抜けた中継となります。ザスパOBのアンバサダーふたりの漫才のような掛け合いも楽しい。お二人とも後半の鍵はサイドの攻防と。さてどうなるか。後半開始です。
 プレーオフに向けての執念か岡山の選手も玉際が激しくなってきます。少々プレーに荒さが見え始め危険に感じられる場面もちらほらと。裏を返せばザスパが主導権を持っている、ともいえるかも。試合が荒れそうな空気が漂いだす中、再びゲームが動きます。  後半25分、基点はまたしても星野選手! 左サイドを青木選手とのコンビネーションで崩し、ドリブルでゴール前まで進んだ星野選手がシュート! これは岡山のキーパーが横っ飛びで弾きゴールを許しません。しかしこぼれたボールを小柳選手が押し込む! GOOOOOAL!!! ええっ!なんでそこに小柳選手が!? 群馬の機動戦士(モビルスーツ)は化け物かっ!? 2試合連続でCBの小柳選手が流れの中からのゴール。これはいよいよザスパの攻撃のスタイルが出来上がりつつあるということなのだろうか。
 しかしわずか7分後、多少余裕を感じ始めた矢先、コーナーキックから岡山の後藤選手にあっさりとヘディングを決められて失点。うーん、もう少しどうにかならなかったのかな、見事にフリーで打たれている。今年は総失点の4割がセットプレーからのものだとか。なんだか先週の2点先行からの逆転負けの記憶がふとよみがえったりもします。でも今日は負けられない!
 失点直後の32分。小林選手に代わって横山選手が入ります。小林選手、今日も攻守によく走ってくれました。先制ゴールのシュートシーンでは星野選手に「打て!」と声を掛けたとか。プレーだけでなく、精神的な面でもナイスアシストでした。さらに後半36分、足の攣った夛田選手に代わって瀬川選手。夛田選手もよく走って、よく闘っていました。特に後半バクスタ目の前で繰り広げられた岡山の金選手とのマッチアップは見ごたえあり。絶対にやらせない、という気迫が感じられました。攻勢を緩めない岡山ですが、それによってザスパにはカウンターのチャンスが増えます。後半42分にはサイドからのボールにゴール前で平繁選手が合わせようとするも、ちょっと届かず思わず手が出てイエローカード。決まっていれば決定的な3点目だっただけに惜しい。最終盤にも何度かカウンターのチャンスがあったものの、シュートで終わろうとせずそのままコーナーフラッグへ逃げて時間を稼ごうとするシーンが。ここはゴールを狙って欲しかったなぁ。コーナーキックからのリスタートのように相手守備が揃っている場面ならともかく、カウンターで数的優位なんだからチャレンジしてゲームを決めてしまおうよ。
 ロスタイムに入って、加藤選手に代わり中村選手登場。今日の加藤選手は縦へのパスがなかなかつながらず、少々苦戦していた様にも見えました。最後は足が攣ったのか怪我なのか、ほとんど動けない状態に。もう少し早く交代してあげてほしかったな。ラストは立て続けに岡山にコーナーキックを与えてしまい大ピンチ。岡山はゴールキーパーも上がってきます。ゴール前の混戦。執念の競り合い、蹴り合い。最後は岡山のシュートがゴール左に力なく逸れて、ホイッスル! 勝ったでーー!!両チームともに幾人もの選手が膝をつき、倒れこんでいる姿に、この一戦の激しさとこの一戦に掛けた気持ちが感じられます。いいゲームでした。
 ザスパにとっては降格争いから抜け出すための大きな大きな一勝。しかしこの一勝はそれ以上の意味を持つと思います。大きな苦難に見舞われたチーム、大きな問題を抱えてしまったクラブにとって、未来につながる大切な一勝ではないでしょうか。MOMは2得点に絡んだ星野選手。まあ正直なところを言ってしまえば、前半の立ち上がりは判断に迷って守備でもたついたり、パスやスローインで連携が噛み合わなかったりと、バクスタ目の前でプレーする星野選手の姿は少々心配だったのだけど...。ゴールによって自信を得たのか大胆な攻撃参加で幾度もチャンスを作っていました。次はスタメン奪取だね。がんばれ星野選手!
 試合後、選手たちは客席に向けて深々と一礼。いつもより長いお辞儀にはいろいろな想いがこめられていたでしょう。そして少し遅れてやってきた秋葉監督。選手たち以上に長い長い最敬礼。
 そうなんだ。いいゲームだったし、いい勝利だったけれど、まだなにも終わったわけではないんだ。残留争いも、事件の後始末も。この日の観客はわずか 2763人。入場料1000円だったのにもかかわらず、大雨に見舞われた前節よりも少なかったのは、少なからず事件の影響があるのだろう。物言わず退いた人たちもたくさんいただろう。でも。それでも。このスタジアムに駆けつけて、いつも以上に声を上げ、いつも以上に手拍子を送りマフラーを振った人たちは、まだこんなにもいるんだ。選手たちが去った後も止まなかった「俺たちがついてるからな、おおおー!」の歌声が、ザスパクサツ群馬の支えとなって、この苦難を乗り越えてくれることを切に願う。【ばた@前橋】
   ばた@前橋さん、ご寄稿いただきありがとうございました!



■ 2013年11月3日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第39節

ギラヴァンツ北九州 3−2 ザスパクサツ群馬

北九州市立本城陸上競技場 1682人

残留持ち越し



  ザスパは前半13分にエデルが負傷交代。リズムを崩し、16分にDF小柳の自陣深くのミスから失点した。27分にはパス回しで崩され追加点を献上。35分にFWロビーニョがゴールを奪い、1点差に詰め寄って折り返した。
 後半は3分に守備陣の連携ミスで失点し、相手ペースが続く苦しい展開。42分にDF瀬川の左クロスからFW平繁が決めて再び1点差。そこから激しい攻撃を仕掛けた。GK北も攻撃参加して惜しいシュートを放つが、追い付けなかった。(11月4日『上毛新聞』より引用)







■ 2013年11月10日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第40節

ガイナーレ鳥取 1−1 ザスパクサツ群馬

とりぎんバードスタジアム 2222人

耐え凌ぎドロー、J2残留!

 ザスパは前半、序盤から猛攻を仕掛け、3分にFWロビーニョのヒールパスを受けたMF夛田が左足を振り抜き先制。攻めながらも追加点を奪えずロスタイムに入ると、右FKの整理愛でDF小柳がオウンゴールを喫し、同点で折り返した。
 後半は立ち上がりから守勢に回り、GK北を中心に守って耐える展開。ほとんどの時間を自陣で戦い何度か危ない場面もあったが、全員が球際で厳しく守りゴールを死守した。(11月12日『上毛新聞』より引用)







■ 2013年11月17日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第41節

ザスパクサツ群馬 2−2 ヴィッセル神戸

正田醤油スタジアム群馬 4235人

楽しいフットボール

 本日敷島では、サッカーの試合が3つも行われます。まず午前中は、ザスパクサツ群馬U-12がミルクカップ第37回GTV少年サッカー大会決勝に進出し、前橋市のVIENTO.SCと対戦。優勝こそ逃しましたが、初優勝を果たしたVIENTO.SC共々、着実に次世代の底上げが図れているようで、群馬のサッカー界にとっては明るい話題と言えましょう。続いて正午からは、高校サッカー選手権大会群馬県大会決勝として、前橋育英高校vs桐生第一高校の一戦が行われました。拮抗した試合は、後半35分に乾選手(ザスパ所属の乾選手の弟さんです)が上げた決勝ゴールにより桐生第一高校が勝利し、全国への切符を手にしました(2年ぶり2度目の出場です)。そして、18:00からは我らがザスパクサツ群馬の出番です。
 本日の対戦相手は、今季J2にて2位が確定した神戸です(14:00キックオフの試合でG大阪が勝ったため神戸の2位が確定しました)。シーズン前の下馬評通りの強さを見せ、目論見通り1年でのJ1復帰を果たしました。しかし、どうしてこのようなチームがJ2に来たのやら…。
 それではスターティングメンバーの確認です。GK:22・北選手、DF:4・小柳選手、32・ハンジン選手、24・乾選手、29・夛田選手、MF:18・加藤選手、25・坂井選手、7・青木選手、11・小林選手、FW:10・平繁選手、33・ロビーニョ選手、リザーブメンバー・GK:1・内藤選手、DF:2・保崎選手、28・瀬川選手、30・増田選手、MF:6・櫻田選手、14・横山選手、FW:20・野崎選手。メンバーを見た所、加藤選手と坂井選手を2ボランチに充てた4-4-2のようです。よく走るOMF2名と2トップの距離感が攻撃の最終局面では鍵になります。ボールホルダータイプのロビーニョ選手が前線でしっかりタメを作り、平繁選手が最後の仕上げをする。この形に持ち込めれば得点機会は少なくないでしょう。対して守備では2ボランチの役割分担が肝要となります。好守の切り替えのスイッチをボランチ2名が淀みなく実行出来るかに懸かっています。そして、先日引退を表明した櫻田選手も控えに入りました。ポジション的に交代起用が難しいですが、出番があれば思い切り楽しんでやって欲しいですね。控え選手と言えば、対戦相手の神戸ベンチには都倉選手が入っています。ここ最近出番が少ないようですが、今日の出場はありますかね(僕は見たいんですが^^)。
 丸い月が東の空に昇り、空気が少しずつ冷たくなって来ました。神戸のキックオフで試合が始まります。序盤、群馬はハイプレッシャーを前線から掛けて神戸の自在な攻撃を封じに掛かります。これに対して、神戸は練度の高いピンポイントパスを次々に繰り出して群馬守備陣を脅かします。そして、少しずつ神戸が群馬陣内で過ごす時間が長くなって行きます。う〜む、流石に上手いな。ただ、前半10分までは神戸に決定機を作らせることなくやり過ぎしています。こういった所は素直に成長したな、と感じます。しかしながら、今季の群馬には艱難辛苦が付きものなのか、万事何事もなしと言う訳には行かないみたいです。前半12分、ペナルティエリア内で足を掛けて相手を倒してしまい、PKを与えてしまいます。神戸のキッカーはポポ選手。助走から左足を振り抜いてのシュートは、しかしクロスバーを直撃。シュートが強烈だった分、リバウンドも大きく、追撃を免れることが出来たのも幸いでした。群馬は辛くも絶体絶命のピンチを凌ぎましたが、苦難は続きます。前半16分、夛田選手が負傷のため保崎選手と交代となります。夛田選手、歩いてベンチまで戻って行ったので大事なさそうですが、心配です。スクランブル発進となった保崎選手ですが、直後にチャンスを演出します。前半17分、左サイドにて平繁選手→保崎選手→平繁選手へとパスが繋がり、平繁選手がシュート。ここはGKが良く反応して防がれましたが、平繁選手の動きは軽やかです。前半22分、ドリブルで上がってくる小川選手を4バックがラインを布いて警戒します。群馬側の対応にまずい所はありませんでした。が、4枚並んだDFの隙間を狙い、小川選手のミドルシュートが放たれます。これが対角線ゴール左隅へと突き刺さるビューティフルゴールとなりました。これは相手を褒めるしかないね。前半36分、神戸はゴールの正面からやや左寄り、30mほどの位置からのFKです。キッカーはポポ選手。短い助走から右足をしなやかに振り抜くと、ボールは綺麗なフックラインを描いて群馬の築く壁を超越、長身のGK・北選手が懸命に手を伸ばしますが届かず、ゴール左隅へと吸い込まれました。唖然呆然のスーパーFKが直接ゴールに突き刺さり、2点差となります。奪われた2点はいずれも見事な個人技です。この辺り、さすがは強豪だぃね。この時間で神戸相手に2点差。やはりこうなるか、とやっぱり思っちゃいます。この後どうなっちゃうんだろ、なんて思っちゃいます。でもですね、選手達はちっとも、これっぽっちも、何一つ諦めてませんでしたよ。 前半39分、神戸陣内右サイドをドリブルで駆け上がるロビーニョ選手。神戸は2人が守備対応に当たり、パスコースにも2人が控える展開です。ロビーニョ選手、ゴールライン際まで詰められましたが、相手に足を出される前に右足からボールを打ち出してゴール前にパスを通します。ボールホルダーへの対応は十分だった神戸ですが、ファー方向の警戒は薄く、ゴール前には2人のフリーマンが発生していました。パスはこの内の遠い側に居た小林選手へと渡りますが、寄せて来たDFに進路とシュートコースを塞がれてしまいます。小林選手の目の前には完全にフリーになっている坂井選手が控えていました。小林選手、受け取ったパスを迷わず坂井選手へ向けてダイレクトキック。パスが来るのを信じて待ち受けていた坂井選手、小林選手から送られたパスを左足に乗せると、ダイレクトボレーでゴール左隅へと蹴り込みます。GOOOOOAL!!! 坂井選手のJ初ゴールで1点差としました。それにしても、これほど綺麗に崩して決めたゴールは久しぶりです。やれば出来るんですよ。このワンプレーで群馬の選手・サポーターを縛っていた鎖が外れた感じがします。場内のボルテージが上がって行きます。前半44分、青木選手が相手のパスを奪ってカウンター発動です。青木選手はドリブルでゴールへ向かい一直線。ペナルティエリア内に入った所で相手に倒され、今度は群馬がPKを獲得します。またとない同点のチャンス!キッカーは平繁選手。慎重にボールをセットして助走を取り、右足でシュート。がしかし、神戸然る者、今度はGK・徳重選手がPKストップの神セーブ。いや〜、止められたか〜。しかしこの試合は凄いな。久々に楽しくてワクワクしますよ。1点差として前半終了です。
 後半も、序盤は神戸が群馬の中盤でのパスに狙いを定めてボール奪取を敢行して、主導権を握ろうとします。群馬はこれを避けるためにボールを後ろへと下げざるを得ない場面が多くなります。プレッシャーが強くて前に出られない…。それでも前半のハードワークが効いてきたのか、時間経過と共に主に神戸側の選手達の動きが鈍って行きます。こうなると、群馬側にも失地回復のチャンスが巡って来ます。後半15分位になると、戦況はいつしかガップリ四つ組みの様相を呈していて、どちらにも得点を上げそうな雰囲気が漂っています。熱い展開です。後半16分、神戸はポポ選手に代えて都倉選手を投入します。群馬サポからは盛大なブーイング、それと同じくらいの声援が掛けられます。今なお愛されてらぃね。後半17分、神戸陣内へと群馬が侵攻する場面です。敵陣中央付近でのパス回しの最中、都倉選手に青木選手が倒されますが、レフェリーはアドバンテージを取ってプレーオンとします。青木選手からボールを受け取った小林選手は、すぐに前に居る坂井選手へとパスを出します。ここで坂井選手は良く状況を見ていました。神戸のDFラインの裏へと飛び出す平繁選手へ宛てて足の速いスルーパスを蹴り入れます。ラインを突破しGKと至近距離で対峙する平繁選手、左足を強振してシュートを放ちます。このシュートはGK・徳重選手の左足に当たった後、カバーに入った北本選手によって掻き出されます。しかし、北本選手も掻き出すのが精一杯で、ボールの行く先までは気が回せません。弾き出されたボールの先に居たのは、シューター・平繁選手。戻って来たボール目掛けて再び左足を振り切ります。ボールはゴール天井ネットに突き刺さりGOOOOOAL!!! 平繁選手、両拳を強く握って吠える吠える。PK失敗の汚名をすぐさま雪ぐ値千金の同点ゴールとなりました。何と何と追い付きましたよ。後半21分、神戸の逆襲です。左サイドから速攻を仕掛け、森岡選手のシュート。これを北選手が体を張って防ぐと、リバウンドを都倉選手が頭で押し込みに来ます。完全にやられたかと思いましたが、ヘディングシュートはクロスバーに阻まれ、3点目は与えません。何かもう、双方共に気迫が漲ってます。後半23分、群馬は青木選手→横山選手の交代でリフレッシュを図り、あくまで勝利を目指します。対する神戸も勝利を企図して、後半30分に2枚同時交代を敢行します(杉浦選手→マジーニョ選手、小川選手→松村選手)。後半32分、群馬は右CKがクリアされて左CKへと変わり、そのクリアボールが左タッチを割ってのスローインとなる場面。投げ込まれたボールはすぐさま右サイドへと大きくチェンジされ、突っ込んで来た小柳選手がシュート。枠を外しはしましたが、彼の積極的な攻撃参加は今や大きな武器です。 後半41分は神戸、カウンターアタックの場面です。危ない場面でしたが、突っ込んで来た村松選手のシュートをGK・北選手が良く止めました。直後の後半42分には、反対に群馬がクロスカウンターをお見舞いします。敵陣へ単騎突入した平繁選手の放ったシュートはGKのパンチングで弾かれ、リバウンドしたボールに詰めた保崎選手が再度シュート。しかし、枠を捉えることが出来ずゴールは奪えません。後半44分、群馬ベンチが最後のカードを切ります。小林選手に代えて櫻田選手の登場です。櫻田選手にはキャプテンマークが巻かれました。そしてロスタイム4分へ突入します。両軍最後まで手を抜きません。まずは神戸。左CKからのシュートはきっちり枠を捉えていましたが、この土壇場でもGK・北選手の神セーブが冴えています。直後の右CKからのルーズボールを奪い取った所から、今度は群馬の番です。カウンターアタックに移る群馬の先鋒はロビーニョ選手。ドリブルで駆け上がる駆け上がる。必死に戻る神戸DFが進路を塞ぎ切るまで粘った上で、追走して来た平繁選手へパスを預けます。そして平繁選手がシュート。今度は神戸GK・徳重選手がナイスセーブ。死力を尽くした戦いは、そして幕を閉じます。
 「面白かった」。バックスタンドの至る所からその感想が聞かれます。うん、久々に見応えのある楽しいフットボールを見せて頂きました。気温は結構下がっているんですが、アドレナリンが出まくっているのか、寒さは感じません。ともすれば低調な消化試合に堕した凡戦になり得た今日の試合ですが、両軍の選手達の「戦い抜くぞ!」と言う闘志によって、斯様に白熱した素晴らしい試合となりました。両チームの選手達にお礼を言いたいですね。ありがとう。
 それから、プレー以外の点について特に書いておきたい事があります。今日の主審の飯田さんですが、プレーの流れを大事にするジャッジを貫徹され、サッカーのあるべき姿を演出してくれたように思います。Jリーグでは毎年海外の審判を招待して主審をお願いすることがありますが、総じてそうした試合の感想は好評です。曰く、「判定にブレがない」、「プレーが切れない」と。今日の飯田主審への感想が正にこれに該当します。
 試合終了後、神戸サポーターへの挨拶の後、選手列を抜けて一人の神戸選手がバックスタンドへ向けて走って来ます。背番号9、都倉選手です。律儀な彼は、バックスタンドの僕達の近くまで来て挨拶をしてくれました。返礼に僕らは懐かしいチャントを贈ります(♪と〜く〜ら〜ゴ〜ル)。ノーサイドの美しい一幕です。
 さて、今節を終えて、今季の神戸、群馬の順位が確定しました。神戸は第2位、群馬は第20位です。きわめて対照的な両チームですが、それでも今日のような試合が出来ちゃうんですよねぇ。これだからサッカーは面白い。そして、来週の最終節へ向けて一つ良い弾みが付きました。恐れるものは何もない。気負いも、感傷も、後悔も、何もかんも放りだして、今はただ、目の前の「楽しいフットボール」だけを追いかけましょう。【ほーせん@高崎】




■ 2013年11月24日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第42節

ザスパクサツ群馬 1−1 ガンバ大阪

正田醤油スタジアム群馬 7810人

櫻の花道

 朝9:00の敷島は、人、人、人。これはまた結構な人数が早くから押し掛けて来ています。公式の発表では、今日のチケットは早々と完売になったそうです。ガンバ効果が我がクラブにも発揮されたようで、大変喜ばしいことです。Jリーグオリジナル10の西の雄たるG大阪との対戦なんて、練習試合でもそうはお目に掛かれません。僕達サポーターも楽しみですが、戦う選手達にも十分楽しんでやって貰えたら嬉しいですね。ともあれ、今年度最後の公式戦です。現チームの見納めでもありますので、楽しみつつも記憶へと刻み込みましょう。
 それでは今季のラストマッチに挑むメンバーを見て行きましょう。GK:22・北選手、DF:4・小柳選手、32・ハンジン選手、24・乾選手、MF:18・加藤選手、25・坂井選手、11・小林選手、2・保崎選手、FW:7・青木選手、10・平繁選手、33・ロビーニョ選手、リザーブメンバー・GK:1・内藤選手、DF:5・中村選手、 28・瀬川選手、MF:6・櫻田選手、14・横山選手、FW:15・エデル選手、20・野崎選手。メンバー的には、3-4-3ですが、もしかすると保崎選手をSBに置き青木選手をSHに入れた4-4-2かも知れません。陣形は試合開始後に確認してみましょう。サブに入った最年長にしてこの試合を持って引退する櫻田選手とチーム最年少の横山選手。共にクラブ生え抜きの選手ですが、苦労の多かった櫻田選手が若い横山選手に対して少しでも多くのものを残してくれたら、そして横山選手には櫻田選手から「草津のDNA」をしっかりと吸収して大きく育って欲しいと切に願います。大阪のメンバーには、事前発表の通り日本代表2名の姿はありませんが、加地選手、藤春選手、二川選手、倉田選手、そして宇佐美選手などなど、錚々たる面子が揃っています。大阪の陣形は4-4-2。加地選手のサイドアタックが脅威ですが、それはそれで見てみたかったりします^^;。
 野田主審の手が上がって霜月の晴天に笛一声。2013年J2納めの第42節の幕が開きます。群馬のフォーメーションは、どうやら4-4-2(2ボランチ2トップ)のようです。強敵・大阪に対抗するため、群馬は果敢なチェックを掛けつつも守備意識を高く保つと言う繊細なミッションを追求します。しかし勝負感に長ける大阪は、立ち上がり間際で暖機運転が完了していない群馬の連携に隙を見出してチャンスを作り出します。前半3分、GK・北選手からパスを受けた小柳選手がペナルティエリア至近という危険地帯で倉田選手にボールを奪われると言うピンチ。倉田選手はゴール方向へ向かい、すかさず二川選手へとスイッチ。ボールを受け取った二川選手にシュートを打たれます。幸い枠上へ外してくれましたが、自陣深い位置でのミスから招いたファーストシュートには、この先が思いやられます。しっかりすんべぇや。これで浮き足立ったりはしませんでしたが、このワンプレーが契機となって、場の支配は大阪が掌握しました。群馬側も前線からのチェック、ボールホルダーへの執拗なマークなど、いつも以上に精力的に動き回ってはいますが、いかんせん大阪側の球離れが早くて上手い。長短のパスが後方、中盤から次々と繰り出されて行きますが、足下にしろスペースにしろ兎に角パスが正確で、出し手も受け手もその意図をちゃんと把握していてミスパスがほとんどないのが驚異的です。そしてパススピードが速い。そのくせトラップでしくじらない。どんなスポーツでもそうですが、基本を怠らないアスリートこそが一流たり得るのです。その基本を徹底させて組み上げられたチームが、「強豪」となる訳です。その「強豪」が今まさに目の前に居るのを実感します。大阪の攻勢は続きます。前半13分、ハーフライン付近でボールを持った宇佐美選手、右タッチ沿いを駆け上がり、中央へ切り込みながら群馬守備陣を次々と突破して行きます。そして、勢いそのままにシュート一閃。GK・北選手が懸命のセービングで辛くも失点を避けます。止めた北選手も冴えてますが、いやはや宇佐美選手の速いこと上手いこと。これは難儀しそうだぃね。そして大阪は宇佐美選手だけではありません。前半24分、右サイドから崩されてゴール前に流し込まれたスルーパスを二川選手がシュート、ここもGK・北選手が良く防ぎます。前半は9本のシュートを打たれながらも(しかも危ないのが幾つかありました)、GK・北選手の好セーブなどによりゴールを割らせませんでした。もっとも、完全な守勢という感じではなく、小林選手やロビーニョ選手などが高い位置でのハイプレスを繰り返してくれたのが効いていて、大阪の攻撃の第一歩にブレーキを掛けられたのが攻勢を削ぐ要因となりました。とは言え、群馬側の攻撃機会が少なかったのも事実なので(シュートは4本)、後半点を取りに行くつもりならば、多少のリスクは負わねばならないでしょう。そして、今日はそれが許される試合であり、僕達はそれを望んでいます。
 若干風が強くなる中、後半のキックオフです。後半も出だしにペースを掴んだのは大阪です。後半9分、右タッチからのスローインを受け取った宇佐美選手、ドリブルでゴール前へと切り込んで行きます。ペナルティエリアに入った所で倉田選手とワンツーパスを決めると、完全に群馬DFを振り切り、そのままシュート。虚を突かれたGK・北選手の体勢を崩し、ボールはゴールネットを揺らします。均衡を破る先制点は大阪が上げました。それにしても、やはりと言うべきか宇佐美選手は上手かった。別次元の身のこなしです。失点直後の後半10分、今度は群馬のチャンスです。大阪アタッキングサード内を、左サイドから中央へとロビーニョ選手がドリブルで運びます。ロビーニョ選手、ゆったりとしたドリブルでゴール正面へ移動した後、大阪DF2名の不意を衝くようなクイックパスをクサビに入った平繁選手へと出します。パスを受けた平繁選手、ボールを持つとすぐさま反転、左方向へと流れながら前を向きシュート。ここはGK・藤ヶ谷選手ががっちりキャッチしました。防がれはしたものの、これで少しは攻撃のリズムが出るかも知れません。今日はロビーニョ選手の切れが良いです。期待出来そう。後半17分、大阪は早めの交代を行います(MF・阿部選手→MF・岡崎選手)。そして、交代出場した岡崎選手が直後に好機を演出します。後半18分、岡崎選手の蹴り出した速いスルーパスにきっちりと対応して群馬のDFラインを突破した藤春選手がGKと対面してシュート。これはしてやられたと思う刹那、GK・北選手のスーパーセーブでゴールを割らせません。いや、ホントに助かったよ。後半20分、加藤選手→エデル選手の交代で、中盤ダイヤモンドスタイルへ変更。坂井選手を1ボランチ、エデル選手をトップ下に配した攻撃的な陣形で、攻勢を掛けます。後半23分、岡崎選手のシュートは枠を捉えていましたが、またしてもGK・北選手がパンチングで防ぎます。群馬は後半31分、保崎選手→瀬川選手へと交代。ここは守備要員と言うよりも、アタッカーとして起用してきたな、と言う印象です。秋葉監督、あくまでも攻撃的な姿勢です。後半32分、今度は武井選手が鋭いミドルショットでゴールを狙いますが、またしても、またしても、GK・北選手がパンチングで防ぎます。今日の北選手は、文字通り「守護神」です。大阪は後半33分、MF・二川選手→FW・佐藤選手の交代です。この佐藤晃大選手ですが、大卒後に徳島へと入団し、ルーキーイヤーの2009年にデビューしたんですが、その時の相手がザスパ草津でした(ちなみにうちが勝ちました)。なんかこう、縁があるねぇ。ここまでの所、大阪の攻撃は個の能力の高さから来るものもありますが、チームの方向性がそうさせるのでしょう、物凄い推進力と圧力を感じさせます。少しでも対応を誤れば、あっという間に夢スコアにされてしまいそうな迫力があります(前回の対戦時は正にこれでしたが…)。その反面、モチベーションの為せる業なのか、大阪の守備は難攻不落には感じられません。はっきり言うと、「点は取れそう」な感じがします。そして、何としてでも点が欲しい群馬は、ハンジン選手を前線に上げるパワープレイに打って出ます。守備リスクを高めたこの賭けは、どうやら表の目、すなわち攻勢が勝る結果となります。後半42分、前線からのプレスが功を奏し、大阪陣内中央でボールを奪取したエデル選手。奪った直後にすぐさまロビーニョ選手へとボールを渡し、そのまま前方へと駆け抜けます。パスを受け取ったロビーニョ選手、前を向いたらそのまま突進し、ペナルティエリアに入った位置から思い切り良くシュートを放ちます。このシュートはGK・藤ヶ谷選手の真正面に飛びましたが、球威があったおかげでキャッチはおろかまともなパンチングも出来ず、依然エリア内へとこぼれ落ちて行きます。跳ね返ってきたボールに詰め寄ったのは大外から駆け込んできたエデル選手。目の前のボールにトップスピードで走り込み右足でシュート。今度こそボールはゴールネットへと突き刺さりGOOOOOAL!!! 同点に追い付きました! 満員の場内がひときわの盛り上がりを見せる中、後半43分に群馬は最後の選手交代を行います。人情家の秋葉監督のこと、必ず出場させるとは思っていました。この試合をもって引退となる櫻田選手の登場です(out→青木選手)。前節同様キャプテンマークを腕に巻き、割れんばかりの歓声を満身に受けつつ颯爽とピッチに現れます。これがラストだ、サクちゃん。らしくいぐんべぇ!パワープレイを押し切って同点としたことにより、大阪側の中盤での連携に齟齬が生じ、結果として終盤は群馬優勢となりました。俄然盛り上がってきましたよ^^。ロスタイムにはロビーニョ選手がシュートを放ち、勝利まで後一歩の所まで迫ります。しかしながらゴールは割れず、シーズン終了のホイッスルが敷島の杜に響きます。ザスパクサツ群馬の元年は、これにて終幕です。
 整列する両軍の選手達に対して、7,800人余りの観客から盛大な拍手が送られます。後半は大阪のシュート10本を上回る12本を放つなど、特に終盤には同点に追い付いたこともあって有終を飾れたかな、と思います。大阪が掲げていた年間100得点を阻止出来たことが、ちょっぴり誇らしくもあります(あんまり胸張れる事が今年はないんで、これくらいは、ね)。物怖じせず挑みかかり、ちゃんと点を奪っての引き分けです。らしくていいじゃないか。
 今日の注目選手・宇佐美選手ですが、いや、実際に見てみると、オフザボールからの動き出し、ボールを持ってからのキープ力、敵陣を切り裂く突破力とテクニックなどなど、J2にはまず居ないタレントでした。年齢も若いし、いずれまた海外クラブへと移籍する可能性が高いね、これは。今日敷島でプレイを見られて、老後の良い語り草が出来ましたよ(笑)。
 試合が終わり、今日はセレモニーが行われます。キャプテン・平繁選手が挨拶で語ります。「来季は…」と。秋葉監督はこう話します。「負けず嫌いなんで、このままでは終わらない」と。そして、引退する櫻田選手の挨拶です。「草津町での経験は大変だったけど自身を成長させてくれた」「このチームで9年間もプレイ出来て幸せだった」。彼に付けられたキャッチコピーは「草津バカ一代」。人懐こいそのキャラクターはサポーターに愛されました。サポーターの招きに応じてバックスタンドに立ち、「ここから見る景色は最高だ!」とサクちゃんは語りました。そんな最高な景色が見たくて、僕達はここに集まります。そんな最高の景色を、貴方達が届けてくれます。そんな最高の景色の中に、貴方が居ました。僕達サポーターが用意してあげられた「花道」は、そんな貴方に対してのささやかなお礼です。ありがとう櫻田和樹。君のことを忘れない。そして、いつかまた、同志として君と共に戦いたい。【ほーせん@高崎】






Special Thanks
ご寄稿、ご協力、画像のご提供あんがとね! (順不同)

ほーせん@高崎 様
あきべー@北毛 様
マッシー@前橋 様
さねやん@福岡 様
HuslerS@伊勢崎 様
ざすっぱ@前橋 様
THES-NAMAKA@前橋 様
とも@川崎 様
ばた@前橋 様
英語の先生@東京 様

製作協力:三束雨@藤岡



Copyright(c) 2004-2013
すずき@東毛

無断転載、複製公開はかたくお断りすらぃね!

リンクはフリーだけんど
トップページ http://www7.plala.or.jp/gunma/thespa/ にたのまぃね!

もどる