![]()

| 春のDXシーズン中は自分の設備(100W + 2ele HB9CV)の貧弱さを痛感させられる 場面が何度もありました。しかし、Esシーズンに関しては、マルチホップで入感した Wを除いては、私の設備でも十分楽しむことができたと思います。以下、私がSM7で体験したEUのEsについてまとめてみました。 |
発生頻度Web Clusterを見る限り、中南部EUではシーズン中ほぼ連日のようにEsが開いていま した。しかし、およそ北緯50度を超えるとEsがオープンする確率が低くなり、DL北部やOZ南部より北へ行くと、さらに状況は悪化するようです。春のDXシーズン中にさんざん見せつけられた南北格差を、ここにきて再び味わうとは思いませんでした。私がEsで入感した南部EUの局をコールした際、Esが北部EUまでオープンしていることを知るや否や、「QRZ, Scandinavia?」、または「QRZ, northern Europe?」とアナウン スする場面を何回か経験しました。これは、「南部EUに比べて北部EUではEsがオープンしにくい」という事実を裏付けるものと思われます。そう言えば、国家試験用の教科書に「Esは中緯度地方で発生しやすい」と書かれていたことを、改めて思い出しま した。 |
||||
伝搬距離私が2エリアに住んでいたときに経験したEsによる伝搬距離は、JA2-JA6の約700km、JA2-JA8の約1000km、JA2-JR6の約1300kmでした。これらをマルメからの距離に当てはめると、700 kmはDL南部、1000 kmはOEとIの国境付近、1300 kmはI北部に相当します。私の経験ではJA2-JA6のオープンなど決して珍しいものではなく、JA6各局と 何回もQSOした記憶があります。よって、私はON、DL南部、OE、OM、SP南部(どれも 約800km)までは、Esで簡単にQSOできるものと期待していました。ところが、実際に聞こえてくるのは、1000km以上の場所が多く、それより近いところは数えるぐら いしかオープンしませんでした(図1)。参考のため、私がマルメ(JO65)からEsで QSOできたgridを、東京(PM95)へ平行移動したものが図2です。これを見れば、JA とSM7での伝搬距離の差が一目瞭然です。高緯度地方(マルメは北緯55度、樺太の北端あたり)は、近距離のEsが発生しにくいのでしょうか。 |
||||
![]() |
||||
| 図1 黒:QSBの底が短いタイプ 白:QSBの底が長いタイプ
白黒:両者のタイプ 縞:Es + alpha?
|
||||
![]() |
||||
| 図2 マルメから東京中心に平行移動 |
||||
2種類のQSB私が日本で体験したEsは、強弱の差はあるものの、どのEsもQSBに関してはそれほど大きな違いはありませんでした。しかし、SM7では、明らかにQSBの特徴が異なる2種類のEsを聞くことができます。ひとつは、日本で聞くEsと同じで、「比較的強いQSB は伴ってはいるが、QSBの谷はそれほど長くないタイプ」(図3)、もうひとつは、「QSBの山がくるとフルスケールで入感するが、その山は長くても2分ほどしか続かず、あっと言う間に落ち込んでしまい、次の山が来るまで数分間(時には5分以上)何も聞こえないタイプ」です(図4)。これら2種類のQSBに興味を持った私は、どのような状況でどちらのタイプがオープンするか、様々な要素を比較検討してみました(図1)。絶対的な結論ではありませんが、「北方向には前者のタイプが多く、東南方向 には後者のタイプが多い」、「伝搬距離が短いEsは、前者のタイプであることが多い」という印象を持っています。後者のタイプは「単なる弱いEs」なのでしょうか。 それとも、反対に「非常に強い前者のタイプが中南部EUで発生し、突発的に北部EUまで電波が届いている」のでしょうか。落ち込みの激しい後者のタイプでQSOするに は、言うまでもなくタイミングがすべてです。例えば、I某局が後者のタイプでSM7に 入感している場合、先方では同時に(おそらく)前者のタイプでDL某局やSV某局(ともにSM7では聞こえない)と交信中ということが多々あります。こちらで何も聞こえない間にも、先方ではどんどんQSOが進行しているので、QSBの山が訪れた瞬間にうまく先方のQSOが終わらないと、コールするタイミングを逃してしまい、また次の山まで待たなくてはなりません。タイミングが合わないとイライラしますが、うまくget したときの喜びは大です。 |
||||
|
||||
バズ音「ブーン」という耳障りなバズ音は東南アジア(中国)が発生源であると言われ、JA でEsが発生しているときによく聞こえます。では、SM7でEsがオープンした場合はどうでしょう。実は、EUでも時々バズ音らしき音が聞こえることがあるのですが(音声ファイル)、その頻度があまり高くないため、正確な傾向を把握するほどのデータ がありません。私の経験では、この音が聞こえるときは南東方向(UR, YO, LZ方面)がオープンしていることが多いような気がします。しかし、この方面が開いても聞こえないことも多く、また、南方向(I各局)しか開いていないのに、この音が聞こえた日もありました。なお、春のDXシーズン中に中央アジアからオセアニア方面が開けているときに聞こえたバズ音は、JAで聞こえるものと同じです。 |
||||
EUの特権?私は今年(2002年)のEsシーズン3ヶ月間だけで、合計36 entities, 139 gridsとQSOすることができました。これは「EUは陸地であり、狭い範囲に多くのentityがある」という地の利に尽きると思います。図2を見て頂ければ明らかなように、JAから見た場合、私がEsでQSOできた距離にはactivityがほとんどありません。たとえ、これらの地域がEsでオープンしても、JAではEsの発生そのものにさえ気づかない可能性があります。 これに対して、EUではどの方向が開いても、必ずどこかで何かが聞こえてきます。Esに関する限り、EUはパラダイスだと確信しました。 |
||||
| (注1) 図1、2はJF9EXF野村さんに許可を頂き、野村さんのホームページ(http://www4.plala.or.jp/nomrax/webatlas.htm)よりコピーした地図をもとに作製しました。 野村さんありがとうございました。 (注2) マルメからの距離を示す楕円(図1)は、完全に正確なものではありません。(特に高緯度地方で誤差が大。)あくまで参考程度に考えて下さい。 |
編注:50MHzがエキサイティングなバンドとしてヨーロッパで数年で認知された理由が良くわかりました.
それにしても「バズ音」の正体は一体なんなのでしょうか??
無断転載・引用を禁じます
Copyright(c); All rights reserved :
Tomio YAMAZAKI, M.D.(SM7XQZ esJG2GSY) & Hideki SUZUKI, M.D.(JN1BPM) ,2002