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第1節〜第21節

躍進







■ 2023年2月18日(土) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第1節

ザスパクサツ群馬 0−0 ブラウブリッツ秋田

正田醤油スタジアム群馬 3374人

新時代

 2023シーズンが開幕した。ザスパは大槻監督が引き続き指揮を執り、主力級の移籍は数人出たものの、昨季からの積み上げが期待できる。一方、クラブとしてはまたも1年足らずでトップが代わる異常事態。停滞は進化の著しいJ2で死活問題となる。
 カタールW杯の影響でいつもより長いシーズンオフだったが、年が明けるとあっという間に2月となり、再び一喜一憂の日々がやってきた。テレビで見たグリーンとトリコロールの華々しい一戦から30年。地元でJリーグチームを応援できるようになってから、18年目の春を迎えた。
 はやる気持ちを抑えつつ向かう、われらがホーム正田醤油スタジアム群馬。それでも普段より早く到着する。グッズ売り場には長蛇の列。新しいタオルマフラーと昼食を買い終えた頃には、選手の乗るバスを迎えるために、サポーターが集まり始めている。新型コロナウイルスが流行し、スタジアムで声を出すことを禁じられてから丸3年。ようやく場所に関係なく応援ができるようになった。通路に入ってくるバスの姿が見えると、フラッグを振り、手拍子しながらチャントを歌う。降りてくる選手たちの引き締まった表情を見ると、こちらの気持ちも昂ってくる。
 23シーズン初戦の相手は、ブラウブリッツ秋田。19年、21年に続き、開幕戦でぶつかるのは直近5年で3回目。吉田謙監督率いるチームは、Jリーグでも異質な戦術を執り、前任のアスルクラロ沼津時代も含めて対処に苦労するイメージしかない。ザスパゆかりの選手では、青木翔大がスタメンに名を連ねている。ベンチには熊林親吾の姿も。小柳達司は残念ながらメンバー外だった。 そして、ザスパのメンバーが発表されると期待と驚きの声が上がる。GK櫛引正敏、DFは右から岡本一真、新加入の酒井崇一、畑尾大翔、こちらも新加入の中塩大貴。ボランチに今季もキャプテンを務める細貝萌、そして加入3年目、この日J初出場の中田湧大が抜擢された。右SHに長倉幹樹、左SHは川本梨誉、FWは平松宗と新加入の佐藤亮。ベンチには新加入高崎出身の石井僚、城和隼颯、風間宏希、天笠泰輝、山中惇希、大卒ルーキー岩元ルナ、そして北川柊斗。新加入選手も目立つが、何より岩上祐三、内田達也という在籍年数も経験値も豊富なベテラン勢を差し置いて開幕スタメンを掴んだ中田に注目が集まる。
 山本一太知事(残念ながらVTRメッセージ)、山本龍前橋市長の挨拶に続き、カインズの高家社長からは、挨拶とともに来年完成予定のクラブハウスの紹介VTRが発表された。マスク越しにはなるが、精一杯の声で選手を迎える。こちらもコロナ禍で制限されていたビッグフラッグがスタンドに広げられ、ボルテージは一気に高まる。秋田ボールのキックオフで、23シーズンがいよいよスタートした。
 秋田の戦術は前線にロングボールを入れつつ前進し、相手を押し込んでいくスタイル。分かってはいるものの、個々の選手が理解し浸透した形で繰り出してくる攻撃には手を焼く。先方もかなり選手が入れ替わってはいるが、シンプルで統一されており、厄介この上ない。ザスパは昨年から継承している守備時4バック、攻撃時は3バックの可変スタイル。後方からパスをつないで隙を突こうとするが、秋田のプレスと運動量になかなか糸口が掴めない。それでも、きっかけさえできればチャンスは作れる。前半最大の決定機は、左サイドから押し込んで細貝が大きく逆サイドに展開、走り込んだ岡本がダイレクトでゴール前に折り返したが、飛び込んだ平松にはもう少しのところで合わず、ゴールまで至らなかった。秋田は青木が慣れ親しんだ正田スタで躍動し、あわやゴールかというバー直撃のヘディングシュートを放つ。両チームともゴールを割れず、0-0のまま後半に折り返す。
 後半、立て直しを図るザスパは左サイドで優位な時間帯を作る。川本が何度か中に折り返し、きっかけを作ると、左に流れた佐藤がクロス、逆サイドからPA内に侵入してきた長倉が後ろ向きにトラップし、反転しながらシュートを放つ。これは惜しくもゴールをかすめる。ザスパは天笠、北川、風間とカードを切り、ボールを繋いでリズムを作りたいが、レフェリーの笛によるプレー中断も多く、FKやロングスローでじっくり時間を使う秋田に焦燥感が募る。相変わらず脅威となっているのは青木。GKのフィードを受けて櫛引と1対1になると、ループシュートを狙うが、これは間一髪櫛引の伸ばした手がはじいた。均衡が破れない展開にスピードのある岩元を投入し、最後のチャンスを窺うザスパ。それはアディショナルタイムに訪れ、クロスが弾かれていったん戻したボールを畑尾がもう一度ゴール前に上げる。待ち受けた長倉の頭に合ったが綺麗にヒットせず、中田も詰めたが相手GKがキャッチ。今シーズン初戦は0-0のドローとなった。
 コロナ禍を経て迎えた新時代、開幕戦の評価は人によって様々だと思われる。秋田の独自スタイルにはどこも手を焼いており、すべての試合が同じような展開になるわけではない。結果的には本来やりたかったサッカーができなかったザスパ。最新モデルを評価するには、もう少し時間が必要だと思うが、戦国J2で楽な試合など1試合もないということを改めて感じた。【yosuie@中毛】


■ 2023年2月26日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第2節

FC町田ゼルビア 2−0 ザスパクサツ群馬

町田GIONスタジアム 3160人

不用意なミスから

 ザスパは守備で我慢しきれず、2失点で破れた。前半22分、左サイドのFW川本とMF長倉の連携から、永倉がシュートを放つも捉え切れず。38分に自陣左サイドからのFKから失点した。
 後半18分、DF岡本のクロスに長倉が頭で合わせるも枠に弾かれた。39分に自陣深くからの直接FKで2点目を喫した。(2月27日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年3月5日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第3節

ジェフユナイテッド千葉 2−2 ザスパクサツ群馬

フクダ電子アリーナ 6510人

気迫の戦い

 ザスパは2度、リードを奪うも、ミスからの失点で今季初勝利を取りこぼした。前半4分、MF天笠のミドルシュートをGKがはじくと、こぼれ球に反応したFW武が左足で押し込んで先制。36分に自陣でのミスから追いつかれると、終了間際、左サイドのFKをDF畑尾が合わせて勝ち越した。
 後半17分に自陣深くでボールを奪われ、同点ゴールを献上。その後、FW長倉やMF岡本らが決定機を得るも決められなかった。(3月6日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年3月12日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第4節

ザスパクサツ群馬 1−0 モンテディオ山形

正田醤油スタジアム群馬 3197人

シュートを打てば何かが起こる

 ザスパが逃げ切った。前半5分、MF天笠のミドルシュートを相手GKがはじき、そのこぼれ球にFW武が押し込み先生した。その後は守勢に回ったが、DF畑尾とDF酒井のセンターバックコンビを中心に相手の攻撃をはね返した。
 後半は10分にFW川本、15分には佐藤亮、41分にもFW平松宗が決定機を得るも決めきれず。追加点は奪えなかったが、集中力を切らさず最後まで守り抜いた。(3月14日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年3月19日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第5節

ザスパクサツ群馬 1−2 ベガルタ仙台

正田醤油スタジアム群馬 3917人

ベテランの存在感

 春の暖かな日差し、穏やかな風が吹き抜けて行く、最高のサッカー観戦日和となりました。歓声の戻ってきたスタジアムには高揚した気持ちがみなぎっています。
 前節、山形を相手に今季初勝利を上げたザスパ。その勢いで今季初の連勝を目指したいところですが、今節の相手は難敵・仙台。昨年の対戦では長倉選手の加入後初ゴールで勝利したものの、過去20回の対戦で仙台から勝利したのはこの一戦のみ。前節は相性の良さを感じた試合でしたが、今節は如何に。
 今節のスタメンは、GK櫛引、DF畑尾、DF酒井、MF岡本、MF細貝、MF中塩、MF天笠、FW佐藤、FW川本、FW武、FW長倉。なんだか2-4-4みたいな登録ですが、フォーメーションはもちろん4-4-2。攻撃のときには3-4-2-1になる可変システムも徐々に成熟してきているように思います。ベンチには、GK石井、DF城和、MF内田、MF風間、FW川上エドオジョン、FW白石、FW平松。スタメン・ベンチともに、メンバーは前節と全く同じです。頼もしい面々ではあるものの、選外になった選手たちの中にも見たい選手や期待の選手がたくさんいます。そんな贅沢な思いを抱けるくらいに選手層は厚くなってきています。
 試合開始。前半は仙台ペースでした。ザスパは守りに回る時間が長かったですね。意図的に構えて受けて前半をスコアレスで乗り切って後半勝負を狙っていたのか、あるいは仙台の術中にハマってしまったかはわかりません。ただ全体としては窮屈なサッカーをさせられているという印象でした。攻め込まれる時間が長く、低い位置から攻撃に転じます。攻め手であるサイドでの攻防は前へ入れるボールがなかなか繋がらなかったですね。蹴り込んだボールが受けにくくなるような仙台の守備だったのかもしれません。前線でも長倉選手と武選手は相手守備陣に警戒されていたようでボールに触れる機会自体少なかったように感じました。
 仙台の巧妙な守備に抑え込まれ、その上でずいぶんと攻められましたが、ザスパの守備も安易に跳ね返すだけでなく、奪ったボールを大切にして繋いで攻撃に転じようとする意図は感じられました。攻められながらも守備が破綻しているような印象はなかったのですね。それでも失点のシーンは、一瞬のスキがあったか...。守備ブロックを敷いて守っていたところに唐突に浮き球を放り込まれると裏へ抜け出され、そこからマイナスのパス。これをうまく合わせられてしまいました。人数は十分にいたのになんだかもったいないような失点でした。この失点でチーム全体がバタバタしたような感じに。それまでならば危な気なく守りきれる場面でシュートまで持っていかれるような展開が増えてしまいました。そんなときゴール前の横パスを強引に胸トラップで奪ったのがGK櫛引選手。そのままドリブルでペナルティエリア外を10メートルほど前進。チームに喝を入れるようなこのプレーで選手たちは落ち着きを取り戻したのでしょうか、その後は攻められながらもしっかりとしのぎ切り前半終了となりました。
 ハーフタイムでの修正が効いたのか、後半はザスパペースでスタートします。前線からボールを追い奪おうとする動きが出てきて高めの位置から攻勢に転じることが出来るようになりました。後半8分、いつもより少し早めに細貝選手が退きます。代わって内田選手が登場。するとわずか4分後。その内田選手のヘディングシュートが決まって同点!GOOOOOAL!!! 自陣でボールを奪った岡本選手はそのまま中央へドリブル。センターサークル付近から左の長倉選手のパス。味方選手の動きを見てタイミングよくアーリー気味のクロスを入れたものの、惜しくも武選手には合わず。そのままボールは右サイドに流れましたがこれを佐藤選手がキープ。前線に両軍の選手が集まった状況で、全員がボールの行方を気にしていたその時、ボランチから駆け上がったのが我らがうっちー!両手を上げて存在をアピールすると、佐藤選手からのドンピシャのクロス!鮮やかなヘディングシュートが決まりました。練習してきた形なんでしょうね。お見事!
 その後もいい形での攻撃が展開できていたものの、最後は仙台の地力の差で押し切られ1-2の敗戦となりました。アディショナルタイムには2度のコーナーキックのチャンスが。これを決めて追いつこうと櫛引選手まで前線に上がって猛攻を仕掛けるも残念ながらゴールには結びつかず。難敵仙台を相手に惜敗といえる内容だったと思います。ザスパの成長が見られた試合だったのではないでしょうか。だからこそ、前半の展開がもったいないと思えます。最初から後半のような試合運びができていたならば...、と妄想してしまいます。
 この試合は若手の有望な選手たちや移籍組の巧みなプレーもさることながら、ベテランたちの存在感が光っていたように思いました。ゴールを奪った内田選手、バタついていたチームを落ち着かせた櫛引選手。いい感じに各選手のプレーと役割が噛み合いつつあるのかなと、そんなことを感じた一戦でした。【ばた@前橋】


■ 2023年3月29日(水) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第6節

清水エスパルス 1−3 ザスパクサツ群馬

IAIスタジアム日本平 8482人

W杯正守護神から3点奪取!

 ザスパは前半、守勢に回る時間が長くなったが、少ない好機を確実に決めた。25分、FW佐藤の左FKにDF畑尾が頭で合わせて先制。29分にパスミスからカウンターを受けて追いつかれたが、32分にMF長倉の左からの折り返しを佐藤が蹴り込み、勝ち越しに成功した。
 後半は反撃する相手の裏を取ってチャンスを作った。8分、右サイドから佐藤が左足でクロスを上げ、逆サイドで長倉がヘディングシュート。ボールは相手DFに当たってゴールに吸い込まれた。終盤は自陣で守り、清水の攻撃をはね返した。(3月30日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年4月2日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第7節

栃木SC 1−2 ザスパクサツ群馬

カンセキスタジアムとちぎ 4473人

ゴール裏沸騰!

 前節、アウェイで清水に(まさかの)1-3で快勝したザスパ。順位を10位に上げ、今節対戦するんは、宿敵・栃木。決戦の地は栃木の新スタジアム、2022年開催の国体のため、2017年着工、2020年に完成したカンセキスタジアムとちぎ(以下カンセキ)。2021年に一度はここでJ2リーグでの対戦が予定されてたんだけんど、コロナ禍で中止になっちゃって代替でグリーンスタジアム開催になっちゃったんだぃなぁ。カンスタは2021年6月には、なでしこジャパンの国際親善試合(対メキシコ)も行われ、今年っから栃木の事実上の本拠地になったらしいし、こりゃどんなスタジアムなんか「視察」に行ってみんべぇか。
 個人的には2012年以来の宇都宮遠征。その後は栃木もザスパも双方不遇なJ3時代があってJ2での対戦がなかったり、オレが仕事で行げなかったりとなかなか再訪の機会がなかったんさ。せっかくなんでJR両毛線→宇都宮線で電車で行って、まずは宇都宮餃子に舌鼓、真っ昼間からビールの至福。店は、開店早々既に激混みだったぃ。食の名物がある街へのアウェイ遠征は楽しいやぃね。
 東武宇都宮線で東武宇都宮駅から最寄りの西川田駅へ。駅から徒歩約10分ちっとでカンセキに到着。眼前に聳えるその威容。おーかすんばらしいスタジアムじゃねーきゃ!中に入ぇるとサッカー専用じゃねぇとはいえ、全周を覆う屋根があるし、駅からアクセスもいいし、スタジアムに関しては、悲しいかな文句なく栃木の圧勝だんべ(´Д` )!
 ザスパのスタメンを確認。GK21櫛引、不動のDF陣のDF3畑尾・24酒井・19岡本・36中塩、今日もスタメンのMF15風間・38天笠・5川上・10佐藤、FW28長倉、久々の先発の23平松、サブに42石井、DF2城和、MF6内田・33細貝、FW7川本・9北川・17山中。対する栃木の先発に元ザスパのFW大島、サブには元ザスパの佐藤 祥、元日本代表の矢野。両者の過去対戦成績は8勝7分け6敗と栃木に上まわれてるんさ。この両毛ダービー、スタジアムは残念ながら完敗(笑)だけんど、試合じゃ宿敵栃木には絶対に負けられねぇ。ゴール裏に陣取るサポーターの数ではザスパの方が多いように見ぇるで。声出し応援が解禁になり全周を覆う屋根に草津節が響く。声量じゃアウェイの地でも全く負けてねぇぞ。いやがおうでもダービーの雰囲気が高まる。ダービーは結果こそすべて!さぁ試合開始。
 試合前にちょっと日が差したんだけんど、再び曇天に変わっちまった。前半は双方様子を窺う、鍔迫り合いのような展開の膠着状態。大きなチャンスもねぇし大きなピンチもねぇ。終了近くに佐藤のシュート、天笠のミドルシュートがあったけんど相手GKの正面をつき得点ならず。今年の天笠はミドルシュートの意識が高けぇんはいーことだと思うで。(実際、今季はそのこぼれ球が得点に結びついてるしね)前半終了、スコアレス。後半はどうなるんだんべか?
 後半開始。序盤は依然膠着状態。曇天で、吹く風が地味に冷てぇ。58分、平松に替え、川本。そして61分、事態は急展開を迎える。栃木・DF神戸にこの試合2枚めの黄紙が提示され、合わせて赤紙となり退場、栃木は10人。ザスパが一人多い願ってもねぇ展開!こりゃ俄然有利!後半22分、川上に替え山中、天笠に替え内田。攻守を整え得点を狙うザスパ。山中が退場の神戸から替わった左サイドを突く攻めが増える。こりゃ点が取れそうだぞ。しかし好事魔多し。69分、栃木のクロスにゴール前に走り込んできた福森がヘディングシュート。これが決まっちまって痛恨の失点、1-0。10人の栃木のお見事な先制。
 これできっと栃木はがっちり守備を固めちまうだんべ。このままずるずる負けちまうんじゃねぇだろうな・・・しかしこの日のザスパは、今までのザスパと違ってたで。77分、 山中が左サイド奥でパスを受ける。寄せる相手に自ら身体をぶつけ、これを跳ね返し、PAに侵入。中央にクロス。相手GKが弾くも、そこにいたんは佐藤。これを押し込んで、GOOOOOAL!!! ザスパ、同点!盛り上がるゴール裏!栃木に傾いた嫌な流れが、ザスパに引き戻されたで。勝ち越しを目指し、攻勢を強めるザスパ。81分、佐藤に替え、北川を投入。
 そして87分、歓喜の時間が訪れる。1点目と同じく左サイドに展開されたボールを山中が相手をかわしてクロス。これをファーの北川が頭で合わせて、中央に折り返し、そこに風間が走り込んで、GOOOOOAL!!! 一気呵成の逆転劇!ゴール裏沸騰!アディショナルタイムの4分も無難に乗り切って、1-2で試合終了、敵地で宿敵に劇的勝利!
 歓喜に満ちた勝利の草津節が高らかに、全周を覆う屋根に幾重にも響く。今日のヒーローは文句なく左サイドの突破で2得点を演出した山中だんべ。相手の寄せに自ら当て身をして相手DFを剥がしたんはまっさかびっくりしたで。相当体幹鍛えてるんだんべなぁ。(今日は山中が調子が良いと踏んで、彼が左サイドに展開した時にカメラを構え、2得点のシーンをきっちり画像に収めたオレの嗅覚も誉めてくんなぃ(笑)) 相手の1人退場はあったにせよ、交代した選手が結果を出してる監督の采配もお見事だんべ。今までのザスパなら追いつくこともできずに負けちまってたんじゃねぇか。今年は今までと一味違う気がするで。これで今季初の連勝で、6位に浮上。なんだか慣れねぇ順位でどう振る舞っていいんか良くわかんねぇ(笑)んだけんど、この調子を維持して、今季こそ降格に怯えねぇ年にしてぇもんだぃね。
 それにしても、カンセキは予想以上に立派だったで。サッカー専用じゃねんは残念だけんど、雨を気にしねぇで観戦でぎる屋根、遊園地も併設で駅からも近くってまぁず栃木がうらやましい。群馬にも2030年ごろに次の国体(国スポ)が回ってくるはずだし、駅近で駐車場もいっぺぇあって屋根があるサッカー専用スタジアム・・・どっかに作ってくんねぇかなぁ。【すずき@東毛】


■ 2023年4月8日(土) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第8節

ザスパクサツ群馬 1−0 V・ファーレン長崎

正田醤油スタジアム群馬 2264人

シキシマニサクラサク

 その男は沸き立つゴール裏に駆け寄ると、胸のエンブレムを握りしめ、背番号を指差した。俺がザスパの10番だ、と。
 J2屈指の戦力を誇る清水エスパルスに勝ち、隣県のライバル栃木SCを沈め、3連勝をかけてホームに迎え撃つのは、難敵V・ファーレン長崎。出だしで躓いたものの、あちらも3連勝中と調子を上げている。上位に足場を固めるためには負けられない一戦、決めたのは ”紺碧の貴公子” 佐藤亮だった。
 4月もまだ始まったばかりというのに、先月の記録的な温かさのせいで、敷島の桜はもう淡い緑の新葉に包まれている。しかしこの日は春の嵐とばかりに北風が強く吹き、キックオフが近づくにつれて気温も下がり始めている。スタンド上部のフラッグが軋むようにたなびき、試合展開にも大きく影響しそうな天候になった。試合開始前には今季加入の選手たちのキャッチコピーが発表された。各選手の特長を捉えたものや、名前にインスピレーションを得たものなど、今年も個性的で秀逸な二つ名が付いた。ザスパはスタメン、サブとも前節と変わらず、GK櫛引正敏、安定のDFラインに岡本一真、酒井崇一、畑尾大翔、中塩大貴。ボランチは天笠泰輝と風間宏希のコンビ、両SHに佐藤と川上エドオジョン智慧、トップには平松宗と長倉幹樹。対するV・ファーレン長崎は、2戦連続計4ゴール中のフアンマを筆頭に強力な攻撃陣と、ピッチの中心に攻守の要カイオセザールが君臨する。控えには前橋育英卒で岡本と同期の笠柳翼も入っている。これまでなかなか勝てていない苦手の長崎相手に、3連勝をかけて挑むチームに、ゴール裏のサポーターの応援も熱を帯びている。
 キックオフ直後は押し込まれ、いくつか決定機を作られたものの、櫛引のセーブと畑尾のクリアでピンチを脱すると、圧巻のポゼッションタイムが始まる。最終ラインでボールを落ち着けると、喰いついてくる相手FW裏の空いたスペースをボランチ2人が自由に使い始める。相手が中をケアし始めると、降りてきた長倉が絶妙のトラップで前を向く。その長倉に注意が集まれば、大外のエドが受ける。左の中塩が自在にタクトを振りながらボールを供給し、敵陣に相手選手を封じ込めてセカンドボールも渡さない。高い位置で得たFKを蹴るのは佐藤。GKとDFラインの間に絶妙に流し込んだボールに平松と酒井が詰めたが惜しくも届かず。右サイドに流れたクロスに追いついた岡本が戻したボールを、酒井がダイレクトでクロス、逆サイドの長倉が競りながら放ったヘディングシュートは、相手GKに阻まれる。躍動するザスパの選手たち、そして歓喜の瞬間が訪れる。35分、自陣で中塩がひとつ前の天笠に付ける。そのままセンターサークル付近を持ち上がる天笠、一度長倉に預けて折り返しを受けると、スピードを緩めず左サイドのエドへ。エドもそのまま突進、急いで戻りながら守備をしなければいけない長崎DFをあざ笑うかのように切り替えし、空いたPA中央へグラウンダーのクロスを入れる。そこに斜めに走り込んできた佐藤が左足で合わせる。シュートはDFに弾かれたものの、もう一度右足で押し込み、GOOOOOAL!!! 5人が流れるように連携して鮮やかに奪ったゴールに、スタンドからは驚きと喜びが入り混じった歓声が上がった。手綱を緩めないザスパはその後も優勢に前半を終えた。あの長崎を相手に圧倒的なボール保持。昨年からの積み上げと連勝によって、育ててきた花が今まさに咲き始めている。
 一転して後半は我慢の展開が続いた。負けられない長崎がボールを保持するが、これまで積み上げてきたザスパの守備ブロックは自陣を強固に固める。もちろん守るだけでなく、追加点のチャンスを窺うため、大槻監督は前節殊勲の山中惇希、そして川本梨誉を投入。カウンターから川本、長倉が決定機を迎えるが、ゴールネットを揺らせない。対する長崎も攻撃的なカードを切る。左サイドに笠柳が入り、岡本とのマッチアップが実現した。U20代表候補に入っている笠柳だが、Jリーグでの実績では岡本のほうが上。突破を試みる笠柳を岡本が難なく止める。得点が動かないとみるや、試合を締めくくりにかかる大槻監督。内田達也、城和隼颯、北川柊斗と強度を維持するカードを切り、終盤のCK、FKのピンチをサポーターのチームコールを背に受けながら跳ね返すと、タイムアップ。スコアこそ1-0だったが、地力のある長崎相手にチームの完成度で大きく勝る勝利。3連勝で勝ち点を上積み、順位を一つ上げて5位となった。
 試合後それぞれのコールに応える選手たち。勝利の草津節に舞う佐藤と味のある挨拶をする櫛引。最後は畑尾と一緒に勝利の拳を突き上げ、喜びを分かち合うスタンド。最高の週末が訪れた。もちろん、このまま喜び続けられるほど簡単なリーグではないことは分かっている。次の試合はすぐにやってくる。しかし今はもう少しだけ、ピッチに咲き誇る花見を味わっていたい。【yosuie@中毛】


■ 2023年4月12日(水) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第9節

大宮アルディージャ 0−1 ザスパクサツ群馬

Nack5スタジアム大宮 4358人

4連勝で4位!

 ザスパは前半、両サイドバックの裏を狙われピンチを招くも、GK櫛引やDF畑尾を中心にしぶとく守り、スコアレスで折り返した。
 後半1分、MF風間宏希のロングパスにFW平松宗が反応し、左足でゴール。その後は一進一退の攻防が続き、終盤は5枚のDFを並べて大宮の猛攻をしのいだ。(4月13日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年4月16日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第10節

いわきFC 2−1 ザスパクサツ群馬

いわきグリーンフィールド 2590人

初モノに弱し

 ザスパは前半、相手の厚みのある攻撃に苦しんだ。6分に守備を崩され、先制点を献上。自陣で耐える時間が続いた。攻撃はパスがつながらず、好機をつくれなかった。
 後半は立ち上がりの4分にDFラインの裏を突かれ、追加点を許した。その後反撃に転じ、20分にMF風間の右クロスからFW長倉がヘディングでゴール。両サイドを起点とした攻撃で攻勢を強めたが、同点ゴールは奪えなかった。(4月18日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年4月23日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第11節

ザスパクサツ群馬 0−0 徳島ヴォルティス

正田醤油スタジアム群馬 2949人

今年も青嵐吹いて

 ザスパは前半17分にMF岡本がPA内で右足でシュートを放つも、ポストに阻まれた。その後も好機をつくったがゴールは奪えなかった。
 後半2分に岡本、18分にFW長倉、31分にFW佐藤が決定機を得るも、生かせず。アディショナルタイムにもセットプレーで攻め込んだが無得点に終わった。守備はGK櫛引を軸に守り抜き、無失点で終えた。(4月24日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年4月29日(土・祝) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第12節

ザスパクサツ群馬 2−1 ヴァンフォーレ甲府

正田醤油スタジアム群馬 4371人

若武者の決勝弾!

 ザスパは前半、立ち上がりに相手にボールを支配された。20分過ぎから主導権をつかむと、FW長倉やFW川本が好機を得たが、ゴールは奪えず。
 後半は2分にサイド攻撃から失点。徐々に反撃し、14分にFW山中のパスから、FW長倉がPA内で反転シュートを放ち、追いついた。さらに31分、FW白石のパスを中央でFW北川がスルー。右サイド深くでMF岡本が右足を振り抜き、勝ち越しゴールを決めた。(4月30日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年5月3日(水・祝) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第13節

ロアッソ熊本 2−0 ザスパクサツ群馬

えがお健康スタジアム 4193人

輪郭のにじみ

 ザスパは前半、相手の激しいプレスに苦しんだ。思うようにパスがつながらず、自陣でボールを奪われてピンチに。44分に中央の守備を崩され、先制点を献上した。
 後半は反撃し、何度も敵陣深くまで攻め込んだ。しかしラストパスやシュートの精度を欠き、ゴールは奪えず。前掛かりになった逆を突かれ、アディショナルタイムに追加点を許した。(5月4日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年5月7日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第14節

ザスパクサツ群馬 2−1 レノファ山口FC

正田醤油スタジアム群馬 1719人

雨中観戦のご褒美

 ザスパは前半、相手にペースを握られたが、しぶとく守って少ない好機をものにした。15分にMF川上が左サイドを突破し、クロスを供給。中央でFW北川が頭で合わせて先制した。
 後半も守勢に回り、16分に追いつかれた。苦しい時間帯を耐え、31分にMF山中のクロスをFW武が合わせて勝ち越しに成功。終盤はDF畑尾やGK櫛引を中心に守り抜いた。(5月8日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年5月13日(土) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第15節

ジュビロ磐田 4−2 ザスパクサツ群馬

ヤマハスタジアム 8963人

ミス連発

 ザスパは守備が崩壊した。前半10分にPA内でパスをつながれ、先制点を献上。13分には連係ミスからのこぼれ球を無人のゴールに蹴りこまれた。
 後半は3分にミドルシュートで3失点目。11分にはカウンターで4点目を許した。26分にМF風間がFKを直接決め、32分にもFKからDF酒井がヘディングシュートを決めたが、届かなかった。(5月14日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年5月17日(水) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第16節

ザスパクサツ群馬 2−1 水戸ホーリーホック

正田醤油スタジアム群馬 2090人

ダービーに引き分けはない!

 ザスパは前半6分、CKを頭で合わせられて失点。22分にFW高木、38分にFW佐藤が好機を得るも、決められなかった。
 後半は攻勢を強めて19分、FW山中の右クロスに合わせたFW北川のこぼれ球を、FW平松が押し込んで同点。30分には、細かいパス交換から左サイド深くに侵入した北川の折り返しに、MF川上が合わせて勝ち越した。(5月18日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年5月21日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第17節

ファジアーノ岡山 2−1 ザスパクサツ群馬

シティライトスタジアム 5180人

2点目の行方

 ザスパは前半2分、右サイドを突破されて先制を許した。20分過ぎからリズムをつかみ、35分にFW佐藤、44分にFW岡本が惜しいシュートを放つも決めきれなかった。
 後半4分にFW山中が獲得したPKを佐藤が決めて同点に。その後も敵陣深くまで攻め込んだが、フィニッシュの精度を欠いた。40分、自陣でのスローインから一瞬の隙を突かれ、勝ち越しゴールを奪われた。(5月22日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年5月28日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第18節

ザスパクサツ群馬 0−0 藤枝MYFC

正田醤油スタジアム群馬 3854人

両者譲らず

 ザスパは前半20分すぎからリズムをつかみ、DF畑尾やFW武らが好機を得るも、決めきれずにスコアレスで折り返した。
 後半は一進一退の攻防。MF岡本らが何度も敵陣深くまで入り込んだが、相手の堅守に阻まれた。ピンチの場面ではGK櫛引を中心にゴールを死守した。(5月29日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年6月3日(土) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第19節

ツエーゲン金沢 1−1 ザスパクサツ群馬

石川県西部緑地公園陸上競技場 2047人

耐えてドロー

 ザスパは前半19分、CKからDF畑尾のヘディングシュートで先制。だが直後に敵陣で球を失い、カウンターから同点に追い付かれた。
 後半は相手に押し込まれる我慢の展開が続いたが、粘り強い守備で勝ち越しを許さなかった。(6月4日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年6月11日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第20節

ザスパクサツ群馬 0−1 大分トリニータ

正田醤油スタジアム群馬 2192人

攻守空転

 ザスパは動きが鈍かった。前半は守勢に回る時間が長くなり、自陣で耐える展開。GK櫛引の好セーブやDF陣の体を張った守備でしのぎ、スコアレスで折り返した。
 後半は25分過ぎまでリズム良く攻めたが決めきれず。逆に28分、自陣左からのクロスを頭で合わされ、先制点を献上した。その後は攻撃が単発で、迫力のある攻撃を仕掛けられなかった。(6月13日『上毛新聞』より引用)





■ 2023年6月18日(日) ■

2023明治安田生命J2リーグ 第21節

東京ヴェルディ 2−2 ザスパクサツ群馬

味の素スタジアム 4970人

前半戦終了 10位で折り返し

 ザスパはしぶとく勝ち点をもぎ取った。前半29分、セットプレーのこぼれ球をFW川本が拾い、ゴールに蹴り込んで先制。しかし、守備の隙を突かれ、同39分、44分と立て続けに失点した。
 後半は立ち上がりからリズムをつかみ、同7分、FW武とのパス交換からDF岡本がゴールに流し込んだ。終盤は、東京Vの猛攻をしのぎきった。(6月19日『上毛新聞』より引用)





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