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■  第95回 天皇杯 (2015) ■




2015 第95回天皇杯 1回戦でFC岐阜SECOND(岐阜県代表)に屈する 






■ 2015年8月29日(土) ■

1回戦

ザスパクサツ群馬 1−2 FC岐阜SECOND(岐阜県代表)

群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場 1008人

負けるべくして負けた試合

 負けるべくして負けた試合だった。2015年の天皇杯1回戦。ザスパは東海1部リーグに所属するFC岐阜SECONDと対戦。前半2点のリードを許し、相手を大きく上回る数のシュートを放ちながら1点しか奪えず、早々に大会を去ることになった。しかも、3日前のリーグ戦に続き、1週間のうちにFC岐阜のトップとセカンドに、立て続けに苦杯を飲まされる結果となった。
 天皇杯で下位カテゴリのクラブと戦うのは非常に難しい。毎年ジャイアントキリングと呼ばれる逆転現象が起こる。何よりザスパは身に染みてそのことをわかっているはず。かつてはJリーグチャンピオンの横浜Fマリノスを下し、昨年は当時J1首位だった浦和レッズに堂々の逆転勝利を果たした。逆に、高校生チームに負けたこともある。わかっているからこそ、この試合、特に前半の戦いには失望を感じずにはいられなかった。
連戦となったザスパは、リーグ戦と大きくスタメンを替えて試合に臨んだ。GK北、右SBに久富、CB乾と小柳、左SBに夛田。ダブルボランチはアクレイソンと黄誠秀。左ハーフに横山、右に永井、トップ下に吉濱。ワントップは小牟田。リーグ戦9得点の江坂はベンチスタート、富居、青木、小林亮、松下、坂井といった、ここのところスタメンに定着している選手はベンチからも外れている。もちろんコンディションを考慮して、というところもあるだろうが、残りのリーグ戦、さらには来シーズン以降に向けて、服部監督が更なる成長の期待を込めて選んだ陣容であることが、サポーターにも感じ取れた。情報の少ない対戦相手、しかも大物食いを演じようとモチベーション高く臨んでくる相手に対して、序盤はどうしても受け身になる。いかに早く相手の力量を見極め、こちらのペースに持ち込めるかがポイントだった。
 朝から雨が降っていたが、試合開始前には上がり、会場となった群馬県立サッカー・ラグビー場には約1,000人の観衆が集まった。芝生席に腰を下ろして観る試合は、ザスパの創成期を彷彿させる。この日も太鼓を使った応援ができないため、声と手拍子のみで選手を後押しするサポーター。この雰囲気の違いも、少なからず試合展開に影響を与えたかもしれない。
 そしてキックオフ。開始早々に押し込んで吉濱がシュートを放つものの枠外、それ以降は球際やルーズボールへの反応で後塵を拝してしまう。相手はFWに当て、キープしたボールをサイドに展開するシンプルな攻撃。いつも通り、前線からプレスをかければ相手のミスを誘い、自分たちのペースに持ち込めるはずだが、ボランチやサイドでの対応が遅れ気味になり、ボールを奪うことができない。跳ね返したセカンドボールを拾われ、さらに押し込まれる。
 そうこうしているうち、空いた中盤を使われ、バイタル中央でボールキープを許すと、豪快なミドルシュートが決まり、開始から11分で先制点を許してしまう。 ザスパはワントップの小牟田が競ったボールをキープできず、厚みのある攻撃ができない。右サイドの永井と久富のコンビで何度かクロスを上げるものの、中央で合わず、ファーで待ち受けた横山のシュートは、相手DFが体でブロックする。 この日はパスのズレも多く、結果、後手を踏んで相手の有利な状況を与えてしまう。24分、奮闘していた永井が足を引きずり、早くも大津と交代。その直後、自陣右サイドの少し遠い位置で与えたFK。枠を捉えたボールを北がはじくが、ザスパの選手より早く相手選手がルーズボールに反応し、シュート。これで2-0。結果的に決勝点となったこの失点が、敗因を最も象徴するシーンとなった。
 2点のビハインドとなったザスパだが、DFラインの不安定さと前線でのタメのなさは変わらず。何度か決定機を迎えるが、クロスバーと相手の粘り強い守備の前に、得点が奪えない。結局そのまま前半を終了してしまう。ザスパの選手にとっては想定外の事態だったろう。ピッチとの距離が近いスタンドからは、両チームの表情の違いが明らかだった。生き生きとプレーする岐阜SECONDの選手たちに対して、焦燥の色が見えるザスパの選手たち。一つ一つのプレーにも、その違いが如実に反映されていた。
 ザスパは3点以上取らないと勝ちはない。一発勝負のトーナメント、負けたらそこで終わり。後半開始早々から交代枠を使ってくるかと思われたが、服部監督は当初送り出した選手に賭けていた。しかし、試合の趨勢はあまり変わらない。64分左SBの夛田に替えて、川島を投入。悪いながらも地力に勝るザスパが、徐々に岐阜SECONDを追い詰め始めると、66分、その川島のロングスローから、DF裏に抜けた大津がゴール右隅にシュートを決め、GOOOOOAL!!! 1点を返す。ここを勝負どころと見た服部監督は、すかさず小牟田に替えて、エース江坂を投入、一気に形勢逆転を狙う。 ここからは守る岐阜SECOND、攻めるザスパという構図が続く。幾度のなく訪れる好機、しかし、もう少しのところでタイミングが合わない。放ったシュートはバーをはじく。そして、必死のブロックで防がれる。結局、90分で27本ものシュートを放ったザスパは、2点目が遠く、虚しいホイッスルが響き渡って試合終了。短い天皇杯の終わりを告げた。
 決して準備を怠ったわけではないと思う。チームも、首脳陣も、簡単には勝てないと思ってはいたはずだ。しかし、ピッチ上の11人の少しの意識の違いがプレーにズレを生み、相手の力量を図り損ねたことが試合結果に直結した。Jリーグの看板を背負うプロとしては、褒められた結果ではないが、若いチームには経験を蓄えることができたはず。残りのリーグ戦、そしてこれからのサッカー人生に生かしていかなければならない。【yosuie@中毛】





Special Thanks

yosuie@中毛 様
THES-NAMAKA@前橋 様
ましも@前橋 様

製作協力三束雨@藤岡





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