
|
■■■ 第25〜38節 ■■■
|
低迷、そして成熟
|

|
|

|
|
■■■ 2011年8月21日(日) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第25節
ザスパ草津 1−0 湘南ベルマーレ
正田醤油スタジアム群馬 3018人
|
みずいろの雨
|
前線の影響で、シトシトと冷たい雨が降っています。雨の試合観戦はただでさえ気が重いのに、前節の「してやられた感」満載の試合を思い返すと、敷島に向かう足が一層重くなります。それでも行きます。行かないことには何も始まらないから。今日の試合のことは、ともかく、行って、観て、午後9時くらいに考えればいいや。
河川敷に着いてみると、なんだこれは?と言うくらいの湘南ナンバー車輌の数です。湘南サポさんにとっても、今節は大事な試合なんだと言うことがよく分かります。迎えるこちらも、もちっとんべぇ気合い入れねぇとな。よし、行ぐんべぇか!
それにしても湘南とのカードは、「=雨」という印象が強いですね。今日もこの雨をいかに使うかと言う点が見所になりそうです。前節はほとんどチャンスを与えてもらえなかった結果、シュートも僅かに4本でした。今日はレインコンディションなので、とにかく積極的にバンバン撃ちまくって欲しいです。撃っても入らないことも多いけど、撃たなきゃ何も起こらない。撃って始まる物語ですよ。
ひとしきりプレビューで盛り上がったところで、スタメンを確認します。GK:22・北選手、DF:7・佐田選手、3・御厨選手、13・有薗選手、4・田中選手、DMF:6・櫻田選手、30・松下選手、OMF:14・熊林選手、26・小林選手、FW:8・アレックス選手、9・リンコン選手、リザーブメンバー・GK:21・橋田選手、DF:23・永田選手、27・柳川選手、MF:15・山田選手、16・林選手、20・山本選手、FW:18萬代選手。まず目を引くのが、湘南ゆかりの選手達を多く入れてきたことです。なかでも小林選手とリンコン選手は、思いひとしおでしょう。このフォーメーションで気になることと言えば、小林選手、リンコン選手、アレックス選手の3人のポジショニングです。額面通りブラジル2トップでゆくか、はたまた入れ替わりがあるか。いずれにしても、前線と中盤があまり離れるような状況を作り出すと(すなわち守備ラインを下げる状態を作り出すと)、こちらの持ち味を全く発揮できないまま終わってしまう危険性がありますので、そこんとこ要注意です(→これ、簡単に言うと、ボールまたは人を止めることなく素早く動かそうね、って事です)。
今日は、年に一度の草津温泉感謝祭にちなんだスペシャルユニフォームを纏っての試合です。今年のスペシャルユニは白根山の湯釜をイメージしたみずいろ(サックスブルー)と黒の縦縞です(そこっ!水○っぽいとか、川●みたいとか言わない!)。
前半2分、まずは草津・松下選手が挨拶代わりに30mのロングシュートを見舞います。GK正面に飛んだシュートは、さすがに止められましたが、こういったプレーが何かと楔になるんです。序盤こそ湘南陣内へ攻め込む形を見せていた草津でしたが、その後は湘南の組織立ったプレスに絡み取られるようにしてボールを奪われたり押し返されたりして、なかなか前へ進めません。草津の守備に関しては、シュートコースを巧みに塞ぐなど堅い所を示し、湘南に決定的な仕事をさせません。しかし試合は前半21分、やや押され気味だった草津の先制で動きます。松下選手、40mはあろうかという距離からのロングシュートをぶっ放すと、これがGKの手を弾いて直進、そのままGOOOOOAL!!! 松下選手、ロングの達人ではありますが、いや、これは驚いた。直前のプレーで相手プレーヤーが軒並み自陣に下がっていたため、全く圧力を受けることなく振り切れたのもゴールが決まった一因でしょう。そう思えば、速攻を仕掛けて右に左に相手を揺さぶった草津攻撃陣の貢献度も高いと言えます。この得点で草津の動きが良くなりました。草津本来の形であるボールポゼッションでの優位を回復し、湘南陣内へ攻め込む機会が増えました。湘南のフォアチェックも序盤ほどの勢いがなく、攻撃も散発的で迫力に欠ける印象です。ここで一気にたたみ掛けたい草津ですが、ゴール前が堅い湘南の最終ラインを突破できないで居ます。前半はその後、双方決定機なく終了。後半も勢いを失うことなく攻勢で参りましょう。
湘南のキックオフで後半開始。後半4分、湘南の右サイドからのセンタリングをGK・北選手が判断良くパンチングクリアし、このクリアボールを熊林選手が拾った所から草津のカウンターアタックが始まります。熊林選手から右前線に張っていたアレックス選手へ大きなフィードパスが通ると、左サイド・リンコン選手、中央左・櫻田選手、中央右・熊林選手と横並びになってペナルティエリア内に侵攻して行きます。アレックス選手の選択は中央・櫻田選手。足下へピタリと転がり込むボールに右足を合わせ、振り抜いてシュート!ただ、コースが狭くGKに弾かれます。弾かれたこぼれ球は左側に居たリンコン選手の足下へ。GKはまだ転んでいる!絶好のチャンスです。そしてシュート!しかし、ちょっと素直に打ち過ぎました。GK・西部選手、素早い反応で立ち上がって、このシュートを阻止します。このこぼれ球を今度は小林選手が拾って、3回目のアタックシュートを打ちますが、これもGKに防がれました。後半15分、草津はハーフウェイ付近での細かいパス交換で形を整え、右サイドからの突破を図ります。右サイドでボールを受けたアレックス選手、湘南の若きDF・遠藤選手の激しいチェックを躱してセンターへセットボールをパスします。待ち受けるは小林選手。完全フリーで放ったシュートは、しかしゴールの少し右へ外れました。顔を覆い天を仰ぐタツキ君。フィットしてくれば確実にゴールゲッターとなりそうな予感に溢れています。今ちっとんべぇの辛抱だぃね。後半20分、湘南の中途半端なクリアボールを相手陣内で奪い取った草津は、アレックス選手→熊林選手と繋いでDFラインを突破。ペナルティエリアに入る辺りでシュートフェイントを見せた熊林選手は、素早い切り返しですぐ右でフリーになっていたアレックス選手へパス。アレックス選手、このパスを受けつつGKを躱してシュートを打ちますが、体勢が崩れていたために勢いがなく、相手DFによってクリアされてしまいした。後半25分、左サイドから櫻田選手がゴール前に蹴り込んだセンタリングを、相手DFを背負いながらアレックス選手が右足ヒールキックでDF裏へ蹴り出します。ここにタイミング良く飛び出したのがリンコン選手。局面はGKと1対1でしたが、ややボールが流れてシュートを打つまでには至りませんでした。しかし、アレックス選手の柔軟な身体能力の高さやリンコン選手/アレックス選手の息の合ったコンビネーションなど、着実に進歩しているのが分かるプレーでした。後半29分、右サイド・佐田選手からのセンタリングはペナルティラインに落下。落下地点に入ったリンコン選手、このボールに右足を合わせてボレーシュートを発射。ただ、ジャストミートしなかったシュートはやや勢いがなく、GKが正面でキャッチしました。後半も30分頃になると、中盤のそこかしこに空きスペースが発生してきます。 後半33分、湘南はカウンターアタックの場面です。草津のDFラインを突破した佐々木選手にラストパスが通り、後はシュートという場面でしたが、駆け戻ったDF・田中選手が懸命のスライディングタックルでシュートを阻止します。しかしピンチは続きます。シュートを諦めた佐々木選手、後ろから付いてきたアジエル選手へとボールを預けます。アジエル選手、このボールに対して駆け込みざま左足を合わせてシュートを打ちますが、ここでも田中選手が体をシュートコースに入れてボールを弾き出しました。いやぁ、決定的な場面でしたが、良く守りました。ジュン君GJ!残り時間を見て、草津ベンチは後半40分にリンコン選手→萬代選手、有薗選手→柳川選手と同時交代を行います。後半ロスタイム1分、前掛かりに攻めてくる湘南の攻撃を受け止めつつ、カウンターへ打って出る草津。センタリングを奪った草津は素早く前線へ駆け出す熊林選手へとパスを送ります。熊林選手、人数の少ない湘南守備陣へ向かってドリブル突破を仕掛け、機を見て前方のアレックス選手へとパスを出します。アレックス選手、ここはポストとなってためを作り、反転して中央を駆け上がる萬代選手へ宛てたスルーパスを蹴り出します。完全に抜け出し、後は飛び出すGKの脇を抜けるシュートを打つだけです。そして萬代選手の打ったシュートはGKの右脇を抜けゴールマウスへ一直線。入ったか!と思われたシュートでしたが、いや、ホントボール1個分だけポストの右へと外れて行きました。惜しい!惜しすぎます。対する湘南も直後に狭い所を抜く縦のスルーパスからシュートを放つなど、最後まで気が抜けません。後半ロスタイムに、熊林選手→山本選手の交代を行った後、試合は終了となりました。
勝つには勝ちましたが、この試合でも攻撃時の課題が見られました。アタッキングサードから相手ゴール前へ侵入する際にスピードダウンする事が度々ありました。前線でノッキングする最大の要因は、ボールホルダーの判断が遅いことだと思います。足下にボールを収めてホールドしタメを作るのか、パスの受け手を探して配球するのか、それとも自力でドリブル突破するのか。次の一手が見えてこない場面が実に多かったです。それでも、小林選手が戦力たり得る事を確認出来たのは何よりでした。また、出場時間こそ短かったものの、萬代選手がトップに入った直後から全体の動きがスムースになり、結果として相手の攻撃のトーンを落とすことが出来ていたのは、試合展開に強めのアクセントを付けたい時の良いオプションが草津にはあることを印象付けるもので、宜しかったと思います。
見た目涼しげな水色のユニフォームと雨に彩られた湘南戦。スペシャルユニフォームでの戦績が良いのは偶然なのか、はたまたこの時期だからチームとしての熟成が進んでいるからか。みずいろの一日を振り返り、そんなことを考えたりします。【ほーせん@高崎】
|
|
■■■ 2011年8月27日(土) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第26節
横浜FC 2−0 ザスパ草津
ニッパツ三ツ沢球技場 4230人
|
55mロングシュート被弾
|

|
ザスパは試合開始から短いパスをつないで攻め込み、まずまずの立ち上がり。しかし17分、左サイドからのクロスをFWカイオに頭で合わされ、先制点を献上。その後は相手GKとDFの間のスペースを狙って攻撃を仕掛け、39分にMF小林が抜けだしてシュートを放つが、DFに阻まれ0―1で折り返し。
後半は中盤で主導権を握られ、なかなか決定機をつくれない。25分にはMF野崎に約55メートルのロングシュートを決められ、0―2。ロスタイムにアレックスと萬代のFWコンビでチャンスをつくるが、得点は生まれなかった。(8月28日『上毛新聞』より引用)
|
|

|
|
■■■ 2011年8月31日(水) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第4節
ザスパ草津 2−0 徳島ヴォルティス
正田醤油スタジアム群馬 1266人
|
12のチカラ
|
本来はシーズンの早い時期に行われたはずの今節・徳島との対戦ですが、振り替え実施となったためにお互いの立ち位置に相当の違いが生じてしまいました。現在昇格圏内の2位につける徳島に対し、リーグ中位・12位の草津。12繋がりと言えば、折しも台風12号が直撃コースを驀進中で、スタジアム入りした直後、試合開始前には雨模様となりました。まさに嵐の予感^^;。前節・横浜では手痛い完敗を喫しただけに、ましてや相手は同期の徳島なので、簡単にJ1への階段を進ませるのだけは阻止せねばなりません(聞いた話では、今日は某製薬会社の社長さんがいらしているとか。御前試合かぁ)。あぁ、このシチュエーション、JFLの大塚戦を思い出しますなあ。
それでは、スタメンを確認しましょう。GK:22・北選手、DF:23・永田選手、3・御厨選手、27・柳川選手、24・古林選手、DMF:2・戸田選手、30・松下選手、OMF:14・熊林選手、26・小林選手、FW:8・アレックス選手、9・リンコン選手、リザーブメンバー・GK:21・橋田選手、DF:4・田中選手、5・中村選手、7・佐田選手、MF:6・櫻田選手11・前田選手、FW:18萬代選手。CB・有薗選手が警告累積で出場停止となり、スタメンには柳川選手が起用されました。そして、両SBには久々に永田・古林のヤングコンビが登場。ボランチには、負傷明けの戸田選手がこちらも久方ぶりの出場です。そして2トップにはブラジルコンビを引き続き起用。こうして見ると、「continue(継続)」と「repair(修繕)」の意思が感じられます。継続と言えば、今日の試合も前回ホーム戦に引き続いて水色/黒のスペシャルユニフォームです。験の良いスペユニなんで、ちっとんべぇ頑張って、ライバルの足を引っ張ってやろうや(笑)。
試合開始序盤は、雨のことを考慮してか、両陣営とも守備の意識を高く持った展開です。とりわけ徳島は中盤の人数を増やしているようで(本来は草津と同じ4-4-2のはずですが、今日はどうも4-2-3-1の模様)、草津のパスポゼッションに数的圧力をもって包囲網を布いて来ています。必然、ハーフラインを挟んだ辺りでの両軍の中盤の攻防が激しくなり、互いに前線まで効果的な攻撃の手を伸ばせないでいます。膠着した戦局が動いたのは前半29分、草津の攻撃です。右サイドを駆け上がった古林選手からゴール前へ球足の速いグラウンダーのパスが蹴り込まれます。敵味方が蠢くゴール前でしたが、パスは意思を示すかのように一点、小林選手の足元へ。小林選手、決して簡単なボールではありませんでしたが、巧みにバランスをコントロールして右足からシュートを発射。蹴り出されたボールはGKの伸ばす手を躱すような軌道でゴールマウスへと吸い込まれます。GOOOOOAL!!! 雨のカーテンの中で小柄なタツキくんが小躍りしています♪ シューターと目されているアレックス選手と、ポストプレーヤーとしてボールのキープ/リリースをするリンコン選手がアタッキングサードで仕事をするのを、相手は何より嫌がっています。その間隙を縫うように、この目立つ2FWの周りを凄い運動量で巡る衛星のような動きを繰り返していたのが小林選手です。以前在籍していた時にも思いましたが、敏捷性、得点嗅覚、ポジショニング、運動量などにおいて、極めて卓越した能力を有した希有な選手だと再確認した次第(なんで湘南さんは手放したのか…)。ともあれ、難しくなりそうな試合で先制点を奪えたのはなによりです。この得点の後辺り、つまりは前半30分過ぎ頃から、どう言う訳かあれだけきつかった徳島の中盤プレスが一気に緩みます。戦術変更か?と疑いたくなるほどの変わりっぷりです。実は燃料切れでした、って言うのなら儲けものですがね。真相はともかく、これで俄然草津の優勢が強まります。結局前半は草津が先制点を背景にして優位なままでクローズ出来ました。後半はリスクマネジメントを怠らず、その上で追加点を目指していきましょう。
ハーフタイム明けに両陣営に動きがありました。まず1点を追いかける徳島は、ディビッドソン選手→徳重選手、衛藤選手→佐藤選手と2枚のカードを大胆に使ってきました。美濃部監督、相変わらずやることが派手だわ。一方の草津ですが、前半良い動きを見せていた戸田選手を下げ、櫻田選手を投入します。怪我明けの戸田選手なので、プラン通りの予定交代なら良いのですが。徳島は選手交代を機にシステムを変更、ワントップから本来の形である4-4-2へと変えてきました。しかし前半に先制を許した後遺症はなかなか癒えず、システム変更の効果もあまり現れていません。これはチャ〜ンスです。で、後半最初の見せ場は後半16分、草津の攻撃。カウンターで抜け出した熊林選手が長駆、相手DFが追い縋ってきた頃合いを見計らって、追い越してペナルティエリアに突貫するリンコン選手へパスを託します。リンコン選手、ここは男の見せ所と、豪快なシュートをお見舞いしますが、GKによって弾かれてしまいます。またこのパターンか?と思われた矢先、右サイドから切れ込んだアレックス選手がこぼれ球を蹴り込みGOOOOOAL!!! 今度はちゃんと詰めてたよ!こう言う仕事をちゃんとこなせるようになれば、草津の得点源として頼もしい限りです。徳島サイドは2失点を受け、後半19分に津田選手→ドウグラス選手の交代を行います。徳島は焦るあまり中盤を経由しないでロングボールを前線へ飛ばす作戦を繰り返しますが、確たるターゲットが見出せない徳島にとって、このやり方はあまり得策ではないように見えました。この状況を見て、草津は後半29分に熊林選手→中村選手の交代によって徳島の戦術を封じに掛かります。草津はその直後の後半31分に、早くも3枚目の交代カードとして、古林選手から佐田選手への交代を行います。守備固めか?とも思いましたが、それにしては佐田選手の上がり具合が目立ちます。う〜む、古林選手、負傷でなければ良いのですが。守備的な選手を投入し、ゲームコントローラーである熊林選手を下げたことにより、草津の攻勢は影を潜めることになりましたが、徳島側がそこに付け込んで力押しをしてこなかったのが幸いでした。草津は前線の選手数名だけを攻撃用に残し、常にカウンターに打って出るぞと言う「姿勢」を徳島側に与え続けたのが相手の出足を鈍らせる一因ともなっていました。結局最後まで徳島に仕事をさせることなく逃げ切り、勝利の凱歌を挙げることが出来ました。
今日の試合で特に印象的だったのが、再三にわたりオフサイドを取られていたアレックス選手です。いつもは足元へのボールが(出し手・受け手共に)多く、ボールチェイスにもあまり積極的でない印象があるんですが、今日はスペース、スペース、またスペースへと出されるボールへと果敢に突っ込んで行きます(そしてオフサイド^^)。ボールチェイスにも積極的で、慌てた相手がキックミスをする場面もありました。また、リンコン選手も前を向いたボール捌きで良い起点作りをしてくれました。元々技術力は高いんですよ。切っ掛けと気持ち一つで草津の前線は大いに活性化する可能性がある、そんな片鱗を見た気がします。
色々と褒めたい点を述べてきましたが、最後にもう一つ。この試合、試合開始直後から、「今日のレフェリーは接触プレーで笛を吹く」と言うことに気付きました。いつものように、追っかけスライディングなんてやろうもんなら即座に黄紙が上がるだろうと想像し、密かに危惧していました。が、終わってみれば何と無警告試合。かな〜り綱渡りではありましたが、警告を受けることなく試合を終えられたのは褒められるべきでしょう。僕の中では、「真に強いチームはファールなんかしなくても相手を凌駕する」という価値基準があります。愛するチームが、この理想に近付いてくれることが僕の望みです(ま、積もり積もった警告は色々と高く付くからねぇ)。
今日の日付は8月31日。ばらして足すと8+3+1=12…。試合前までの順位は12…。接近中の台風は12…。そして、僕らサポーターに与えられた背番号も12…。ま、たまにはこんなこじつけ言葉遊びに興じるのもありかな。何にせよ、昇格対象上位チームをまたしても撃破、しかもライバルチームが相手となれば、喜びもひとしおです。今はこの慶びを十二分に味わいましょうか。【ほーせん@高崎】
|
|
■■■ 2011年9月11日(日) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第27節
ザスパ草津 0−0 東京ヴェルディ
熊谷スポーツ文化公園陸上競技場 3382人
|
痛み分け
|
あの震災からちょうど半年。サッカーを観られる平凡な日常に感謝。今節はホーム戦ながら、熊谷文化スポーツ公園陸上競技場での一戦。昔は熊谷でホーム戦をやるときには「サンクス東毛デー」をやってたけど、今回はそんな冠もなし。(そういや最近試合前のアシストパートナーの説明で「前橋市・草津町を本拠地とし」って出てるんだけんど、いつっから「全県ホーム」じゃなくなったんかね?)オレは2007年以来の熊谷陸上さね。途中太田の実家に寄り、親父をピックアップし国道407号経由で刀水橋を渡って熊谷へ。足腰も弱ってきた親父なんで、熊谷陸上近くの駐車場を確保したかったけんど・・・無事にゲット。(敷島は駐車場から距離があるんで、なかなか連れていげねんさね。)いやぁなっからすんばらしいスポーツ公園。もし近くに住んでたら間違ぇなく毎日通ってランニングするな。スタジアムも威風堂々、実にすんばらしい。今日は親父の面倒をみなきゃなんねんで、自身2005年J2初年開幕戦以来のメインスタンドからの観戦さね。メインスタンドは屋根付きだし。こんな立派なんに、首都圏Jリーグチームの代替スタジアムにっきゃ使われてねんは、まぁず勿体ねぇやぃな。電光もLED化されてて、マジで公園ごと群馬に持って帰りてぇ気分さね。(ただ出張ホーム戦だけに、スタグルメは正田スタん時よりまぁず少なかったんね。)前座試合に熊谷近郊の少年チームの試合が行われ、応援の父兄も多数詰めかけてらぃね。そんな親子にもぜひザスパ草津の試合のレピータになってほしいもんだけんど。
今日の相手は9位のザスパのすぐ上の8位の東京ヴェルディ。特筆すべきはこの順位なんに得失点差+16とゆう、その攻撃力たるや恐るべし(ちなみにザスパは-7) その攻撃力を封じ、どう勝利をもぎ取るかがカギだんべね。今日の先発はGK北、DF古林、柳川、御厨、永田、MF小林、松下、戸田、熊林、FW後藤、アレックス、控えにGK橋田、DF有薗、佐田、MF櫻田、山田、前田そしてFW萬代。やっとそのポストプレーに光明が見えたっつーリンコンは肉離れで離脱orz 裏に飛び出すスピードが持ち味の連中を前線に揃えた布陣は功を奏するんか。電光でカッコよく選手紹介。なんだかいつもと違がぁチームの連中を観るみてぇだ(笑)敷島にもこんな電光入んねぇかなぁ。東の空にはほぼ満月(翌12日が十五夜)。メインスタンドで観るゴール裏の風景も何だか新鮮だぃなぁ。ヴェルディサポは、なんだか四角の陣形を取って気勢を上げてるで。上位がうまい具合に潰しあってるんで、ここで勝ち点3を得て昇格戦線に行ぐぞ!ってすんげぇ気合入ってるんだんべなぁ。あの熊谷なんで灼熱蒸し風呂地獄を恐れてたんだけんど、何だか風が強くって予想以上に涼しいやぃね。・・・熊谷の地に草津節が心地良く響く。
試合開始。サイドは逆を選択。この時期って夕方に風があっても夜半に強くなることは滅多にねぇんだし、後半ホーム側に攻め入ったほうが興行的にも盛り上がるんじゃねぇかとは思うんだけんどね・・・まぁ当事者にしかわかんねぇ理由があるんだんべなぁ。普段ポゼッションを売りにする両チーム、序盤は手探り状態。ザスパは最終ラインをかなり高く取ってて、ヴェルディは、その後ろにロングボールを入れるんだけんど、これらはデフェンス陣がきっちり対応。ザスパもサイドから攻撃を仕掛けてぐも、その攻撃パターンを十分に研究されちゃってるんだか、パスをカットされることが多く、FW陣に球がなかなか渡んねぇし、ペナルティエリアの侵入もままならず。前半はFKに合わせた戸田のヘッドが右に流れたぐれぇしか得点チャンスがなかったぃなぁ。膠着した展開に、観戦してた少年たちも飽きちゃったみてぇで、座ってねぇヤツ多いんねぇ。なんとももどかしい展開のまんま、前半終了、0-0。
オレはどうもメインだとなんだか落ち着かねんで(笑)、ハーフタイムに親父をメインに置いたまんま、慣れたゴール裏に移動。熊谷陸上はメインとゴール裏がつながってて自由に行き来でぎてラッキーさね。案の定、風はちっとも強くなんねぇじゃねーきゃ。後半開始早々、右からのクロスを抜けだしたマラニョンに合わされそうになったけんど、これは柳川が辛くもクリア。ザスパはなかなか攻めあぐんでて、前半はサイドチェンジの時にボールを奪われてたんからか、こんだぁ狭いスペースでちょこまかやってた感じだぃな。(ゴール裏からだとかなり遠いんで良くみぇねぇし)小林のシュートも相手キーパーの好セーブに阻まれ、後半31分にアレックスに替えて萬代を投入。替わった萬代のシュートも左に外れ、後藤のシュートもまたもキーパーに阻まれた。片やヴェルディには何度かゴール直前まで攻め入れられ肝を冷やす。特にマラニョンがGKと1対1になった絶対絶命のピンチは、なぜかゴール右にシュートをそらしてくれたし、ペナルティエリアに進撃した市川の鋭いシュートが内側に走っていた阿倍の腹部を至近距離から直撃(かなり痛そうな音がしたんさ、大丈夫だったんかね?)したりと、失点覚悟のシーンは幸運にも相手のミスに助けられたぃね。後半には元日本代表の巻も投入し、場内がおーか沸く。(でもあんまり活躍のシーンはなく助かったぃねー)ザスパは終了近くになって戸田から櫻田、熊林から山田と投入し、ロスタイム4分を含め得点のチャンスを窺うが、ゴールになかなか迫れず。結局、双方痛み分けのスコアレスドロー。上位で潰しあってくれてただけに、何とか勝って少しでも差を詰めたかったぃねぇ。3位との勝点は9のままだけんど、順位は2つ落とし11位になっちまった。
試合後、ザスパサポは「痛み分け」な結果なはずなんに、度量でっかく労いの拍手で選手を迎えたけんど、ヴェルディ側は熾烈なブーイングで選手を迎えてたで。試合の主導権は概ねヴェルディにあって、決定的な得点のチャンスも何度かあっただけに、ヴェルディサポにとっちゃなっから苦々しとゆう感じだったんかね。ザスパもリンコン欠場で思うような布陣が組めなかったんかもしんねぇが、最初っから萬代ってゆう手もあったんじゃねぇかとは思うんだけんど・・・もう残された試合も少なくなったんだし(あと14試合)、昇格を意識してんなら、なりふり構わずいってほしいやぃね。やっぱ昇格戦線に加わるつもりなら意地でも勝点3が欲しかったぃやなぁ。
東毛や埼北での人気獲得のために、今後も年に一度ぐれぇは熊谷陸上でやってくんねぇかな。・・・それにしても、うらやましやJ1規格スタジアム、うらやましや電光、うらやましや駐車場・・・ウチらのリアルホームが、あんな設備になるんはいったいいつのことなんだんべか?【すずき@東毛】
|
|
■■■ 2011年9月18日(日) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第28節
京都サンガF.C.3−1 ザスパ草津
京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 5787人
|
恐るべき高校生!
|
ザスパは前半、出足の速い相手の攻撃に苦しんだ。開始早々の2分にMF中山に先制ゴールを決められると、その後も14分、24分と立て続けにFW久保にゴールを奪われた。攻撃ではミスが多くパスがつながらなかったが、38分にMF熊林のCKをDF永田が右足で合わせ、一矢報いた。
後半は序盤から攻め込んでペースを握った。しかし、何度も決定機をつくるがシュート精度が悪く、相手GKの好セーブもあって決めきれなかった。33分に相手が退場者を出して一人少なくなったが、FWアレックスがPK失敗。追加点のゴールが遠かった。 (9月19日『上毛新聞』より引用)
|
|

|
|
■■■ 2011年9月23日(金・祝) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第29節
ザスパ草津 1−1 大分トリニータ
正田醤油スタジアム群馬 2864人
|
失墜の危惧
|
猛暑の名残のような強い陽射しが西から照りつけます。台風直後らしく、利根川は依然豪流幅いっぱい。河川敷からそう比高差のない国体道路にも一部越流したらしく、流木などが残っております。
さて、我らがザスパ草津は、と言えば、こちらは絶賛嵐の渦中です。9月に入ってから、引き分けはするものの勝ち星がありません。勢いの低下に伴って順位も順調に下降線。ただ救いなのは、中位と上位昇格ライン辺りとの勝ち点差がそれほど離れていないので、今日を含めてこれからの戦い方如何では、まだまだ食らいついて行けそうでもあります。なので、ガンバレ!
なんだか西の空が黒雲に覆われ出しましたが、そんな事は放っておいてスタメンを確認しましょう。GK:22・北選手、DF:23・永田選手、3・御厨選手、5・中村選手、24・古林選手、DMF:2・戸田選手、30・松下選手、OMF:14・熊林選手、19・後藤選手、FW:8・アレックス選手、26・小林選手、リザーブメンバー・GK:21・橋田選手、DF:7・佐田選手、27・柳川選手、MF:6・櫻田選手、15・山田選手、11・前田選手、FW:18萬代選手。この試合、リンコン選手は負傷欠場です。2ボランチはベテラン組が担当。最近ではフィット感が増してきて、特に戸田選手の試合感回復が、コンディション上昇と共に良い方へ回り出している感じがします(怪我だけはしないでね)。
試合開始直前に雨が降り出しました。風も強くはないものの、強弱を持って吹き付けています。さて試合の方は、序盤は大分が出足良く攻勢を掛けてきます。草津は前半2〜3分にかけてCKのチャンスを掴みましたが、活かす事が出来ません。3-4-3を布く大分は、前線への素早いボール供給を指向した攻めを見せます。中盤でボールを繋ぎたい草津としては、相手人数の多いこのエリアでのマッチアップはやや不利で、ミスが許されないナーバスな対応が続きます。大分攻略の一指針としては、3バックの泣き所である両サイドの深い位置を執拗に攻める事が考えられますが、前半20分を過ぎた時点で、そうした動きはありません。前半18分、その右サイドのスペースへ走り込んだ古林選手から上がったセンタリングを、アレックス選手が詰めてシュートに持ち込む場面が見られました。やはりこのエリアの攻略が草津勝利への布石となりそうです。一方の大分も、前半20分にチャンスを迎えます。30m弱、ゴールほぼ正面の位置からのFKは、ゴール前の味方選手へと照準通りに打ち込まれます。至近距離でのヘディングはゴール必至でしたが、GK・北選手が好セーブで枠を割らせません。その後のこぼれ球も、2度に渡って防ぐなど、草津守備陣懸命の防衛で失点を免れます。良く守ってくれたぃね〜。前半25分、大分は自陣から縦に長いパスを前線の西選手へ送ります。これが見事に通ると、西選手はドリブルでボールを溜めた後、中央へスルーパスを蹴り入れます。草津の選手もゴール前で守備に当たっていましたが、このパスコースを塞ぐ事が出来ずに、ボールはファーサイドに詰めていた三平選手へと通ります。そして、三平選手がゴールマウス至近からシュート。絶対入ったと思いましたよ。ここは外してくれた三平選手に感謝です。それにしても、ゴール前でボールを振られると対応が出来ない癖が直りませんね。前半34分、草津はカウンターで自陣から一気に攻め寄せます。ハーフライン付近から古林選手が前線へ長いスルーパスを流し込むと、これに小林選手が反応し、ドリブルで切り込みをかけます。小林選手、併走する右・後藤選手、左・アレックス選手のうちから左側を単騎駆けてくるアレックス選手へとパスを出します。アレックス選手、ペナルティエリア内に入るとそのままシュート体勢へ。右足で蹴られたグラウンダーのシュートはゴール左隅を狙ったものでしたが、ややミートしなかったのと相手GK・清水選手の反応が良く、横跳びで押さえ込まれてしまいました。〜〜!惜しい〜。前半は両チーム得点なく終了。全体として見れば、大分のペースでゲームが支配されている印象です。後半はもちっとポジティブにいぐんべぇや。
後半4分、草津はペナルティエリア右・20m弱の近距離でFKを得ます。キッカーの熊林選手は、ここで小技を仕掛けます。ゴール前の密集を避けるようにしてニアへ蹴られたショートパスに対し、至近の永田選手がシュートフェイントを見せた上でスルー。これでゴール前に空間が開きました。転がるパスボールは飛び込む御厨選手の元へ。御厨選手、ここは迷わず左足を一閃。シュートボールはゴール右隅へと刺さります。GOOOOOAL!!! 相手の虚を突くサインプレーでした。前半押されていただけに、後半立ち上がりでの先制は色々な面で効果的です。ここが踏ん張りどころと思ったのは大分も同じで、果敢な攻勢を仕掛けてきます。後半7分、大分に右サイドを崩されてアタッキングサードへ攻め込まれると、大分はゴール前に人数を掛けて分厚い攻めを展開します。草津は防戦するもクリアしきれず、西選手のシュートがクロスバーに弾かれてやっと窮地を脱する状態です。後半17分、草津ベンチは小林選手→萬代選手の交代で流れを取り戻そうと努めます。萬代選手、劣勢の草津において危ないセンタリングを競ってクリアするなど、守備での貢献が目立ちます。ま、ホントは相手ゴール前で仕事が出来ると良いんですけどね。しかしながら、大分の圧力はなかなか勢いが止まりません。後半38分、大分は自陣で奪ったボールを素早く展開してのカウンターアタックを仕掛けます。草津ハーフ中央で、為田選手から右サイドを上がる三平選手へと綺麗なスルーパスが通ります。三平選手、ペナルティエリアに切り込むと、フリーな状態でシュートを放ちます。ここで立ち塞がったのがGK・北選手。真っ直ぐ撃ち込まれるシュートをパンチングで弾くと、こぼれ球に詰めた三平選手が打った次弾も枠外へ掻き出す好セーブで危機を凌ぎます。いやー、北選手ナイス、だがDFもちっと気張ろうぜ。どうにも攻守においてフワフワした感触が拭えない印象のこの試合も、気付けば残り5分まで来ました。あと5分ちょっと位なら騙し騙し逃げ切れるかな?なんて後ろ向きな事を考えると、だいたい良くない事が起こります。後半40分、大分は自陣から前方へロングボールをフィードします。これが右サイド最前線に居る西選手に通ると、一端後ろの三平選手へ戻されます。三平選手、ゴール前の状況を一瞥するとすかさずセンタリングを蹴り入れます。これがイ ドンミョン選手の頭上へピタリと嵌まり、綺麗なヘディングシュートを押し込まれました。あ〜、やっぱり追い付かれたか〜。無念。後半43分、草津は熊林選手→山田選手の交代を行い、直後の後半44分に後藤選手→前田選手の交代を行います。失点してから手当をすると言った後追いの選手交代の感が否めませんが、残りわずかな時間であっても、勝ち越しを目指して頑張って頂きたいです。最後まで攻勢の糸口を見いだせないまま、4分と言う長めのアディショナルタイムにも有効な攻めが出来ず、試合終了。
先制して勝てそうな試合(と言うか勝たなくてはいけないシチュエーションの試合)で、またしても勝利を逃しました(全体的な展開からすると、負けなくて良かったとも言えますが)。ま、収穫と言えば、かなり危なっかしかったけれど、カード無しの無警告で終われた事ですかね。基本的に、実力差のある対戦ほどファールで止めざるを得ない場面が多くなるものなので、その意味からすると、今回の両チームには力量差はあまりなかったと言えますね(なら勝とうぜ、とか今更言わない)。
数試合前までJ1昇格ボーダーラインが目標であったものが、このままでは中位維持すら覚束ない事態になりかねません。J1昇格と言う最大目標も大事ですが、ザスパ草津千年の持続と繁栄を第一義とするならば、何かしらの財産を次節に、来季に、将来に残さねばなりません。成績を墜とす事はあっても、クラブチームの存在自体を失墜させる訳には行かないんです。今日の1戦は、この引き分けは、ただの1試合ではない、その自覚と覚悟を認識させる初秋の夕暮れです。【ほーせん@高崎】
|
|
■■■ 2011年9月28日(水) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第5節
ガイナーレ鳥取 1−1 ザスパ草津
とりぎんバードスタジアム 1787人
|
またもPK失敗
|
先制を許した後半6分、ザスパは細かいパスワークからゴールに迫り、MF熊林が右足で鮮やかなミドルシュートを決めて同点。その後、攻撃が活性化し終盤にPKを獲得したものの、MF松下の蹴ったボールは相手ゴールキーパーの好セーブに阻まれ、逆転にはいたらなかった。(9月29日『桐生タイムス』より引用)
|
|

|
|
■■■ 2011年10月1日(土) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第30節
ロアッソ熊本 1−0 ザスパ草津
熊本県民総合運動公園陸上競技場 6797人
|
シュートまで行けない
|
ザスパは立ち上がりから得意のパスワークが上手く機能せず、前半17分に左サイドを破られて失点。その後も松下、戸田らMF陣がボールを奪っても、熊本の厳しいチェックに阻まれて前線までボールが届かない。シュートはDF古林の1本にとどまった。
後半はFW萬代を投入。前線の新たなターゲットとして、チャンス拡大を狙ったが状況は変わらず。終盤はパワープレーも試みたが、前後半でシュート3本に抑え込まれた。(10月2日『上毛新聞』より引用)
|
|

|
|
■■■ 2011年10月16日(日) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第31節
ジェフユナイテッド千葉 2−3 ザスパ草津
フクダ電子アリーナ 8902人
|
バンダ〜イ!!
|

|
ザスパは前半3分、ロングスローから、千葉FW深井に先制ゴールを献上。20分過ぎから徐々にペースをつかみ、44分にDF永田の左サイドからのクロスをFW後藤が頭で合わせ、同点とした。
1―1で迎えた後半は11分に千葉MF伊藤にFKを決められ、勝ち越しを許したが、18分にゴール前でこぼれ球を拾ったMF小林が右足で同点ゴール。さらに43分、DF古林のクロスを途中出場のFW萬代が頭で押し込んで逆転した。
(10月17日『上毛新聞』より引用)
|
|

|
|
■■■ 2011年10月19日(水) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第6節
ザスパ草津 4−2 FC岐阜
正田醤油スタジアム群馬 1348人
|
走り勝つ
|
走っております。夕闇の上州路を、一路敷島目指して走っております。遠方への出張からキックオフまでに辿り着くのは、いやはやなかなかに大変です(同じ境遇の同志も多いことでしょう^^;)。それでもですねぇ、「行かない」という選択肢は僕らにはないんですねぇ(笑)。それは、対戦相手にして遠路はるばるいらっしゃった岐阜サポーターさん達も同じでしょう(ホントようこそ群馬へ!)。みんな色々な事情と折り合いを付けて参戦しているので、まずは良い試合を、そして草津サポ的には勝利を!
やっとこさ辿り着いた河川敷に車を乗り捨て、全力でスタジアムへと駆け込みます。いやぁ、走った走った。ぜいはあしながら慌ただしくスタメンを確認します。GK:22・北選手、DF:23・永田選手、13・有薗選手、5・中村選手、24・古林選手、DMF:30・松下選手、14・熊林選手、OMF:16・林選手、26・小林選手、FW:19・後藤選手、9リンコン選手、リザーブメンバー・GK:21・橋田選手、DF:17・星野選手、27・柳川選手、MF:2・戸田選手、8・アレックス選手、FW:18萬代選手、25・杉本選手。今節、御厨選手が警告累積により欠場です。前節3得点を挙げて久々の勝利を手にした良いイメージを、今日も引き続き持って臨めるか、運動量豊富に相手を掻き回せるか。よく走る印象の岐阜が相手ですので、こちらも負けじと走り抜く覚悟が肝要です。
草津節を号砲とし、三名泉ダービー・岐阜戦、スタートです。前半序盤、ハーフラインの辺りでトリッキーなボール処理を魅せたリンコン選手から小林選手へとボールが渡り、小林選手、右サイドを単騎駆け上がる古林選手目掛けてスルーパスを蹴り出します。スピードに乗った古林選手、あっという間にペナルティエリアに侵入すると、キックフェイントでDF2名をかわして右足でシュートを撃ちます。これが良い弾道でゴールマウスに向かって行くではないですか。入ったか!と思われたシュートでしたが、クロスバーに阻まれました。草津のフォーメーションは、これまでの4-4-2から変更があるようです。見てみると、リンコン選手を1トップに押し上げておいて、後藤選手が中央やや引目の位置に居て、小林選手、林選手との3人組が衛星のように目まぐるしく動き回る4-2-3-1の形です。これが実に効果的。ゲームコントローラーである熊林選手をボランチに下げる効能については過去の観戦記にも書きましたが、なにより相手選手のプレッシャーから解放されることで選択肢や精度が格段に上がる事です。ただこれまでは、ボランチから供給された良いパスを2トップまで繋ぐ間に失ったり、時間を掛けすぎたりする事が常態でした。1トップに保持力が高く球捌きに長けたリンコン選手を置くアイディア(萬代選手でも違った良さがありますが)は、実は2列目に小林選手や林選手を起用できる目算が立った時に初めて実効性を持つものだとは常々思っていました。そして今、2列目に並ぶ背の大きくない3人が走る走る走る。次に訪れたチャンスは左サイドが起点、細かいパス回しからの攻撃です。左サイドでタメを作ったリンコン選手からゴールを背にした後藤選手にパスが出されます。後藤選手は一端ボールをこぼしますが、抜け目ない小林選手がワンツーパスの様にこれを拾うと、そのまま右サイドの古林選手へと流します。岐阜の対応が遅く、パスを受けた時点で古林選手はフリーです。シュートも狙えましたが、この場面では左サイドでフリーな状態になっていた林選手へとラストパスを送る選択です。完全フリーで、勿論シュートはゴールに入りましたが、ここはオフサイドの判定。…、まぁ、反対側(アウェイ側)でのことなのでぇ、僕らからはよく見えませんしぃ、そう言う事なんでしょう。序盤から立て続けに好機を創り出す今日の展開。岐阜の出足が芳しくないのは作戦なのか。どちらにしろ、この流れで先ずは先制点を奪いたいですねぇ(良い時に取れないと…、おっと、つまらない話はここまでだ^^)。ネガ転びしそうな僕の胸中のモヤモヤを、駆け回る選手達が蹴り飛ばしてくれました。前半11分、ハーフライン付近から松下選手の鋭いロングパスが右サイドを駆け上がる古林選手へと通ります。相手の虚を突いた分、完全に抜け出し、十分な余裕を持ってゴール前の状態を検分できました。この段階で岐阜守備陣の対応は、「人」ではなく「ボール」に対してでした。古林選手はゴール目前でパスを待つ林選手へ迷わずパスを送ります。岐阜はやはりボールを目で追うのみ。3人詰めていたゴール前でしたが、ファーサイドのリンコン選手を見ていたのはただの一人も居ませんでした。パスを受けた林選手、前を向いていたのでそのままシュートという選択肢がファーストチョイスだろうと思いますが、GKの体勢を考慮したのでしょう、ノーマークのリンコン選手へとダイレクトで流します。リンコン選手は来た球に右足を合わせるだけ。あれだけゴールに苦しんだリンコン選手の、待望の初GOOOOOAL!!! 今日もここまでに2本惜しい場面を逃してきましたので、良い流れを確実に引き寄せるためにも重要なゴールとなりました。これで草津はイケイケです。岐阜に全く仕事をさせません。前半35分、今度も仕掛けはハーフライン付近から。右サイド・中村選手から前方にフィードされたボールは、ゴール真っ正面の相手DF背後のスペースでした。このボールにジャストポイントで体を寄せたのが小林選手。トラップした時には眼前にGKしか居ません。撃てー!の掛け声が聞こえたかどうかはともかく、小林選手、迷わず撃ちます。左足を一閃、GKの伸ばす手の遙か彼方をボールは越えて行き、そのままGOOOOOAL!!! 前半のうちに追加点を奪えるとは。結局、前半は岐阜にまともな仕事をさせることなく抑え込みました。点差が2点あるとはいえ、ウチにとっては決してセーフティなリードではありません。後半も運動量で相手を凌駕して行きましょう。
後半になっても岐阜のギアが上がる気配を見せません。?過去に散々な目に遭わせてくれた岐阜の姿、すなわち中盤での執拗なチェックと、そこで奪ってからの素早いカウンターアタックが完全に沈黙しています。まあ、こちらとしては、中盤でのボール回しが自在に行えるので助かりますが。ともあれ、相手の事情云々はさておいて、自分達の主導で可能な限り場を制して行くのみです。しかしながら、岐阜の攻撃が単調で淡白なのはそうなんですが、前半がややハイペースだったのか、草津の攻撃もやや停滞気味です。点差があるから気が緩んだ、とかではないと思いますが、こう言う「何となくやや攻勢」ってのが一番危ないのを、僕らは良く知ってます。そして後半14分に熊林選手→戸田選手、後半17分にはリンコン選手→萬代選手へと選手交代が行われます。いつもとは違う早い時間での選手交代にはちっとんべぇ驚きました(いや、良いんですよ?)。ただ、攻撃主体の熊林選手から守備主体の戸田選手への交代には、ベンチの守勢が透けて見えるようで、ナニがアレです。交代で入った戸田選手、今日はこれまで以上に体のキレがあるように見えました。若けぇ衆に引けを取らない走りっぷりは、見ていて頼もしい限りです。ただ、最終ラインから敵味方の動きを把握して全てをコントロールしていた熊林選手が居なくなった影響はやはりあって、行きがちな攻撃陣と守備陣の間の連携が希薄になって来つつあります。うむ、ここが踏ん張りどころですね。しかしながら、心配事は当たるように出来てます。後半25分、岐阜は前半の草津が2点目を取った時と同じ攻撃を仕掛けてきます。ハーフエリアから真っ直ぐ前方へ蹴り込まれたロングパスは、草津ゴール前で岐阜側選手のヘッドによりGKの前へ。GK・北選手が前に出て体で止めますが、クリアしきれず、こぼれ球に詰めた田中選手にゴールを割られて1点差とされます。2点リードはやはりセーフティーではないんですね。このままダラダラと雰囲気が悪くなるのは避けたい所だと思っていた矢先の後半28分、草津は右コーナーポスト付近からのFKを得ます。キッカーは林選手。利き足は左なので、ここはゴールへと巻いて向かうセンタリングとなります。撃ち込まれたのはファーサイド。全くのノーマークで飛び込んだのは戸田選手です。走り抜けながら頭でボールを流し込みGOOOOOAL!!! 走りながら右前方のそう広くないスペースへとボールを撃ち込むあたり、やはりただ者ではありません。値千金、再び勢いを取り戻す価値ある3点目となりました。 追加得点でイケイケになるかとも思われた草津ですが、前半から運動量で状況を作って来ただけに無茶が出来ない時間になってきました。後半39分、前線の牽引役を十分にこなしてくれた林選手から杉本選手へとバトンタッチです。あまり時間はありませんが、杉本選手へと掛ける期待は大きいです(バクスタからの声援がその証左)。さあ、あと一踏ん張りの後半40分。前節のゴールで眠りから覚めた感のある萬代選手が仕事をします。ハーフエリアで、こちらも前半から良く動いてくれた後藤選手が、相手選手との競り合いに勝ち、ボールを奪取。すかさず前方へとボールを送ります。前掛かっていたために完全に裏をかかれた岐阜守備陣は戻ることが出来ず、単騎独走となった萬代選手は捨て身でスライディングする相手DFをキックフェイントで華麗にかわし、右足でゴールへと流し込みます。GOOOOOAL!!! おお、正田スタで4得点は初めてじゃねんきゃ?この後、杉本選手がゴール前まで詰めて、あと一蹴りすればゴールだという場面もあったんですが、いやぁ運がないんだねぇ、スギモン…。このまま3分のロスタイムを終えられれば言う事なしだったんですが、最後の最後でルーズな守備をしてしまいます。後半ロスタイムにCKから岐阜・佐藤選手にゴールを許すなど、相変わらずなところもありましたが、何はともあれ4得点で勝ち逃げです。
今までならば2失点もすれば勝ち目はありませんでしたが、前節同様、相手を上回る得点によって勝利をつかみ取りました。この最大要因は、なんと言っても走量です。前半が終わって(後半じゃないよ!)引き上げる際に見た後藤選手のユニフォームが、汗に濡れて黒光りしていたのが実に印象的でした。果敢なファチェックは勇ましくもあり、見ていて興奮するものがありますが、戦術的に見ても良い効果が多いと思います。ただ、サッカーは90分間での勝負であり、団体戦であります。85分これができてもたった5分出来なかっただけで台無しになる事もあるし、あるいは、みんながやれば効果的なのにたった一人が頑張っただけでは、何にもなりません。そこを踏まえて今日の試合を省みると、4得点の根底には「みんなでしっかり頑張った」事が見えてきます。逆に、2失点にはこれが欠けていたと言うことも出来ます。
試合後の挨拶にやって来た選手達は皆、キラキラと光る汗にまみれていました。走って走って走り抜いて勝利を掴んだんだ、そう言っているようです。今季はまだまだ試合が残っています。考えなくちゃいけないこと、悩ましい問題などなど、胸中思考をめぐる事柄は多々ありますが、進む足だけは止めずに、走り抜いて行ぐんべぇや【ほーせん@高崎】
|
|
■■■ 2011年10月23日(日) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第32節
ザスパ草津 2−2 ギラヴァンツ北九州
正田醤油スタジアム群馬 4076人
|
勝ち越し点ならず
|

|
ザスパは前半、立ち上がりから運動量で相手を圧倒した。6分にMF林の右CKをDF有薗が頭で合わせて先制。36分にはMF松下がミドルシュートを放ってゴールを脅かした。
後半は3分に左サイドを突破され、FW大島に押し込まれ1―1。直後の5分にはMF木村にFKを決められ、逆転を許す苦しい展開に。15分過ぎからようやく反撃に転じ、34分にDF古林のクロスをFWリンコンが頭で合わせて同点。その後も攻め続けるが、ゴールを割れなかった。 (10月24日『上毛新聞』より引用)
|
|

|
|
■■■ 2011年10月26日(水) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第7節
ザスパ草津 1−1 横浜FC
正田醤油スタジアム群馬 2064人
|
またもドロー
|

|
ザスパは前半3分、相手のハンドで得たFKをMF熊林がキックで流し込み先制。30分にはカウンターからFW萬代が惜しいヘディングシュートを放った。守備ではピンチを招く場面もあったが、ボランチを中心にしぶとく守った。
疲れが見え始めた後半は序盤から押し込まれる展開。DF柳川やMF松下らが球際で粘って何とか相手の猛攻をはね返していたが、終了間際の42分、右CKから横浜FWカイオに押し込まれて同点に追い付かれた。 (10月27日『上毛新聞』より引用)
|
|

|
|
■■■ 2011年10月30日(日) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第33節
水戸ホーリーホック 2−2 ザスパ草津
ケーズデンキスタジアム水戸 4050人
|
猛追するも
|

|
前半にセットプレーと速攻から2失点を喫したザスパだが、後半に入ると猛攻を仕掛け、6分にコーナーキックからFWアレックスの得点で1点差に。その後もゲームメーカーの熊林を中心にボールを散らし、左右のサイド攻撃から多くのチャンスを創出し水戸を猛追。終盤の同41分には再びコーナーからDF御厨が頭で決めて同点とした。ザスパは勝ち越しを狙って水戸を圧倒するも、ゴールは生まれず、3戦連続の引き分けとなった。 (10月30日『桐生タイムス』より引用)
|
|

|
|
■■■ 2011年11月6日(日) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第34節
ザスパ草津 0−0 カターレ富山
正田醤油スタジアム群馬 2200人
|
雨中の祈り
|
季節は巡り、11月。霜月最初のホーム戦は、なんともはっきりしない曇天模様です。しかしながら、そんな天気もどこ吹く風。敷島に着くとスポーツの秋たけなわで、河川敷球場、県営野球場、サカラグと、多くの施設で試合やら練習やらが行われています。とりわけ歓声が上がっていたのがサカラグ。今日は全国高校サッカー選手権大会県予選の準決勝2試合が行われており、ギャラリーも沢山です。群馬のサッカーを底支えしているのは、こうした若い世代の活躍あってこそですね。タイガージャージ・No.10のキレある動きを堪能した後、本来の目的地たる正田スタへ入場。
ではいつも通りスタメンを確認しますか。GK:22・北選手、DF:23・永田選手、3・御厨選手、5・中村選手、24・古林選手、DMF:30・松下選手、14・熊林選手、OMF:25・杉本選手、15・山田選手、FW:26・小林選手、8・アレックス選手、リザーブメンバー・GK:21・橋田選手、DF:13・有園選手、17・星野選手、MF:2・戸田選手、16・林選手、FW:9・リンコン選手、18・萬代選手。注目はスタメン抜擢の2名である杉本選手と山田選手。これまで試合に出場した場面では、両名とも目立った活躍が出来ず、本人も忸怩たるものがあると思います。それぞれの特徴ははっきりしています。杉本選手は体幹の強さを活かした突破力、山田選手は俊敏性に長けたドリブル突破がそれです。本日の1トップ・アレックス選手の捌くポストボールをいち早くゴール前まで持ち込み、そしてゴールマウスへと撃ち込む、これが両名に課されたミッションです。期待しましょう。
試合開始前のアップ時に、それまで薄陽すら射していたのが嘘のように雨が降り始めます。止む気配もなさそうです。濡れたピッチへの配慮と活用法も試合を分ける要素になりました。雨を切り裂く草津節を背に、草津の闘いが始まります。
試合は、開始2分にいきなり20mのFKを与える展開。ここは相手のミスもあって助かりましたが、ゴール至近での不用意なファールは慎んで頂きたいです。草津の攻撃は前半7分、右サイド・熊林選手の投じるロングスローを松下選手がシュートした場面でスタートです(シュートは外れました)。これで攻撃の歯車が回り出したか、前半11分には決定的な場面を迎えます。右サイドの山田選手が得意のドリブルでペナルティエリア内に侵入、相手DF2人を引き付けておいてクロスを中央へ蹴り込みます。このクロスボールをニアサイドから駆け込んだ小林選手がシュートに持ち込みますが相手選手に当たってリフレクト。しかしこの跳ね返ったボールはファーサイドへ流れ、良いポジションに入っていたアレックス選手の元へ。アレックス選手は迷わずボレーシュート!が、ボールはバーの上へ消えて行きました。あ〜、惜しい!対する富山は朝日選手と苔口選手の連動が怖かったんですが、今のところはホットラインを分断できているようで、綺麗な形を作らせていません。しかし油断は禁物。
前半25分にその苔口選手にDF裏を取られて単騎突破を許す失態。ここは懸命の守備で事なきを得ましたが、一歩間違えば簡単に失点に繋がりますので、集中せねば。このプレーの後あたりから雨足が強まってきました。草津の次なる決定機は前半37分。右サイドを古林選手がドリブルで突破し、クロスを中央へ蹴り入れます。ニアサイドに飛び込んだアレックス選手とセンターに飛んだ杉本選手をデコイに使い、ファーサイドでフリーを作り出した山田選手がワントラップの後シュート!が、ボールは枠外左サイドネットに刺さってしまいます。あ〜、これも惜しい!前半は草津が決定機・シュート数で勝るなど、どちらかと言えば優勢ではありましたが、決められなかったとも言えます。この「一見よさげな流れ」ってのが一番危ないのは骨身に浸みてる我が身です。後半は一層の集中力を保ちつつ、よりアグレッシブに攻めて行ぐんべぇや。
後半、照明灯に灯が入りました。キラキラ光る雨粒の中を選手達が駆け回ります。後半最初の山場は7分、富山の攻撃です。草津は自陣ペナルティエリア近くで回される相手横パスを巧みにカット。おおっ、カウンターに行ぐんべぇや!しかし、奪った当人がパスかクリアかハッキリしなかったのが悪かった。何となく前方へ打ち出したボールは相手選手への絶好のパスになってしまいました。この好機を逃すかと富山は速攻。エリア前でポストになった朝日選手からボールを受け取った大西選手が渾身のシュートを放ちます。ボールは左方向へドライブしながら、それでもハッキリ枠を捉えて飛空。すわ、これまでかっ!ここで長身を目一杯に伸ばしたGK・北選手が神セーブ!あ、危なかった…。これで失点してたら観戦記のタイトルが「霜月の涙雨」になるとこだったいね。ともかく、北選手、サンクス。後半は草津の攻撃が単調で低調です。3シャドーの連携が分断されているのが原因です。個別には良く動いているんですが、連動性に欠けているのが前への推進力を欠く最大の要因となっています。そんな時こそセットプレーです。後半11分の左CKでは、熊林選手がトリックプレーでグラウンダーのマイナスクロスをズビシッと蹴り入れ、おおっと思いました。が、誰も合わせてくれませんでした…。セットプレーが駄目なら松下選手の波動砲があります。後半16分、右25mからのFKが防がれると、跳ね返ったルーズボールを松下選手が合わせてミドルシュート!しかし、これまた枠に飛びません。流れを変えたい草津は後半24分に杉本選手→萬代選手、後半36分に山田選手→リンコン選手の交代を行います。萬代選手が入ったことで前線の運動量は増しましたが、連携が図れないのは変わりません。リンコン選手が入ったことでボールの収まりがやや良くはなりましたが、反面スピードダウンのアンチエフェクトが出てしまい、完全に攻勢を削ぐ結果になってしまっています。後半45分には、小林選手→星野選手の交代でSBの古林選手をSHへ移して前線の運動量を上げて行きますが、時すでに遅し。後半は拙速・拙攻でリズムを失い、シュート2本に抑えられてしまいました。
今日の試合の結果、直近6試合負けなし(ただし4連続ドロー)と言う事に相成りました。負けてないの讃えるべきか、勝ててないのを嘆くべきか。難しいところですね。ただ何となく感じるのは、点を取りに行く時は必ず失点のリスクが付いて回り、失点を防ぎに掛かる時は必ず得点機を逃す、と言う不思議なジンクス。いや、ジンクスでも何でもなく、ここにこそチームの抱える問題点があるように思います。二つのことを一度に出来ない、って事では?もっとも、どこのチームでだってこれは普遍的な事柄であって、上手に折り合いを付けるか、片方に目を瞑るかしか解決策はないんですがね。
この試合もそうですが、ここからの残り試合に起用される選手に対する評価は、自ずとこれまでのものとは異なってくるでしょう。僕らサポーターは闘う姿と魂にただただ讃辞を贈るばかりですが、それとは違う、もっと切実な評価が彼らには下されるのです。当然、彼ら自身がその事について良く理解しているでしょう。ピッチに足を付けている、その寸刻刹那が明日に繋がっているのです。そう思うと、選手の一挙手一投足に色んな意味でのハラハラ感が付いて来ちゃいます(まるで学芸会の親御さんのようだ^^)。僕らは試合中、思わず色んな事を言っちゃうけど、草津と言うチームに加わってくれて、一緒に闘ってくれている仲間の事はみんな好きなんです。いつだってみんなのことを応援しています(じゃなきゃこんな雨の中声枯らす事なんてしません)。だから、自分の明日を掴むあと一歩は、自身で強く踏み出して欲しい。止まぬ冷たい雨の中でそう思います。そう祈ります。【ほーせん@高崎】
|
|
■■■ 2011年11月13日(日) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第35節
FC岐阜 0−1 ザスパ草津
岐阜メモリアルセンター長良川競技場 4149人
|
五分に戻す
|

|
ザスパは前半、中盤でパスがつながらずリズムをつかめなかった。ミスから中盤でボールを失い、カウンターを受ける場面も。相手のミスもあって失点こそ免れたが、攻撃に迫力が足りなかった。
後半は立ち上がりから攻め込んで徐々にペースをつかんでいった。26分にCKのこぼれ球を拾ったMF熊林が右サイドからクロス。これをDF中村が頭で合わせて先制した。その後は反撃する岐阜に押し込まれる展開。何度もピンチがあったが、GK北のファインセーブなど粘り強い守備でしのぎ、逃げ切った。(11月15日『上毛新聞』より引用) |
|

|
|
■■■ 2011年11月20日(日) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第36節
ザスパ草津 2−1 コンサドーレ札幌
正田醤油スタジアム群馬 5565人
|
RUSH!
|
他のチームでもそうでしょうが、草津と言うチームにも、主に対戦相手にとって重要となる局面に遭遇する事が時折あります。古くはJFL頂上決戦・大塚戦(2004年・勝ち→眼前での胴上げ阻止)、J2では昇格の懸かった京都との最終戦(2007年・引分け→昇格決定)、同じくC大阪戦(2009年・0-5大敗→昇格決定)などが思い出されます。そして今日、対戦相手である札幌にとっては、まさしく正念場となる試合の相手が我が草津です。札幌の立場で考えてみると、この試合を取ればJ1昇格に向けて大きく前進する事となりますが、まかり間違って落とす事となれば、昇格への道は一気に険しさを増す事態へと変わります(この場合、同期の徳島に対しての大きなアシストとなる訳ですが)。もっとも、自分の立ち位置で物事を捉えてみれば、相手の状況を斟酌する必要など一切ありません。大挙ご来場の札幌サポさんには悪りぃけんど、そう簡単には行かせないよ?
札幌の命運を握る草津のスタメンはこうなりました。GK:22・北選手、DF:23・永田選手、3・御厨選手、5・中村選手、24・古林選手、DMF:30・松下選手、14・熊林選手、OMF:19・後藤選手、26・小林選手、FW:8・アレックス選手、9・リンコン選手、リザーブメンバー・GK:21・橋田選手、DF:4・田中選手、27・柳川選手、MF:2・戸田選手、15・山田選手、FW:18・萬代選手、25・杉本選手。前節同様熊林選手をボランチで起用し、ポストにリンコン選手、アタッカーにアレックス選手、そのシャドーに後藤選手と小林選手を配した攻撃陣で臨みます。ところで、この試合に先立ってチームから契約非更改選手の発表がありました(去年も一番早かったけんど、今年も最速発表だぃね)。GK:橋田選手、伊藤選手、DF:田中選手、佐田選手、MF:戸田選手、山田選手、FW:前田選手の7選手です。レンタル選手の去就についてはシーズン終了後ですが、今年も多くの選手が草津を去る事になりました。宿命とは言え、この行事だけはいつになっても慣れそうにありません。まだ少しだけ時間があります。残された時を共に戦い抜きましょう。
奇妙な緊張感と高揚感をはらみながら試合は始まります。前半、草津は風下側(南側)を選択しました。前半は防備に徹し、後半勝負と言う事でしょうか。やはりと言うか、札幌は風を利用したロングボールを頻繁に織り交ぜながらの攻撃を見せます。一方の草津は、これも風を考慮して短いパス、低いボールを主体に繋いだ組み立てを心掛けています。前半15分、草津は、ハーフラインでボールを受けた松下選手から前方の後藤選手を経由して右サイドを上がる古林選手へとパスが繋がります。軽快にサイドを駆け上がった古林選手、ペナルティエリア内に侵入した味方選手(ファー側から永田選手、リンコン選手、アレックス選手)のうち、最も近くに居て最もフリーな状態にあったアレックス選手へラストパスを送ります。アレックス選手、右から来るパスを右足でダイレクトシュートに持って行きますが、精度を欠き枠外へ。いやあ、お膳立ては万全だっただけに勿体ない。ただ、今日も右サイドの古林選手の駆け上がりは有効な武器となりそうです。期待しましょう。この時間辺りから草津が中盤でセカンドボールを確保する場面が多くなり、結果として中盤より相手側でプレーする時間が長くなっています。前半27分、札幌は左タッチライン沿いからの長いFKの場面です。ゴール前に蹴り込まれたボールは風に乗って伸び、ゴール右隅まで飛びます。ここに河合選手が飛び込みますが、ボールに触れずボールはそのままゴールラインを割ります。直後の前半29分のFKも同じく長く伸びてゴールラインを越えて行きました。相手がまだ上手に風を使えてないので助かっていますが、熟知している(と思われる)我々としては、十分気を付け、そして利用したいですね。前半の途中から、榛名〜赤城方面を覆っていた黒雲が頭上に流れ込み、時折雨粒を落として行きます。榛名を見れば、雪が降ってらぃね。結局、前半は得点なく終了。予想通り、前半のシュート数は札幌=11に対して草津=3でした。これだけ打たせても決定的な場面はあまり作らせなかったあたりは、草津ベンチの思惑通りとみて良いでしょう。
換わって後半は草津が風上です。開始直後に松下選手が超ロングシュートを見舞います(外しました)。この意識が大事です。じゃんじゃん打っていきましょう。リズム良くパスを繋ぎ優勢な序盤戦を繰り広げる草津ですが、思わぬ落とし穴が待っていました。後半10分、札幌のカウンターからのロングシュートがDFに当たってコースが変わり、GK・北選手の頭上を越えてゴールイン。不運も重なっての失点ですが、カウンターに対して対処に当たったDFのポジショニング、チェックが甘かったのも事実です。しかし、まだまだ時間はあります。下向いてる場合ではありません。失点はしたものの、風を味方に付けた草津のリズム自体は変わらず、札幌陣内での攻防が続きます。草津は、後半17分に小林選手→杉本選手の交代を行います。何としても追い付きたい草津は、後半27分に永田選手→山田選手の交代を行い、同時にシステムの変更を行います。左から御厨選手、松下選手、中村選手を3バックとし、その前にアンカーとして熊林選手、その少し前目にバランサーとして後藤選手、攻撃的な中盤として杉本選手、山田選手、古林選手が並び、最前線にリンコン選手とアレックス選手が配されています。中盤の人数を増した事で、草津の攻勢はいよいよ盛んになってきましたが、札幌の懸命な守備防壁の前に最後の一工夫が足りず、なかなか思うようなシュートチャンスを見出せないで藻掻いています。後半34分、左サイドの杉本選手がインターセプト直後に風に乗せた鋭いロングシュートを躊躇なく放ちます。ここはGK・李選手の好セーブに阻まれましたが、堅い守備をこじ開けるにはこうしたインパクトも大事です。草津は、後半37分に後藤選手→萬代選手の交代で萬代・アレックス選手の2トップとし、リンコン選手を一列下げたトップ下に宛てて前線のポストをさせる狙いです。どうしてもゴールが遠い今日の草津。
時間はとうとうロスタイムに入ろうかと言う頃合いです。色々な事が脳裏をよぎりました。ええ、そりゃもうイロイロと(笑)。ところがです。今日に限って、ここで運命の天秤が動き始めます。後半45分、草津はゴール正面27m程のFKを得ます。キッカーは勿論熊林選手。強い追い風が吹く中、フワッとゴール前に蹴り込んだボールに中村選手が頭を合わせて押し込み、GOOOOOAL!!! この土壇場で追い付きました! うんうん、今日はよく頑張った、などと自己完結しつつある僕の不届きな思考を打ち消すように、選手達は勝利を目指して闘っています。追い付いた事で攻勢に拍車が掛かった感じです。4分あるロスタイムの半分が過ぎた所で、今度はゴール右サイドからのFKを得ます。距離はおよそ20m余。キッカーの熊林選手は強心臓。何とこの場面でグラウンダーのトリックパスをゴール前に蹴り込みました。
面食らった札幌守備陣は対応が遅れ、致し方なしとは言えほぼ全員がボールウォッチャーとなっていました。ボールに最速で近付いたリンコン選手に守備2名がアタックに行ったのは必然でしょう。そして、リンコン選手がデコイとなってスルーをした所で勝負ありでした。背後から詰めたアレックス選手がフリー、万全な体勢から右足を振り抜くと、ボールはゴールネットを大きく揺らしGOOOOOAL!!! おおっ、おおうっ!久々に見たぞ、ドラマティック草津劇場!なんたる執念、なんたる結末。勝利間際の札幌から色々なものを奪い去るゴールラッシュの後、主審の終笛一声。大逆転勝利です。
声を失うアウェーサイドと声嗄れるほどの歓声揚がるホームサイド。ほんの数分にして立場が逆転しました。この短時間で連続ゴールを叩き込むシーンなんて、記憶を遡ってもなかなか出てこないくらいの出来事です。2得点ともFKからでしたが、いやはや攻める姿勢を絶やさなければ、これこの通り力ずくで勝利をもぎ取る事さえ可能なんですよ。ある人の名言通り、「元気があれば何でも出来る!」はまさに然り!
この勝利によって8戦不敗2連勝を達成しました。今日のゴールラッシュと同じく、シーズン最終盤を最後まで勝ち切って終えたいと思うし、今の草津ならそれが可能な気がします。【ほーせん@高崎】
|
|
■■■ 2011年11月27日(日) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第37節
愛媛FC 1−2 ザスパ草津
ニンジニアスタジアム 3963人
|
待望の一撃!
|
ザスパは前半14分に右サイドのDF古林が上げたクロスにファーへ走りこんだMF杉本が右足で合わせて先制し主導権を握った。その後、愛媛の反撃を凌ぐと後半41分には再び古林が起点となり、サイド攻撃からFWリンコンが頭で決めて2点目を奪取、終盤に1点を返されたものの逃げ切った。(11月28日『桐生タイムス』より引用)
|
|

|
|
■■■ 2011年12月3日(土) ■■■
J.LEAGUE DIVISION 2 第38節
ザスパ草津 4−0 栃木SC
正田醤油スタジアム群馬 3246人
|
雨 のち晴れ晴れ
|
高確率の雨予報。これは予定通り。万全の雨支度でいつも通り戦場へと向かいます。今季初戦の良いイメージ、北関東ダービーを制した誇らしさ、昇格争いに長く関われた自信、これらを背景に、今節を勝利で締めくくって1桁順位、北関東最高位はさして難しい課題ではないかのように、栃木サポさんが大挙お越しです。一方の草津、前節まで9戦不敗で目下3連勝中とラストスパートの真っ最中です。今節勝った方が上位に立ち、一桁順位を手にする、そんなシンプルな構図です。自信漲る栃木か、はたまた雪辱に燃える草津か。雨天など気にならぬくらいに盛り上がって参りましたよ。
たぎる想いを抑えつつ、今季最後のスタメンを確認します。GK:22・北選手、DF:23・永田選手、3・御厨選手、5・中村選手、24・古林選手、DMF:30・松下選手、14・熊林選手、OMF:19・後藤選手、25・杉本選手、FW:8・アレックス選手、9・リンコン選手、リザーブメンバー・GK:21・橋田選手、DF:4・田中選手、7・佐田選手、MF:2・戸田選手、6・櫻田選手、15・山田選手、FW:18・萬代選手。前節相手との接触で顔面を強打し、目を塞ぐほどの打撲・内出血を負った御厨選手ですが、今日の試合に先発出場です。平気なのかな?無茶はしないで下さいね。サブには、今季で草津を去る事になった橋田選手、佐田選手、田中選手、戸田選手、山田選手が控えます。顔見せご挨拶ではありません。あなたたちの力もガッチリ借りて、共に勝利を目指しましょう。
想いは千々に、万感載せ笛一声。2011年J2リーグ最終節の幕が、今上がります。何の前触れか、前半試合開始直後から雨が小降りになってきました。前半開始直後の0分、草津はGKからのこぼれ球をハーフラインで杉本選手が確保してそのままドリブル、結局シュートまで持って行きました。いつになく攻撃意識の高い杉本選手、今日は期待しても良いよね?栃木の戦術はシンプルです。守備ブロックを固めて侵入を阻止し、奪ったボールを素早く前線に運んでゴールに至るスマッシュカウンター。初戦ではまんまと相手の術中に嵌まった草津ですが、さすがに容易くやらせはしません。2ボランチを組む熊林選手と松下選手の距離感やポジショニングが絶妙で、ここにSBとシャドーが連動してくれば堅く閉ざされた栃木の防壁を越えるのもそう無理な課題ではないように思えます。前半21分、栃木はGKからの素早いロングフィードをロボ選手がパス1本で縦に繋いで展開、河原選手がそのまま持ち込んでシュートを打ちます。危ない場面でしたが、追走したDF・中村選手が横方向へのコースを消した事とGK・北選手の飛び出す判断が良かった事から難を逃れました。今日は守備意識も高いぞ。対する草津は前半26分、右サイドを駆け上がる古林選手からのセンタリングの場面です。相手DFラインの裏へ抜け出したアレックス選手にピンポイントに撃ち込まれたボールを、ジャンプしながらもヘディングシュートに持って行くあたりに、彼の優れたフィジカルを感じます(シュート自体は相当難しいもので、枠外へ飛びました)。 前半30分、左サイドの永田選手から右サイドの古林選手へと大きなチェンジパスが繋がります。素早い展開だったため栃木側の守備が整い切っていません。これはチャンスと見た古林選手、トラップ後すかさずセンタリングを蹴り込みます。ゴール正面でピタリとボールを足下に収めたアレックス選手がまずシュート。相手DFに阻まれて跳ね返った所に詰めた熊林選手が左足で二の矢を放ちますが、惜しくも右サイドネットに刺さってしまいました。いやあ、入ったと思ったぞ。惜しい惜しい。前半36分、草津はまた右サイドからの攻撃です。古林選手が右サイド深くまでドリブルで持ち込み、センタリングを入れると見せかけて後ろの松下選手へバックパスします。これでゴール前に詰めていた栃木DFが振られて、草津の攻撃陣の自由度が増しました。松下選手がセンタリングを蹴る時点ではリンコン選手、アレックス選手、杉本選手、後藤選手の4名がフリーになっていました。松下選手のチョイスは中央右の杉本選手。完全にフリーになった杉本選手、落下するボールに頭を合わせてシュートしましたが、精度を欠いて枠外へ外してしまいました。スギモン…。次、頑張ろう。前半40分、ハーフラインの攻防で弾かれ草津側へ飛んで行くルーズボールを追い掛けて、栃木はカウンターアタックを仕掛けてきます。このルーズボールに最初に触れたのは御厨選手でしたが、トラップが大きく弾む所をサビア選手に狙われて奪われてしまいます。サビア選手、完全に抜け出して状況はGKと1対1です。うわー、絶体絶命の大ピーンチ!ここでサビア選手の選択はループシュート。この選択が試合を分けました(これがこの試合の分水嶺だったんだなとは後で気付いた事でしたが)。長身の北選手が目一杯手を伸ばした事でボールに触れ、その勢いが減じたボールに中村選手が追い付きクリアする事が出来ました。ビッグプレーです。それにしても、栃木の外国人2FWは抜け目ありません。ちょっとしたミスが命取りになりますので、十分気を付けて行きましょう。前半はスコアレスのまま終了です。双方持ち味を出しながらも決定機に得点が出来ませんでした。
ハーフフタイムには赤城山方向に虹が架かっていました。はてさてこれは一体何の暗喩となるでしょうか。「草津、希望への架け橋」、こうなる事を祈念しつつ、いざ後半へ。そんな願いが通じたか、後半に入るやいなや、戦局は草津が掌握して行きます。草津劇場の最終幕は、後半4分、自陣左サイドの永田選手がドリブルで駆け上がる場面からスタートです。永田選手、相手陣内に入って10mほどの位置から、早くもアーリークロスをゴール前へ蹴り込みます。実はこの段階で栃木側の守備が中途半端なゾーン守備をしていたため、最終ラインの裏へと抜け出す後藤選手に至る花道が空いていました。斜めに切れ込みながらGKの位置を確かめて左足を振り抜いた後藤選手のシュートは、濡れたピッチの上を這うように転がりながらゴールマウスへ呑み込まれました。GOOOOOAL!!! 先制は草津。前半は再三右サイドの古林選手が起点になっては好機を演出していましたが、今年の草津を大きく動かす両輪は、やはり右・左のSBが揃ってこそです。永田選手ナイス!そして後藤選手ナイスゴール♪メインスタンド前では北選手の第3子誕生を祝しての揺りかごダンスが行われています。場内の雰囲気はいよいよ良好です。先制の興奮冷めやらぬ後半10分、草津は右サイドタッチライン沿いでのFKからのリスタートです。熊林選手が一端後ろの松下選手へボールを下げると、松下選手は得意の剛球で大きく前方へとボールを飛ばします。このロングボールをリンコン選手が中継点としてダイレクトで右前方へとさらにフィードします。あれよあれよと言う間にボールは栃木側ゴールライン際まで到達し、しかもこのボールに古林選手が追い付きます。古林選手、ここは相手DFが寄せてきた事から慌てて突っ掛からず冷静にマイナスへとセットボールを送ります。このボールにトップスピードで突っ込んできた後藤選手ですが、相手選手と交錯してボールはそのままゴール中央方向へと流れて行きます。これがスルーの効果を発揮して、ボールの行く先に詰めて来たリンコン選手がフリーになりました。 いつもはパスがファーストチョイスのリンコン選手ですが、この場面ではシュート一択です。振り抜いた左足から放たれたボールは、横跳びするGK・鈴木選手の手の先を行きゴールマウスへ。GOOOOOAL!!! 草津追加点!2点リードはしたものの、セーフティーとは言えません。ともかく守備意識を継続して高く持ち、機を見て追加点を狙って行きましょう。後半13分、栃木は35mのFKです。キッカー・水沼選手がゴール前に蹴り込んだボールは非常に精度高く、大和田選手のピンポイントヘディングシュートを引き出しましたが、枠には飛びませんでした。危ない危ない。水沼選手、将来有望な良いプレーヤーです。後半18分、草津はリンコン選手→萬代選手の交代です。その交代直後、相手のクリアボールを左サイドで拾った杉本選手がそのままドリブルで切れ込み、シュートを放ちます。対角線に飛んだグラウンダーのシュートは、GKの脇をすり抜けてゴール方向へ。これはいったか?と思われましたが、いや、ほんとあと少しの所で枠外へ逸れて行ってしまいました。スギモン…。次、頑張ろう。後半42分、草津久々の見せ場は、自陣ゴール前の混戦でボールを奪った場面から始まります。自陣ゴール前に守備のため味方は8人が戻っていました。従って前線には2人しか居ない事になりますが、この時点で相手守備も2人だけです。ボールを奪った杉本選手、前方に居残っていた萬代選手へとボールを預けます。この段階で草津は萬代・アレックス・杉本の3選手が攻撃に当たり、栃木は2人が守備をすると言う数的有利な状態です。萬代選手は一瞥の後、スピードを緩める事なく、右側を追走してきた杉本選手へボールを返します。圧倒的に有利な条件を背景にドリブルで駆け上がる杉本選手。GKと1対1で対峙してシュートを放ちます。相手も必死です。GK・鈴木選手の体を張ったセービングでこのシュートは阻まれてしまいます。しかしまだ終わりません。このこぼれ球に駆け込んだ萬代選手が右足を振り抜きます。ボールは見事にゴールネットを揺らしGOOOOOAL!!! 勝負を決すると言って良いでしょう、3点目が草津にもたらされました。
後半アディショナルタイム、ハーフエリアで相手のパスを松下選手がインターセプトします。この競って流れたボールをアレックス選手が追い掛け・追い付くと、競り掛かるDFは1人だけと言う状況になっています。アレックス選手、体を寄せてくるDFをものともせずにドリブル突破。そしてペナルティエリア内に侵入した所で右足一閃。強烈なシュートにGK一歩も動けずGOOOOOAL!!! ダメ押しの4点目!出来すぎだ草津♪この得点直後に古林選手→佐田選手、永田選手→田中選手の交代です。佐田選手には松下選手からキャプテンマークが巻かれます。ソータローコールをしながら、草津町の幼稚園で「さだせんせぇ♪」と子供達に懐かれていた頃の光景を思い出し、ちっとんべぇ目から汗が出たぃね…。「草津の時間」を惜しむように、刻み込むように、選手達が走る、走る、走る。サポーターは、共に過ごしてきた時を噛み締めるように、染み込ませるように、謳い、謳い、謳う。栃木の掲げた目標を根こそぎ削り取るゴールラッシュの後、今季の終幕を告げる笛の音が雨上がりの敷島の空に鳴り渡ります。
前半11本、後半12本のシュートで相手を文字通りねじ伏せた試合でした(栃木は前半8本、後半2本)。開幕戦、今季の先行きが心配になるほどの大凡戦で僕らを失意の底に落としてくれた、その張本人たる栃木に対して、再戦において倍返しの強打撃を打ち込むとは、いやはや出来過ぎなくらいの快事です。昨年に続いて、今年も絶好調のまま終幕となるのが、実に惜しいです。
熱闘終わって、今は実に晴れ晴れとした気持ちです。ともすれば、勝ってさえも悲壮感が漂う惜別の最終節です。しかしながら、草津の選手達は、自分達の進むこれからの道筋が、決して平坦ではないだろうその道が、しかし決して泪色ではない事を自らの力で僕らに示してくれました。だから、晴れやかな気持ちで去る君達を送ってあげられます。ありがとう、本当にありがとう。【ほーせん@高崎】
|
|
|
|
2011年終了 16勝9分13敗、勝ち点57、51得点51失点(得失点0)で9位
シーズン勝ち越し、得失点±0、真ん中以上の順位を初めて達成
夏の低迷を脱し、チームの成熟と共に躍進
過去最高の戦績でシーズンを終える
そして・・・苦しかったJ初期の時代を知る仲間との悲しい別れ
来年はJ2プレーオフも始まる
限りなき前進 歩みを止めることなかれ
|