「医療人のための群馬弁講座」特講





第35〜51節

臨界点







■ 2009年8月23日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第35節

愛媛FC 2−1 ザスパ草津

ニンニジアスタジアム 2599人

攻め手欠く

 前節、ホームゲームで久々の勝利を挙げたザスパは連勝を狙い、慎重な立ち上がりを見せたが、前半7分に相手カウンター攻撃から早々と先制を許し、同35分にも追加点を与えてしまい、0-2の劣勢となった。
 その後はサイドチェンジを駆使し、ザスパがボールを支配する展開となり、後半26分には相手オウンゴールを誘い、1点を返して2-1に。ザスパは追いつこうと攻め続けるもののパスミスが多く、攻め手を欠いて逃げ切られた。(8月24日『桐生タイムス』より引用)





■ 2009年8月30日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第36節

ザスパ草津 2−5 コンサドーレ札幌

正田醤油スタジアム群馬 3680人

歴史的惨敗

 スタジアムを覆う落胆と失望。接近する台風11号のもらたす強雨の中、ホーム連勝を信じて正田スタに集まったサポの前に繰り広げられた試合は、今シーズンワーストともいえるクソゲーだったぃね。
 今節は中盤の底、松下を出場停止で欠いてたんさ。攻守の要を欠く今節、戦力の低下は予想されるだんべ。でも驚いたんは、実に久しぶりに守護神・本田が帰ぇってきたこと。久々の背番号1の姿に期待は膨らんだで。ゴールを止めてくれよ。DFは佐田、田中、喜多、寺田、MFには松下の位置には熊林が入ぇり、櫻田、廣山、そして山崎、FWは都倉と高田とゆう金科玉条の4-4-2。控えは常澤、藤井、佐藤穣に、後藤と小池の面々。今日の相手は札幌。破壊力のあるブラジル人選手たちは要注意だんべ。今日はスーパーミリオンヘアスペシャルマッチ。前橋の会社ってことで冠スポンサーになってくれたらしいで。いっちょいーとこみせて今後ともスポンサードしてもらうんべぇよ。8月最後の試合とあってか、悪天候の割には客足もいいみてぇだ。
 試合開始前の草津節のあたりから、雨脚は一層強まって、B-Hから見る選手の整列も雨で霞むほどになってきた。台風が南から接近してるとは思えねぇ、ちっと肌寒い気候。今日は雨でおーかピッチも滑るんだんべし、芝もちっと荒れ気味なんが心配だぃね。
 しっかし・・・試合開始早々から、オレたちが目にしたもんは、濡れるピッチなどものともしねぇ札幌の怒涛の攻め。激しいプレス。外国人選手たちのフィジカルの強さと俊敏さ。そして素早い展開とサイドを広く使った波状攻撃。ザスパは自陣に釘付け、防戦一方だった。前半17分には左サイドに展開され、折り返しをマークの甘かった西にきっちり頭で合わされ先制を許し、27分にはDF2人で囲みながらも、それを全くものともせず、強靭なフィジカルで難なく突破したキリノにゴールを奪われる。その後も一方的に攻め続ける札幌。片やまだ前半だとゆうのにすっかり足が止まってて、いいように蹂躙され続けるザスパ。雨脚が更に強くなるのもあいまって、すでにこの試合を見切ったんか、前半途中だとゆーんにメインスタンドの家族連れが何人も帰り始めたんを目にした。前半44分には、再び西に決められ、前半を終わって0-3。もはや成す術なしの状況。B-Hのサポの心も雨に打たれて折れかけてた。
 後半開始。ザスパは走れてなかった寺田から小池、そして廣山から藤井と2枚を交代させ体制一新を図る。が、後半4分、ゴール前のフリーキックを与え、これを藤田に直接決められ、0-4。以前のような本田の神懸かり的なセーブも今日はなく、これで完全に絶望的な展開。札幌のまるで突風のような勢いに一体このあと何点取られるん?とあそこにいた連中みんなが思ったことだんべ。セイフティなリードになった札幌は前半のようなガツガツした攻めははぁよしちまったせいなんか、ザスパも藤井がボランチに入ぇり後ろが安定したこと、それで前半の位置より前に上がった熊林も随所に効果的なパスを送り出せるようになり、交代した小池も積極的に攻撃参加をしたことで、ザスパの攻撃のシーンが徐々に増えてきた。後半27分小池が、センタリングのこぼれ球を左から中央寄りに持ち込んでGOOOOOAL!!! 1-4と1点を返す。しっかしその数分後、札幌はCKからまるで漫画のような鮮やかなオーバヘッド、ザスパDFに当たったこぼれ球を蹴りこまれ、1-5と再び4点差。これでオレ達の心も完全に折れちまったよ。櫻田に代え後藤を投入するも及ばず。後半終了間際に、CKを跳ね返されたボールをハーフライン近くから佐田がロングシュート。低い軌道を描いたボールはネットに突き刺さった。GOOOOOAL!!! いやぁなっからビューティフルなゴール!これでちょっと気力が戻る。まるでこれは雨ん中声援を送ったザスパバカたちへのお駄賃みてぇなもんかな。もう1点意地見して返せ!と思ったけんど・・・2-5で惨敗。都合2点は返したんだけんど、どっちも個人技で取ったもんで、流れん中で奪ったとゆうもんじゃねぇしね。その点差以上に、成す術なく、完膚なきまで叩きのめされた感のある「歴史的惨敗」だったぃね。まぁ佐田のあの美しいゴールがなかったらきっと帰ぇりの足取りが更に重かったんべなぁ。
 試合後は落胆と失望のためなんだか、はぁブーイングも起きなかったんさ。「ダメだ」「雨なんに来たんになぁ」「前半に帰ったヤツらはひでぇなと思ったけんど・・・その判断は今日は間違ってなかったね」「またホームでずっと勝てねんかなぁ」「4点目が決まった時に、もう座り席に移ろうかと思った」「スポンサー様の冠マッチだと、惨敗しちまうんは、このチームの「仕様」なんか?スポンサー様にも申し訳ねぇだんべ?」等々。帰ぇる人々の口からは恨み節べぇだ。
 ポゼッションサッカーという2009年マニフェストを掲げたチームだったけんど、こんな試合が続くようじゃ多くの民心がだんだんと離れてぐことになるだんべ。この日の衆議院選挙では民主党が圧勝、自民党が歴史的大敗を喫し、政権交代となったぃね。まぁ政治の世界じゃ上手くいがなかったら、別の党にチェンジすりゃいぃけんど・・・オレたちの「ザスパ草津」の代替えは存在しねぇしね。この歴史的惨敗から学ぶべきものは何なんか?これからたとえ民心が離れてっても、ブレねぇまんま、そのマニフェストの理想に殉じるんか?この後、目の前に死屍累々の惨状が広がっていぐとしても、そのマニフェストをオレ達はずっと信奉して応援してぐ覚悟があるんか・・・?第3クール、突きつけられた問いは、あまりにも厳しく、そして辛い。 【すずき@東毛】



■ 2009年9月2日(水) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第37節

徳島ヴォルティス 1−1 ザスパ草津

鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム 1842人

逃げ切れず



  ザスパは前半27分にFW都倉と後藤の2トップの連携から都倉が左足で先制点を決め1−0とした。 その後は両チーム攻め手を欠き前半を終えると、後半は3連敗中の徳島がホームの意地を見せザスパゴールに襲いかかった。 幾度となくピンチをしのいでいたザスパだったが、後半36分に相手左サイドから崩され同点となるシュートを決められた。(9月3日『桐生タイムス』より引用)





■ 2009年9月6日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第38節

ザスパ草津 0−6 ロアッソ熊本

松本平広域公園総合球技場 2201人

語る言葉無し

 さて、何から話そうか。
 高速道路料金が\1,000となったので、小旅行がてら観戦へ、という方がいっぱい居るかもしれないな、と思ってましたが、あに図らんや、現実は厳しく、観客動員は伸びていませんね(広いアルウィンに空席が目立つ様は悲しいね)。ちなみに、遠いから、って訳ではないですよ。これまでは結構たくさんのお客さんが来てくれてましたし(原因を考えた方がいいよね>クラブの中の人)。
 芝が美しい、アルウィン。場内反響音が凄い、アルウィン。群馬から遠いぞ、アルウィン。山賊バーガーがうまいぞ、アルウィン。持って帰ぇりてぇなぁ…アルウィン。僕はここで引き分けた東京V戦だけ観ていないので、過去のアルウィン歴は全敗です(あ、アンテロープ(練習試合)には勝ったなぁ(笑))。しかも大量失点の印象が強いし(もはやトラウマ)。いやいや、縁起でもない話はやめておきましょう。今日を再生の記念日にするんだ!くらいの意気込みでいきましょう。
 肌を焼く強い陽射し、アルプスから吹き下ろす心地よい風。本日のスタメンは次の通り。GK:1・本田選手、DF:18・小池選手、4・田中選手、26・藤井選手、7・佐田選手、DMF:6・櫻田選手、30・松下選手、OMF:14・熊林選手、10・廣山選手、FW:9・高田選手、27・都倉選手、リザーブ;GK:21・常澤選手、DF:15・喜多選手、MF:8・山崎選手、25・佐藤(穣)選手、FW:19・後藤選手。
 草津、熊本共に無難な立ち上がりを見せていたこの試合ですが、思わぬ形で動き出します。前半12分、草津DF・藤井選手がCKの競り合いで警告を受けてPKを与えてしまいます。その前にも主審から注意を受けていたので、この裁定はやむ無しです。キッカー・藤田選手がきっちり決めて熊本が先制。これは、まあ仕方ない。事故だと思って切り替えて、まずは同点を目指してしっかりやろう。草津の選手達もこの失点はそれほど引きずってはいないようで、動き自体は悪くありません。ただ、相変わらずミスが多いですねぇ。パスの出し/受けの齟齬、トラップミスによるインターセプト、横パス・バックパスの連携ミス等々。基本的に高い中盤に攻撃拠点を置く草津としては、ちょっとしたミスからのカウンターが取り返しのつかない事態に至るのは歴史の語るところで、今日も結構剣呑な感じです。それでも前半29分、31分、32分、と立て続けにシュートを放つなど、得点の雰囲気も見えてはいます。前半40分過ぎから熊本のシュートが多くなっているのが気掛かりですが、取りあえず1点差でハーフを迎えそうだし、そんなに押されている訳ではないので、後半仕切り直してゆけば逆転の機会は十分あります。うん、そうだ、そうだ、と思っていたら、あれ?おや?前半ロスタイムですよ。パスミス→インターセプトから熊本のカウンターを食らい、DFが4人も居るのに誰一人として寄せることもコースを切ることもせずにまんまとシュートを撃たせてしまい、熊本FW・山内選手に追加点を奪われました。これにはGK・本田選手激怒。ゴールポストを蹴って怒る怒る。ったりめぇだぃね。あー、なんかね、見えちゃいましたよ?フラグが。この失点が草津の死亡フラグですね、わかります。
 後半は出だしからグダグダ。草津視点で書くべきことが何一つないので、簡単にいきますね。後半2分、熊本自陣からのロングボール1本に対し、草津DFのギャップをよく見て反応した山内選手が3点目ゲット。お粗末すぎまする〜。後半13分、草津は4人もDFが居たのに、ボールにも人にも付けず寄せられずに熊本の分厚い攻めに翻弄された挙げ句屈し、石井選手が4点目を獲得。草津サポの僕涙目。でも悪夢はまだ終わらない。後半22分、中盤でのパスミスをまたしてもかっ掠われて(何遍やられりゃあ気が済むんだか…)、西選手に5点目を奪われます。あはは、あはははははははは…。後半29分、ロングボールカウンターに反応して飛び出した山内選手、DF2人をものともせずにシュートを放つと、ハットトリック達成となる6点目がゴールイン。以上おしまい。な、7点目はないんですか?よかった、もうぶたれないで済むんですね。orz。
 途中選手交代で流れを変えようとベンチが動きましたが(後半13分、松下選手→後藤選手、廣山選手→山崎選手、後半30分、熊林選手→佐藤選手)、なんら効果はありませんでした。てゆうか、中盤でのゲームコントロールが信条のチームが、そのコンダクタ3名を外すってのは如何なものなの?攻守に走り回らされた小池選手や高田選手の足色が悪くなっていたのを誰も見ていなかったの?熊本の藤田選手や小林選手、石井選手が声を出しているのは良く分かったし、若い選手がその指示をしっかり実践しているのも僕には見えましたが、草津はどうしたの?共に観戦した同志はこう言ってましたよ。「ここで下手に1点返しちゃうと、変にポジティブになっちゃう。やられっぱなしじゃあなかったんだぜ、って勘違いしちゃう。だから今日はこれでいいんだよ」。全く同感です。ぐうの音どころか息すら出来ないくらいにケッチョンケッチョンにやっつけられれば、もはやどんな言い訳も出来まい。自身の至らなさを実感するには良い薬になるでしょう(なるよね?)。
 過去の観戦記において、試合結果がどんなであれ、僕はそれなりに見るべき所を探して書いてきました。事実、どんな酷い負け方をした試合であっても、なにかしら掬うべきものがありました。だが、しかし。今日は、…ない…。ないんですよ…。本当に…なんにも…なんにもないんですよっ!!ちゃんとした観戦記、書きたいよ…。お願いだから、ちゃんとしようよ…。愚痴っぽくなるのは僕の流儀に反するので、今日の話はここまでにします。
 なに、命まで取られたわけじゃあねえんだし、しっかり反省して、かっちり練習して、ばっちり次頑張れればそれでいい、ってことにしよう。うん、そうしよう。とりあえず失った点の数だけ何かが見えたでしょう。要はここから先のことが大事です。やるべきことはいっぱい。
 さて、何から始めようか?【ほーせん@高崎】



■ 2009年9月13日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第39節

東京ヴェルディ 2−1 ザスパ草津

味の素スタジアム 3926人

逆転を喰らう



 前半は守りを固めながらロングボールでチャンスをうかがったザスパ。前半20分、DF小池の左サイドからのクロスをFW高田が頭で落として、それをFW都倉が左足で決めて先制。後半もMF広山らが好機を演出したが追加点には結び付かず、終盤に運動量が落ちて2点を失った。
 終始早いパス回しでシュートチャンスをつくった東京V。後半の23分と38分にFW平本が相次いでゴールを奪って、試合をひっくり返した。(9月14日『上毛新聞』より引用) 




■ 2009年9月20日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第40節

ザスパ草津 1−0 ヴァンフォーレ甲府

正田醤油スタジアム群馬 8276人

同じ方向を向いて

 秋空好天、風強し。本日敷島はサッカーダブルヘッダーです。正田スタの隣、サッカーラグビー場ではいよいよ始まった第89回天皇杯の1回戦(アルテ高崎;群馬県代表vsFC甲運;山梨県代表)が開催されました。昼13:00からの試合だったため、多くの草津サポもこの試合を観戦していたようです(僕も観ていました)。基本的にみんなサッカー観戦が好きなんだぃね^^。そのアルテ、県代表の名に恥じない積極的なサッカーを展開、見事緒戦を突破いたしました(3-0)。佳き哉佳き哉。んじゃあ、次は俺たちだ。いざ、決戦場・正田スタへと乗り込みます。
 今日の対戦相手は、目下昇格レース絶賛開催中の強豪・甲府です。おお、奇しくもさっき観た天皇杯と同じ県同士の対戦だぃね。第3クール未勝利の草津は、主戦FWの高田選手を負傷で欠く厳しい台所事情でこの強敵を迎え撃たねばなりません。試練の時です。で、気になる本日のスタメンは次の通りです。GK:21・常澤選手、DF:18・小池選手、4・田中選手、15・喜多選手、7・佐田選手、DMF:6・櫻田選手、30・松下選手、OMF:14・熊林選手、10・廣山選手、FW:34・小林選手、27・都倉選手、リザーブ;GK:22・北選手、DF:26・藤井選手、MF:8・山崎選手、11・氏原選手、FW:19・後藤選手。高田選手の不在を受けて、先発FWとして小林選手が起用されました。前節は交代出場6分ほどでしたが、今節はJ初スタメンということになります。前へ切り込むスピードが持ち味と聞きますので、是非とも得点に絡んでほしいところです。そしてサブには久々に氏原選手が名を連ねています。先発の都倉−小林セットとサブの氏原−後藤セットは同じような効果が期待できる組み合わせなので、今後もコンディションによって使い分けが利くことになるのは良いことです。
 北西からの強い風が吹き付けるコンディションの中、今日も凄い数の甲府サポさんのご来場を賜りました。こちらはホームなので、応援で負ける訳にはいがねぇやいね。スポンサーのベイシアさんからご提供頂いたミニフラッグをバクスタで振りまくり、ラスハル〜草津GOで選手を迎えます。第3次上州/甲斐攻防戦の開戦です。
 前半の草津は辛抱の時間です。開始間もない前半6分、甲府の速攻による先制の危機を佐田選手が好守備で守ったのを皮切りに、甲府優勢な時間が支配的になってゆきます。それでも前半11分(熊林選手のシュート)、26分(小池選手のクロス→都倉選手が触ればという場面)、30分(左サイドから小池選手のミドルシュート)など、ここぞという所ではゴールへ向かう姿勢をはっきり示していたので、防戦一方のワンサイドゲームにはなっていないし、この調子でいってくれればそうはなるまいとも思えます。前半風上からの攻撃となった草津は、甲府の激しいプレスをかいくぐる策として、ハイパントを多用する作戦のようです。そのせいでこれまでのような中盤での細かいパス連携による組み立ては影を潜めていますが、臨機応変、これはこれでいいと思います。前半37分、甲府のFKはペナルティエリア中央へ蹴り込まれます。ボールは甲府・林選手のバックヘッドでゴールマウスへ一直線。してやられたか、の刹那、GKの神が降臨。常澤選手が横跳びでボールを掻き出し、ピンチを救います。トキ、サンキュー♪前半終了間際の40分過ぎは草津にとって魔の時間帯です。前半40分、甲府に左45°からのFKを与えてしまいます。夕陽が目に入って見辛そうにしている常澤選手。実に嫌なシチュエーションだなあ、おい。でも今日は全員が実に良く集中していました。これまでならここで失点して「草津終了のお知らせ」になっているところでしたが、この難しい場面を全員で凌ぎきりました。前半は共に得点なく終了。ただ、草津からしてみると、この無失点は得るものがあったんではないでしょうか。後半への期待も高まります。
 後半は1分、都倉選手のオーバーヘッドシュートから開幕です。このシュートは外れてしまいましたが、長身を綺麗に回転させて放った美しいシュートでした(場内が沸いたぃね^^)。後半9分、甲府右サイドからのクロスボールに反応した金選手のシュートをGK・常澤選手がまたしてもナイスセーブ。おお、今日はのってるねぇ。このプレイで弾みがついたか、直後に試合の流れが大きく傾きます。後半10分の草津の攻撃。自陣でボールを奪取すると、右サイドを上がって行く小林選手から左前方の熊林選手へボールが渡ります。この段階で甲府のDF4人に対して草津の攻撃陣は5名。しかも横に広く展開していて、と理想的な布陣です。ボールを受け取った熊林選手、ペナルティエリア直前でドリブルを止め一端ボールを落ち着かせつつ素早く周囲をサーチして状況を把握、中央で甲府DFの「隙間」に居た小林選手に宛てたスルーパスをノールックで繰り出します。これを感じて飛び込んだ小林選手、冷静にGKと対峙し、しかしその股を抜く剛胆なシュートを放ちます。GOOOOOAL!!! 決して優勢とはいえない状況で、喉から手が出るほど欲しかった先制点を奪い取ったは、J初先発にしてJ初得点となる小林選手、タッキーです。このゴールですが、決めた小林選手、アシストをした熊林選手はもちろん素晴らしいんですが、左サイド方向へ走った小池選手と右方向へ開いていった都倉選手が相手DFを引きつける囮となって守備分散を図ったのが奏功した、正にチームでもぎ取ったゴールと言えます。後半28分、草津はカウンターアタックの好機です。中央の熊林選手から左サイドの都倉選手を経由して右サイドでどフリーになっていた佐田選手へラストパスが渡ります。よし、2点目!と思ったんですが、ソータロー君、慌てたのかふかしてしまいました。勿体なかったけど、まあ今日は守備で頑張ってるし、ご愛敬ってことで(次は決めようね)。後半30分過ぎになると、甲府もいよいよ前掛かって怒濤の攻勢をかけてきます。ここで頑張ったのが後藤選手(後半32分に小林選手と交代)。前線から実にねちっこいチェイス・プレスを繰り返します。いいよー涼君。今日も攻守で頑張ってくれた都倉選手でしたが、さすがに疲労の色が見えてきたので、後半39分に交代です。代わったのは氏原選手。久々の「氏ダンス」はやっぱり楽しいぞ〜。その氏原選手、これまでの憂さを晴らすかのように走りまくります。気が付けば電光表示が消え、ロスタイム5分を残すのみ。ここまで粘り強くやってきたんだから、この努力を無にしないためにもあと少し頑張ろう。攻めに攻める甲府、しかし集中を切らさない草津。甲府最後のCK→シュートが枠の左側に外れたところで主審が終幕の笛を鳴らします。勝ったぞーーーー!!
 今日の甲府は、決してまずいサッカーはしていませんでした。強いです、強かったですよ、甲府(シュート数だって6対14だし)。では、なに故草津が勝つことが出来たのか。技術的なこともあるでしょう。戦術的なこともあるでしょう。環境的なこともあるでしょう。でもね、今日はこう思いたい。「気持ちで勝ったんだよ」って。個々の力の総量もチーム自体の力の総量もあまり大きくはない我が草津。だからみんなが同じ方向に向かってベクトルを合わせなければ、力あるチームには敵いやしない。逆に、同じ方向に力を出し切ることが出来さえすれば、これこの通り、強敵だって打ち破ることが出来るんだよ、って証明です。
 先日Jリーグから発表された2008年度(昨年度)のクラブ別財務状況を見る限り、相変わらず我らが草津のお財布は心許ないようです。分かっちゃあいたけど、実際に数字で見ると、その切実さが一層際立たぃね(総資産が全33クラブ中ブービーの31番目でJ2平均の約3.7分の1とか、涙が出らぃね)。でも営業収入はJ2平均の1.8分の1と結構健闘しているし、選手・チームスタッフ人件費などは4番目に少なかった(一番高い広島の6分の1しかねぇ・笑)のに、みんなで頑張って最終的にシーズ9位でフィニッシュしました。あー、えっとね、『貧乏だぁ貧乏だぁ』って言いたいんじゃあなくて、そんな状況でも「やれることはある」し、願い努めれば「できる」、そう思うんです。顧みて今年、今現在はどうか。うーん、ちょっと(うんと?)足りてないかな、色々と。でも今日みたいに、たくさんのお客さんが居る前でこれだけの試合が出来るならば、この先の展望は決して暗いばっかりじゃあないはずです。少しづつでも前へ進めたらいいよね。
 今シーズンも気が付けば残り僅か。落とした試合の数や消化不良な内容は今更取り戻せないけど、ここからの頑張りがあれば、『信頼』と『希望』は繋ぎ止められます。残り試合、全戦必勝の心構えでいきましょう。ここまで来ると、相手はどこそこではありません。戦うべきは自分。どこまでステディに、イノセントにサッカーに向き合えるか、それをこそ見たい。見極めてゆきたい。あなた達を、「郷里の誇り」と胸を張って言いたいから。【ほーせん@高崎】




■ 2009年9月23日(水・祝) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第41節

カターレ富山 0−2 ザスパ草津

富山県総合運動公園陸上競技場 3316人

原石達の輝き

 朝7時、秋特有の少しひんやりする空気の中、高崎を発ちます。向かう先は北陸・富山。個人的にはJFL・YKK戦以来となる富山遠征です。関越道経由で北へ向かい、長岡から進路を西に変えて一路越中の国へ向かいます。このルートを選んだのは、上信越道の渋滞を避けるためと、柏崎〜上越辺りの日本海を眺めるためでしたが、あいにくと道中は雨が断続的に降る有様です。昨日まで秋晴れ続きだったのに、よくもまあ狙ったように遠征日に降りやがる。いやぁホントに雨男、と言うよりほとんど雨魔神状態な僕です。でも同行の友人が「試合中限定」の晴男なので、カッパを着ての観戦にはならないと思いますが(事実そうなりました)。富山県に入って曇った海を眺めながら、そう言えばこの辺で宝石が取れる(かも知れない)んだよなあ、などと思っていました。富山県の朝日町宮崎・境海岸はヒスイ海岸として有名です。運が良ければ波に洗われたヒスイを見付けることが出来るかも知れませんが、まあ、そう容易く得られないからこその宝石な訳で。一攫千金が難しいように、いきなりチームが強豪になる訳でもないよなぁ、などと妄想を巡らせたりします。
 甲府戦の興奮冷めやらぬ中、早くも試合がやってきました。今節はアウェイ。久々のアウェイ参戦です。そして、今日の対戦相手は、これまでのところ1分1敗無得点と分の悪いカターレ富山です。過去2戦は、いずれも速攻カウンターに苦しめられての結果だということがはっきりしているので、そこさえ踏まえていればそう易々とやられはしないだろうと思うんですが、どうでしょうか。
 カターレ富山のホームスタジアムである富山県総合運動公園陸上競技場ですが、まず専用無料駐車場が近くてたくさんあります(毎度くどくてすいませんね。でも大事な事ですんで)。メイン側ゴール裏には大型オーロラビジョンが「でーん」とその存在感を示しています。動画映像付きのコマーシャルは効果絶大だと改めて感じます。天気が良ければアウェイゴール裏方向に立山の峻峰が眺望できるという好ロケーションも魅力的。スタンドはメイン〜ゴール裏〜バックまでが2階部分にシートを設けていて、バック・ゴール裏については1階部分が芝席となっています。ゴール裏2階席からの展望は高度差が稼げる分良好で、概ね全体の様子が掴める感じです。敷島にいらしたお客様が「スタグルメは立派なのにこのゴール裏は…」、と軒並みガッカリされているのを聞くに付け、こうしたスタジアムが羨ましくもあり、他方申し訳なくも思いますよ、ホント。7億円かけて(野球場をプロ規格に改修して)県内の野球ファンを年数回呼び寄せるのも結構ですが、遠路はるばる全国各地からいらっしゃったサポーターという名の観光客をもっと大事にしてリピーターにするとかいう考えは浅はかなのかな?(>ねえ、県関係の中のヒト)
 さて、アウェイの楽しみの一つと言えば、スタジアムグルメでしょう。各スタジアムごとに特色ある「旨いもん」が来訪者の舌を楽しませてくれます。と言うわけで早速物色します。まず場外の物販テントでめっけたのが中華点心。ここでは豚の角煮を挟んだ包子「クワパオ」を購入。続いて場内物販で見付けたのがブラジル料理の屋台。ここでは「ブラジルコロッケ」と「ブラジルサンド」を購入。スタンドに戻っていただきま〜す^^。クワパオは角煮が軟らかくてグッドだし、コロッケはチーズが良い感じ。で、今回一押しはブラジルサンド。パン生地に挟まれた牛すじの煮込みが実に旨い。もぐむぐはむはむとサンドを喰らいながら、今日のスタメンを確認します。GK:21・常澤選手、DF:18・小池選手、4・田中選手、15・喜多選手、7・佐田選手、DMF:6・櫻田選手、30・松下選手、OMF:14・熊林選手、10・廣山選手、FW:34・小林選手、27・都倉選手、リザーブ;GK:22・北選手、DF:26・藤井選手、MF:8・山崎選手、FW:11・氏原選手、19・後藤選手。良い時は変えない、というセオリーを踏襲して、前節と全く同じ顔ぶれです。中2日の厳しい日程で、前節の激戦を戦ったメンバーが今日も戦場に立つことになります。応援することしかできねぇけんど、怪我しねぇように頑張ってくんなぃ。今節の注目選手は、なんと言っても小林選手でしょう。衝撃的なJデビューゴールを飾った前節の活躍を見る限り、トップスピードが、というよりは瞬発力が抜群だなぁという感想です。荒削りだががむしゃら。こういうラッキーボーイの出現がチームに色々と良い効果を及ぼすものです。今節も、タッキーヨロシク!
 150人ほどの草津サポによる迎唱・ラスハルを纏いながら、久しぶりに見る白いアウェイユニの選手達が美しい緑のピッチに散り、試合開始となります。さて序盤の攻防はいかが相成るか、と思う間もない前半2分にいきなり大きな動きがありました。草津のスローインからの場面は、何の変哲もなく進行するかと思われましたが、ボールを受けた佐田選手が素早く前線へフィードしたことからショートカウンターの型に嵌りました。佐田選手は右サイド前方の熊林選手へパス。熊林選手は富山DFをそれぞれマーカーとして伴っていた3人の攻撃手;左サイド・廣山選手、中央・都倉選手、右サイド・小林選手を一瞬で一瞥し、最も守備の薄い(→都倉選手が巧みな駆け引きでDFを引き剥がしていた)中央をチョイス、センタリングを蹴り込みます。いつでも突貫できる態勢で居た都倉選手とパサーの熊林選手の間でばっちり意識の共有が取れていました。ボールは都倉選手の頭上へピタリ。競りかけるDFをものともせずに高く高く跳ぶ都倉選手。頭を左へひねりながらのヘディングシュートは一閃、GKの前でワンバウンドしてその手をかわし、そのままゴールマウスへ収まります。GOOOOOAL!!! 最初のワンチャンスで、しかもほとんど手数を掛けずにゴールゲット。何という理想的展開。ただ、これで満足したり気を抜く者は今の草津にはおりません。痛い目いっぱい見たしね。果敢に追加点を目指します。これでプランが狂ってドタバタするかと思われた富山ですが、意に反して堂々たる攻勢で草津ゴールを目指してきます。僕は観戦中に簡単な記録メモを取っているんですが、時間の経過と共に増えてゆくのは「T・CK(=富山のコーナーキック)」「T・FK(=同じくフリーキック)」の文字ばかり。その数実に5+11=16本!(ちなみに草津は0+3=3本)。草津ゴール前でボールが行き交うシーンは、実に心臓に悪い。それでもGK・常澤選手を筆頭に、ブロックとスウィープに体を張るCDF・田中、喜多両選手、フリーでセンタリングを上げさせないようにチャージをかけるSB・佐田、小池両選手などの粘り強い守備の甲斐あって決定機を封殺します。前半はこのまま終了。息詰まる、とはこの事で、本当に息を止めていた時間が多かったみたいです。ぷはー、と大きく深呼吸をしてベンチに座り、後半を待ちます。
 後半は富山がカウンターアタックから反撃の狼煙を上げます。後半4分、警戒していたカウンターアタックを許し、ゴール前へ肉薄されるピンチでしたが、GK・常澤選手が落ち着いて対応し、出だしで転けるいつもの悪い流れに陥るのを阻止します。後半8分、今度は草津の番です。左サイドスローインから右へ大きくチェンジ、そこでレシーブした佐田選手が速いセンタリングを蹴り込みます。このボールの落下地点に走り込んだ小林選手、迷わず右足を横切りにしボレーシュートを放ちます。シュートはGK正面に飛んでしまったためあっさりキャッチされてしまいましたが、クロスボールへの反応やノートラップで撃ちにゆく胆力、撃ち切るスキルなど、いやはやこの選手は化けるぞ。大化け。しかしこのシーンの後はまたしても富山タイム。メモ帳には前半と同じく「T・○○」が並んでゆきます。後半18分、カウンターから富山・石田選手にフリーでミドルシュートを放たれます。フリーで打たれると結構変なコースへ飛んじゃって、しかも入っちゃったりするんで気を付けなくてはいけません。このシュートも良い感じに横方向へ逸れて行き、しかも枠に収まる軌道です。しかしながら、今日も常澤選手はキレキレです。横跳びでこれをセーブ、続くCKも守備陣総力で防ぎきりました。後半19分、廣山選手→山崎選手の交代が行われます。前線でのムービングによって富山の守備に隙間を作り出そうとする狙いがあると見ました。やはり、このままでは1点を守り切っての勝利は望めないとベンチは判断した模様。そりゃそうだ、中2日で同じ選手がこれだけ走り回っているんです。後半も20分を過ぎた頃になるとすっかり足色が悪くなってます。気力で頑張ってる、そんな感じが伝わってきます。そして後半29分、熊林選手→後藤選手の交代です。この選手交代から前線のフォーメーションを変更し、4-5-1(4-2-3-1)あるいは4-3-3となっているようです。都倉選手をターゲットの1トップとして小林・後藤両選手を2シャドーとすることで、富山側にカウンターを警戒させる心理的側面を含ませた巧みな戦術です。また、オフェンシブメンバーを増やすことによって、攻撃に重点を置くというよりは、高い位置でのポゼッションを確保することを意図してもいるでしょう。この効果、と言うか副作用として、富山のカウンター攻撃の起点を富山陣内へ押し込めることが可能になりました。また、富山陣内での細かいパス交換が増えることによって相手の体力的・心理的な疲弊を誘発するといった、いわばボディブローのような効果も徐々に見えてきています。この辺りのいやらしいやり方は草津に一日の長有り、と言ったところでしょうか。後半31分は更に剣呑。富山の右CKは良い感じにゴール前に落下。金選手のヘディングによる初撃はからくも12番目のフィールドプレイヤーたるクロスバーに当たってリフレクト。続く第2波をGK・常澤選手が手を出して弾き、こぼれ球を松下選手がハイパーキックで大きくクリアして凌ぎきりました。アブねぇアブねぇ。富山に押されながらも耐えた先に草津のチャンスが待っていました。後半36分、相手DF4人に対し寄せ手4人が向き合う布陣。ここで櫻田選手が中央へ移動しつつ相手DFのギャップを衝いて縦にスルーパスを入れます。これを後藤選手が受けて(と言うか受け損ねて足で跳ね上げたようですが^^;)、ボールは最終防衛ラインを越えます。このボールに反応して飛び込んだのがステルス・小林選手。オフサイドラインをかいくぐり、DFのシャドーゾーンから飛び出した小林選手。GKと対峙する様は前節のリピートのようです。この状況で外す選手でないことは実証済み。落ち着き払ってゴールへと流し込みます。GOOOOOAL!!! 試合の大勢を決する2点目を得たことで、草津の守備意識はますます向上してゆきます。後半43分、殊勲の先制点をあげた都倉選手から氏原選手へバトンタッチ、都倉コールに続く氏ダンスで両選手を讃え、鼓舞します。ロスタイム、最後のCKをカッチリ封じて試合終了のホイッスルが鳴り渡ります。
 ゴール裏へ挨拶に来た選手達は一様に汗でびっしょりでしたが、皆苦しい試合を戦い抜いた充足感で満たされているようです。嬉しそうに談笑する選手を見るのはいつでも心躍ります。スコアは0-2でしたが、ここまでご覧の通り、この数字からは感じられないほど草津は押されていました。それでも完封出来たのは、ただの一瞬たりとも集中を切らすことなく、粘り強く守り戦ったからだと、この目で見た者として証言できます。
 この結果、5月以来となる2連勝達成となりました。力押しでもぎ取った、というものではなく、なんとかかんとか、という感じではありますが。しかし、今日の勝利は、連勝以上に意味あるものだと思います。言葉にするより実際にスタジアムで見た方が分かり易いんですが(と言う訳で是非ホームスタジアムへご来場下さいませ)、敢えて言葉にするならば、「粘り強さと連帯感」かな(なんとも前時代的で泥臭いフレーズだぃね。うちらしくて良いけど^^)。あれだけの数のCK・FKを雨あられと浴びながら、結局まともなシュートはほとんど打たせませんでした。ルーズボールからのセカンドアタックも、全てゴール外に弾き飛ばしました。どこかのタイミングでほんの一瞬だけでも連携が乱れていたら、後一歩をためらってアタックしていなかったら、試合の結果は違うものになっていたかも知れません(と言うかその可能性が高いかも…)。と、ここまで書いていて今季の過去を振り返ると、「意思の疎通を欠いて…」とか、「あと少しの積極性があれば…」とか、そのような事柄が山のように出てくる訳です。なあんだ、ミラーケースが勝利に繋がっていたんだね、って話。連勝を果たしたこの2戦、堅守で手練れた甲府と引いて守って速攻カウンターの富山という実に多様なスタイルを相手にして、しっかり完封して得た勝利。これを通して、局面に応じて自身のスタイル(戦術)を変え、それでも貫くべきポリシーの根幹は揺るがない、そんな目指すべき草津の理想像がおぼろげながら見えたような気がしました。 勝ったから言う訳ではないことを最初にはっきり述べておきますが、僕は佐野監督の目指す道には賛成です。そして3年は面倒を見て頂きたいとも思っています(このまま負け逃げは許さないよ?ってのもありますが(笑))。もう色々と基盤の弱いJ2のチームで、少し成績が伴わないだけで一々監督を解任していたらお金がいくらあっても足りません(ここ力説!)。選手だって欧州の超一流どころならばいざ知らず、東亜の島国ともなれば、今日の明日で変更された戦術を体現できるようになるなんて、まあ不可能です。いきなり高価な宝石を買おうとしても、身の丈に合わないことをして身を滅ぼすだけです。無名に近い選手の山から宝石の原石を見つけ出し、時間と手間を掛けて丹念に磨いて、それで小さいながらも楽しい我が家を飾ろうじゃあないですか。幸い、どうやらうちのクラブの中のヒトは原石を見抜く素晴らしい眼力を持っているようなので、今後も楽しみですよ。
 草津生え抜きの選手達、他クラブで出番を与えられなかった若い選手達、幾つものクラブを渡った末に草津に漂着したベテラン選手達。誰もが必ず一つずつ、光るものを秘めているはず。それを見出し、磨き込むのは自身です。一人一人のそれは小さい輝きだとしても、しっかり磨いてみんなの分を集めれば、それはそれは目映い輝きとなって僕らの明日を照らしてくれることでしょう。もっともっと光り輝け!草津の原石達よ!【ほーせん@高崎】




■ 2009年9月27日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第42節

ザスパ草津 2−0 水戸ホーリーホック

正田醤油スタジアム群馬 6069人

可能性の発露

 後半開始早々、薄暗くなったスタジアム上空から、細かい雨が落ち始めた。予報を信じ、雨具を用意してこなかった僕らは、上着のジッパーを目いっぱい上まで上げ、カバンの中からレジャーシートを取り出して膝の上に広げて凌ぐことにした。そんな慌ただしい観客席を尻目に、草津−水戸の北関東ダービー今季最終対決は、両チームの選手の気迫がぶつかり合い、クライマックスに向けて刻々と時を進めていた。
 ここまで直接対決で1分1敗、試合内容でも順位でも完全に水戸の後塵を拝していた草津。しかし、第3クール序盤の大量失点がウソのように、直近2試合では粘り強い守備で相手を零封。湘南からレンタル移籍の小林が2得点と、ラッキーボーイ的な活躍を見せ、5月以来実に4ヶ月振りの連勝を飾っていた。対して水戸は、シーズン序盤から快進撃を見せ、8月まで堂々昇格争いを演じていたが、9月に入り急失速。前節勝ち点で並ぶ鳥栖に破れ、3連敗となっていた。J1という到達点が霧に霞んでいく中、この日のアウェイ草津戦を迎えた。
 「北関東一のサポーターがついてるからな!!」の大弾幕を掲げる草津サポーター。前回の対戦では雨中のひたちなか陸上競技場のアウェイ席を大観衆で埋め、この日も6,000人を超える観衆でメインスタンドはほぼ埋め尽くされた。キックオフ前から声量と迫力で水戸サポーターを圧倒し、選手を後押しする。
 試合開始に先立ち、草津FW高田のJ通算400試合出場を祝うセレモニーが行われた。ケガで戦列を離れている高田はスーツ姿で登場し、家族から花束を手渡された。ケガに泣かされ、思うように結果が残せていない彼にとっては、波に乗り切れないチーム状況と相まって非常に歯がゆいシーズンとなっているが、J2歴代最多出場という輝かしいキャリアを今後も続けていくために、今は回復に専念し、必ずフィールドに帰ってきてほしい。
 そして、いよいよキックオフ。水戸は前線にベテラン吉原を起用し高崎とツートップを組む。荒田はベンチスタート。木山監督は、今期の草津のウィークポイントである、高いDFラインの裏にボールを入れ、ゴールを陥れるようという狙いがあるように見える。対する草津は、前節富山戦での累積警告でDF田中が出場停止。藤井と喜多のセンターバックコンビかと思われたが、直前に喜多が負傷し、U-23から昇格した有薗に先発のチャンスが回ってきた。また、熊林も前節で負傷交代し、中3日では回復も見込めず、代わって佐藤穣が左サイドハーフに入る。連勝しているとはいえ、ここまでほぼ毎試合出場のレギュラークラスを2人欠くという苦しい布陣でこの試合を乗り切らなくてはいけなくなった。
 序盤は水戸がボールをつなぎ、FW2人のコンビでゴールに迫る。しかし、思っていたよりロングボールを蹴っては来ず、最終ラインからのビルドアップでボールを運んでくる。Jデビューの有薗は、クリアがタッチラインを割るなど、序盤こそ緊張から固さが見えたが、徐々にその危機察知能力の高さを生かし、水戸の強力FWに対応していく。序盤にあっさり失点することが多かった今期の草津だが、ここ数試合は球際での粘り強い守備が奏功し無失点を続けている。前線からのチェイスで相手の攻撃を遅らせ、パスコースを限定し、中盤の運動量で相手パスをカットし、ゴール前でのピンチでは、身を挺してボールをブロックする。試合経験から自信を得た常澤の素晴らしいセーブも大いに貢献している。何よりあきらめずにボールを追い、相手に喰らいつく姿は下位カテゴリから這い上がってきた草津のアイデンティティだ。
 その守備で水戸のボールを奪うと、中盤のパス回しから松下が空いたサイドに展開し、佐田が相手陣内に切れ込んでクロスを上げ、小池は得意のミドルレンジからのシュートを狙う。廣山が随所でベテランらしい味を見せると、若い佐藤穣はドリブルを仕掛けて相手の守備を霍乱する。櫻田は持ち前の豊富な運動量で自陣から相手ゴール前まで顔を出し、都倉はハイボールを競り、小林が裏を狙う。ただボールを回すだけのポゼッションではなく、時折ロングボールを織り交ぜることで、相手に的を絞らせず効果的な攻撃ができている。
 後半も一進一退の攻防が続く。雨を伴って気温もぐっと下がる中、得点はひとつの判断ミスをきっかけに生まれた。DFからの不用意なバックパスを受けた水戸GK本間が、都倉のプレッシャーを受けタッチラインに逃れる。スローインからつないだボールを松下がシュート、こぼれたボールをゴール前に張っていた小林が拾い、一度は本間に阻まれながら、跳ね返ったボールを再び小林が蹴りこみ、ネットを揺らす。GOOOOOAL!!! これで3戦連続3得点。しかし、小林の勢いは衰えることなく、チームに大きな推進力を生んでいく。7分後、ドリブルで相手陣内に持ち込んだ佐藤穣が相手ゴール左にスルー、長い距離を走った櫻田が折り返し、廣山の放ったシュートはブロックされたが、ボールがこぼれたところに待ち構えていたのは、またしても小林。GOOOOOAL!!! 難なくゴールを奪い、この日2点目。小林のポジショニングが絶妙なのは間違いないが、サイドに流れて相手DFを引き出し、スペースを作る都倉がいてこそ、チャンスが生まれるということも忘れてはいけない。
 点差を広げられた水戸は荒田、金澤と2枚のカードを同時に切り、打開を図る。対する草津は2得点の小林を早くも下げ、後藤を投入、さらに追加点を狙う。そして、その後藤のスピードが生きる場面が訪れる。松下のスルーパスに反応し、トップスピードに乗りかけた後藤を引っ張って倒した水戸DF中村が一発退場。水戸は数的不利というさらに困難な状況に追い込まれる。それでも、代わった金澤の突破や荒田のシュートで草津のゴールを脅かすが、ゴールには至らない。草津は都倉に代えて氏原を投入し、水戸は菊岡に代えて森村を投入。刻々と過ぎていく時間の中、今度は自陣バイタルエリアでファールを犯した藤井がこの日2枚目のイエローで退場。終盤を迎えて、試合はさらにヒートアップしていく。センターバックが退場したことで、草津は佐藤穣に代えて秋葉を投入。そして、最後まで集中を切らさず、守りきった草津が、今期の北関東ダービー初勝利を2−0の完勝で飾り、3連勝。水戸は泥沼の4連敗となった。
 雨が降り続く中、観衆は総立ちでイレブンを迎え、喜びを分かち合った。勝利の草津節がスタジアムに響き渡る。累積出停と故障でベストメンバーを組めない中、佐藤穣、有薗、秋葉と、ここへ来て控え組が結果を残したことは非常に大きい。そして、加入から間もないにも関わらず、結果を残し続ける小林。「全員攻撃、全員守備」の佐野サッカーが、経験値を経て次なるステージへと進んだ。【yosuie@中毛】




■ 2009年10月4日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第43節

横浜FC 1−2 ザスパ草津

ニッパツ三ツ沢競技場 3333人

J昇格後最多タイの4連勝



  ザスパは前半40分に先制点を奪われたが、後半15分にFW都倉賢がPKを決めて同点とすると、同39分に都倉が再びゴールを奪って勝ち越した。(10月5日『上毛新聞』より引用) 




■ 2009年10月7日(水) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第44節

ザスパ草津 0−1 サガン鳥栖

正田醤油スタジアム群馬 1579人

あの一瞬だけが

 キンモクセイの甘い薫りに包まれた敷島の杜。赤道熱帯の風雨を遠くここまで運ぶ大渦の余波は、強く/弱くを繰り返す雨粒となって体を打ちます。平日のナイター(ナイターはこれが最終戦となります)でしかも台風接近中という、この上ない悪条件にも関わらず、愛する我が草津のために今日も敷島に集う人々と僕。昇格戦線の蚊帳の外ではあるものの、そんなこたぁどうでもいいんだぃね。草津試合する−選手頑張る−僕たち応援する。これで十分。あ、出来れば勝ってくれたりするとなおいいんだけど^^。直近において昇格レースに関わる甲府、水戸らを連破して積み上げた連勝はここまで4。今日の対戦相手・鳥栖も同じく4連勝中で、なおかつ昇格レースの真っ直中にあります(ちなみに、草津・鳥栖共に5連勝すればクラブ記録となります)。草津は過去2戦において大量失点で2敗するなど、今季苦手とする相手でもあります。かてて加えて、現在J2で最も勢いのある強敵だったりもします。借りを返すんだという強い気持ちだけは失わないで立ち向かってくれることを希望します。
 本日のスタメンは次の通り。GK:21・常澤選手、DF:18・小池選手、4・田中選手、32・有薗選手、7・佐田選手、DMF:6・櫻田選手、26・藤井選手、OMF:14・熊林選手、25・佐藤(穣)選手、FW:19・後藤選手、27・都倉選手、リザーブ;GK:22・北選手、DF:17・秋葉選手、MF:8・山崎選手、10・廣山選手、FW:34・小林選手。今節はボランチにして攻守の要である松下選手が出場停止です。このポジションを誰が務めるのかと思っていたら、CDFが本職の藤井選手が起用されました。てっきり熊林選手が入るものと思っていましたので、少し驚きましたが、初めてのことでもないのでそれほど心配はしなくても良いでしょう。鳥栖の島田・ホベルト→ハーフナーラインを警戒して、やや守備的にしているのかも知れません。こんな天候なので、いつも通りのやり方がそのまま出来るとは限りません。臨機応変、相手の裏をかく事が勝利への道かと。そして、スリッピーなコンディションなので、ともかく低く速いシュートをたくさん撃つことが肝要です。撃って撃って打ち克つぞ〜!
 雨天なんのその、試合開始から草津は持ち前のパスワークで試合を練り上げてゆきます。前半5分、中盤を細かいパスワークで繋ぎながら攻め上がり、センタリングからシュートまで持ってゆくなど、草津らしい良い攻撃姿勢が早い時間から見られます。前半12分、中盤でのゆっくりした組み立てから熊林選手が縦へスルーパスを繰り出します。これを受けた都倉選手がポストとなって併走する佐藤選手へ横パス。佐藤選手は寄せる鳥栖DF数人を引きつけながら再度併走する都倉選手へリターンパス。都倉選手は群がるDFの壁に阻まれながらも前方で待機する後藤選手へパス。後藤選手はレシーブしてすぐにシュート態勢に入ろうとしましたが、鳥栖DFの寄せがきつかったため前を向けず、マイナスのパスを後方から駆け寄る櫻田選手へ送ります。櫻田選手、このパスをダイレクトでシュート。ボールはいい感じにゴールを目掛けて飛んで行きましたが、僅かに右へ外れてしまいました。形は出来ています。次は入れよー。前半19分、GK常澤選手のスローパスからの展開は、熊林選手が右サイドをドリブルで一気に駆け上がってのカウンターアタックです。熊林選手は中央でフリーになっている後藤選手へパスを預けます。後藤選手はDFの寄せがない好機を見逃さずにすかさずミドルシュートを放ちます。勢いのある鋭いグラウンダーのシュートでしたが、GKの好セーブに阻まれます。前半の展開を見ていると、草津の戦術はおそらくチームオーダーなのでしょう、試合開始から4バックの最終ラインを維持し、その一列前のDMFとの2ラインで守備ブロックを形成してハーフナー選手や山瀬選手が繰り出すカウンター気味の攻撃を封じる、といった守備的なものとなっています。鳥栖の方も中盤をコンパクトにしつつも守備ブロックを堅くして草津の攻撃をしっかり封じます。その後は両軍の守備ブロックがしっかり機能した結果、FWに効果的なボールが供給されることが少なく、双方共に決定機を作れないまま前半終了。草津としてはポゼッションで優勢であったし、シュートもそれなりに打てていましたので、流れ自体は悪くないと思います。後半に大いに期待が持てます。
 さて後半。雨も小降りになってきました。基本的な戦い方は双方共に変更なく、序盤は静かな立ち上がりです。勝機を見出したい両陣営、先に動いたのは草津。後半8分、後藤選手→小林選手への交代を行います。今日の後藤選手、中盤でのせめぎ合いのためボールに絡むシーンがなかなか作れなかったのは残念ですが、今日も懸命なチェイスを魅せてくれました。涼クンお疲れ様でした。交代投入の小林選手、やるべき仕事は一つです。期待してるよ〜♪後半13分、鳥栖が山瀬選手→トジン選手の交代を行うと、鳥栖の前線での動きが活性化します。後半もこの時間帯になってくると、鳥栖の攻撃戦術がはっきりとし、そして徹底してきます。それは、ボランチから島田選手あるいはホベルト選手を経由して素早く前線のターゲット(多くはFW・ハーフナー選手)へボールを入れる、というもの。とりわけ島田選手は、ボールを受けてから状況判断をしてターゲットマンの足元へ、あるいは前線のスペースへパスを出す際に躊躇がありません(止まって→見て→考えて→出す、ということをせず、流れるようにボールを捌きます)。そして「ああ、あのスペース空いてるし、そこ出されるとやだなぁ、でもそこに出すんだろうな」と分かっていても、草津の選手は誰もそのボールに手が出ない、手が出せないという位置へ配球してくるから始末が悪い。畏るべし島田裕介後半15分、鳥栖左CKの場面では草津DFがゴール前でクリアミスをするなど危ない局面でしたが、辛くも凌ぎきりました。雨の日の試合はこれがあるから怖いやぃね。どうもこの辺りから鳥栖が草津のゴール前へ進入する機会が多くなったように感じます。後半に入って鳥栖が前線へロングボールを入れてくることが多くなったのが一つ要因としてあります。ロングボールのクリアボールを得た側がショートカウンターを仕掛ける、そんな場面が多く見られるようにもなってきました。カウンターの応酬は草津の望むところではありません。この状況を落ち着かせるため、草津は後半21分に佐藤選手→廣山選手の選手交代を行います。草津は中盤での「ため」がある程度回復し、ポゼッションの確保も徐々に持ち直してきましたが、鳥栖の攻撃パターンに大きな変化はなく、相変わらず攻守にわたって選手が振り回されているといった状況です。後半開始頃から小やみになっていた雨が、30分辺りからまた少し強くなってきました。胸騒ぎがします。そして、こうした根拠のない予感は、しかし概ね現実となって目の前に現れるのです。後半34分、鳥栖ゴールキックからの展開です。ハーフウェイでハーフナー選手がハイボールを競ってボールを前線へ飛ばすと、これを受けた高地選手がドリブルで持ち上がり、4人の草津DFの間を縫うように走る2人の味方選手のうちから中央へ切り込んだ武岡選手へスルーパスを出します。武岡選手がパスを受けた時点でシュートコースは花道全開。何となれば、草津のDF4名はきちんとした守備体系をとらずほとんど密集したままだったからです。フリーシュートのコースにはDF4人が入ることは出来ず、為す術なくただ見送るのみ。さしもの守護神・常澤選手もお手上げでした。シュートボールは左ポストに当たった後、ゴールマウスの中へ。直前のプレイ(鳥栖ペナルティエリア付近でのハンドが審判に認められないことに数名がアピールしていたんですが)に気を取られている、ほんの少しの気の緩みにまんまと付け込まれました。この試合でただこの時、この一瞬だけがエアポケットでした。「強い」=「勝ち続ける」チームは、こうしたワンチャンスを決して逃しません。それから、毎度思うんですが、試合中の審判の判定は決して覆りません。たとえそれが誤審であっても。選手もそれは十分承知しているはずです。が、アピールや抗議が目立ちます。もう一回言います。審判の判定は絶対です。ならば、目の前のボール・選手の動きに細心の注意を払い、一時たりとも気を抜かないようにするのが重要だし当たり前なんじゃあなかろうか。この先制ゴールは、少ないタッチできれいに決まったカウンターショットで、決めた鳥栖が素晴らしいということは当然ながら、先に述べたことから、草津の凡ミスが背景にあることも忘れてはならないでしょう。それまでの火花散る鍔迫り合いが続く中、先制点はまさに嵐のようにあっという間に奪い去られてしまいました。失点するまではある程度プラン通りに鳥栖の攻撃を封じることが出来ていた草津ですが、1点ビハインドの状態はこのままでは覆せません。後半38分、守勢の布陣を藤井選手→山崎選手の交代によって櫻田選手のワンボランチ、中盤をダイヤモンドに変更して攻撃的布陣に転換、同点、逆転を目指します。草津は俄然「前へ」の姿勢を崩さず攻撃の手を緩めませんが、鳥栖がのらりくらりとかわして草津の好きにはさせてくれません。何より時間がない。そしてタイムアップ。
 好ゲームではありました。草津がやろうとするサッカーは結構体現出来ていたと思います。パスワークは美しいほどでした。選手の気迫も大いに感じられました。惜しむらくはあのワンプレイ、あの一瞬。鳥栖が繰り出した渾身のワンパンチに沈んだ、と言える試合でした。負けて悔いなし、とまで達観は出来ませんが、綿密に練った戦術をしっかり表現しようとし、そのことに関しては誰も手を抜かなかった、という点において彼らを責めることは出来ませんよね。ここまで頑張ってくれれば、次への期待も持てようというもの。着実に我がチームは進化している、と思わせるに十分な内容であったと評価したいと思います。
 リーグ戦も残り僅か。その中には昇格争いをする上位チームとの対戦が残っています。今季の草津の集大成として、それら強豪を打ち倒して、昇格レースを左右する台風の目になってやろうじゃあないですか!【ほーせん@高崎】




■ 2009年10月17日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第45節

ザスパ草津 1−0 FC岐阜

正田醤油スタジアム群馬 4610人

Logical Game

 時折肌をなでる風がどこか爽やかな、そんな穏やかな秋の昼下がりです。敷島の杜はいつもお祭りのような賑わいで、これだけは他チームのホームスタジアムに負けていないと胸を張れるものです。そして今節は、ずいぶん前からクラブ・サポーター有志が一体となって推進してきた9325プロジェクト、ホーム戦を満員にしよう!という企画の当日です。僕もささやかではありますが、職場の人間をホーム戦に勧誘してきました。クラブチームとサポーターの乖離が話題となるチームがある昨今、うちのチームは色々とこぢんまりとはしていますが、こういう企画が出来るうちは明るい希望がいっぱい持てそうだな、と思えます。小島伸行さんがかつて言った、「夢だけはいっぱいある(笑)」は今も健在ですよ。それから、今日は隣のサカラグでJFL公式戦・アルテ高崎 vs HONDA FCが開催され、J2草津戦との観戦コラボレーション企画も行われます。我々にもお馴染みの、「Jの門番」の二つ名を頂く強豪チームHONDAと地元群馬の雄・アルテとのマッチアップです。これは見逃す手はないやぃね。サカラグのメインスタンドには紺色のレプユニを着込んだ同好の士が多数居りますよ^^。拮抗した好ゲームでしたが、共に決め手を欠いてスコアレスドローでした。こういう良い試合が出来るんだから、もっとしっかりアピールをしてゆけば、更に盛り上げられると思うんですが、その辺りはいかがなんでしょうかね(もっとも、うちだってヒトのことを心配しているゆとりはあんまりねぇけんどね)。
 サカラグを後にして慌ただしく正田スタへ駆け戻ります。おお、選手コールが始まる始まる。コールをしながら今日のメンバーを確認します。GK:21・常澤選手、DF:18・小池選手、26・藤井選手、32・有薗選手、5・崔選手、DMF:6・櫻田選手、30・松下選手、OMF:14・熊林選手、10・廣山選手、FW:19・後藤選手、27・都倉選手、リザーブ;GK:22・北選手、DF:15・喜多選手、MF:8・山崎選手、25・佐藤(穣)選手、FW:24・三澤選手。この試合、出場停止明けの松下選手がスタメン復帰、櫻田選手と久しぶりのボランチコンビを組みます。また、先日の天皇杯で好パフォーマンスを見せた崔選手が先発の右SBです。同じく天皇杯組からは、控えではありますがFW登録で三澤選手が名を連ねています。CDFは、ここ数試合ピンチヒッターでDMFを務めていた藤井選手が本来のポジションへ復帰、登場以来良い働きを続けてくれている有薗選手とペアを組みます。サブながら、キャプテン喜多選手が復帰してくれたのも嬉しいです。シーズン終盤に向けて、新旧総力が一つにまとまりつつある、そんなことを感じさせてくれる今日のスタメンです。対戦相手の岐阜で注意したい選手として、大型FWの2人、西川選手と佐藤選手(共に180cm超の大型FWで、さすがに迫力があります)が挙げられますが、彼らよりも十分にケアしないといけないのは、なんと言ってもMFの染矢選手でしょう。今季初戦では自身J初ゴールにして決勝点を献上、第2戦でも決勝点となる(公式記録では)草津のオウンゴール(ですが、彼のシュートによる決勝点には違いありません)を奪われています。どういう訳か、うちはこういった因縁深い選手を作ってしまい、しかも度々手痛い目に遭うという事が目立ちます。負の連鎖を断ち切りましょう。
 澄んだ空気に吸い込まれ、そして拡散するように響き渡るラスハル。バックスタンドで紺一色のファンバナーが揺れる中、第45節開幕です。試合開始から両軍は中盤で激しい主導権争いを演じます。中盤の構成で草津は2-2ボックススタイル、岐阜は1-2-1ダイヤモンドスタイルという違いはあるものの、ここでのボール支配がゲーム全体の支配を左右することになるので、お互いが相手の機先を制しようとして火花を散らすのは自明の理です。前半9分、草津は自陣からのロングボールをハーフウェイで待ち受けていた都倉選手が競り勝ってゲット、そのままロングランへ移行します。今日の都倉選手、ここまでも前を向いたら果敢に突撃する姿勢を露わにしていますが、この場面でも相手DF3名の併走・プレスをかいくぐり、弾き飛ばしてシュートを放ちます。良いシュートでしたが、岐阜GK・野田選手が横跳びの好セーブを見せて防ぎます。序盤、既述のように互いのスタイルが似ていることから、中盤での攻防が激しくなっています。ただ、岐阜と草津ではパスワークの仕方で小さな、しかしそれが故に大きな違いがあります。すなわち、草津のパスの多くはタッチ数が少ないんです。瞬時に判断して躊躇なく人に、スペースにパスを出しているのが分かります。実はこれが岐阜の選手達に少なからぬ影響を及ぼすことになるんですが、それはもう少し時間が経ってからのお話しです。前半26分、有薗選手のパスミスから草津エリア中央でボールをロスト、数的互角、と言うより守勢に回って後手を踏んだ分圧倒的に不利な状況を作り出してしまいました。この場面では最終的に岐阜にシュートまで持って行かれましたが、偉いのは有薗選手が自らのミスを落ち着いたプレイでしっかりリカバリーしたことです。大局を見据えて対応した藤井選手の指示を守り、シュートコースを切りつつシューターへ身を寄せるといった勇敢なプレイで危機を凌ぎました。有薗選手、技術と経験を積んでゆけば、将来凄いCBに変貌するんじゃねん?と思わせるに足る雰囲気を持っています。凄い雰囲気の選手と言えば、今日の崔選手もその一人です。崔選手の優れた資質の一つとして、トラップ技術の高さが挙げられます。どんなロングボールであっても、ピッチリ足下へ止め、ボールを大きく反らせたり弾ませたりしません。ロングチェンジが多く、勢いの弱い正確なパスばかりが来るとは限らない(と言うか逆のボールの方が多いと思いますよ)サイドバックとして、全力で走りながらでも足元にボールを収めることが出来るこのスキル。小さいことですがこれがとても大事なんです。右サイドの仕掛けで綻びがない分、岐阜の守備はそちらのケアに腐心せねばならない訳ですが、そうすると左サイドの小池選手が完全にフリーな状況を獲得できるといううまい話です。前半のうちは岐阜の選手も元気なので、右へ左へ走り回って草津の思惑通りにはさせてくれませんが、それも今のうち。前半41分、岐阜バイタルエリアにおいて熊林選手が右サイド奥のスペースへスルーパスを流し込みます。これを懸命に追いかけた廣山選手がゴールラインぎりぎりからセンタリング。ペナルティエリア内には味方が3人入っています。まず飛び込んだのが都倉選手ですが、これはボールに届かずに不発。流れたボールはファーサイドでフリーになっていた小池選手が確保します。トラップの後に右足を振り抜いて鋭いシュートを放ちましたが、GKの正面に飛んでしまったのはアンラッキーでした。仕留められませんでしたが、ダイナミックな良い攻撃でした。前半は中盤の主導権争いが拮抗していたことからそれほど多くのチャンスは作れませんでしたが、ボールを動かした草津に対して人が動いた岐阜、という構図に映りました。はてさて。
 後半に入ると、やはり岐阜が機先を制して流れを掴みに掛かってきます。後半2分、岐阜は右CKから波状攻撃を仕掛けて、最後はフリーシュートまで持ってきます。この場面は外してくれましたが、こういう謂わば「シュート練習」を何度もさせていると、そのうちやられちゃうんで、ともかく危険の芽は早めに摘みたいですね。後半4分、今度は草津のターンです。左サイドを軸にしたパス回しの後、岐阜エリア中央の熊林選手から相手DFラインのギャップを衝く形で縦に早いスルーパスが流し込まれます。左サイドを駆け上がって行く廣山選手がこのボールに追いつき、ダイレクトでセンタリングを蹴り込みます。ペナルティエリア内には、ニアサイドにDF2人を十分に引き付けていた都倉選手、そしてファーサイドにはそのため完全にフリーになっていた後藤選手が居ます。ボールはその後藤選手の元へ落とされます。後藤選手、これをダイレクトボレーシュートでゴールへ蹴り返しますが、慌てたかな、大きく上げて枠外へ飛ばしてしまいました。いやあ、決定的だっただけに残念。それにしても前半といい、今回といい、廣山選手は良い所へセンタリングを入れてきます。直後の後半5分には、カウンター気味の速攻から熊林選手→左サイドの小池選手→センターへ走り込む櫻田選手のシュートという一連の攻撃、続く流れでも熊林選手→右サイドの小池選手がDFを切り返してかわしてそのまま切り込んでシュートと、分厚い波状攻撃を仕掛けます。絶好機だっただけにどこかで決めたかったですね。後半13分、岐阜陣内で細かいパスを次々と繋ぎ、最終的には都倉選手がシュートまで持ってゆきました。この場面は草津らしい技術とアイディアが結びついた攻勢だったので、出来れば決めたかったなあ。この頃から岐阜の中盤での連携が陰を潜め、やや間延びした状況が作り出されています。ここに来て前半から見え隠れしていた双方のチョットした違いが決定的な差を生み出しつつあります。ハードワークで疲れたか、岐阜。そしてこの辺りで、あれほど良かった天気が瞬く間に雨天へ変貌してしまいました。気象にも理があるんでしょうが、野外で応援している身とすれば不条理極まりない話です。と、天に向かって文句をたれていてもしようがないので、応援に集中集中。雨降る中、後半17分に廣山選手から山崎選手への交代が行われます。足色の悪くなってきている岐阜に対して体力勝負に打って出て走り克つ算段です。
 後半22分、フィールド中央からやや岐阜エリアに入った所でファールがあり、草津がFKを得ます。このファールも、激走する草津の攻撃に対してもはや追っかけファールでしか止められなくなっている岐阜のバイタル低下が原因です。草津のボディブローは実に効果的でLogicalだったという証左です。そして今日のクライマックスはここからスタートです。いつものように素早くリスタートした熊林選手から、一斉に走り出していた味方選手のうちで自由度の高い都倉選手へ一端パスが預けられます。都倉選手はポストになって味方選手の上がる時間をほんの一瞬ですが稼いだ後、一番近くに居た櫻田選手へショートパスを送ります。この時点で岐阜のDFラインは3人。対する草津は左から小池選手、中央へ都倉選手、右サイドに後藤選手がほぼ同一ラインで駆け込んでおり、更に2陣として山崎選手と熊林選手が後方からセカンドボールのフォローに向かって動いています。この状態で櫻田選手は自分にパスを出して追い越して行く都倉選手へのDFの寄せが一番甘いと見て取り、都倉選手が通り過ぎる時にちょこんと横パスを送ります。しかし岐阜のDFもそう易々とは抜かせまいと2人3人と体を寄せてきます。だがしかし、だがしかしである。その程度で怯み止まる選手ではありません。守備の壁を無理矢理こじ開けて右足を振り抜くと、低い弾道は岐阜ゴールを撃ち抜きます。GOOOOOAL!!! それにしても都倉選手の突破力は凄いです。かつて草津に在籍した選手で似たようなタイプの選手と言えば、奈良選手、カレカ選手、佐藤正美選手などが挙げられますが、都倉選手は破格です。とっくん、狙っちゃいなYO、得点王。これで主流を掴んだ草津は緩やかながら攻勢を強めます。これは果敢に追加得点を狙うというよりは、攻撃的プレッシャーを相手に与えることによって自軍の守備機会を減じる効果を狙った「守備的攻勢」とも言える高等戦術です(パスワークが破綻すると機能しなくなるという点において“高等”な訳です)。後半34分、左サイドの熊林選手からDF裏を衝いて飛び出した都倉選手へ長いパスが通ります。完全に抜け出してGKと1対1となってシュートを放ちましたが、ここはGKが良く防ぎました。そうこうするうち、後半も40分を経過。残り時間を考えると、ここから先の選択肢はそう多くはないでしょう。ここはもうね、死守です。後半41分に熊林選手→佐藤選手の交代、後半43分には後藤選手→三澤選手への交代で残り時間を乗り切ります。これまで残り時間でさんざん痛い目を(以下略)。そんな訳で、しっかり学習した選手達は岐阜陣内深〜い所でボールをホールド、焦れる相手を上手にあしらいながらしっかりしっかり時間を使ってゆきます。姑息?いえいえ、これもLogicです。こうして、しっかりばっちりかっちりと勝利への方程式を解き終えると、手の中には『3』という解答が残されていました。
 今日の試合、勝利の方程式は守備戦術とパスワークにあったと言えるでしょう。中盤での鍔迫り合いから瞬発的に突出して相手陣内深くへ奇襲をかける岐阜の速攻戦術に対応するために、DFの2ラインブロックを堅持するなど、相手のストロングポイントを潰すためによく練られた戦い方だと思います。そして、相手の速攻を支える走力を奪い取るように仕掛けられた巧妙なパスワークは実に頭脳的でした。うむ、Coolにして実にLogical。 今日は、出場選手みんながそれぞれのやるべき事を労を惜しまずしっかりとこなしてくれたからこその勝利だと思います。その中でも特に功労偉大な選手を挙げるとすれば、得点をしたこともさることながら、守備意識も高く攻守に走り回った都倉選手、相手の攻撃の芽をいち早く摘み取りつつ自軍の攻撃の起点となった櫻田選手、好機に至る道筋の原点に常に居るレジスタ・熊林選手、右サイドの橋頭堡から自軍の攻撃援護及び堅守防衛を精密機械のごとく遂行した崔選手、最終防衛ラインを緻密に制御し決定的場面を作らせなかったCBコンビ・藤井選手と有薗選手、番外編でどうしても書いておきたい選手として、ほとんど出場時間がない中でもボールの後をこれでもかという位に執拗に追いかけ回していた三澤選手、これらの選手となります。
 それにつけてもこの勝利の味の美味いことよ。こればかりは、どれほど知恵を絞っても再現出来るものではありません。
So, No LOGIC!
【ほーせん@高崎】



■ 2009年10月21日(水) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第46節

ベガルタ仙台 2−0 ザスパ草津

ユアテックスタジアム仙台 11009人

またも勝てず

 序盤は一進一退だったが、前半12分、ザスパは相手カウンターから先制点を許した。ザスパはエース都倉にボールを集めるものの集中した堅い守備の仙台に封じられ劣勢に。後半21分にはクリアミスを相手FWに奪われて失点し、リードを広げられた。ザスパは最後まで的確なポジショニングの仙台DFラインを崩しきれなかった。(10月22日『桐生タイムス』より引用)







■ 2009年10月25日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第47節

ザスパ草津 2−1 ファジアーノ岡山

正田醤油スタジアム群馬 3556人

勝負の分かれ目

 天候が優れません。どんよりと厚く覆う灰色の雲。雨も少し降ってきたようです。それでも世の中はスポーツの秋たけなわ。敷島の杜は、いずれの場所でもいつも以上にニギヤカです。河川敷緑地では少年野球をはじめとした各種球技が行われ、敷島球場ではダイヤモンドペガサスのチャンピオンシップ第2戦がナイターで行われるようです(ガンバレ!)。で、正田醤油スタジアムの正面前広場はと言うと、ここはいつも通りの盛況大祭りっぷりです^^。カレーうどんやら詰め放題パエリアやら、いつ来ても目新しい商品が並ぶ辺りは、さすがは商人郷・上州だけのことはあらぃね(笑)。
 良い匂いを嗅ぎつつオーバルの弧を東進して、バックスタンドの定位置に向かいましょう。さて、今節の対戦相手は、現在6連敗中で長いトンネルからなかなか脱せない岡山。かつての自分達を見る思い、なぁんて言っていられる様な立場ではありませんよね。今だっていつ同じ境遇になるか分かりはしません。とは言え、現在の草津は好調と言って良いと思います。守備の安定感が大いに増し、シーズン当初からの得点力も引き続き高いポテンシャルを維持しています。ただ懸念は、その得点力を牽引してきたエース・都倉選手が出場停止により今日はお休みだということ。となると、FW陣の一層の奮起が望まれる訳ですが、さてさて。ではいつものようにスターティングオーダーを確認しましょう。GK:21・常澤選手、DF:2・寺田選手、4・田中選手、32・有薗選手、7・佐田選手、DMF:6・櫻田選手、30・松下選手、OMF:14・熊林選手、8・山崎選手、FW:19・後藤選手、34・小林選手、リザーブ;GK:22・北選手、DF:15・喜多選手、18・小池選手、MF:10・廣山選手、25・佐藤(穣)選手。ここ最近のメンバーから、出場停止の都倉選手をはじめ、藤井選手と崔選手、三澤選手らが外れ、久々に左右SBが寺田−佐田コンビとなりました。久々と言えば小林選手。体調不良から欠場が続いていたリトルドラゴン、万全なのでしょうか。先発出場した試合での得点率は非常に高く(横浜戦以外の全先発試合で得点してます)、先発した時の勝率に至っては驚異の100%を誇っていますので、今日は大いに期待しています。都倉選手の不在時にはしっかりゲッターとなってくれる後藤選手にも期待大です。しかし、171cmの後藤選手と162cmの小林選手がコンビを組むこの2トップは、J最小ではなかろうか。→総じて高さのないメンバーとなるので、空中戦では苦しみそうです。ここは知恵の絞りどころですぞ。
 雨よ消し飛べ!の勢いで大気を振るわせる大声量のコール。戦場に立つ我らが戦士を鼓舞し、どうか勝利をと願う詠唱。草津を知り識る新旧監督の激突、3度目の開戦です。前半4分までの最序盤、草津は攻勢をかけてCK、ロングスローなどから決定機を2度3度と作ります。前半5分、草津は自陣右サイドで味方同士のパスミスから単騎突入を許して岡山に決定機を作られましたが、ここは必死にかわします。不用意なプレイでピンチに陥るのは感心しませんが、直後に返す刀で速攻カウンターを仕掛けたのはさすがです。草津の戦い方は、守備戦術を大きく変えた第39節(東京V戦)以降の、いわゆる「2ラインブロック型」の守備とパスネットワークによるポゼッションサッカーを一貫して展開しています。岡山の方はと言うと、ワントップの青木選手をターゲットとした攻撃姿勢で臨んでいます。また、トップ下からの中盤では果敢なプレスによる守備を見せています。ボール回しや展開力では草津に分がありますが、岡山のプレスの強さや久々にコンビを組む左右のSBの連携が今ひとつしっくりきていないことなどから、すんなりとは相手ゴール前にボールが入ってゆきません。ペナルティエリア内に侵入出来ないのであればと、前半16分には右サイドから松下選手が隙を見てロングシュート発射します。得点には至らなかったものの、こうした姿勢と行動は良い影響を試合に与えるものです。どんどんやろう。前半19分、草津は自陣左サイドでの攻防でミスを犯し、剣呑な場面を作り出してしまいます。櫻田選手が最終的にクリアして事なきを得ますが、不甲斐ないプレイに草津サポのコールが一層声量を増します。前半36分、松下選手に倣えとばかりに、今度は熊林選手がミドルシュートを放ちます。高さがない分、相手の意表を衝くこうした攻撃は効果的。と言うか、今はこれ位しか打開策が見出せないというのが実情か。贅沢を言うなら、この長いシュートに対して、こぼれ球を常に狙った次の動きが連動すると得点の機会はぐっと増えてくるのかなと。色々な事をやって攻略の糸口を見出そうとしますが、双方共にこれと言った決定打が繰り出せないまま前半終了です。前半は草津のポゼッションがやや優勢であったように見えましたが、主導権を握っているかと言うと、必ずしもそうではないと言うのが実感です。この要因は、中盤でラストパスあるいはその一つ前の効果的なパスがことごとくカットされたことにあると思います。岡山側が意図してそうなっている訳ではありませんが、結果的には「ボールを持たされている」状況にあると言えます。攻勢で起点が作りきれない草津としては、こうした状況が心理面で焦りを呼ばないとも限りません。ともかく、まず守備をしっかりして、慌てないで組織立った攻撃(遅攻〜速攻)を繰り返し繰り出す、これに尽きます。後半に期待。
 後半になると、草津のエンジンが徐々にかかり始めます。後半4分、草津の右CK(キッカーは熊林選手)はペナルティエリア中央に落下するセンタリングとなり、これに飛び上がった田中選手がヘディングにゆきます。しかしながら、相手DF3枚の壁が厚い!高い!ボールはこぼれ、このこぼれ球を直近に居た山崎選手がボレーで蹴り返しますが、やはり壁に弾かれます。さらにこぼれた球に駆け込んだ有薗選手が痛烈なシュートで押し込もうとしますが、これも枠外へ飛んでしまいます。この後立て続けに2回のCKを得たものの、決められず、何とも歯がゆい展開です。高さがないからねぇ、ハイボールは厳しいです。それにしても良くない、良くないよ、このパターンは。そう思えば実現する不思議。直後の後半7分、スルーパスを受けた岡山FW・青木選手が左45°からシュート。ここは常澤選手が好セーブで弾き出して防御しました。怖ぇ〜。油断も隙もありゃしません。後半9分、草津は速攻でゴールに肉迫、その際に岡山DFは堪らずキックでGKにバックパスしたんですが、ここはハンドの判定無し(…?いいの?)。そして訪れた本日の分水嶺は、後半11分、草津、相手陣内ほぼ中央・左タッチラインからのスローインの場面です。ボールはスロアーの田中選手から→後藤選手→櫻田選手→熊林選手・くさび→山崎選手とパスが渡され→山崎選手からのスルーパスに熊林選手が走り込んで前方は花道全開!が、直後に熊林選手が転倒します。ここで岡山DF・植田選手にペナルティエリアでファールを受けたということで笛が吹かれ、プレイが止まります。ん?と言うことは?騒然とする中、熊ちゃんだけは、いそいそとペナルティスポットにボールをセットしてます。そう、PK獲得です。しかも同時に、黄紙×2→赤紙で同選手が退場。岡山さんには気の毒ですが、草津としては願ってもない状況を得る事となりました。後半12分、キッカーは熊林選手。ゆっくりした助走から落ち着いてゴールへ蹴り込み先制。GOOOOOAL!!! PKはともかく、直前の一連のパス回しは実に綺麗でした。人数も居たし(4対4で数的イーブンなれど攻勢側が有利なのは常識)、あのままでも得点は出来たと思いますよ。これ以降、数的優位もあってか、草津は落ち着いてパス回しが出来ています。岡山は攻勢に出ないといけないはずですが、ちっとんべぇ足が止まってきたようにも見えます。後半17分には田中選手がドリブルで持ち上がってそのままシュートを撃ちます。シュートは枠を捉えていましたが、GK正面に飛んでしまいました。あっさりキャッチされましたが、攻撃姿勢が全面に出ていて良い傾向です。そして、この辺りの時間ではパスが良く回る巡る。ベンチワークで最初に動いたのは草津。後半19分、山崎選手→廣山選手へと交代。システムに変更はない模様です。数的な状況を考えて、前戦での支配率向上を狙ったものと思われます。後半28分、草津自陣深い位置での右タッチラインからのスローインでリスタートです。いや、ね、ここからが凄かった。スロアー・佐田選手→熊林選手→後藤選手→田中選手→寺田選手・左サイドをロングランドリブル〜左前方のスペースへスルーパス→走り込んだ廣山選手・ヒールでキックバック→エリア内で櫻田選手・DFのギャップへショートスルーパス→小林選手・GKとDFの2名に阻まれながらもボールをキープし左サイドへパス→廣山選手・ダイレクトでセンタリング→熊林選手・頭で落とし→櫻田選手・くさびでマイナスパス→後藤選手→熊林選手・低目のセンタリング(この“低目”が重要!)→中央でフリーになって居る小林選手へとボールが繋がりました。頭上から振ってくるボール目掛けて身長162cmのFW・小林選手がジャンプ一番、ヘディングシュートを敢行。地面に叩き付けられたボールはGKの直前で跳ね、その手をかいくぐってゴールマウスの中へ。GOOOOOAL!!! 優位に試合を運んだ中での追加得点は僥倖です。それにしても、ゴールに至るまでに繋いだパスは実に12本。今季の草津の真骨頂と言って良いでしょう。草津としてみれば、人数のこともあるので、堅守〜隙を窺って速攻カウンター、って具合で零封を狙うのもアリだと思うのですが(例えばDF・喜多選手を入れて3バックにするとか)、ベンチサイドはリフレッシュ・現状維持をチョイスする模様。後半35分に、小林選手→小池選手へと交代。小池選手は本来のポジションであるFWの位置に入ります。交代直後には前線へ攻め込んで起点となるなど、さすがはFW、と言える器量を魅せてくれます。しかし、ここからが草津にとってはお勉強の時間でした。後半35分、岡山・妹尾選手の左CKによるセンタリングを青木選手がヘッドでサックリ決めて、やらんでいい1点をあっさり献上。フリーダッタヨ?直前にSBの佐田選手が負傷でピッチアウトしてましたが、佐田選手は相手CK時には枠外に居るのが普通なので、不在は言い訳になりません。セットプレイには数的不利は働かないんです。集中せねば。後半42分、この試合でも実に効果的なパスを縦横に配球し、ゲームコントロールを担ってくれた熊林選手から若き司令塔候補・佐藤選手へと交代が行われます。出場時間は少ないですが、ちょっとドタバタしてきている終盤のゲームクロージングをしっかり差配して、色々と学んでも欲しいところです。ゲームクロージングという観点で言えば、ロスタイムに入って得点できるかも知れないチャンスに、後藤選手はコーナーでのボールキープを選択しました。自身二桁得点が目前であるにも関わらず、勝利を優先しての選択です。このプレイには色々と意見があると思いますが、僕個人としては、後藤選手の勝利にこだわる強い意志を感じさせてくれる良い判断と強烈なアピールであると感じていますし、大いに評価したいと思います。勝負を捨てない岡山は、最後まで果敢に攻めて来ます。ロスタイム、岡山・左サイドからのFKの場面では、GKもペナルティエリアに上がっての捨て身のパワープレイです。この流れでは、クリアボールを奪った後に数本のパスを繋いで無人のゴール目掛けて草津の選手が殺到し、最終的には佐藤選手がゴールに流し込みましたが、オフサイド判定でJ初ゴールを逃しました。稔クン残念。このワンプレイの後、試合終了。数的有利は必ずしも試合展開を有利にするとは限らない、と言うのが今日の教訓です(勝ったこともあるし、負けたこともあるし、ね)。
 この試合の勝負の分かれ目は?と聞かれれば、まあ、PKでしょう。なにしろ、攻撃の起点が作れない焦れた展開で藻掻いていたところで得た絶好機です。このPK・得点が試合に及ぼした影響は計り知れませんが、この得点は誰かがくれたものではありません。攻めたからこそ得られたチャンスだって事だけは失念してはいけません。勝負所を見逃さずにしっかりものに出来ると、自ずから勝利は転がり込む、そんな典型ではないかと。その勝負の分かれ目を、自分達で自作自演した挙げ句に敗れ去るという過去が少なくなかっただけに、今日は良く堪えてくれた、という感想もあります(伸るか反るかの局面は、実は結構ありましたよ;おお怖っ!)。無理押しすべきところ、突貫せずに堪えるところなど、勝負の節目節目を見極めてゆければ、それらを繋げた先に勝敗の分岐点が見えてくるのだと思います。この試合では、制空権を完全に握られ、得点力の低下が心配された中で、変えるべきところ(主に攻撃)と変えてはいけないところ(主に守備)を見定めて戦ったのが功を奏したとも言えます。この分なら、残りの試合も雄々しく戦っていただけるものと、ちょっぴりですが安堵してます。この期に及んで不安や不満ばかりを言い募っても詮無いですしね。明るい未来だけを描いてゆきたいし、そうしたって悪くないよね。 雨もすっかり上がり、でもちょっとばかり肌寒い昼下がり。今日の天気のように、すっきりさっぱりとではないながらも、キッチリバッチリ勝ってくれた選手達を頼もしく思い、鼻歌でラスハルを奏でながら秋の敷島を闊歩する、そんな素敵な週末になりました。【ほーせん@高崎】




■ 2009年11月8日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第48節

セレッソ大阪 5−0 ザスパ草津

大阪長居スタジアム 20727人

大敗の「お見送り」



 試合は今説でJ1昇格が決定するセレッソの意気込みが終始ザスパを上回った。前半1分にカウンターから鮮やかなミドルシュートを決められると同23分には追加点を献上。後半もザスパの攻守は全く機能せず、逆にセレッソが日本代表MF香川を投入し、さらに勢いを増すと後半15分、17分、23分と立て続けに追加点を決められた。(11月9日『桐生タイムス』より引用)







■ 2009年11月22日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第49節

ザスパ草津 1−2 アビスパ福岡

正田醤油スタジアム群馬 4267人

キーマン

 今日は駐車場の試験開放と言うことで、グリーンドーム北側の駐車場や敷島公園周辺の各駐車場、それから河川敷緑地の駐車場などがオープン利用できます。グリーンドームを右手に見ながら国体道路を北上しつつ駐車状況を見ましたが、グリーンドームに駐める人はあまり居ませんね。ここからだと結構歩くし、可能ならばもっと近くに駐めよう、って思うのが人情です(群馬県人ならもはや常識レベルの話^^)。僕は河川敷へ車を入れましたが、河川敷の各施設の利用(少年野球とか)がない割には車が入っています。それでも混雑と言うには程遠い状態です。かつてJFL時代に1万人オーバーの観客動員を記録した際でも、ここは十分受け入れることが出来ていたと記憶しています。他施設の利用者に迷惑が掛かるならいざ知らず、それら施設の利用がない場合、特にナイターの時などは、もっと積極的に利用させて頂きたいと、切に切に願います。あと、ついでに試合後の話を先に書いておきますが、各駐車場からの帰りの渋滞が懸念されるという話が頻繁に出されていますが(これが駐車場利用を拒む理由にもなっているようですが)、高崎環状線や国道17号、旧道の高前バイパスなどの朝夕のラッシュを知る身としては、全く問題にならないレヴェルだと断言しておきます(車が1分以上同じ所に止まる事なんてありませんし)。駐車場の出入りを係員が誘導してくれるのはありがたいですし、なにより徒歩で道路横断する時に係員が車輌整理をして横断をさせてくれるのが良かったですね(お子さん連れの方などもたくさん居ますし)。そろそろどこに力点を置くのが有効なのかを真剣に考え直した方が良いんじゃないかとしきりに思う今日この頃です(>関係機関の中の人)。
 さて、話を試合前に戻します。えーっとなんだっけ?あー、そうそう、寒い。とにかく寒いんです。この季節に夕方の試合はきついッス>_<。メイン側グッズ売り場では軍手が既に売り切れ状態となり、食べ物の物販でも温かいものが飛ぶように売れています。バックスタンドの僕らが居る辺りは北からの風をある程度遮蔽してくれるような構造に(たぶん意図しないで)なっていますが、アウェイ側ゴール裏は…、あー直撃ですねぇ。九州の方には上州の乾燥した寒さはなっからきちぃべぇなぁ。
 じっとしていると凍えそうなので、スタメン談議でもして身をほぐしましょうか。GK:22・北選手、DF:18・小池選手、4・田中選手、26・藤井選手、5・崔選手、DMF:6・櫻田選手、14・熊林選手、OMF:25・佐藤(穣)選手、8・山崎選手、FW:27・都倉選手、34・小林選手、リザーブ;GK:21・常澤選手、DF:32・有薗選手、7・佐田選手、FW:9・高田選手、11・氏原選手。攻守の要であるボランチの松下選手が出場停止の上、替えの利かない主要メンバーである廣山選手、後藤選手が負傷やコンディション不良のために欠場という緊急事態です。これを受けて、今節はボランチに熊林選手を起用し、空いた左SHに山崎選手、右SHに若きコンダクター・佐藤選手を充ててきました。若い佐藤選手に関しては、今日の一戦での戦いぶりにも注目ですが、来季以降に向けての足掛かりとして欲しいとも思います。今日最も難しいのは、熊林選手でしょう。いや、何が難しいのかって言うとですね、彼は本来オフェンシブハーフとして中盤より前目で主にボランチから来るパスのレシーバー、そして前線へ走り込んでゆくアタッカーへのパサーとして重要な部署を担当していた訳で、今日は一段下がった位置からそれをするのか、それとも松下選手が担っていた攻守のバランサーを代役として専らするのか、はたまたそれら全てを一手に担おうとするのか、という試合全体の趨勢に関わるような立ち位置に居るからなんですよ。佐藤・山崎両選手の働き如何によって、熊林選手の立ち居振る舞いが大きく変わる(変わらざるを得ない)可能性が大です。兎も角も、熊林選手が草津のキーマンであることは疑いようがありません。熊林選手の負担を軽減する意味においても、病み上がりではありますが櫻田選手に掛かる期待はいつも以上に大きいと言えます。
 寒さに張りつめたような空気を裂き、主審の笛が鳴り響きます。試合開始から草津は素早いパス回しで福岡に圧力を掛けてゆきます。前半1分、福岡陣内でパスを回す中、くさびでボールを受けた都倉選手が倒されてFKを獲得します。位置は福岡エリアほぼ中央。この距離はいわゆる「松ゾーン」なんですが、その松下選手が居ないので、キッカーはどうするのか。ボールの位置には熊林選手と都倉選手が立っています。主審の笛が鳴ると、都倉選手がスルスルと助走距離を取り始めます。熊林選手はボールの脇に立ったまま。さて。ボールに向かって駆け出したのは都倉選手です。加速した後に右足を強く踏み込み、左足を振り抜いてボールを強打、撃ち出された弾丸は福岡の守備防壁を勢い良く越えると、立ちはだかるGKの直前でワンバウンド、横跳びに飛び込むGKの手の先遙か空を切り、一気にゴールネットへ突き刺さります。GOOOOOAL!!! 前半2分、都倉選手の直接FKがゴール右隅に突き刺さり、なんと草津があっさり先制。都倉選手はじめ草津の選手達がメインスタンド前に並んで、ゆりかごダンスを披露しています。崔選手の次男誕生のお祝いだぃね。都倉選手は、続く前半3分にも山崎選手からのスルーパスに反応してDFラインをすり抜けてゴールへ迫るなど、切れの良い動きを序盤から見せています。序盤の勢いは草津にあります。前半8分、今度は小池選手が左サイドからドリブルで駆け上がり、中央へ切り込みながら開いた花道を見逃さずにミドルシュートを放ちます。GK正面でキャッチされはしましたが、さすがはFW、枠をとらえた強いシュートは好感触です。先制されはしたものの大きな動揺は見せない福岡は、左右サイドへのロングボールからの展開で草津攻略を試みます。前半10分過ぎまでは両者拮抗した少し落ち着いた展開となっていましたが、15分辺りから福岡が草津陣内でプレイする時間が多くなってきたように見えます。そして試合の天秤を福岡側に傾けるきっかけになった前半17分、福岡による左CKの場面です。ファーサイドに弧を描いて蹴り込まれたボールを丹羽選手が頭で押し込んで、福岡がさっくり同点に追いつきます。…またかと。またなのかと。この得点で勢い付いた福岡の攻勢が始まります。セカンドボールの保持率で優位に立つ福岡は、草津のDF裏へのロングボール供給を盛んに狙ってきます。中盤を飛ばされるようなロングボール戦術をされると、草津は(もはや伝統的と言えるまでに)後追いディフェンス→後ろからのファール→致命的FK献上や不要なカード拝受、というスパイラルへ突入しちゃいます。で、前半31分。今日2枚目のイエローカードが提示され、合わせレッドで熊林選手が退場。え?誰だって?熊ちゃん?あー、これは困った。数的不利な状況にも困りましたが、それよりも深刻なのは、スタメン・サブを見渡して、替わるべきパサーが居ないということです。FKやCKは代役が立てられますが、流動的に動く戦況を見極めつつ適切な場所へ的確な長短のボールを蹴り込めるのは、草津では松下選手と熊林選手がワンツーと言って異論は出ないところでしょう。で、その二人が居ません。これは困った。サクちゃん、もうね、君だけが頼みの綱です。前半残り15分程は、草津としては絶対防衛が至上命題となります。しかし試練の時は続きます。前半34分にパス交換から福岡・岡本選手に抜け出されてフリーシュートを打たれますが、左ポストに助けられて辛くも難を逃れます。それでも、福岡の攻勢を何とかかんとか凌ぎ切り、前半はドローのまま逃げ切りました。ポゼッションを完全に失った草津に出来ることは多くありませんので、後半のしかるべき時間帯に集中的にパワープレイを仕掛けて得点を挙げたいところですが、厳しいですな。かくして試合は後半へ。
 後半6分、佐藤選手→有薗選手の交代により、CBの藤井選手をボランチへ変更します。防衛線の防人が一人増えて、前線のコントローラーが一人減りました。人数が少なくなった上に中盤の構成が守備寄りになったため、オフェンシブポジションの選手達に求められる運動量がはっきり増えています(当社比30%増量くらい)。みんな疲れているのに、それでも前線からのチェイス・プレスに奔走しています。涙が出ます。頑張ってます。頑張ってはいますが、しかし、これではジリ貧だなあ。何とかならんモンかいな…。数的有利を背景にした福岡の攻勢を首の皮一枚でかわしてきた草津でしたが、後半21分に大久保選手に2点目を奪われ、遂に力尽きます。易々と敗れ去るわけにいかない草津は、後半23分の都倉選手によるロングシュートや直後の櫻田選手のミドルシュートなどで福岡ゴールへ迫りますが、後一歩届きません。得点するしか道のなくなった草津は、後半27分に山崎選手→高田選手の交代を行って攻撃の手掛かりを探ります。しかし状況は一向に好転しません。残り時間も10分を切った後半37分、事ここに至り、草津ベンチはFWを4枚同時稼働するという壮挙(あるいは暴挙)に打って出ます(藤井選手→氏原選手投入、小池選手も前目に張り付きほぼセカンドアタッカー状態)。もう布陣云々はありません。とにかく一刻も早く前線にボールを投下し、しかる後に増派した前線だけで決めてこい、という意図です。一見攻撃的で積極的な方策のように見えますが、苦しい台所事情で絞り出した苦肉の策です。守備を放棄して前線へアタッカーを張り付かせるのは構わないのですが、所詮有効なパス(特にロングボール)を配球できるパサーが居ないので、前線でヒナ鳥達が餌を求め鳴き叫んでも、決して餌(ボール)はやってきません。送ったはずのパスは中間で相手に絡め取られ、前がかっていた分カウンターの餌食にもなりやすいという悪循環のおまけ付きです。ただそれでも救いなのは、草津の選手達は試合を投げない、という事です。どんなに状況が悪かろうとも、遮二無二相手ゴールを目指すんだ、という気概と気迫はビンビン伝わってきます。これにはさすがの福岡もたじろいだようで、堅守防衛に戦術を変更してきました(まあ、そもそもカウンター主体のチームではありますが)。相手の攻勢がやや下火になったので、最後の一花を咲かせたいんですが、結局最後まで草津のターンはやって来ませんでした。
 今日の敗戦、色々とポイントはありますが、はっきりしたことが二つあります。一つ、中盤を飛ばすカウンターサッカーには激弱(これ、全然直ってないじゃん)。二つ、松下選手と熊林選手は草津の至宝。この二人が居ないと、そもそも試合が構成できない。言い方はキツイですが、これは事実です。せめて廣山選手だけでも居てくれたら…、クッ、見苦しいタラレバはやめておきましょう。
 『鍵』の掛かっていない扉では、侵入者を防ぐことは出来ません。『鍵』がないと車は走り出すことが出来ません。『鍵』をなくした草津は、そうして迷走自滅の坂道を勝手自然に転げ下るだけでした。そして恐ろしいことに、熊林選手、今日の退場によって、今シーズン終了のお知らせです。…?まじで?だって、ほら、今「鍵」がどうとか書いたばっかり…。こうなったら、開き直ってやるしかないよ、選手諸君!つうかさ、「取って代わるのは俺だ!」位の勢いで頑張ろうよ。むしろ良い機会だと前向きに捉えましょう。うん、そうしよう、そうしよう。50戦ほどやってきて、まだまだドラマティックな草津は終わらない、そんな寒い夕闇です。
 まだだ。まだ終わらんよ。【ほーせん@高崎】



■ 2009年11月29日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第50節

湘南ベルマーレ 0−0 ザスパ草津

平塚競技場 14080人

目の前の昇格を阻止



 立ち上がりから湘南攻撃陣の速攻に苦しめられたザスパ。しかし、前半20分のPKをGK本田がセーブするなど、粘り強い守備で得点を許さなかった。後半からは山崎、佐藤穣の両MFを起点にして積極的な攻撃を展開、再三湘南ゴールを脅かしたが、得点は奪えなかった。
 湘南は前半から前線のFW田原にボールを送り込んだが、ゴールは奪えず。後半になると、運動量が落ちてザスパ攻撃陣に攻め込まれる場面が増えた。(11月24日『上毛新聞』より引用) 




■ 2009年12月5日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第51節

ザスパ草津 3−2 栃木SC

正田醤油スタジアム群馬 5661人

有終を飾る凱歌

 3月、まだ寒い季節に、それでもはやる心を抑えきれずに、ワクワクする気持ちを連れて開幕を迎えました。そして今日、おそらくJリーグ史上最も過酷であったシーズン(18チーム総当たり×3回戦=51戦)が最終戦を迎えます。今年最後の戦いだ。
 季節は移ろえど、ここ敷島の杜はいつでも熱い。チームもサポーターも常に変化しながら、それでも一つだけ変わらないのが、草津選手達のサッカーに懸ける熱意とその選手達を鼓舞するサポーターの魂。途中で雨が降るのが確実な今日の試合だというのに、こうも敷島の杜は人で溢れ返るのか。そして、みんな楽しそうだ。そう、ホームはいつでもニギヤカで温かい。最終戦に付きものの、別れが待っているけれど、そんなのみんな分かっているけれど、それでも表に出さずにニギヤカにやるんです。笑顔で始めて、笑顔で終わろう。うん、そうしよう。
 今日のスターティングメンバーをご紹介しましょう。GK:21・本田征治選手、DF:18・小池純輝選手、4・田中淳選手、32・有薗真吾選手、7・佐田聡太郎選手、DMF:6・櫻田和樹選手、30・松下裕樹選手、OMF:8・山崎渡選手、25・佐藤穣選手、FW:9・高田保則選手、27・都倉賢選手、リザーブ;GK:22・北一真選手、DF:2・寺田武史選手、15・喜多靖選手、FW:11・氏原良二選手、34・小林竜樹選手、率いるは佐野達監督。スタメンを見て、思うところは様々あります。が、今日は何も言いません。ただ一つ、思い残すことなく、もうダメだと思うまで頑張って。願わくば、その先に充足感と笑顔がありますように。
 今日は一つの誓いを立てての応援です。文句やブーイングはしない。何があっても目を逸らさない。とにかく応援をやめない。試合終了の笛が鳴るまでは。頬を一つ張り、よしっ!いぐぞ!
 今、万感の想いを込めて歌が流れます。低く、蕩々と場内全ての人の胸に染み入るように響きます。さあ、胸を張って前へ進もう!勝利を信じ戦おう!2009年Jリーグ2部第51節・最終戦、開幕です。
 序盤は草津のパスネットワークが効率よく回転し、ポゼッションを稼ぎつつ栃木陣内へ圧力を掛けています。対する栃木は速攻カウンターで草津のゴールを狙ってきます。今季の草津が苦手としているのが、こうしたカウンター主体のチームで、これまでの対栃木対戦成績の1分け1負けというのは正にこの証左と言えるでしょう。前半も時間を追うごとに草津の細かいミスに付け込んだ栃木の速攻が染み渡る毒のように効いてきて、ジリジリと草津バイタルエリアへ主戦場が移ってきているように見えます。このままでは今季の「悪い方」の集大成を披露してしまう事になりかねないので、攻撃する姿勢を鮮明に、そして強く打ち出すことが肝要です。その攻撃に関して見ていると、左SBの小池選手の攻め上がりが実に目立ちます。今季初戦から一貫して掲げられたサイドバックの攻撃参加を、この試合でも存分に披露して見せます。エーコ君は草津で新境地を開拓し、確実に成長したんではないでしょうか。頬が緩みます。そんな活躍がありながらも、細かいミスが足を引っ張る形で草津は栃木の守備網を突破できずに好機を作り出すことが出来ていませんが、一方の栃木も効果的な攻撃が組み立てられずにいる、という焦れた状況が30分過ぎまで続いています。勝負の天秤は、大体にしてこうした状況で左右を決するように振れます。前半32分、場面はGK・本田選手のスローパスから始まります。いつも通りパスを受けたDF・田中選手は、ゆっくりとしたドリブルで前方の状況を見ていました。見ていました。ええ、しっかり見ていました。通常の組み立てでは、すぐ近くに居た櫻田選手、またはその先に居た松下選手へショートパスを送り、中盤でのパス網構築から攻勢へ移ってゆくところですが、田中選手は「そろそろそう思っているだろうな」という栃木の裏をかいて、熊林選手ばりのロングスルーパスを右前方を疾走する佐藤選手に宛てて蹴り出します。トップスピードでパスを受け、そのままドリブルで攻め込む佐藤選手に呼応して、山崎選手と高田選手が併走します。栃木DFはこの3選手へ注意を注ぎました。ここまで必ず2人でマークしていた都倉選手がやや後方に居たことが、栃木の隙を生んだと言えます。この隙を見逃さない辺り、今季22得点は伊達ではない都倉選手です。一気に加速するとマーカー2人を振り切ってペナルティエリアに侵入。すかさずここにパスを出す佐藤選手も成長の跡が見えます。局面は都倉選手対GK・柴崎選手の一騎打ち。ドリブルでかわそうとする都倉選手の足を柴崎選手が手で刈り倒し、都倉選手転倒。即座に主審がペナルティスポットを指差します。PKです。キッカーは都倉選手。ボールをセットして息を吐き、細かいステップから助走、一気に加速して左足一閃!左へ飛ぶGKの反対側へ蹴り込み先制のGOOOOOAL!!! 膠着した戦況で、下手をすればうっかり先制点を奪われかねないようなバランスのゲームで、この時間に先制点を奪えたのは僥倖でした。これで乗れるはず。油断なく、浮き足立たずに組み立ててゆきましょう。都倉選手は前半36分にもゴール前に割って入るなど、いつも以上に攻撃に対して積極的です。結局、前半は得点からペースを掴んだ草津が危なげなく圧力を掛けつつクロージングし、1点のリードを保ったままハーフタイムへ入ります。そういやぁ、前半途中から降ってきた雨が強くなってきてらぃね。
 後半も草津の流れは途切れていませんでした。後半1分に左サイドからの攻撃で、都倉選手が開いた中央花道を見逃さずにミドルシュートを放つなど、草津は序盤から攻勢です。すると、後半2分に早くも動きがありました。右サイド・佐田選手のスローイン→高田選手が競り合い→こぼれ球を佐藤選手が獲得、中央でフリーになっている山崎選手が単騎ペナルティエリアに走り込んでゆくのを見逃さずに山なりのスルーパスを送ります。山崎選手、右後方から降ってくるボールに歩幅を合わせ、やや合わず(笑)、窮屈な姿勢ながらも右足でボールをゴールマウス目掛けて蹴り出します。ボールは立ちはだかるGKの股下でバウンドし、そのままゴールイン!GOOOOOAL!!! ワタルが、ワタルが決めてくれましたよ!バックスタンド前に走ってきた山崎選手、すげぇ嬉しそうだ♪俺たちもすげぇ嬉しいよ。嬉しすぎて、でもちっとんべぇ切なくて、なんだか、もう泣きそうだ。でも泣いてる場合じゃあねえやぃね。まだまだ応援を続けねぇと。そう思っていた後半7分、草津・右CKの場面が訪れます。熊林選手、廣山選手が居ないので、今日は松下選手がキッカーを務めています。このCK、松下選手はファーサイドのターゲットである田中選手ではなく、ニアサイドの高田選手を目標にボールを打ち込んできました。目論見通り頭上へ的確に落ちてくるボール目掛け、高田選手が渾身のヘディングシュートをゴールに打ち込みます。至近距離から強く打たれたシュートを、GKはパンチングで弾き返しますが、このこぼれ球に飛び込んだ若武者・有薗選手が力強くゴールにねじ込み3点目ゲット。GOOOOOAL!!! J初ゴールのおまけ付きでリードを広げます。草津町から上がってきた選手が活躍する姿を見るのは、実に心に響くものがあります。シンゴ君、おめでとう♪後半14、こちらもJ初得点を狙う若駒、佐藤選手のミドルシュートがゴール目掛けて放たれましたが、右ゴールポストを直撃して弾かれてしまいました。いやぁ、惜しい。あと少しだよ、ミノリ君、ファイト。栃木は後半5分、9分、15分と矢継ぎ早に選手交代を図り、劣勢の転覆を試みます。栃木の、この捨てないしつこさは見習うべきものがあります。後半17分に佐藤選手、直後の18分には都倉選手と、草津は立て続けにシュートシーンを演出して、更なる追加点への期待が高まります。こりゃあ、今日はイケイケかな?いえいえ、どうしてどうして、話は簡単には終わりません。ええ、相手は「あの」栃木ですから。後半25分、高田選手から小林選手へ交代。得点力という点では、現状都倉選手に次いで期待される小林選手ですが、組み立てや守備といった、どちらかというとミッドフィルダーに求められるような資質に関しては、高田選手の方が一枚上手と言えます。この交代は、さて、どう転びますか。決して楽観視していたわけではありませんが、立て続けの好機をモノに出来なかった辺りから雰囲気が変わってきたように思います。後半25分過ぎから栃木の攻撃が強まり、草津ゴールに迫るシーンが見られるようになってきました。どうやら、3点差でモチベーションを上げたのは、むしろ栃木のようです。そして、後半31分にFKから川上選手に1点目、後半35分に自軍のミスを契機にして稲葉選手に2点目を奪われて、状況は一気に緊迫感を増しました。しかし、サッカーという競技はどう転ぶかほんとに分かりません。90分間を戦い抜く力は練習で培われます。+αを競り勝つのは、最早技術云々では語れない領域です。かつて、この領域での競り合いに負け、膝を付いたことがありました。相手の闘志に屈した、そんな出来事でした。相手は、そう、栃木でした。今、眼前で、かつて足利で目の当たりにした光景が再現されつつあります。喉の奥から叫び声が漏れそうになります。「またなのか」。でも、今日は自分に誓いを立てました。自分達と、選手達の力を信じるんだ。弱気を飲み込み、代わりに声援を絞り出します。草津GO、と自身も鼓舞します。後半39分、佐藤選手から寺田選手へバトンタッチ。そのまま左SHへ入ります。ある意味、草津というチームの新旧交代を象徴するような場面です。いつものように、左サイドを寺田選手が駆け上がってゆきます。降りしきる雨の幕を切り裂いて走ります。遠い昔、草津町の小雨グラウンドで小さく見えた背中が、今はやけに大きく見えます。コールをしながら、心の中でそっと唱えます(「寺ちゃん、ガンバレ」)。後半44分、都倉選手から氏原選手へ交代です。この時点で、今季の都倉選手の獲得ゴール数が23で確定しました。改めて凄い数字だと思います。残り時間は気迫と気迫、意地と意地のぶつかり合いでした。順位がどうだとか、Jの先輩後輩だとか、そんな些末なことはどうでも良くなるくらいに熱い戦いです。栃木とはこれからも長くライバルでいられる、と深く感じ入る時間でした。そして、今シーズンの千秋楽を告げる笛の音が鳴り渡り、場内は歓喜の大歓声で覆い尽くされます。合唱される草津節は、今季最後の有終を飾る凱歌です。
 思い返してみると、J参入以来、と言うより以前のJFL、更に遡って関東リーグの最終戦も引き分けだったので、群馬県リーグの最終戦以来の最終節勝利ということになります(それも凄い話だぃね)。
 最後、最後、最後と連呼しましたが、なにも草津というチームが今日を最後にする訳ではないんですよね。光り輝く中天の太陽はやがて西の空から姿を隠し、翌る朝には東の空を染めて現れる。万物はこの繰り返し。2009年型のザスパ草津は、今日僕らを照らし続けた陽光を西の地平線に持ってゆきますが、すぐに東の空から2010年を切り裂くレーザーランスを伴って昇ってきてくれます。
 今年最後の観戦記は、以上をもって終了です。

追伸:
我らが草津の闘志達へ。
今年もたくさんの感動をありがとう。去り行く選手諸君、僕らは君達のことを決して、決して忘れない。もう一度言わせて欲しい。ありがとう。
応援、観戦に訪れてくれた観客、サポーター同志諸君へ。
今年も一年間、歓声と拍手、時に盛大な愛あるブーイングで試合を盛り上げ選手を後押しすることが出来たと思います。うん、ガンバッタ。お疲れ様でした。
「また、敷島で」
【ほーせん@高崎】






2009年終了 18勝11分22敗 勝点65 得失点差-12 10位

今年掲げた義に殉じ、窮地に追い込まれ
やっと覚醒するも、しかし、時はすでに遅し


そして、草津の創成期を知る選手たちとの別れ・・・

限りなき前進
歩みを止めることなかれ



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製作協力:三束雨@藤岡


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