「医療人のための群馬弁講座」特講

■  第88回 天皇杯 (2008) ■




2008 天皇杯 4回戦で敗退


今年も天皇杯でのザスパの活躍を
「まっと!なっから!ザスパ!!」としてレポートしていぐで!







■ 2008年10月12日(日) ■

3回戦

ザスパ草津 2−0 徳島ヴォルティス・セカンド (徳島県代表)

群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場 1693人

階段を一歩ずつ

 サカラグっていいなぁ。素直にそう思った。次戦相見えることとなった千葉県某チームのサポは、かつて「陸上競技場でサッカーやるな」という旨の横断幕を掲出したことがあるらしいが 、素直に同意である。だいたいサッカーするのに陸上トラックは必要ない。まともな陸上競技場ほどピッチとスタンドとの間に9レーンもの緩衝地帯が設けられているが、そんなものなくたって僕たちは選手に危害なんて加えない。この日のサカラグに至っては、芝生席最前部にはロープが一本張られているだけ。それでもサポーターはトラブルを起こすことなく、極めて整然と声援を送った。これって胸を張っていいことじゃないか、と思う。リーグ戦じゃないから、とか、まだ三回戦だから、とか、この運営が成り立つ条件は揃っていたにせよ、最終的にはそこに集いし者たちの気質によるものだと考える。少なくともFair Play Pleaseの精神はここサカラグのスタンドには生きている。鳴り物が禁止され声と手拍子で声援を送るサポを見ながら、同じザスパサポであることを誇らしく思った。
 で、天皇杯である。某国営放送のスポーツ中継は天皇杯の決勝から始まる、というところのサッカー天皇杯である。恐れ多くも天皇陛下の御名(ぎょめい)を冠するこの大会は、やんごとなき雅な大会にして、でも勝ち上がっていけば草サッカーチームでも元日の国立ピッチに立てるという、極めて民主的な大会である。今日の相手は徳島ヴォルティス2nd。兄貴分の徳島ヴォルティスへの昇格を夢見て戦っているアマチュアチームである。ただし、ザスパには上位リーグのチームとしての矜持を持って戦ってほしい。かつて仙台の奇跡について「相手が戦力を落としていたからね」と語られることに最も悔しい想いをしたチームだからこそ、徳島セカンドには全力で、敬意を払って戦ってほしい。そう思いながら、試合開始を待った。
 先発メンバーはGK本田、DF左から尾本・田中・ペ・佐田。中盤に櫻田・松下・熊林・山崎。2トップが後藤・都倉。高田・島田はベンチスタート。確かに客観的に見て、ベテランを休ませるにはこの日しかない、という試合日程であり、逆に言うと若手がキッチリ結果を出さないといけない試合である。特に櫻田には大いに期待したい。昨年度からの成長振りをアピールする絶好のチャンスである。
 前半。チーム全体が今ひとつ噛み合わない。ピッチのあちこちに、出したいパスのイメージ、貰いたいパスのイメージを確認する選手たちの姿がある。ただこの時期に、双方の呼吸が合っていないというのは正直厳しいと思った。それはザスパレギュラー組がピッチで繰り広げるサッカーのレベルには届かないものであるし、少なくとも昇格からJ1を目指す戦いにおいては厳しいものがあると言わざるを得ないように思われたからだ。
 後半。試合再開のためピッチに戻る選手たちの中に背番号9番と10番の姿がある。あー、結局(ほぼ)フルメンバーか。特に櫻田に関しては仕方ないかな、という想いがあった。それは、久しぶりの起用でボランチというゲーム勘が必要である役割を与えられ負荷が大きかったのだ、という事情を考慮しても、やはりザスパのボランチには早晩もっと高品質なプレーが求められるからだ。前半いいスルーパスも見せてはいたものの、全体の出来としてはまだまだ足らない。本来櫻田和樹という選手の限界はこんなものではない。もっともっと出来る選手だ。今日の反省をしっかり糧にして、次のチャンスを待ってほしい、そう思った。
 で、その途中交代で入った二人を中心にザスパは覚醒する。先に得点シーンだけ言ってしまうと、48分ペナルティアーク付近での島田→高田のパス回しから左サイド尾本へ展開。この尾本からのクロスに後藤がヘッドで合わせてGOOOOOAL!!! この日のザスパは、ずっと元ザスパの中村亘選手の統率する徳島DFを突破できずにいたのだが、サイド攻撃で徳島DFを崩した見事な得点だったと思う。中央を崩せなければ、サイドから仕掛ける。そのお手本のようなプレーであった。続く66分。これまたペナルティエリア周辺から熊林→高田へフワッとしたパス。これを高田が難しい形から思い切ってボレーシュート。これがゴールに吸い込まれ2点目のGOOOOOAL!!! やはりこの二人が入ると違う。そう感じさせるに充分なプレーを見せつける。その後も溌剌たる試合を進めるザスパ。島田・熊林を中心に、一般にはディフェンシブとされる尾本を活かしたプレーを展開するなど、後半は徳島を圧倒。2対0。(少なくとも後半は)格の違いを見せつける圧勝で徳島ヴォルティス2ndを退けた。
 特筆しておきたいこととして、徳島のセンターバック中村亘選手に触れたい。かつてザスパチャレンジャーズチームに所属し、草津で働きながらチャンスを窺うもプロ契約は手にできず、プレーの場を徳島に求めた。実は試合前からオペラグラスでその表情を見ていたのだが、この日は非常に充実した精悍なイイ表情をしていた。試合では2失点こそ喫したものの、いずれもサイドに振られての失点で、CBとしてできることは限られていた失点である。また、前半都倉にヘッドで競り勝ったときには、はっきり言ってザスパサポとして複雑な想いに囚われた。彼がどのような気持ちでこの試合に臨んでいたのかは想像の域を出ないが、ザスパが昇格という大きな目標に向かって走る中で忘れてしまったサッカーができる喜びのようなものが 中村亘にここまで充実したプレーを為さしめていたのだとすれば、ザスパ選手諸君にはプロとしてサッカーができることの意味をもう一度考えてみてほしい。そう思わざるを得なかった。
 天皇杯次戦の相手は柏レイソル。リーグ戦を併走しながらで大変だとは思うが、絶対に負けられない戦いである、という想いがある。そもそもザスパの目標は昇格ではなく、J1定着だと思っている。J1で生き残ることを目標にするのなら、もう格上相手という言い訳は通用しない。もはや下克上でも、ジャイアントキリングでもない。ザスパにはJ1リーグの前哨戦を柏の葉で見せてほしい。【昴⊂上州】




■ 2008年11月2日(日) ■

4回戦

柏レイソル(J1) 1−0 ザスパ草津

柏の葉公園総合競技場 4569人

必至に戦ったが

 選手たちが引き上げてくる。サポーターが暖かい拍手で迎える。これでザスパに勝利という結果が付いてきていれば最高だったのに、と思った。結果から言ってしまうが、この日は0対1の敗戦。それでも90分間必至に戦った選手たちを見届けたサポーターからは大きな拍手が送られた。
 いちおう観戦記らしく、スタジアムへの行程から書いてみる。我が家からだと武蔵野線という第二の山手線に乗り、南流山駅でつくばエキスプレスという第二の常磐線に乗り換え、その名も柏の葉キャンパス駅で下車。最寄り駅からの交通の便に関してはいい評判は聞かないが、敷島という秘境スタジアムに慣れているザスパサポにとってこの程度はどってことはない。人間は逆境に鍛えられて強くなるものだとつくづく思う。そんなこんなでスタジアムに入場。あ、ホントだ。たしかにスタンドが低い。てか傾斜がない。しかもゴール裏には椅子もない。たしかにこれは敷島ゴール裏芝生席時代並に見づらいなぁ…。うーん。でもまぁ、芝埃まみれになっていたあの頃よりはマシか。人間は過酷な環境に揉まれるほど強くなるものだとつくづく思う。
 で試合開始である。ザスパのスタメンはGK1本田征治、DF5崔成勇、15喜多靖、3尾本敬、2寺田武史、MF30松下裕樹、27ペスンジン、14熊林親吾、10島田裕介、FW19後藤涼、9高田保則。ちなみにリザーブが7人ベンチ入りできるJ1仕様の試合である。スンジンのボランチ起用は高いエリアで柏攻撃の起点を封じるためのものとみる。そして実質ワンボランチとなる松下の出来が今日の試合を左右すると予想する。そして幸か不幸か、この予測は的中することになってしまう。
 前半は非常に良い出来であったと思う。もちろん柏のJ1クオリティのプレーには押されっぱなしではあったものの、水際で良く跳ね返していた。はっきり言って、柏はかつて対戦した柏ではなくなっていた。パスは速く、強く、正確で、サイドチェンジは的確に決まり、ザスパへのプレスは早く、精力的であった。柏がJ1に復帰して、レベルアップを続けてきた成果を見せつけられるようであった。特にザスパ左サイドは攻撃の起点となるべく積極的にオーバーラップを図るものの、インターセプトされカウンターへの対処に追われるケースが目立った。逆にセンターラインは一列前のボランチのポジションでスンジンが柏10番フランサ選手に張り付き、実質シングルボランチの松下と本来右サイドの熊林が神出鬼没に現れてはピンチの芽を摘むべく走り回る。そして最終ラインまで攻め込まれた場合でも、尾本・喜多が粘り強くケアをし、GK本田と共にゴールを死守する。アウェーゴール裏からは多くの悲鳴が上がりつつも、前半はみんなで凌いでスコアレスでハーフタイムを迎えた。
 後半。ようやくFWの二人がボールを触れる機会も増え、また柏もプレーの質を一段と高めてくる。そんな後半17分、この日最大の悲劇が起こる。キャプテン松下、この日2枚目の黄紙で退場。正直、センターライン付近でボランチがあそこまでリスクを取る必要があったのか、とは思う。ただ、J1経験のある松下をもってしても冷静な判断を失いつつあったのだと納得するくらい、柏の攻撃が重厚であったことは事実だ。そしてこれは、ザスパにとって結果的に痛すぎる退場となった。その後、ザスパベンチは後藤に替えて秋葉を投入。スンジンがマンマークのタスクを追っている以上、ボランチの投入はやむを得ないものであるが、正直田中投入&喜多のボランチ変更でなかったか、と思う。実際、秋葉のパス回しは柏に読まれていたし、柏の早いパス回しに負けずに中盤の底を走り回って支えるタスクをベテランの秋葉に期待するのは重荷だと思われたからだ。その後ザスパベンチは寺田を下げ、櫻田を投入。尾本を左サイドバックに、スンジンをセンターバックに、櫻田をボランチに起用する。ただこれで、チームとしてのバランスが崩れたように写った。高いラインでフランサを封じ込んでいたスンジンが最終ラインに入ったことで、基本的にザスパの防衛ラインは一列後退した。つまり、ドン引きの我慢比べの状態になり、最早ワントップで残る高田が出来ることはない、という状態となっていた(ザスパサポとしても「そりゃ仕方ないよなぁ」と思ったのだが、柏のSGGK南選手は気温が下がり冷えた身体をストレッチでほぐしていた。それくらいザスパは攻め込まれていたのだ)。そんな状況で頑張っていた守備陣も後半37分、遂に失点を喫する。柏左サイドから上げられたクロスへの競り合いに一瞬及ばず、痛恨の失点を許したのだ。
 最早ザスパベンチに出来ることは多くなかった。ボランチ櫻田に替え、氏原を投入。とは言え一人少ない状況でザスパが攻撃を組み立てられるケースは多くなく、柏のパス回しに高田が懸命のタックルでボールを奪ったり、氏原が必至にチェイスしたりと最後まで諦めずに戦うも、結果には繋がらず、0対1。2008年ザスパの天皇杯は幕を降ろした。
 選手たちには最大限の拍手を送りたいと思う。だが同時に、J1を視野に入れた場合に勝たなければいけない試合だった、という想いも偽らざる気持ちである。とは申せ、あれだけ一生懸命頑張りながら結果に結びつかなかった選手たちの悔しさ・無念さを想うとき、心の底からお疲れさまという声を掛けたくなった、そんな天皇杯4回戦であった。【昴⊂上州】





Special Thanks
御寄稿・御協力あんがとね!

あきべー@北毛 様
きくり∈東毛 様
昴⊂上州 様

製作協力三束雨@藤岡





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