「医療人のための群馬弁講座」特講



■ Satellite League 2006 ■


2006年 チャレンジャーズチーム


チャレンジャーズチームのサテライトリーグでの奮闘を
2006年も「まっさか!なっから!ザスパ!!」としてレポートするで!




■ 2006年5月7日(日) ■

2006Jサテライトリーグ Bグループ第4日

アルビレックス新潟 3−1 ザスパ草津

新潟市陸上競技場 2064人

挑戦者たちの初陣 2006

 待ちに待った5月7日、今年も遂にサテライトリーグが開幕しました!
前日のトップ対柏戦@日立台の観戦を終えた私たちは、一路北へ。今回我らを新潟へ連れて行ってくれるのは、ここ一年以上遠出をしなかった私の愛車。ガソリン代が高騰している今、20km/1リットルというコストパフォーマンスは遠征にもってこい!混雑が予想された外環を使わずに常磐道でいわき→郡山を経由して磐越道にて福島県を横断するルートにチャレンジした。しかしこのルートは山間を縫って走るだけあってアップダウンの激しいこと激しいこと。夕方に柏を出発し、到着したのは日付が変わる直前。道は空いててよかったんだけど(苦笑)。
 試合前日の夜中。すでに雨は降り出していた。「明日はどうか止みますように」と願ったのだが、翌朝も結局雨だった。ただし雨は小粒なので、試合にはさほど影響がないはずである。某ファミレスで昼食をとり、試合に向けて士気を高める。尚店内には、志を同じくして新潟に集ってきた(であろう)別のザスパサポ軍団を発見。心強い限りだ。
 そしていざ、会場へ。思えば去年のサテライト最終戦もここ、新潟市陸上競技場だった。ほぼ7ヵ月後、同じ場所でサテライトの初戦。確かに(と言うか当然のことながら)共に「ザスパ草津チャレンジャーズチーム」の試合ではあるが、去年のあの日と今日では数名を除いて選手がそっくり入れ替わっている。同じチームではあるが違うメンバー。違うメンバーだけど同じスピリットをもって闘う集団。寂しい話だけど去年は去年。今年は今年。さぁ、張り切って今年のチャレンジャーズ初戦を応援するぞ!と感慨にふけつつも頭のスイッチを切り替えた。
 会場に詰め掛けたザスパサポはざっと数えて50名強といったところであろうか。大概にして昨年もサテ会場や小雨グラウンドでお会いしたことのある顔である。私たちを含め、彼らチャレンジャーズチームのとりこになったサポーターたち。去年の今頃〜昨年度サテ初戦〜には考えられなかったことである。
 さて、肝心の試合。ザスパのフォーメーションは去年と異なり、どうやら3−5−2のようだ。GK棗、DF澤田・山口・黒永(CAP)、MF福島・太田・小林(卓)・藤本・片野、FW蒲谷・金子(※公式記録だと片野…FW・金子…MFになっているが、私にはこのように見えたのであえてそのままの表記にさせて頂きました)。控えにはGK近藤、DF中村、MF小林(雄)、FW田中、奥山。トップチームから拝借した近藤を除き、見事に全員チャレンジャーズチームの選手。対する新潟はGK野澤をはじめ喜多、海本などトップで活躍していてもおかしくない選手多数。また、今春前橋育英高校を卒業したばかりの田中亜土夢、さらに育英つながりで大谷昌司もスタメン入り。どう考えてもあちらのほうが選手層が厚い…。しかし!こんな状況は去年嫌というほど味わってきた。慣れたもんさ!逆境のなかで奇跡を起こすのが我らの務め。雨が降ったりやんだりという悪天候のなか、午後2時、今年度チャレンジャーズチームの初戦、キックオフ。  …の直後である。ゴール前で混戦になり、棗が前に出る。ゴールマウスには別の選手がフォローに入ったがシュートを決められてしまう。試合開始0分にして、1点ビハインド。
 先ほど3−5−2と述べたフォーメーションだが、中盤の5人はフラット気味だ。さらに、状況に応じて両サイドの2人(小林卓と藤本)も下がり4バックになることも多い。今年はトップチームと同じフォーメーションにして、よりトップで順応しやすい環境を作っているのか、それとも彼らには3−5−2のほうが向いているのか…?気になるところである。又、DFラインはキャプテンの黒永がしっかりコーチングしているようだ。昨年はチャレンジャーズチームに所属しながらも怪我に泣き、ようやく今日がJ公式戦デビューである。昨年からの姿を知っている者として、彼がキャプテンマークを巻いてプレイしている姿は感慨深いものである。
 前半10分、ようやく金子がザスパのファーストシュートを放ったが、なかなかチャンスを掴むことができない。しかし20分を経過する頃、新潟DF千葉が退場。新潟はザスパより1人少ない10人での戦い。ザスパにとってはチャンス到来!1対1だとどうしても負けてしまうので、とにかく走って走って走りまくってチャンスを狙った。きっと佐野監督のご指導の賜物であろう、リスタートが基本的に早い。中でパスを回そうとすると相手にカットされてしまうので、ロングパスを多用しながらまずは1点を狙う。
 そんな彼らの努力はめでたく形となって現れた。44分、相手のトラップミスに、ちょうど詰めていた蒲谷がGOOOOOAL!!!! 見事に決まり1−1の同点!!ザスパサポは皆立ち上がり喜んでいる。これなら後半、逆転できるかも…。そう期待しつつハーフタイム突入。
 しかし…新潟は余裕の構えなのか、後半開始と同時にキーパーを交替。そしてとても1人少ないとは思えない位の、怒濤のような攻撃でザスパゴールを襲ってきた。やはり彼らは「J1」の、サテチームである。1人少ないにもかかわらず互角に戦うことができない。次から次へと押し寄せてくる攻撃の波をただひたすら堪え忍び、攻撃の機会を伺うのみだった。たとえボールを奪えたとしてもあっという間に相手選手(しかも1人じゃなくて2人、3人で)に囲まれ、奪い返されてしまう。一方のザスパはまだ選手間の呼吸が完全にかみ合ってないというか…。ポジショニングのズレ、ボールを出しても相手はいない、等々。これが突きつけられた現実なのか。流れを変えようとFW奥山・MF小林(雄)を投入したが、残念ながら成果は現れず。後半はヒヤヒヤドキドキの連続だった。そしてそれは試合終了まで続いた。
 結果、1-3。1人少ない新潟に、2点差で負けた。  選手を甘やかすような言い方になってしまうかもしれないけど、今はその現実を素直に受け入れるときなのだと思う。他のチームと違い、我がザスパは「働きながら」サッカーをしている手前、練習時間が少ないのは否めない。とはいえ…一度ピッチに上がったら言い訳は許されない。
 一歩一歩でいい。私たちは昨年、彼らの全力で戦う姿を見て数多くの勇気とパワーを頂いた。それは試合や練習試合に足を運ぶ「応援」という形でお返ししてきたつもりだ。今年もそんなことを繰り返したいから…。きっと彼らなら大丈夫。そう信じて、今年も通い続けていきます。【きくり∈東毛】


■ 2006年6月25日(日) ■

2006Jサテライトリーグ Bグループ第6日

ザスパ草津 0−2 モンテディオ山形

草津町本白根第3グラウンド

がむしゃらに

 6月最後日曜日。下界では梅雨末期のジメジメした暑さが続くなか、訪れた草津はやはり別天地の涼しさ。時折白い霧も舞い降りるこの本白根第3グラウンドに、2006チャレンジャーズチームを応援しに集まったのは、およそ600名ほどのサポーターと草津町の人々。駐車場の隅には飲食・物販のテントも建ち並び、ちょっとした村の夏祭りといった雰囲気が漂う。試合開始前のウォームアップにはスタンドから「○○!がんばれよー!」と次々に声が掛かり、決して距離だけではないピッチとスタンドの近さを肌で感じる。それはJFL時代のサカラグで感じたあの親近感そのものであり、チャレンジャーズ戦ならではの楽しみでもある。ちなみにこの草津での試合におけるボールパーソン、担架要員は、地元の少年たちであり地元のおじさんたちなのだ。
 さて、この日のザスパスタメンはGK棗、DF中村・太田・黒永、MF小林・澤田・山口・金子・高田、FW蒲谷・田中といった布陣。試合開始前からの温かい声援と、何よりも今季ホーム開幕戦でもある気概からか、この日の草津はキッフオフから圧倒的なボール支配率で山形陣内を駆け回った。結果オフサイドとなってしまったが、前半7分に見せたFW蒲谷のヘディングを受けてのMF高田のシュートをはじめ、前半だけで9本のシュートを山形ゴールに打ち放った。対する山形の2本という数字をみても、草津の勢いの良さを物語っている。ここであえてタラレバを言わせていただくならば、この前半に1点でももぎ取り、勢いを決定的なものにしておけたならば、45分後の結果は変わっていたのだろうが・・・
 後半、その形勢は時間の経過とともに逆に傾きだす。「草津のバテ」か、はたまた「山形の温存」が功を奏したのかは判らないが、動きの鈍りだした草津とは対照的に山形のパスが小気味よいほどに繋がりだす。ボールを奪うのもままならない時間帯が延々と続き、ついに後半32分、山形MF本橋に値千金の先制点を許してしまう。動かない体を鼓舞し、何とか追いすがろうとする奮闘も虚しく、後半41には山形FW氏原にこぼれ球を押し込まれ、万事休す。笛が鳴るまでのわずかな時間に、一矢報いる体力はもはや残っていなかった。後半の形勢逆転は、4対14というシュート数が如実に表していた。
 「90分をコンスタントに戦い抜く」。あまりに教科書通りの基本的戦術なのだろうが、がむしゃらにゴールを奪いに走り回った前半45分の彼らの戦い振りこそ、この若きチームの真骨頂であり、褒め称えるところであろう。試合後にガックリとうなだれる彼らだったが、勝利のためのペース配分など、彼らにはまだ先の話でいいのではないかと思う。100%の全力でピッチを駆け回る若獅子たちの姿。私はそれが見られるだけで十分満足なのだ。【三束雨@藤岡】


■ 2006年7月30日(日) ■

2006Jサテライトリーグ Bグループ第8日

モンテディオ山形 3−1 ザスパ草津

山形県総合公園陸上競技場

融合途中

 試合後の“出待ち”エリア。荷物の積み込みという“仕事”を終えた選手が整列し、代表としての木村コーチの挨拶の後、恒例の名刺ご挨拶が行われました。遠巻きに見つめる山形サポーターの前で、とおに山形のチームバスが立ち去ったその競技場入り口で、サポーターへのサービスに励む選手たちがいました。 試合は確かに完敗でした。ザスパの選手は気合いこそ感じられたものの、その気合いが空回りしているように見えました。なんというか戦略を消化仕切れていないというか、試合中の動きに迷いが感じられるというか...。厳しい言い方をしますが、チームとして機能していない、そんな感想を持ちました。
 ザスパスタメンはGK棗選手、DF右から小林卓也選手、中村選手、太田康介選手、黒永選手。中盤はほぼフラットに右から片野選手、山口選手、高田選手、澤田選手、2トップに蒲谷選手と藤本選手。小林卓也選手がMF登録、片野選手がFW登録ということを考えると、登録上の3-4-3の右サイドを一列ずつ下がり目とした4-4-2のように見えました。この右サイドが駆け上がっていったときの破壊力を想像すると、なんともワクワクするような、期待感を持っての試合開始となりました。
 実際、試合開始後もワンタッチプレーを中心にシンプルなプレーが見られました。と同時に、相手の集散を見極めた長いパスを効果的に用いることによって、相手守備陣を翻弄します。たとえばボランチから右サイドへ展開し片野・小林両選手で右サイドを切り裂いたり、中央に切り込んだ中盤左サイドの澤田選手のスペースを最終ラインの黒永選手が利用したりと、フィールドを広く大きく使います。その結果、前線で待ち構える2トップにも多くのボールが供給され、後半6分には(なぜか)左サイドの小林選手が最終ラインギリギリの位置からセンタリング。ザスパはゴール前の混戦から片野選手が押し込んでGOOOOOAL!!!! このシーンはホントに混戦で、ザスパは2トップ+片野選手でまさしく押し込んだゴールでした。走って走って奪い取った得点だったとおもいます。
 しかしながら、守備面に関しては多くの課題も見られました。動いて攻撃に厚みを増す、ということは同時に守備の陣形を一時的にせよ壊すということに繋がります。その結果、相手の早い寄せにパスコースを塞がれ、そのままカウンターに持ち込まれるという形で多くのピンチも招いてしまいました。それでも決死のディフェンスで失点こそ防いでいきますが、結果的には3失点。最終ラインが深くなり、またそこにダブルボランチが吸収されてしまい、相手のパスの出処にプレッシャーが掛け切れていないように感じられました。甚だ失礼な物言いですが、技術的に発展途上なチームは組織で守るしかなく、組織で守るためには、一定の決まりごとに則って全員が有機的に一体となって動く必要があるとおもいます。今日は山形の巧みな技術とリズムに翻弄され、為すべき時に為すべき事ができなかった感があります。
 とはいえ、そんな中で懸命に戦う選手たちの姿もまた、スタジアムにはありました。仲間が必死に供給した、しかし精度に落ちるパスを追いかけるFWの蒲谷選手、藤本選手、奥山選手。山形FWに振り切られても諦めることなく最後まで身体をこじ入れようとしたDFの中村選手、太田康介選手。混乱するチームを鼓舞し、勇気付けるために大きな声を出し続けた棗選手、小林選手。キャプテンとして最後には肩を痛めながらもフィールド中を走り続けた黒永選手(ライン際で佐野監督と“大きな声で話し合っていた”のが印象的です)。そして、今日は調子が上がらずにベンチを外れ、ピッチの外でチームに献身的な働きをしていた選手たち。今日は残念な結果になりましたが、今日できなかったことを克服し、更なるレベルアップに励んでもらいたいとおもいます。
 木村コーチのコメントに「今日は悔しい結果となりましたが、輝きを見せられた選手もいました」という言葉がありました。おっしゃるとおり。今日できたことを伸ばし、OnlyOneの個性を持ったプレイヤーとなってほしいという想いもあります。様々な個性が能力を発揮し、高いレベルでチームが融合するように。今年も応援し、共に歩み続けたいとおもいます。サッカーが大好きで、諦めずにボールを追いかける若き戦士たちと共に。【昴⊂上州】


■ 2006年8月13日(日) ■

2006Jサテライトリーグ Bグループ第9日

ザスパ草津 3−3 FC東京

敷島公園サッカーラグビー場

枯れない情熱

 週明け、私の声はガラガラでした。私のザスパ好きは既に職場の同僚には公知のものとなっており、別に休み明けに声を枯らしていることは今や珍しいことではありません。しかし「勝ったの?」と聞いてくれる同僚にとって、「い゛や゛。びぎわ゛げ」という結果で満足そうな私の精神構造までは未だ理解できないもののようです。 そもそも土曜日からして劇的な試合でした。もちろん試合内容的にはいろいろあるのでしょうが、ベタベタに守る横浜FCのゴールをこじ開けた執念に感動してしまっていたのでした。そしてカズ見たさにB-Hアウェイ側に陣取った私のようなミーハーサポに対しても、スタンドのすぐ足元まで挨拶に来てくれる選手たち。思わず大きな声を掛けてしまうのも道理です。そんな感動の余韻を引きずりながら、実家で観た群馬テレビの佐野“解説”で再度高揚してしまった気持ちを持て余しながら、さらに翌朝の上毛スポーツのチカ選手の勇姿に誇るべきチームを愛でながら、午後2時過ぎ、敷島へ出発します。
 通常の関係者用エリアに駐車すると、サカラグってホントに近かったんですね。目と鼻の先の入口から入場すると、おー、スタンドからピッチが近いことを改めて感じますね。ここにスタンド作ってくれたらよかったのに、と今でもやっぱりおもいます。マッチデープログラムをいただきながら、メインスタンドに陣取ります。両面コピーの貧弱な(失礼!)代物ですが、フォーメーションが書き込めるようになっています。選手の名前も覚えられるし、いいアイデアだとおもいます。高校生だという初々しく、やってて楽しくて仕方がない、そんな感じが伝わってくるDJのMCで試合開始までの時間を過ごします(ザスパのBGMの『いい湯だな』。FC東京の紹介の『大都会』にはスタンドも大ウケでした)。そんな中、トップの選手たちも続々スタンドに集結。スタンドからはトップ選手へのコールも沸き起こります。チャレンジャーズチームの選手たちにはその栄光の高みへの想いを自らの力に変え、トップチームの選手にはチャレンジャーズチームからかつてのサッカーへの熱い想いを思い起こしてもらい、より高い次元でチームが成長して行ってくれることを祈ります(ちなみにこのコールの際にスタンドで人一倍悔しそうな表情をしていたのが大谷選手。この悔しさをバネに早く復帰し、より大きく羽ばたいてくれることを期待しています)。
 ザスパのスタメンは、GK棗選手。フィールドプレイヤーですが、なかなか登録とポジションが合わないことが多いので見たまま書いてみます。最終ライン、右から澤田選手、太田選手、黒永選手。中盤の底に片野選手、高田選手。サイドは右に小林卓也選手、左に金子選手。1トップの奥山選手のシャドーに蒲谷選手、藤本選手。3-4-3。全員攻撃、全員守備の思想が感じられます。
 しかし、前半はいいところなく、終わってみれば2点のビハインド。相手CKに対してヘッドで競り負けた1点と、なぜかどフリーで打たせてしまったミドルシュートによる合計2失点。一生懸命やってもダメなのかな、などという気弱な雰囲気も漂い始めます。
 そんなザスパ。後半大幅にフォーメーションを組み替えます。最終ラインを右から片野選手、澤田選手、黒永選手、金子選手、中盤をほぼフラットに小林選手、太田選手、高田選手、藤本選手、FWは奥山選手、蒲谷選手の2トップ。その布陣をメモする間もなく、開始早々4分、左サイド藤本選手(?)の放ったシュートを相手GKがこぼしたところに、FW蒲谷選手が詰めて押し込み、GOOOOOAL!!!! 前を向いて走り続けたために生まれた、決してスマートではないかもしれないけれども、観る者に感動と興奮を与える1点でした。
 この後もザスパの猛烈な戦いは続きます。興奮しつつ取った手許のメモには「けんたろー 相手シュート 身を挺して守る」「奥山 チェイス→GKミスキック誘う」「ゆーた 右サイド駆け上がり 動き落ちたDF切り裂く→ゆーた&片野 サイド攻撃復活」「澤田、機を見て敏にオーバーラップ←バランス取るクロナガ」と自分でも解読困難な文字が躍っています。もちろん私などの見えないところで、それぞれの選手たちがそれぞれの持ち場を懸命にこなしていたのだとおもいます。その情熱が形に結実したのが後半36分。澤田選手が相手バックパス(公式では太田選手のパス、になってます)に追い付き、GKをかわしてシュート。豪快なシュート、という記憶はあまりないのですが、ゴールに向けた想い・勝利への執念といったものが乗り移ったかのように、ボールはゴールネットを揺さぶりました。GOOOOOAL!!!! ゴールを、勝利を、栄光を目指して、前に向かって走り続けた成果が現れた素晴らしいGOALだったとおもいます。
 さらに後半40分。この時点で再び1点のビハインドを負っていたザスパ。右サイドに奥山選手が仕掛け、ペナルティエリア内でPKを得ます。と言っても、ドリブルで跳ねたボールが相手DFの手に当たった、というものでしたが、ホイッスルまでの一瞬の間に「ハンド!」という声がスタンドのそこかしこから上がっていました。その直後、ペナルティスポットを指し示すレフェリーの姿に大歓声が沸き起こります。そんな共に戦うサポーターが徐々に静まり、一瞬の静寂の次の瞬間、蒲谷選手がゴール左隅にキッチリと決めてGOOOOOAL!!!! 同点!
 その後、J2の2軍相手に負けられないJ1 FC東京の意地と、1,300人のサポーターの前で今日こそ初勝利を上げたいザスパの執念が、最後の死闘を繰り広げます。しかしながら、いくつかの歓声と、何度かの悲鳴が上がりながらも、双方追加点を上げること能わずレフェリーのホイッスルでノーサイド。今日も初勝利はお預けとなりました。
 サポーターの多くから「次こそ初勝利を」という声が多く使われていたように、決して今日の結果に満足してはいけないとはおもいます。これは決して結果だけを見て言うのではなく、プロセスにおける一つひとつのプレーの速さ・正確さが高まれば結果は付いてくるはずで、その速さ・正確さのレベルが高まったことを証明し夢の舞台を掴み取るためにも、結果を出すことが手っ取り早いアピールになるとおもうからです。とはいえ、MCの最後のBGMに『栄光の架け橋』が使われたように、一握りの可能性に賭けて栄光を掴むために日々青春を燃やしている選手たちの枯れない情熱に、私は胸を熱くし、はた迷惑な声で絶叫してしまうのです。そして週明けのオフィスでは「お聞き苦しい声ですみません」を枕詞にしている私の姿が今週もまた繰り返されるのでありました。【昴⊂上州】



■ 2006年9月3日(日) ■

2006Jサテライトリーグ Bグループ第10日

ザスパ草津 0−3 アルビレックス新潟

嬬恋村運動公園陸上競技場

当惑と混乱

 「萎縮しちゃってるのかなー」試合中、そんな想いに囚われていた。前日の今シーズン、否、昇格以来のベストゲーム(と個人的には考える)とのギャップもまた、そう感じさせていたのかもしれない。やることなすこと上手く行き、放つシュートはゴールという果実に結びつき、決死のディフェンスは相手の得点を封じ込める。スタンドからは大歓声。溢れんばかりの賞賛のコールが沸き起こる。プレーしている選手も、支えるサポーターも、ともにサッカーを満喫している。そんな歓喜に満ちた雰囲気が前日の敷島にはあった…
 この日、嬬恋では前日の主客を逆転させたような戦いが繰り広げられていた。
 攻撃面においては、ペナルティエリア近くまで攻め込むことは出来ても、バイタルエリアまでの侵入は叶わない。突破した先には老獪なまでの技術でシュートコースを消し去るGKが立ちはだかる。守備面においては、恐らく初めて経験したであろう相手選手のスピード・テクニックに翻弄され、対応は否応なく後手後手となっていく。当惑と混乱。ピッチには自らを奮い立たせようとする声が響くものの、局面を打開するには至らない。そんな中でできることを忠実に遂行しようとしながら、その先のレベルのワザを前にして、次第に出足が、そしてこのチームの最大にして唯一の武器である積極性が失われていくように感じられた。そして結果は…。スコア上も、また内容的にも、残念ながら完敗であった。
 とはいえ、私は選手を責める気にはなれない。FWの奥山卓廊・蒲谷広樹・田中翔太はゴールを目指して走り続けた。両翼の小林雄太・小林卓也・金子恵は何度もサイドを駆け上がった。センターラインを預かった高田健太郎・山口直大・黒永恵志・中村亘は襲い掛かる相手攻撃陣に対し喰らいつき、振り切られても振り切られても最後まで追いかけ続けた。そしてサイドバックの澤田裕・片野賢二は、疲弊するセンターバックのケアとサイドウィングのフォローのために、ピッチを何度も何度も縦断した(サイドのウラをカウンターで突かれることも多く、最も恐慌を来たしたのは彼らであったと想像する)。そしてフィールドプレーヤーの奮闘も空しく、数多のシュートが殿軍・棗正志を襲い続け、いくつかのスーパーセーブと、3度の失点を見ることとなる。
 今日の敗戦を自らの糧にしてほしい。切にそう願っています。通用したところ、及ばなかったところ。通用したところは自信を持って、もっともっと伸ばしてほしい。新潟に通用した武器は、トップでも植木マジックによってさらに大きく飛翔する可能性を秘めていると信じています。残念ながら今日は及ばなかったところ。これは諸君の財産です。今日の対戦で感じた新潟との差は、これから諸君が高いレベルで戦うときにも感じるものだとおもいます。そしてそのギャップを埋めるための時間は−決してたっぷりと、ではないけれども−まだ諸君には残されているのです。かつてマイアミの奇跡を演じた日本五輪代表は、世界のレベルを持ち帰り、やがて日本のサッカーを変えました。この日J1レベルの洗礼を受けたチャレンジャーズチームの諸君が、その肌で感じた経験を自らの血肉に変え、大きく成長したそのプレーでザスパに刺激を与えてほしいのです。そのとき、「昔、『なっから』でエラソーにぼろくそに叩かれたなあ」と笑って振り返ってくれるようになってくれるのが、私の望みです。
 次の決戦の舞台は鬼門・駒沢。2年前のあの敗戦の日、スタンドに響いたサポーターの声を今でも鮮明に覚えています。それは決して上品な言葉遣いのものではありませんでしたが、その想うところ願うところは同じものがあったのです。諸君が歩いている道は細く険しく、それでいて儚い道かもしれません。しかし、諦めたら、全てはそこで終わってしまいます。栄光への架橋を駆け抜ける戦いも残り3試合。走り続ける諸君にあの日のサポさんの魂の叫びを伝えたいとおもいます。曰く「どこまでも応援してやるよ。だから、お前ら、死ぬ気で戦えよ!」と。【昴⊂上州】


■ 2006年9月10日(日) ■

2006Jサテライトリーグ Bグループ第11日

FC東京 3−0 ザスパ草津

駒沢オリンピック公園総合運動公園陸上競技場 2411人

弾き返されても

 試合前、会場入りした時にまず感じた感想は暑いというもの。前回の当時JFL、対佐川東京戦で来たときにはそこそこ風が抜けた印象があったため、期待値とのギャップもあり、試合前から少々グッタリしてしまう。草津から降りてきて下界の暑さにやられる、という経験は過去にも繰り返されたところであり、少しの不安とそれを裏切ってくれる選手のパフォーマンスに期待しながら、試合開始を待つ。
 先発メンバーはGK棗正志。DFは左から澤田裕・黒永恵志・中村亘・片野賢二。中盤の左サイドに小林卓也、同じく右サイドに小林雄太。ボランチに高田健太郎・太田康介。FWは奥山卓廊・蒲谷広樹の2トップ、ということになっているのであるが、蒲谷選手が一列下がり気味に位置し、結果的には奥山選手の1トップのような動きが多かったようにおもわれた。
 前半、ザスパは数多くのチャンスを作る。開始3分、左サイド小林卓也選手のクロスにFW奥山選手がヘッド。直後、ゴール前で小林卓也・澤田・奥山選手の動きながらのワンタッチパスで相手DFを翻弄。9分、自陣ゴール前をドリブルで駆け上がる相手選手に中村選手、渾身のチェイス。21分、同じく相手選手の切れ込みに黒永選手が身を挺してディフェンス。27分、卓也・蒲谷・奥山選手でゴール前でチャンスを作る。29分、太田選手強烈なミドルシュート。40分、中央でのワンツーから太田選手のドリブル。ファールを貰い、蹴るは片野選手。残念ながら壁に跳ね返され、典型的なカウンターを見舞われる。必死に戻る選手たち。高田選手、全力疾走で駆け戻り、間一髪ピンチを免れる。43分、奥山選手のインターセプト。ドリブルで駆け上がり、蒲谷選手へパス。蒲谷選手のシュートは…、シュートは惜しくもポストを直撃する。
 これだけザスパはイイところイイ形を作るものの、この段階で試合自体は1点のビハインド。というのも、浅い最終ラインはウラを取られた場合のリスクが相応に大きい。試合開始直後は狙い通りに決めることができたオフサイドトラップも、時間の経過と共にタイミングを計られ、ウラを突かれるケースが目立つようになってきていた。ザスパDF陣が背走しながらの守備に追われるケースを度々作られるようになり、上に書ききれないほどのピンチをセンターバックの黒永・中村選手と両サイドバックの澤田・片野選手で凌いでいくものの、堪えきれずにファールを犯し、フリーキックからの失点を喫していた。
 さらに後半開始早々、一瞬のミスから追加点を許してしまう。それでもザスパの勢いは衰えない。否、確かにペースは圧倒的に握られていた。しかし、そこには弾き返されても弾き返されてもぶつかっていく選手たちの姿があった。とりわけ右サイド、ザスパサポーターの目前では、雄太選手がこれでもかこれでもかと、果敢なチャレンジを続ける。雄太選手と片野選手で右サイドを駆け上がり、時にクロスを上げ、時に相手DFに弾き飛ばされながら、FWの2トップにボールを供給し続ける。受ける蒲谷・奥山両選手も相手DFの強烈なプレッシャーを受けながら、懸命にボールに喰らいつく。
 後半16分、佐野監督がカードを切る。前半のアクシデントで傷ついた澤田選手を下げ、山口直大選手を投入。フラット3とし、前線に人数を割くフォーメイションを採り、片野選手に代えて田中翔太選手を送り込む。典型的な3-4-3。前へ前へ。ピッチからは何とか1点を、という想いが伝わってくる。後半20分、奥山選手のミドルシュート、惜しくも枠を捉えられず。その後太田選手、ミドルシュート。GKに弾かれる。守備面でも、前半に引き続き高い位置に敷いた最終ラインを何度も何度も破られる。その度に3バック黒永・山口・中村選手の獅子奮迅のチェイシングと、棗選手のスーパーセーブでなんとか追加点は許さない。
 そんな後半25分、アクシデントが起こる。右サイド深いエリアで雄太選手が相手DFと激しく交錯し倒される。ピッチ外に出ようとせず、足を引きずりハーフラインまで戻るものの、レフェリーにより治療が命じられる。サッカーでは一人の動けない選手によって残る10人の動きが止まってしまう。ために、佐野監督も非常の決断を下し、雄太選手に代え福島祐太郎選手を投入。卓也選手が右サイド、卓也選手のいた左サイドにボランチだった高田選手、ボランチに福島選手が入る。さらにその後の後半40分には最終ライン中村選手を下げ、FWの藤田創至選手を投入。藤田選手を前線、蒲谷選手を左サイド、左サイドにいた高田選手をボランチに戻し、太田選手が最終ライン中村選手の位置に入る。改めて数えてみると、この段階でピッチ上には4人のFW登録選手が起用されていたことに気づく。
 その後も、とりわけ右サイドからの攻撃を何度も何度も仕掛けていく。後半30分、右サイド卓也選手のクロスに田中選手が呼応するも、相手DFとのポジション争いに敗れ飛び込めず。40分、奥山選手がゴール前でポストとなり、そのワンツーから蒲谷選手シュート。惜しくもGKの正面。ロスタイム、田中選手のクロスに奥山選手のボレー。枠を捉えきれず。トライして弾き返されて、それでもトライしてまた弾き返されて、最後まで酷暑の中を走り続けて、そしてノーサイドのホイッスルを聞く。
 前節のレポで、私は「死ぬ気で戦え」と書いた。そして試合は0対3の敗戦という結果に終わった。しかし、私は(前言を翻すようであるが)少なくとも彼らの健闘を称えたい。試合には敗れたが、この選手たちと共に戦えて自分は幸せだ。改めてそうおもった。そう。いま思えばあの長崎でのヴェルディ戦後の感情に近いものがあったかもしれない。勝てなかったけど、必死で戦った。いま持っているものは全部出した。私は誰が何と言おうと、そんな選手たちを誇りにおもう。今日の実力差は大きいものがあったかもしれない。暑さが理由にならないこともわかっている。おまけに相手には本来と異なるポジションでプレーしていた選手もいる、という屈辱も味わった。しかし、だから何だというのだ。上手くなる過程は私たちが見届ける。暑さにやられたのは不本意だが、最後まで足を動かそうとする姿はあった。屈辱は、成長した暁にたっぷりと恩返しをすればよい。たとえ歩みは遅くとも、いつまでも応援していこう、共に歩んでいこう、そんな気持ちで選手たちの姿を見つめていた。
 実は試合前、某選手のご家族の方とお話しする機会に恵まれた。「○○選手がいないとウチのチームは実力が発揮できないんですよ」そんなことを申しあげた。さらにハーフタイム、また別の選手のご家族と言葉を交わすことができた。「今日の××選手は攻めと守りのバランスが難しい仕事を、一生懸命頑張ってくれてますよね」。地味な汗かき役のポジションでも応援している人間がいることをお伝えしたかった。すると両選手の御母堂さまはお二人とも「応援してくれてありがとう」と頭を下げられた。恐縮の極みである。私などはただ応援することしかできない一介のサポーターである。むしろ元気を、勇気を、そして何より夢を諦めない気持ちを選手たちから与えてもらっているヘタレサポである。負傷した澤田選手・雄太選手。彼らは治療中、痛む身体にも関わらず、ドクターの声に対し交代を拒み続けた。フォーメーションチェンジのためにピッチを去った片野選手。無念の交代でその身体からは悔しさが滲み出ていた。逆にチャンスを得てピッチに飛び出した選手は、アピールのため全力で走りまくった。競争の渦中で戦う選手たちの姿に、安定というぬるま湯にドップリと慣れきってしまった私のような人間は、大切な何かを改めて発見するのである。【昴⊂上州】


■ 2006年9月17日(日) ■

2006Jサテライトリーグ Bグループ第12日

ザスパ草津 3−1 鹿島アントラーズ

嬬恋村運動公園陸上競技場

栄光の架け橋

 この日、今年度最後のホーム戦。今年のチャレンジャーズの試合は不思議と天気に恵まれる。ありがたい話だ。泣いても笑っても、彼らに残されたアピールの場はあと2試合。相手は共に鹿島アントラーズ。いくらユースの選手が何人かいるからとはいえども、J1上位のチームである。決して油断することなかれ、相手の胸を借りるつもりで頑張れ。試合前、嬬恋のピッチでアップしている両チームの選手を眺めながら、そう思っていた。
 試合前、いつものようにサポーターからチャレンジャーズチーム全員分のコールが起こる。選手たちは私の心配をよそに、実にのびのびとウォーミングアップしている。そんな風景を眺め、随分「チーム」らしくなったなぁ、彼らも逞しくなったなぁと感じた。現時点で1分5敗。結果こそ出ていないが徐々に成長してきていることだけは確かだ。彼らの場合は結果至上主義ではないとはいえ(最終目的はトップ昇格なので)、今日こそ初勝利が見たい!嬬恋まで足を運んだサポーター達の願いはひとつであったに違いない。
 今年は試合ごとにちょっとずつスタメンに変化が出ている。それだけ競争が激しいということなのだろうか?この日のスタメンはGK棗、DF片野/太田(cap)/澤田/黒永、MF小林雄太/平沼/高田/小林卓也、FW奥山、蒲谷。オーソドックスな4-4-2である。きっと中盤を押さえられなければ、ザスパにも勝機はあるはず!9月とは思えないくらい強烈な日差し(前回ホーム戦ほどではないが)を浴びながら、いざキックオフ。
 開始直後に相手選手を倒して早速FKを献上してしまう。しかもそのFKはキッカーの目の前に味方選手を2人置いてコースを見えにくくするという、なんともいやらしいものだった。私はなんとも思わなかったのだが、それはきっと鹿島サポ時代に練習見学や試合等で見慣れていたからであろう。周囲からはどよめきがおこっていた。そんな鹿島のプレーを見て「今日も相手に押されっぱなしになるのか?」と不安に駆られていたのも束の 間。前半2分、蒲谷選手からのスルーパスを右から一気に走り込んできた小林卓也選手が低めのシュート、見事なGOOOOOAL!!! いつもエンジンがかかるのが遅い印象のあるこのチームが、なんと先制したのだ!鹿島もその後エンジンがかかったようで、草津ゴールに何度も何度も襲いかかってくる。前半14分には鹿島の流れるような攻撃で1-1の同点にされてしまう。しかしその後、ザスパは鹿島の怒濤の攻撃に全員で耐え忍んだ。DFラインを高めに保ったので、相手の攻撃は自然とオフサイドトラップにかかる。最終ラインを突破されても最後の砦・棗選手が大きく立ちはだかる。スピーディーな鹿島の攻撃への対応は困難であったように見えたが、極力コンパクトにする作戦は的中したようだ。
この日のザスパはとにかく声がよく出ていた。試合中も太田選手の「いけ!プレス!!」「呼ばなきゃ分からないから!」棗選手の「上がれ、上がれよ!!」といった大声での指示が観客席まで届いてきた。この溢れる活気が、チャレンジャーズチームの魅力なんだいね!!太田選手が相手FW選手とヘッドで競り勝ったときには拍手が起こり、同時に応援も繰り広げられていく。すると、鹿島側でも応援が始まった。声を出して応援している方々もいるが、たいていの人々は芝生に座りながらじっとピッチを見つめ、ときには叫び、ときには天を仰ぐ。サテライトならではの、ちょっと温かい試合風景である。
 前半28分、CKから太田選手がヘッドで合わせたループ気味のシュートが決まり、逆転GOOOOOAL!!!! ザスパの勢いは増す一方、その2分後には奥山選手から蒲谷選手と、ワンタッチで右へ右へとパスがわたり最後は右に流れてきた小林雄太選手にパス、フリーだった彼はそのまま足GOOOOOAL!!!! なななんと、この時点で2点リード!!あまりの好展開にサポーターからは「どんどん打っていーぞ!」「FW点とれ!!」との声も。その後も幾度かチャンスはあったが得点には至らず、3-1にて前半終了。
 後半もザスパの勢いは変わらない。相変わらずラインを高めに保ち、相手にボールが渡れば必死にプレスをかけたりチェイスしてどうにかしてボールを奪おうと力を振り絞る選手たち。いつもならヘッドで競り勝つことも少ないが(相手が相手だったからかもしれないが)この日は何度も競り勝つ場面を目にすることができた。正直、ユースが混ざった鹿島に対しても、個々の能力は劣ってしまうかもしれない。スピード勝負しても負けてしまうかもしれない。けれども今、2点差でリードしている。それは技術ではなく、個々の「気持ち」と数ヶ月間一緒に戦ってきた彼らの「チームワーク」の集大成なのだろう。
 後半11分、右サイドを何度も駆け上がり追加点もあげた小林雄太選手に代わり、田中翔太選手が入る。小林雄太選手のポジションには蒲谷選手が、よって2トップは右に奥山選手、左に田中選手となった。ここでFW陣による追加点を…と思うのだが、前半よりもボールが繋がりにくくなってきた。鹿島の選手たちもプレスこそはきつくないが、しっかりパスコースを読みボールをカットしてくる。佐野監督の「前から前から!!」というやや苛立った声がピッチに響き渡る。監督は2点リードしていても満足なんかしていないご様子だ。確かに、今日のザスパならきっと追加点は奪えるはずだ。「攻撃はシュートで終わる」を守れているだけに、私たちの期待も増していった。その期待に比例して(?)、徐々に試合はヒートアップしていった。汗かき役として地味に大活躍した平沼選手に代え山口選手を投入、ボランチに太田選手が入り太田選手がいた場所に山口選手が入った数分後のことであった。まず後半25分、26分と連続で黄紙をもらった鹿島・後藤選手が退場。これでますますザスパ優勢に。鹿島はこれ以上点はとらせまいと必死に守ってくる。チームワークというよりは個々の力で打破しようとおもったのか、どうにもプレーが荒い。キーパーグローブが顔にあたり、呻く蒲谷選手。それ以外でもピッチで倒れるシーンがしばしば出てくる。しかし、残念ながらそれはザスパにも当てはまることだった…。片野選手に代えて藤本選手を投入して少し経過した後半31分、黒永選手にいきなり赤紙…と思ったらこれは主審のミスで実際はイエロー。ただ黒永選手はじめ、皆が動揺したのは事実である。思わず鹿島サポの友人の名言「サテライトは審判もサテライト」を思い出した。それにしても心臓に悪いミスだ。そんなハプニングの1分後、再びザスパの選手に対して赤紙が掲示される。どうやら今度は本当らしい。一発退場を命じられたのは山口選手。どうやら後ろから相手を引っ掛けてしまったらしい。ここで退場ということは、自動的に最終戦のアウェイ鹿島戦に出られないことを意味する。目を真っ赤に腫らしながらピッチを去る山口選手。見ているこちらも辛い。よりによってラスト2のこの試合で退場だなんて…。山口選手にはここでくじけることなく、11月末まで練習試合等で必死のアピールを続けてほしい。それを願うのみである。とにかく我がザスパも10人になってしまった。太田選手を再び最終ラインに戻す。しかし相手も10人。まだチャンスは残されている。後半37分、最後の切り札として奥山選手に代わり福島選手投入。が、走りまくっただけあって、彼らの足は止まりつつあった。止まる、というかもはや限界の寸前まできていたようだ。後半40分小林卓也選手、足がつってしまいしばらくピッチの外へ。棗選手は枠に飛んできた相手シュートを見事にジャンプしながら手で弾いた。成功はしなかったけど、交代で入った藤本選手は必死にボールをキープしながら相手ゴールを目指す。黒永選手も相手に思いっきり引っ張られながらも振り切り、突破に成功する。もはやポジションなんて関係ない。勝利に向かって全員が一つになっていた。必死に戦っていた。 ロスタイムになり小林選手が再びピッチに戻る。その勇姿に思わず拍手が起こる。ロスタイム3分ー決して短くはない時間。正直早く終わってほしかった。早く勝利の瞬間を迎えたかった。
 ついに今年度ザスパチャレンジャーズチーム、初勝利。 チーム発足から半年以上。実に長いトンネルだった。選手達も弾けるように喜ぶ、というよりはホッとした表情のように見えたのは気のせいだろうか?今年は選手のご家族が応援に駆けつける姿もよく見掛ける。ご家族の方々もさぞかし嬉しかったのではないだろうか。試合後、恒例の「ふれあいサッカー」も実にノビノビとした雰囲気で行われているなか、私は笑顔で嬬恋を後にした。
 最後に。目立つことはなかったが、高田選手、平沼選手両ボランチの踏ん張りがこの好ゲームにつながっていることを特記しておきたい。彼らが必死にボールを追い、且つ巧くボールを前線に捌いていた。今年のチームはボランチが上手に機能することがなかなかできず、中盤を支配できないことから相手にペースを握られてしまうことが多かった。この日は我がザスパがしっかりゲームを支配していた。ただ欲を言うならば、絶対にまだ何点かは取れる試合だった。鹿島はサテだからだろうか、あまり覇気を感じられなかった。ユースの選手たちはトップの選手に遠慮していたのだろうか、おどおどしているふうにも見えた。鹿島には申し訳ないが、今まで戦ってきた新潟・山形・FC東京の選手達は全員アマのザスパ相手にも必死にかかってきてくれた。次回アウェイ鹿島戦はどうか全力でザスパに立ち向かってきてほしい。明らかに力の差が出てしまうかもしれない。けれどもそれが我がチャレンジャーズチームの為になるのだ。
 今回の試合のテーマは「栄光の架け橋」だった。試合の数日前、金子恵選手のトップ昇格が発表された。徐々に彼らに残された時間は減ってきている。チャレンジャーズチーム17名、それぞれの想い描いた夢がひとつでも多く叶いますように。ラスト1まであと1ヶ月。1ヶ月後、カシマスタジアムという立派なスタジアムで、さらに逞しくなった彼らの姿を見るのを楽しみに、日々を過ごしていきたいと思います。【きくり∈東毛】


■ 2006年10月22日(日) ■

2006Jサテライトリーグ Bグループ

鹿島アントラーズ 1−3 ザスパ草津

茨城県立カシマサッカースタジアム

共に夢を

 人はザスパのキャッチコピーを「走撃」という。また、ザスパの魅力を伝える表現としてよく使われるものに、「雑草のようにひたむきに」「最後まで諦めずに」というものがある。そして現状の戦績よりも選手たちの戦う姿に共鳴し、夢を共に追いかけながら声援を送り続けるサポーターも多い。
 たとえばこんなシーンがある。相手ゴール前、ペナルティアーク付近でボールを受けた田中翔太選手。鹿島DFに倒されながらも、ボールを必死にキープする。ラグビーで言えばNot Release The Ball(倒れたらボールを放さないといけませんよ、というルール)の状態になりながら、鹿島選手4人に囲まれてなお、味方の攻撃参加を待つ。漸くザスパ選手もボールに集まり、こぼれ球を大事に繋ぐ。そんな折、サポーターは右サイドに最終ラインからオーバーラップを仕掛けてきていた片野賢二選手の姿を認める。と同時に、片野選手の前に前線の選手が懸命に紡いだボールが託されてくる。これを右足で振り抜いたボールは、ペナルティエリアの遥か枠外からであったにも関わらず、弾丸のような軌跡を描いてゴールサイドネットに突き刺さる。豪快な同点GOAL。ベンチ、スタンドが一体となって得点の喜びを分かち合う。
 さらに極めつけにはこんなプレーがある。ビハインドを覆そうと、強烈なプレーでザスパ陣内に襲い掛かる鹿島イレブン。これに対し、ザスパ守備陣は疲労困憊の態ながら身体を張ってゴールを死守する。そんな中、最終ライン澤田裕選手が懸命にクリアしたボールは前掛かりになっていた鹿島守備陣の頭上を越え、鹿島陣内右サイドを転々とする。これに強烈なプレスを掛ける片野賢二選手・福島祐太郎選手。守備に追われる仲間たちのために、そしてそこにあるかもしれない得点の可能性のために、鹿島陣内をどこまでも走り続ける。サイドライン付近で誰もがスローインとなるとおもったボールは一旦は鹿島DFの足元に収まったかのように見えた。しかし次の瞬間、そのボールをそのスピードと勢いでかっさらったのが片野選手。ただ、次のボールタッチがやや大きくなったところを、さらにかっさらったのが福島選手。そしてそのままドリブルで中央に斬り込んでいく。福島選手はペナルティエリア内でシュートを放つも、一度はGKに弾かれる。しかし、そのこぼれ球を再び押し込み、ザスパ3点目のGOAL。スタンド(のザスパサポ)は総立ちで、この日一番の盛り上がりとなる。
 前者は後半35分、後者は後半44分、実際にこの日、あのカシマスタジアムで繰り広げられた光景である。これだけでも遠路(といっても群馬からよりは楽なのだが)鹿島まで応援に行った甲斐があった、とザスパサポである喜びを実感する。もちろん鹿島選手の老獪なまでのテクニックに翻弄された場面もあったし、個々人のレベルでは及ばない点も多かった。特に守備陣が鹿島の強いFW相手に最終ラインを高く維持することはストレスの掛かるミッションだったと想像する(佐野監督も「下がるな!」と何度もテクニカルエリアから大声指示を出していた)。中盤を抑えきれず、ボランチの福島祐太郎・高田健太郎両選手も守備のタスクに追われていたし、サイド攻撃の裏を衝かれて最終ラインが恐慌に襲われるシーンも多かった。しかし、チーム佐野として漸く熟成してきたメンバーは、集団の力で、また時に個人のワザで勝負していく。たとえば、最終ラインの太田康介選手がオーバーラップを仕掛ける。このとき、1枚空いたセンターバックのポジションについて両ボランチに中村亘選手が指示する。「健太郎、プレス!祐太郎、ライン入れ!」と。これはまさしく浦和レッズの闘莉王選手の攻撃参加時のボランチの位置取りと同じ動きである。また、カウンターのリスクを背負って果敢にサイドに攻撃を仕掛けるなかで、左サイドの黒永恵志選手は一列前の小林卓也選手とのワンツー1本で一気にシュート態勢まで持っていく。と同時に、中盤を押さえられているとはいえ、早い段階で両サイドのスペースを狙い小林雄太選手やFWの奥山卓廊・蒲谷広樹選手を走らせる。この攻撃はTry and Errorを繰り返しながら、後半42分の太田選手から小林卓也選手へ の縦パス→ドリブル突破→勝ち越しGOALという結果を生み出す。
 この日はスコアを見れば3−1という快勝に終わった。が、決してスマートな展開ばかりではなく、むしろ跳ね返されるケースの方が多く、これからの課題を突きつ けられた部分も多かった。しかし、そこにはひたむきに、諦めずに、走り続ける 選手たちの姿があった。だからこそ、試合後のサポーターの胸の中には、3−1 というスコア以上の感動があったのだ。
 試合中、苦しい展開から得点を挙げた選手が、白いBeisiaユニのエンブレムを誇示しながらベンチに疾走し、スタンドに向かって拳を突き上げる。一緒に戦っていることを実感させてくれる瞬間だ。負傷した選手が担架で運ばれる。その涙が怪我の痛みによるものだけではないことを知っているサポーターも、その苦しみを共有する。また、前節の赤紙でベンチサポートに回った選手にも、サポーターから声がかけられる。悔しさを押し殺してチームのため、仲間のため裏方に徹する姿に、真のスポーツマンの姿を見る。そして、キックオフ前の円陣には、ハートに喝を入れるキャプテンの姿があった。いろいろなことが去来しているのであろうその心中を想い、見えざる神のご加護あらんことを祈らずにはいられなかった。
 リーグ戦が終了し、これから選手達はほんの一握りのチャンスを求めての自分との戦いを続けていくことになる。そんな中で応援できるシーンでは、積極的に彼らに声援を送っていきたいとおもう。この日の戦いで彼らがサポーターに勇気や感動を与えてくれたように、彼らが死に物狂いで栄光の架け橋を走り抜けるときに、少しでも支えてあげられるサポーターになろう、共に夢を追いかけていこう、とおもわずにはいられないリーグ最終戦となったのであった。【昴⊂上州】



2006Jサテライトリーグ Bグループ
2勝1分4敗;勝ち点7、得失点差-8、総得点11

グループ最下位、されど後半の成長は目を見張るものがあった

チャレンジャーズチーム、夢と感動をありがとう!!




Special Thanks
御寄稿・御協力あんがとね!

きくり∈東毛 様
昴⊂上州 様
特派員F@前橋 様
あきべー@北毛 様

製作協力三束雨@藤岡


Copyright(c) 2004-2006
すずき@東毛

無断転載、複製公開はかたくお断りすらぃね!

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