「医療人のための群馬弁講座」特講




第40〜52節

男の修行







■ 2006年9月16日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第40節

柏レイソル 2−0 ザスパ草津

日立柏サッカー場 7814人

その差歴然

 私のマンションの最寄駅を走る地下鉄は埼玉スタジアムへのルートとして知られています。この日当地では、埼玉県内を中心に国内屈指のサポーターを有するチームの試合が行われることとなっていました。案の定、入線してきた電車も、柏に向かうための乗換駅も、彼のチームのサポーターで真っ赤に染まっています。そんな中、(相変わらず)見られることにむしろ快感を覚えながらネイビーのレプユニで堂々と歩いていたのですが、いつか前橋駅が紺一色に染まり、臨時列車(およびバス)が運行され、チームの勝敗に町全体が盛り上がる、そんな文化がザスパを中心に広がるといいなぁ、と羨望の想いを抱きつつ、柏に向かったのでした。
 柏駅は、かつて千葉県民だった当時に使ったことがありました。私が住んでいた地域が千葉都民のサテライトだったのに対し、柏は独特の文化を築いている印象を持っていました。その柏文化に包まれた、黄色く染まった柏サッカー場に乗り込みます。今日はバックスタンドを奮発し、指定の席は前列2列目という臨場感タップリの場所。ただ気になったのが、選手よりも低い選手目線での観戦となったこと。そのため、サッカー自体については大変な大迫力で、目の前の佐田選手の鬼気迫るプレーなどを多いに堪能できるのですが、如何せん遠近感が掴めず、またチカ選手・太田選手のように遠近感を狂わす存在感により、フォーメーションの把握もなかなか困難な観戦となりました。
 それでも確認できたスターティングフォーメーションは、GK高木選手、DFは左から寺田選手・田中選手・齋藤選手・佐田選手。トリプルボランチで鳥居塚選手・秋葉選手・チカ選手。トップ下に島田選手を置き、2トップに高田選手・太田選手。柏の速く、強い攻撃陣に対応するための布陣とみます。過去勝てていない柏相手に一矢報いたい。ちょっとした敷島の悪夢ともいうべき前節の結果を払拭して、続いていく上位対戦に臨んでいきたい。ザスパサポーターの草津節を背に、上位へのチャレンジ第1ラウンド、いざキックオフ。
 しかし、流石はリーグ上位。ザスパは自由にプレーさせてもらえません。早いプレスを受けパスコースを消され、また巧みな位置取りでスペースを奪われます。とりわけ、島田選手・チカ選手には執拗なマークが付き、必殺の左足を封じられてしまいます(左足で出せるパスコースは封じられ、やむなく右足でのプレーとなってしまいます)。中盤では秋葉選手が危険なエリアをケアするものの、ボールを奪った瞬間に2人3人に囲まれます。両翼の佐田選手・寺田選手がサイドを駆け上がるものの、柏の粘り強いディフェンスに阻まれ、さらに守備のタスクが増えるに従い、高い位置でのプレーが少なくなっていきます。最終ライン齋藤選手・田中選手は柏FW陣をマークしますが、変幻自在な動きにマークの徹底に苦慮している模様です。FWの2人も守備に追われるケースが多くなり、自慢の決定力を発揮できない状況です。
 前半8分。ザスパ右サイドでファウル。ペナルティキックを奪われます。蹴るのはリカルジーニョ選手。ゴール前ではチカ選手・太田選手がスペース争いを繰り広げています。さらに齋藤選手が柏25番、北嶋選手をマークし、虚々実々のフェイントを掛け合います。そんな中、ザスパ右サイドから蹴りこまれたフリーキックは低い弾道でニアサイド北嶋選手のヘッドで軌道を微修正され、ザスパGK高木選手の横をすり抜けていきました。ちょうどリカルジーニョ選手の真後ろの席だったため判ったのですが、とにかくフリーキックのスピードが速い。そして2枚の壁を越えたところで大きく沈み、ファーサイドを中心に待ち構えていたザスパDFの遥か手前、齋藤選手も予想外のエリアで北嶋選手に合わされた感があります。とまれ、与えたくなかった先制点を献上。0対1。
 後半23分。左サイドで柏・藏川選手の突破を許します。ここから出たボールをリカルジーニョ選手がシュート。一度はポストに当たったボールも、その軌道はゴールから外れることはなく、ザスパゴールに吸い込まれました。“あちら側”でボールがゴール内でバウンドしたように見えた次の瞬間、怒涛のような歓声が伝わって来、追加点を奪われたことを認識しました。聞くところによると、藏川選手(かつてホリコシに在籍していた選手です)にエンドラインでボールをキープされ、そこにザスパ守備陣が4人引き摺られ、空いたスペースをリカルジーニョ選手に衝かれた、とのことでした。一対一で勝負しきれない現状の課題を見せ付けられたシーンではありました。0対2。そしてそのまま、ノーサイドのホイッスルを聞くことになります。
 この日はチャンスらしいチャンス、シュートらしいシュートを見ることはできませんでした。4本放ったシュートも、相手を崩して自分十分な体勢で打つところまでは至らず、正直なところ完敗でした。今回のレポは敢えて“こんないいところあった”というスタンスでは書きません。選手のやる気、これは間違いなく感じました。攻めも守りも、意図するところは大いに感じ取ることができました。したがって、チームを責めることは私にはできません。ただ、そんなチームに夢を託した者として、もう一段の高みに昇ってほしい。今日ぶつかって跳ね返された壁に挑戦してほしい。今日、“やられてイヤだったサッカー”を、今後ザスパができるようになってほしい。そのときにはJ1だってそんなに遠い夢ではなくなっているはずだ。そんなことをおもったのでした。【昴⊂上州】



■ 2006年9月23日(土・祝) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第41節

横浜FC 0−2 ザスパ草津

国立霞ヶ丘競技場 5206人

草津節高らかに

 オレたちの歌う勝利の草津節が、高らかに日本サッカーの聖地に響き渡る。選手もサポも、満面の笑み。知らぬサポ同志も歓喜のハイタッチ、握手を交し合う。オレたちのザスパ草津はついに聖地・国立霞ヶ丘競技場で初勝利を収めることができたぃね。
 第41節は、横浜FCが本拠地、三ツ沢競技場が芝の養生のため使用できず、国立霞ヶ丘競技場をホームとして開催されたんさ。ザスパは4月の第9節東京ヴェルディ1969戦で、この聖地に登壇するも惜敗しちまった。捲土重来のチャンスを伺っていたけんど、早くも再び年内にその機会が訪れることになったぃね。今回もオレは東毛人らしく東武特急「りょうもう」号で浅草→東京メトロ銀座線外苑前駅から北上、六大学野球で賑わう神宮球場を横目に国立競技場を目指す。5ヶ月ぶりの国立再訪。美しい緑の芝生、その威容あふれる姿は変わぬまま。(前回改修中だったスタンドもすっかり整備されてたぃね)折りしも猛烈な台風14号が太平洋を北上、東京地方も台風の影響か昼ごろまで曇り空だったけんど、台風が徐々に東に逸れてったせいか、試合開始時間が近づくにつれ、いー天気なったぃね。風はちっとんべ強ぇけんど、涼しくおーか快適。まさに「暑さ寒さも彼岸まで」だぃね。
 さて対する横浜FCは今年は見事に3位。柏、神戸、横浜、上位3チームは「支笏の争い」だぃね。草津としては前節、柏に完膚ねぇほど叩きのめされちまったし、そしてここにきてDF17尾本、25田中両選手の怪我での戦線離脱、しかも最近左サイドでいー仕事してた11寺田まで累積警告で出場停止、おまけに横浜は前回の対戦でもゴールを決められてる天敵アレモンもいるし・・・っつー不安材料べぇが目に付く感じだぃね。手薄なDFの布陣など、好調・横浜に対してどうチーム状態を立て直すんか植木監督の采配が注目されるところ。ちなみにtotoの草津勝ちの予想はわずかに約3%!大番狂わせでザスパここにあり!を天下に示そうじゃねぇきゃ!先発メンバーは登録上は以下のとおり。GK1高木、DF13山崎、3依田、4齋藤、5チカ、7佐田、MF30秋葉、6鳥居塚、10島田、FW9高田、24太田、サブにGK22北、MF15中井、27里見、FW14佐藤、20吉本。登録上はDF5枚!?この試合は守備的に行ぐってことなん?横浜はアレモン、城の2トップ。カズはベンチにも入ぇってねぇや、残念。
 試合開始前には、前座試合が組まれてて森山某氏のチームと横浜FCのOBチームとの対戦があってスタンドから黄色い声援が飛び交ってるし、実にまったりムード。(その前座試合が終わったら帰っちゃった人もまっさか多かったぃね)両ゴール裏を見渡すと、東京・国立に馳せ参じたサポの数、オレたち草津のほうが横浜を完全に凌駕してたんさ。どっちが東京に近ぇんかわかんねぇで。試合開始前からザスパサポのヴォルテージはなっから高かったぃねぇ。さぁ今日こそ勝って群馬に錦を飾るんべぇや!
 試合開始。よく見っと、ザスパのデフェンスラインはチカ、鳥居塚、齋藤の3人、センターバックは鳥居塚みてぇだ。その前を秋葉がカバー。山崎はDF登録なんだけんど、まっさか前で走り回ってるんさ。佐田と依田の両サイドはやや引き目に見えて、ゴール裏から見ると、3-4-3のよーにも、5-3-2のようにも見えらぃね。開始早々から横浜がアレモン中心に攻める攻める。ザスパは防戦一方。アレモンをきっちりマークしてぇところだけんど、マークがうまくいがず、たびたびアレモンにフリーでもたれて肝を冷やす。前半12分にはゴール前に攻められるも守護神・高木が国立の美しい芝を削り取りながらファインセーブ!あぶねぇあぶねぇ。その後も横浜のCKの怒涛の応酬を何とかカバー。チカは至近距離から顔面にボールが直撃、鼻血に見舞われる場面もあったんさ。ザスパも太田を前線においてカウンターからの攻撃を試みるもなかなかうまくいがねぇ。前半35分、島田が珍しく右足からのシュート、しかしキーパー正面をつき得点ならず。前半43分山崎が鋭いシュートを見舞うんも、これも決まんねぇ。とにかく前半は、得点のチャンスはこれぐれぇで、ひたすら横浜の猛攻を凌ぐべぇだぃね。まぁ前半凌いで後半勝負に持ち込む作戦はいつものこったぃね。前半終了、スコアレス。でもあんま心臓には良くねぇやぃなぁ。
 後半開始。後半9分、アレモンにシュートを放たれるも、これは枠に飛ばねぇで命拾い。その直後、依田に代わって吉本投入。久しぶりの出場の吉本は所狭しと走り回る。今度ぁ城にヘディングシュートを見舞われるがこれも枠を捉えらねぇで助かったぃね。横浜のペースで試合が進むんかなぁと思っていたが、吉本が入ったせいかちっとんべ流れが変わってきたんさ。その矢先・・・・・右サイドで齋藤が攻め上がり、中央やや右に走りこんだ佐田にパス、佐田は躊躇なくシュート!これは相手DFにはじかれる、が、その刹那、コボレ球に身を翻して再びシュートを見舞う。ボールは横浜の堅守GK菅野の差し出す手の横をかいくぐり目の前のゴールに!GOOOOOAL!!! 後半17分、ザスパ先制!国立ザスパ側ゴール裏は俄然沸騰&大興奮!さぁ草津劇場・国立講演の始まりだぃね。
 横浜の選手交代後、ザスパも前線で孤立気味だった太田に替えて、佐藤を投入。マチャも古巣横浜相手に期するものがあったんべ。だんだんザスパペースになってきた。そして後半30分、前線のマチャにボールが通り、マチャはゴールやや右寄りからゴールめがけて鬼気迫る顔で電車道に爆走。これを後ろから阻止しようとする横浜DF早川。早川の後ろからのチャージで、マチャはペナルティエリア内で倒されたぃね!駆け寄る主審、躊躇なく掲げる右手には赤紙提示!やった、PK!さぁキッカーは誰?高田は前回の国立・東京V戦でPK外してるしなぁ・・・キッカーは島田!頼むぞ島田!!島田は落ち着いてゴール左にPKを決めたぃね!GOOOOOAL!!! よし!これで2点目!堅守横浜から2点をもぎ取ったで!しかも相手は10人、残り15分!絶対勝つ!
 ザスパはこの得点後、高田を下げて中井を投入。守りを固める作戦。横浜は10人の上に、2点取られて気持ちが切れちまったんか、前半のような猛攻は仕掛けられなくなってきたで。しかも横浜の反撃の芽を、神出鬼没にことごとく摘み取る秋葉のナイスディフェンスは特筆モノ。ザスパは前々節の山形戦の失敗を教訓にしたんだか、前回じゅうぶん学習したよっ!これでもか!っつーどれもこれもがなっからでっけぇクリアで時間稼ぎ。しかし、ロスタイムは4分。あと少しなんに最後に佐田が右サイドつまんねぇ遅延行為で黄紙をもらっちまったぃね。佐田は値千金の殊勲の先制弾を決めたんはいーけど、これで累積の2試合の出場停止になっちまった。こーゆー黄紙は不必要なんでまっと冷静にやってくんなぃね。
 でもそうこうしているうちに長いロスタイムが過ぎて審判の長い笛、試合終了。0−2、完封の完勝!国立霞ヶ丘競技場に響き渡る勝利の凱歌となった高らかな草津節。ゴール前では誕生日を迎えた山岸GKコーチへの手荒な「バリカン」の儀式も取り行われて、ゴール裏は笑いに溢れたお祭り騒ぎ。この歴史的瞬間を体験したオレはほんと感無量だったぃね。天は高く、空には秋の絹積雲。平成18年9月23日、ここ国立霞ヶ丘競技場での試合、オレは生涯忘れねぇよ。【すずき@東毛】



■ 2006年9月27日(水) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第42節

ザスパ草津 0−0 湘南ベルマーレ

敷島公園陸上競技場 4545人

不発

 リーチ・一発・満願(貫)!っていきたいねぇ。23日国立で、横浜FCからの見事な初勝利で、お約束の10勝にあと1つ。初の連勝と一緒に、今日一気に決めちゃってくんないね!それになんつったって『今年の借りは年内返済』期限は今日しかねぇ。柏から仙台まで続く「今年イッペンも勝ててねぇ相手ツアー」ん中に湘南が入ってるんが信じらんねぇぐれぇなんだけど、大西前社長追悼試合の2アシスト、8月アウェイのプレゼントと、まぁ気前良く献上してきたいね。キッチリ清算し、今年最後のナイトゲーム企画「花火」をいっぺい見してくんないね!
 開門即入場即腹拵え。先発メンバー聞いてビックリだぁ!柏で3週間の骨折した田中選手が出てるよ。横浜FC戦の殊勲者佐田選手が、黄紙溜め込んで出場停止になっちまって、右サイドは誰なん?だったけど、スタメンは5バックと発表された。
 開始前、高田選手に『祝・J2通算250試合出場、50得点達成』の花束が、奥様と愛息から贈呈された。記念の一発決めてくんないょ!花火もスタンバイOKだかんね!
 前半開始。ピッチ上には、バックライン右から田中・斉藤・チカ、ボランチ鳥居塚・秋葉、真ん中島田の右に上がり目の山崎、下がり目でお帰りぃの寺田、2トップ高田・吉本の各選手が並んでいた。湘南の1トップに裏を取らんねえ用心とMFアジエルを好きに動き回らせねえ作戦かぃ?前回ザスパに勝ってっからズーっと勝てねえで、前節札幌に6点で大敗した湘南は、義理人情に厚い群馬県を頼ってか、田村・中町・石原と群馬県関係者3人を起用、4バックを中心に守りを固めて出て来ねぇや。そいじゃぁってんで、「できるんだから、ヤレ!」の声援を受けた田中選手が、インターセプトから攻めあがりクロスを上げたりと、ザスパが攻勢に出るんだけど、まるで「早すぎるゴールはご遠慮します」かのようにラストパスが繋がんねえ。花火が待ってるっつうのに。10分過ぎまでSHが撃てねぇ。湘南も初シュートは20分過ぎ。ザスパお得意の時間帯の40分、山崎選手のスルーパスに高田選手が抜け出し、GKと1対1になったんだけんど、シュートのタイミングが合わなかったんか、枠には撃てなかった。高田選手の足に、GKの手が触れたようにも見えたから、倒れていたらアウェイのお返しPKになったんじゃぁねぇか?腰を引いたアウトボクシングみたいな前半終了。攻勢ポイントじゃザスパなんだけど、花火は一発も上がんなかった。上がんなかったけど、360°常に指差確認し、田中選手に指示出ししていた鳥居塚選手を中心にしたDF陣は、忠実なマークと連携で湘南の攻撃を封じ、バタバタ慌てる場面も無かったぃねぇ。前半守って、後半勝負、ザスパ得意のシナリオだぁね。勝点「3」ゲットで、花火の乱れ打ちを楽しもうじゃぁねぇか!
 後半、頭っから湘南はFW横山を投入、2トップにシステム変更してきた。これに対応でぎねぇザスパは大混乱。マークがズレてゴール前でフリーにするは、不用意な横パスをさらわれアジエルに自由にされるはで、お得意のハズの時間が、アベコベに危険な15分になっちまった。『10番!10番!』どこにもやったら顔出すアジエルの動きに苛立つサポ。石原選手がアウェイのPKと同じように、エリア右に侵入して来る。GK高木選手は、DF陣との意思がプッツンしているかのような、一旦出ようとして又戻るという中途半端な動きになった。ザスパもカウンターから反撃。ゴール正面やや遠めのFKを田中選手の頭が捉えたんだけんど、バーの上を通過。流れを変えようとしたんか鳥居塚選手の放ったミドルは相手GK真正面で懐にスッポリ。20分過ぎ、右サイドのFKは島田選手じゃなくって、鳥居塚選手が蹴ったねぇ。目くらまし?来季の布石?今日は当たってない?もしかしたらケガかぃ?32分、吉本選手→横浜FC戦再現期待の佐藤キャプテンへ。この後最大のチャンスになった。相手FKのこぼれ球を拾った鳥居塚選手がドリブルを仕掛けて持ち上がり、右サイド中ほどでFKをもらった。お得意の位置に島田選手と並んで高田選手が構える。『決めてくださーい!そして来年もお願いしまーす』の声に応えるように、高田選手のダミーを入れてからの島田選手のキックはGK正面に。これをGKがキャッチし損なって弾いた。詰めていた斎藤選手の左足に当たったんだけど、ポスト左脇に抜けてっちゃった。ほんの少し角度が違ってたらなぁ。あの20分のキッカー交代はこのタメの仕掛けだったんかぃ?なっからやるじゃん!そんならリスタートの楽しみが又増えたいねぇ。40分にゃ、相手クリアボールを拾って上げたクロスが、佐藤キャプテンの頭にピッタリだったけど、叩ききれなかったんだかバーの上を素通りしちゃった。ロスタイム3分。最後の侵入からのピンチを高木GKが右手一本でクリアしてタイムアップ。最後まで勝点「3」への姿勢を続けたガップリ四つの後半だった。だけんど「花火」は不発。清算は来年まで持ち越しかぁー。「来年倍返し」鬼に笑われても良い。
 終了後、秋葉選手と言葉を交わし、高木GKをポンポンと叩き労う鳥居塚選手。挨拶の最後に「フーッ」と大きく一息吐き出していた。『次勝てよー!頼むぞぉー!』 【群馬のパパ@中毛】




■ 2006年9月30日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第43節

ベガルタ仙台 5−2 ザスパ草津

ユアテックスタジアム仙台 11146人

萩と月

 気がつけば季節は秋。山野には、紅葉を目前にして赤紫色の萩の花が盛りです。高崎の朝もここのところ気温が低く、遠征に向かう寝ぼけ顔を引き締めてくれたりします。本日は、奥州の大敵・仙台との対戦に参じます。坂上田村麻呂か源頼義よろしく意気揚々と奥州遠征、と行きたいところですが、はたしていかなる結末が待っていることか。自身の仙台でのトップチームの試合観戦は、これで3回目。七ヶ浜の逆転劇(2004・JFL)と天皇杯・仙台の奇跡(2004)以来ということになります。もっとも、その天皇杯以降、仙台での試合では●がたくさん並んでいますが…。彼我の力差は歴然と存在しますが、決して遠く及ばないものでは無いということも肌で感じています。そんなことを今回の道連れたるマスターK@前橋君と話しながら、進路は一路北へ。高速道路を利用して行くと、ユアスタまでは4時間ちょっとの道程です。このスタジアムの良いところは、アクセスの良さに尽きます。車でも電車でも(距離から来る金額はそれなりに掛かりますが)、実勢距離よりも遠さを感じることなく辿り着くことができます。スタジアムに到着するや、目に入るのは黄色の人波。いつものことながら、アウェイだぜっ!って雰囲気をビンビン感じつつ、闘志はいや増します。スタジアムに入ると、アウェイゴール裏には総勢100名は確実にいるでしょう、力強い我が同志が黄色に染まらんとするスタンドに紺色の楔でアクセントを付けています。
 ところで、今節の戦いはなっから過酷なものとなりそうです。何故ならば、累積警告のためにSB・佐田選手が出場停止であることに加えて、前節被った負傷のため司令塔・島田選手が出場できないからです。さらに当方にとって痛いのは、2試合の出場停止が明けてボルジェス選手が万全の態勢で帰ってくること。なにせ、前回のアウェイ戦では彼の御仁にけちょんけちょんにいぢめられましたからねぇ。と言うわけで、考慮すべき事項がてんこ盛りな今節の陣構えは次の通りとなりました。GK:1高木選手、DF:3依田選手・4齋藤選手・5チカ選手・25田中選手、DMF:30秋葉選手・6鳥居塚選手、OMF:11寺田選手・15中井選手、FW:9高田選手・20吉本選手。基本的にはDF各人がマンマークを担当し、2ボランチがこのフォローを行うという守備陣形(4バック2ボランチ)。前線は中核となる司令塔を置かず、左右のSHによるサイドアタックを基調として、中央はDF・ボランチのオーバーラップによって厚みを持たせるといった攻撃陣形になりそうです。フォーメーションとしては4-4-2ですが、マーカーの移動とそのフォロー、ボール奪取後のカウンターアタックの多発が想定されることから、ポジションチェンジが頻発するのは必至でしょう(自らの行いで混乱しないよう願います)。
 相手が何であれ、場所がどこであれ、我らの選手達を迎え入れるのは、変わることない魂の調べ・ラスハル、そして草津節。対仙台戦第8ラウンド、開幕です。ファイッ!
 試合開始から20分までは、草津ハーフでの攻防という状態です。ボールポゼッションは完全に仙台に握られていますが、しかし最終局面には至らせていないのも事実です。マンマークを担当する各人、とりわけDF田中選手のブラジル封じが奏効しているといえます。前半22分、ここまでやや劣勢にあった草津の仕掛けた久々の攻撃によって得たCKのチャンス到来です。本来であれば島田選手の出番なんですが、ここは中井選手がキッカーを務めます。右コーナーから中井選手の繰り出す球足の速いセンタリングは、ファーサイドに走り込む齋藤選手にピタリと合い、迷い無いヘディングによって先制点をもたらします(そういえばリュウちゃん初ゴールだいね、オメ^^!)。GOOOOOAL!!! 満場のため息をかき消すアウェイゴール裏の大歓声。手応えは十分です。マークを怠らず、不用意なファールに気を付けつつ、隙を見て機敏に攻め寄せれば、追加点だって狙えそうです。ところが、仙台も大人しく引き下がってはくれません。前半28分のボルジェス選手、前半37分のロペス選手と、立て続けに要注意人物2名にしてやられて、呆気なく逆転。特に2点目などは、ゴール前に上がったハイボールに対してマーカーである田中選手を背負いながらオーバーヘッドキックを放つというもの。この信じがたいプレイが綺麗に決まってしまう辺りが、チームの勢いの差なのでしょうか。結構攻めはしましたが、前半は2-1のまま終了です。この失点ではっきり気がつきましたが、草津のDFはマークの際に体を寄せはするものの、当たりに行くとか、足を出してボールを弾くといった行動が少ないようで、その結果、ブラジリアンの素早い体捌きを受けると容易にかわされてしまい、ゴールに向かうその背中を追いかけなくてはならなくなってしまっています。これを止める手だては、まあ後ろから突っ掛けてのファールしか無いわな(これまでの自陣深くでのいらないファールはこれが原因なんでしょう)。ま、でも、攻めてはいます。後半はこれ以上の失点をせず、少なからず到来するチャンスを確実にものにするというスタンスでいぎましょう。
 後半に入ると、前半よりは攻守拮抗の状態が見て取れます。後半11分、ここで一気に攻勢に出たい草津陣営が動きます。FW吉本選手→FW太田選手、DF依田選手→MF山崎選手という交代を行い、システムを3-5-2へと変更します。山崎選手の投入により、前線の動きが活性化します。ワタル君は、サイドに流れるのではなく、サイドから中央へ切れ込んでフィニッシュに至る仕事を本領としますが、ピッチに入った直後から遺憾なくその働きを示します。さらなる攻勢を企図し、植木監督は後半20分に早くも最終カードを切ってきます(おお、撃ち合い上等、今日はやる気満々だいね)。MF中井選手→MF櫻田選手の交代を行い、櫻田選手に前線でのボールコントロールを委ねます。これらの変更によって、戦線は互角かやや草津攻勢の色合いを醸し出します。とりわけ交代出場した山崎選手・櫻田選手の果敢なアタックは、ともすれば沈滞ムード一色になりがちな状勢を引き締めるアクセントになっています(両名とも、今シーズンに入って技術・姿勢など様々な面での成長が伺え、サポートする身としてはうれしい限りですよ♪)。一方で、攻勢をかけつつあるこうした時につきものなのが、ほんの一瞬生じるエアポケットのような時間・状態よる失点。後半24分、前掛かる草津守備陣の隙を突き、かいくぐって速攻ワンツーパスから決めたのは、またもボルジェス選手。瞬速でした。こうなったら遮二無二攻めるしかない草津は、俄然攻勢を強めます。強めます、が、ゴールが遠い。逆に後半27分、仙台ゴールキックが思いの外長く飛び、大きく弾んだ先は草津ゴール前。草津DFの緩慢な処理作業を見逃さなかったボルジェス選手、このボールを強奪するとそのままシュート(なんと前回に続いてハットトリック達成だいね…)。不用意にも程があります。もっとも、不用意というか緩慢なのは仙台側も同様で、直後の後半29分には、草津CKからチカ選手の綺麗なヘディングシュートがゴールに突き刺さり2点目をゲットします。GOOOOOAL!!! この得点を契機に、仙台は占守カウンターの姿勢を取ります(水戸や横浜とは異なり、ガッチリ引いてという感じではありませんが)。サポーターのコールは今やエンドレス「草津GO!」へ突入です(終了まで切れなかったいね)。完全に前掛かりになった草津は次々に仙台ゴールに肉薄しますが、どうしても球をねじ込むことができません。後半42分、交代出場のチアゴ選手にカウンターから5点目を奪われますが、これは致し方なしでしょう。そして響く笛一声。場内の歓声が一際大きくなり、アウェイゴール裏が沈黙すると、仙台大戦は幕引きとなりました。
 ワンチャンスを生かした先制点、捨てない気持ちでもぎ取った2点目。5点という大量失点は、そりゃあ褒められたものではありませんが、殴られるまま為す術無く無抵抗に付けられた刻印ではありません。強大と言える相手に対し、臆することなく手向かって、でもやっぱり敵わなくて、それでも背中を見せて逃げ出して付けられた臆病傷ではなく、立派に戦い付けられた向こう傷です。やんなきゃいげねぇこと、直さなきゃいげねぇ所がいっぺぇあんのは、はなっから分かってるんで、そこはしっかりすんべぇや。でもね、今日みたいな大敗戦であっても、「倒れ伏すとも前のめり」な戦う姿勢は、僕らサポーターには確かに伝わるし、選手達自身の精神のよりどころになってゆくのではないでしょうか(だからブーイングは起きなかったんじゃないかな;追記すると、次は勝つんべぇや!とか俺たちが付いてるぞ!という声援が送られてました→甘やかすのは良くねぇけんど、追い詰めるのはもっと良くねぇやいね。だから今日はこれでいいんさ)。
 帰路見上げる夜空を流れゆく雲は、秋を彩る薄明るいそれではなく、月光を覆い隠す分厚い積雲です。それでも遠路奥州まで来たのだからと気遣ってくれるように、時折半分欠けたお月様が姿を見せてくれたりもします。照ったり、陰ったり。そうして日月は昇り、暮れ、季節移り、日々を重ね行く。萩映える初秋に半分の月昇る空を見上げ、願わくば、僕らの行く道の明るいことを。 【ほーせん@高崎】



■ 2006年10月14日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第44節

ザスパ草津 0−0 サガン鳥栖

敷島公園陸上競技場 2362人

時は流れて

 足踏みかぁ、今日も。勝てなかったかぁ!つぅより負けねぇで良かったぁ!の方が正しいかもしんねぇ。だけど、ここまでザスパを連れてきてくれた山口選手の敷島里帰りも見られた。
 日韓W杯代表&セレッソでも活躍した尹晶煥選手の優しいパスも見られた。遠めだったけど松本監督も見られた。なぁーに、こん次二つ勝ちゃいいんだ。良かった×2。何が良かったかって?J2になってっから、この敷島で、ナマのKING KAZUや城・三浦淳など見ることができた。尹晶煥選手も。彼らは、ピーク過ぎとはいえ随所で彷彿させるプレーを見せてくれた。3年先は、J1のバリバリだょ。考えただけでもワクワク&ゾクゾクするがね。現役代表もいるぜぇ。そん中にザスパの選手が入っててごらんょ、もう最高。長生きしよっ!なんで松本監督か?古くて長くなるんで、お急ぎの方、飛ばして下さい。JAPANがメキシコで銅を取った頃から、「三菱ダイヤモンドサッカー」が、金子勝彦アナのオープニング名セリフ「サッカーを愛する皆さん、ご機嫌いかがでしょうか」、岡野俊一郎氏の名解説付きで、イングランドサッカー等と共に日本リーグも放映していた。サンフレッチェの前身、東洋工業も贔屓のチームで、ウィング松本も楽しませてもらってた。引退後、瀕死の重傷から生還し、指導者として今日敷島に来ている。お互い長生きしよっ!
 今日の鳥栖戦から、21日愛媛、29日札幌と続く「ホーム3連戦」に勝って、実りの秋を満喫してぃやね、と期待して、いつもの手順でスタンド入り。気温18℃、無風と絶好のJ2日和。『YOU!ホーム3連勝しちゃいなYO!!』の断幕が架かってる。FW4選手の断幕が、高田・吉本・太田・佐藤の順に並べてあって、その名前の下に金色の☆がゴールの数だけ貼ってある。さぁみんな!今日は☆を増やしてくんな!
 鳥栖は新居選手欠場だけど、尹晶煥選手も山口選手も先発。ザスパは、サイド封じと中盤で好きにさせねぇように4−3−1−2の先発メンバー。GK高木、DF右から佐田・チカ・斉藤・田中、MF桜田・秋葉・鳥居塚にトップ下島田、2トップ高田・吉本、ベンチスタートで北・寺田・山崎・太田・佐藤の各選手。出場停止もなく久しぶりの勢揃い。「お帰り!」の声がかかる佐田選手の足にはCM依頼が来るんじゃねぇかっつうほど貼ってあるエ○キバン。ここまで来りゃぁ他の選手だって皆どっかに故障抱えて、頑張ってるんだよな、なんて想いながらピッチを見るとチカ選手の頭がスッキリ!よーく見っと島田選手もヘア・バンド無しみてぃ。頼むからお詫びのカットだけは勘弁してくれぇ。
 開始1分。ペナルティエリア内で、右にいた島田選手のヘッド→中央の桜田選手へ浮き球が。桜田選手のヘディングシュートはGKの胸にスッポリ。残念。あれぇ!レフティ同士のヘッドかぃ、初っ端っから珍しいもん見してもらっちゃった。サッカーは意外性だ。「頭でやるもんだ」ってオシム語録にもあったいね(ちょっと違うか?)でもこんな新兵器開発なら大歓迎でーす。この後40分の吉本選手のミドルと、前半のシュートはこの2本だけ。残りは全て鳥栖の時間、反撃に行ってもシュートまで辿りつけねぇ。10分、鳥栖が右から最初のCK。ザスパ・サポの目の前に蹴りに来た山口選手を、心のこもったBoo!で大歓迎。軽く右手を挙げて応えてくれた山口選手に、すかさず主審が歩み寄って来て、注意だか何んだかしんねえけど言ってた。鳥栖のHPで「最も印象深いことは?」に、自身の豊富なキャリアにも拘わらず、「ザスパのJ2昇格」と書いている山口選手と、「ありがとう」を言いそこなったサポが、ブーイングと右手で通じる、一番泣かせるシーンじゃぁねぇんきゃぁ。審判もゲームを盛り上げる一員じゃねぇん?黙って見逃してくんなせぃよ、ここは義理と人情の上州・敷島でござんす。この後山口選手は、全部で6本CK蹴ったんだけどnnn・・・(続きは、ご推測下さーい)。ただ、なーんとなく漠然としてだけど、安心して見ていられたことだけは確かだぃね。
 幻のゴールシーンは29分。左タッチラインをドリブルで上がる尹選手に誰も詰めに行かねえから、遠慮なくそのままゴールライン際まで侵入して来てピンポイントクロス。ゴール前で待ち構えていた山口選手に、ヘッドでゴールにパスされちゃった。あぁーあ、やられちゃったぁ!だけど笛を吹いた主審はセンターサークルと逆方向に25番の選手を指差してるじゃねぇ?ファールかい?ふぅー危ねぇ!助かったぁ!そしてレフェリー様、良くぞ見ていてくれました。競った25番もチカ選手もみんな、どうもありがとう!ところが、鳥栖ベンチが試合終了までの間、再三抗議するもんだから、段々「?」が多くなってきて、オリジナル・ポーチからレッド・カードを出し、レフェリーに向けて「退場!」と叫ぶサポが出るほどになっちゃったぃね。
 この後、チカ選手、自陣で秋葉選手のフィードに出遅れインターセプトされた責任を感じたんか猛烈チャージで黄紙貰い、マタマタ4枚貯めちゃって、残りの2連戦が出場停止になっちまった。ロスタイム。吉本選手がGKと競って、腰を押さえながらタンカに乗せられた。後半どうなん?今日まだ☆ナシだぜ。やられっぱなしの前半だったけど、なんとか凌ぎ切った。
 お得意パターンの、後半開始から攻撃開始するザスパ。斉藤選手がフィードしたFKを、島田選手が右から右足で中央の高田選手にクロス。反転して左足シュートはバーの上に。佐田選手は7番同士のマッチアップで報復キックされた鬱憤晴らしのように、インタセプトからドリブルで中央に切り込み、強烈ミドルを見舞った。左を基点に再三攻撃を続けたけど、寄せが早い鳥栖の4BKに阻まれ、終わって見れば後半もこの2発だけだったなぁ。鳥栖の小っちゃな34番から左クロスが山口選手に。再度のヘッドシュートは右ポストがクリア。そのこぼれ球を拾った25番のシュートは、ゴールラインぎりぎりで神様高木GKの身を挺した両手がクリア。19分、手を挙げることもなく引き上げる山口選手OUT。早すぎねぇか?もっとゆっくりしていぎなぃね!でもお疲れさん!鳥居塚選手や斉藤選手とのマッチアップを楽しませてもらいましたよ。20分吉本選手→佐藤キャプテンに。さぁ遠慮なく☆目指して攻めとくれ!だったけど・・・・前回の湘南と同んなじ結果だった。
 次は愛媛戦。勝ってくんないねぇ。それにゃぁまず点とらねぇとな。【群馬のパパ@中毛】



■ 第45節はお休みだぃね! ■




■ 2006年10月21日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第46節

ザスパ草津 2−5 愛媛FC

敷島公園陸上競技場 3123人

カタストロフィ

 長く苦しい試合が終わったで。2−5。はぁブーイングをする気力もねぇや。確かに2点は奪った。しかしホームで5点を失った。気分的には「大惨敗」の一言。完全な走り負け、気迫負け。ほとばしる気力の宿敵・愛媛の前に完膚なきままに叩きのめさちまった。前節、柏から3点取って勝利した愛媛はホンモノ、一枚も二枚も上手だったぃね。ザスパの御旗「走撃!」を体現していたんは、間違いなく愛媛のほうだったぃね。ただ、この力の差、この悲劇的結末、いったいあそこにいた誰が予想してたんべか?
 時間を2時間前に戻すんべぇ。朝から風は強ぇが晴天。暑くもなく、寒くもなく絶好の観戦日和。ザスパは前節休みだし休養十分なはず、しかも6月から敷島不敗神話は続く。今日のホーム戦もこの時点で勝点差6はついてたけんど、ついこの間まで同じような順位にいた愛媛が相手で、勝点奪取の皮算用してた人も多かったんべ?オレもそうだったぃね。このちっとんべ驕った気持ちに魔が差し込んでいるんをみんな気づかなかったんだぃな。
 この日のザスパはチカが累積で2試合出場停止の1試合目、布陣は4-4-2。GK1高木、DF7佐田、DF4齋藤、DF25田中、DF11寺田、MF6鳥居塚、MF30秋葉、MF13山崎、MF10島田、FWは24太田、9高田の2トップ、控えにGK22北、MF18櫻田、MF19後藤、FW16堺、FW20吉本。勝って愛媛戦の勝ち越しを決めたいところだぃね。
 試合開始・・・ザスパは愛媛に完全翻弄されちまうんにそう時間はかかんなかった。愛媛の選手達の漲る気迫、凄まじいプレス。6月敷島で観た姿と全然違がうで。かたやザスパ、サイドは全然駆け上がれねぇし、ボール持ちゃ愛媛に激しいプレスを仕掛けられ、全然前を向けねぇで、横や後ろにパスべぇ。苦し紛れのロングボールは、ちっとも脅かすもんでもねぇや。得点の匂いなんか全くしなかったぃね。愛媛は怒涛の攻撃を仕掛け、ザスパ陣内に何度も何度も迫る。ザスパは前半22分、太田の打点の高いヘッドがゴールをかすめるも、チャンスらしいチャンスはこの一時べぇだったんさ。まさに防戦一方。それでもどうにかこうにか凌いではいたんだが、前半終了間際、愛媛、右からのセンタリングがゴール前へ。高木がパンチングでクリアするも、ボールは前に転がって、電車道のごとく駆け込んできた菅沼にゴールマウスを射抜かれちまった。先取点を許す、0-1。なんとか無失点のままハーフタイムを迎えたかったが、相変わらずの終了間際の失点。でも前半のデキからいって1点ですんだのは幸いだったぃね。後半、気持ちを入れ替えてまず同点と行ごーや。
 後半開始。開始早々1分、ザスパのディフェンスの甘くなったところを、またも菅沼が蹴り込む。あっけなく開始直後の失点、0-2。同点にどころか、ますます厳しい展開。愛媛の一方的攻勢が続く。流れを変えるためか山崎に変えて吉本投入。しかし直後、今度はコーナーキックからノーマークに近い南にヘッドをくらい、またも失点。0-3。予想だにしなかった劣勢。どーしたんだ?ザスパ!?不満と不安が交錯する敷島。20分は太田に替えて、堺投入。23分、ゴール前の混戦を愛媛がクリアしたボールは右サイドの秋葉へ。秋葉は遠目からゴールめがけてシュートを見舞うも、GK川北がセーブ。しかしこのこぼれ球を左から高田がゴールに押し込む。GOOOOOAL!!! 泥臭いシュート。さぁ反撃!1-3。時間はまだ十分ある!寺田に替えて後藤投入。勝負はこれからだぃね!
 が、願い空しく、その数分後、またもあっけなくデフェンスラインを崩され、千島に得点を許しちまう。1-4。この頃より西の空から、この日のザスパの行く末を暗示するような黒い雲が覆ってきたぃね。36分、愛媛DFのちょっとした躊躇を逃さず、猛進した吉本が執念で爪先で押し込む。GOOOOOAL!!! 意地のシュート、2-4。そうだ、2年前の南長野で愛媛相手にハットトリックを演じ、引導を渡したのは他ならぬ吉本じゃねぇきゃ。まだ行げる。あと2点だ。その2分後、またも吉本が抜け出し、シュートを見舞う!が、こともあろうか放たれたボールはボールとは逆の左に飛んだGKの足に当たりゴールならず!そのこぼれ球を島田が狙うが大きく枠の外へ。決まれば一点差だったんに・・・・ザスパもやっと覚醒したんだか、前半よりは攻めの姿勢が出てきたけんど・・・41分には替ったばかりの石丸にトドメの5点目をくらっちまった。無念、2-5。勢いの差は歴然。はぁ3点差を追いつくんは不可能だぃね。もはやなす術なく、そのまま試合終了。JFLの時、南長野で愛媛に5-2で勝ったけんど、今日はくしくもちょうど逆スコアの2-5で見事に意趣返しされちまったぃね。
 今季、敷島で柏や東京Vに0-4で負けた試合もあったけんど、あん時は去年までJ1のチームが相手だしなぁ・・・って何となく諦めもあった。今日は宿敵・愛媛にとことん力の差を見せつけらちまっただけに、敷島に流れた空気は重く沈痛だったぃね。愛媛は予想以上に強かったぃね。勝点差は9に広がっちまって、今年抜き返すことはなっから困難になっちまった。でもまだ今年は終わっちゃいねぇ。そして宿敵との戦いもこれからも永劫続くはずだぃね。選手もサポもこの悲劇から這い上がるんべぇよ。「逆境から這い上がる」、それこそがザスパ草津のアイデンティティだんべ?【すずき@東毛】



■ 2006年10月29日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第47節

ザスパ草津 0−2 コンサドーレ札幌

敷島公園陸上競技場 4219人

Deja vu

 10月ホーム三連戦の最終日の今日、天気予報とは裏腹に、まっさかいい天気になりましたぁ。10月末とは思えないような陽気!レプユニに長袖を重ね着しての参戦は、ふぅ〜ちと暑すぎる^^; このホーム連戦で勝利を!どころか、前節で愛媛に大惨敗を喫した我らが草津は、新たな気持ちで今節を向えるために、しっかり選手間でミーティングをしてきたとの情報も入り、今日の試合が楽しみでなりません。
 B-Hでいつもの位置に座ると、周りの仲間から今日のスタメンを知ることができました。なんと、久しぶりに籾ちゃんこと籾谷選手のスタメンでの起用です。(籾ちゃん、ガンバレ!) 今日も、ガッチリ守って作戦を成功させてもらいたいものです。さて、本日のフォーメーションは、GK1高木 DF25田中、4斎藤、2籾谷 そしてボランチには本日MF10島田、そしてMF30秋葉 左サイドハーフにMF11寺田、右サイドハーフにMF7佐田 そして今日のトップ下にMF13山崎 そしてFW9高田、FW20吉本の形で、序盤は3-5-2の布陣となりました。また、リザーブにはGK22北、DF3依田、MF18櫻田、MF19後藤、そしてFW29マーロン(お初です^^)早く活躍が見てみたいものです。今回も、チカ選手に続き鳥居塚選手も累積イエローにて出場停止となっていたため、前節の対愛媛戦で、島田選手囲まれ作戦にやられ、球が前線にワンタッチで出すことができなかったことも考慮されてのことか、今日は司令塔の島田選手をボランチに下げて、そこを起点に球を自由自在にパスを出せる作戦に出たのでしょうか?そして、両サイドから駿足な寺田選手と佐田選手が駆け上がって前線に切り込んでいげれば、バリエーションも出てきて両FW陣はどんなシュートシーンを見せてくれるのかなっ・・・なんて、想像も膨らみます。
 快晴の敷島の杜に笛が響いて試合が始まりました。前半は、しっかり各選手が各々プレスをかけ、確認し合いながらゴールを守りきっている姿があり、籾谷選手にいたっては、久しぶりのピッチで本当に死に物狂いに球に喰らいついて、全身でゴールを守っている姿を見ることができ、思わず「籾〜!籾〜!」っと叫んでしまいました^^; しかしそんな中、何回も仕掛けてきてた相手FWフッキが、前半33分にペナルティエリア内で、右サイドからゴール前に切り込んできた所を、寺田選手の後ろからのプレスを上手に交わしながら倒れこみ(技あり)PKとなってしまい、先制点を献上。その頃からか、次第にリズムがうまく噛み合わないような感じが出てきてしまいます。勢いの増した札幌の猛攻を受けますが、そこをぐっと堪えて、守護神GK高木選手のファインセーブにも守られ、0-1のまま後半に持ち込むことができました。
 そして、後半が始まってからも、前半の流れを引きずったまま、なかなかシュートまで持ち込むような繋がりが作れず、逆に後半19分には、DF陣の見せた隙に、またもやFWフッキにシュートを決められ、0-2。まだ時間はあります。一機に逆に流れを引き寄せたいものです。その後後半25分には、CKをもぎ取ることができ、司令塔島田選手が球を上げますが、吉本選手のヘッディングに合わず、点に繋がりません。その直後、吉本選手から櫻田選手と交替し、また後半29分には籾谷選手から後藤選手へと交替、その後も山崎選手からマーロンへ交替。しかし、選手交替をしても、流れを引き戻すことができません。マーロン選手の瞬発力や突破力に期待しましたが、それもうまく噛み合いません。球を奪っても、ワンタッチで仕掛けるのか、速攻でロングボールでカウンター攻撃に転じるのか、瞬間的にシュミレーションが共有できなくなっているようでした。島田選手をボランチに下げてしまったことで、前線での攻撃も迫力がなく、結果的にロングボール主体の攻撃になってしまったのも単調な感じでした。札幌のミスショットも助けられ、ここという場面も全く作れないまま結局、0-2で試合終了のホイッスル。
 B-Hからは、愛のムチとも思えるような激しい檄が選手たちに飛びました。今節は前回の愛媛戦とどう変わっているのか期待していました。しかし目の前で繰り広げられた試合は、正直、昨年の試合を観ているような錯覚に陥ってしまいました。必死さが伝わってくれば、結果が結果でも納得できたのですが、何か全体に必死さが伝わってこなかったのが残念でなりません。何を修正しなくてはならないのか、チームに突きつけられた課題は大きいと思います。今シーズンも、残りわずかとなってきましたが、まずは1勝して今年の目標だった10勝を!!そして、次には連勝して・・・みんなで一緒に次なるステップへ上がりましょう!!【あきべー@北毛】



■ 2006年11月11日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第48節

モンテディオ山形 3−0 ザスパ草津

山形県総合運動公園陸上競技場 2236人

Saturday in the Park

 秋のみちのく山形詣で。紅や黄に染められた奥羽の山稜をゆったりと進む旅路…うむ、風流。…のはずが、ピカッ、ドッゴーン!「うわ、そこの鉄塔に落ちたよ!」「ワイパー効きゃあしねぇ!」「おおっ滑る滑る!」「霧が深くて山見えね〜」……風流どこへやら。学生時代を過ごした縁ある第2のふるさと、山形への遠征は、少なからず豊かな心持ちだったりします。今回の旅の目的は2つ。一つは学生時代から頻繁に訪れていたラーメン屋に行き、「ほーせん的No.1ラーメン」を食うこと(これがメインかもしれないということは、こっそりここだけの秘密です)。そしてもう一つは言わずもがな。高速道路網が着々と完成し、遠い思い出のままの田園風景(ほとんど果樹園ですが)と見たことのない町並みが混在する中を目的地@(東根市役所前)に到達。着席するやメニューも見ずに「バターポテトラーメン@\700」を注文。およそ30分後には至極ご満悦のおっさん2名ができあがっておりましたとさ(笑)。さあ、けえるきゃ?いやいや、帰っちゃだめです。というわけで、目的地AへGO!
 本日の試合会場である山形県総合運動公園陸上競技場は、置賜−村山−最上を南北に繋ぐ山形の大動脈たる国道13号の脇に位置し、鉄路においては新幹線駅であるJR天童駅から、陸路においては山形自動車道・山形北ICあるいは東北中央道自動車・天童ICから、果ては空路においても東根市の山形空港からと、アクセスに関しては至便であると言えます。車社会人たる上州の民に嬉しいのは、7,000台以上駐車可能ともいわれる駐車場(※内6,000台分は試合用の特設駐車場です)。う、羨ましすぎまする。その北駐車場に「群馬」ナンバーの車を見つけて、お隣へ駐車。レプユニ正装をした後、やおらLフラッグふりふり、紅葉の散歩道を颯爽と行こう。道すがら山形サポの方とお話。「今日はご苦労様です」とか「依田君は元気?」とか「植木さんにはプロチームのノウハウを教えてもらった」とか色々。ノーサイドの一時の、こうした交流もアウェイ遠征の愉しみだったりします。そういえば敷島で山形サポさんとお話したときも、どこかホンワカした会話だったなあ。いろんな所でいろんなチームサポさんとお会いしましたが、チーム色というか、地域性というか、あるように思います。上手いモン食って、お、雨も上がったじゃねぇきゃ、うむ、重畳重畳(この時点では本人ご機嫌です^^)。お気楽極楽モード全開なワタクシですが、スタンドインして同士の姿を見るに当たって、しっかり戦闘モードへ移行します。
 さて、レースは最終第4コーナーを回り、各馬一斉にラストスパートの様相。J2という超長距離走を颯爽と、あるいは息絶え絶えと駆け行き、上がり3ハロン、2ハロン、1ハロン、そしてゴールへ…。昇格争いの方は概ね先行する3頭に絞られ、あとは着順の前後がどうなるのか、といったところ。残りの各馬にとっては、来季へ向けての足がかりを作るための懸命なギャロップとなります。そんな中、我らがオンセンサッカー号は、コーナーリングに失敗して外ラチに激突・失速という大失態で、大事なホーム3連戦を満身創痍となって終えてしまいました。今日の一戦は、モチベーションを保つ唯一のすがる綱たる目標勝利数(10勝)を何が何でも達成するための戦いです。正直な話、両チームにとってこの勝敗がレースの帰趨を左右するとかいう次元では既にありませんが、これを含めた残り試合は、チーム、各個人の成長の場という側面も持っているので、あだや疎かにはできません。ともあれ、目先の一戦に必勝の気構えで、人馬ともに手を抜かず、手綱引き締め、さあ、参ろうか。
 中核たる鳥居塚選手を出場停止で欠くなか、気になる本日の布陣は斯くの如し。GK:1高木選手、DF:3依田選手・4齋藤選手・5チカ選手・7佐田選手、DMF:30秋葉選手・18櫻田選手、OMF:11寺田選手・10島田選手、FW:9高田選手・20吉本選手。フォーメーションは、DF4枚の前に2ボランチを置き、攻撃陣として右SHに島田選手、左SHに寺田選手、最前列にFW2トップを配するという形です(ちなみに、山形県羽黒高校出身のMF:29マーロン選手はサブに控えております)。
 試合が始まってすぐに気付いたのはピッチ状態。雨を含んでスリッピーな上、ボールのコントロールが難しいようです。この対応に互いに手こずっていましたが、先に感触をつかんだのはやはりホームの山形。ジリジリと主戦場を草津サイドに押してきます。ただ、前半のうちはややおっかなびっくりな感じながらも、概ね危ない場面は(あまり)ありませんでした。でも気になることはあります。両SBが全く上がって行かないことです。気を付けて観ていたのですが、どうやらSBとボランチの位置関係に原因があるみたいです。DFラインの最終線にはCB2名がいますが、これは不用意に攻め上がるわけにはいかないので、まあ、自陣内にいることがほとんどでしょう。OMFたる両SHに当たる右・島田選手、左・寺田選手は少し自陣寄りかなとは思うものの、ボールを受けに下がったり、反対にロングボールを受けるためにサイドラインを上がったりと、忙しくしています。最前線の2トップは両SH以上に苛烈で、球拾い、クリア、攻撃、果ては自陣DFラインまで駆け戻っての守備までこなします(これでバテちゃうんだぃね)。で、残りはDMFの2ボランチ。観ている感じでは、鳥さんの代役がまんま櫻田選手で、防衛網の最前線で球捌きを担っています。一方の秋葉選手はというと、サクちゃんのフォローと攻勢時の寄せ手を分担、というところでしょう。ここで問題なのが櫻田選手の位置取り。一見して深いんですよ。いや二見しても深いんですが。へその位置が低いというのは重心が下がっているということになりますが、これと同じで、深い位置のボランチはフォーメーション全体を自陣に引き寄せてしまう効果を発揮します。つまり、攻めたいので敵陣深く上がっていったSHやSBに対して味方のフォローできる距離や時間が遠くなってしまい、結果、孤立させた上にボールを奪われる、というお決まりのパターンに嵌るわけです。もっとも、正確無比なフィードキックを前線で張る味方に蹴り入れることができたり、多くの敵を存分に引きつけておいて、それをかわしてドリブル突破できたりするんならば、話は別ですが。ともあれ、そういう特殊能力を残念ながら(現状では)持ち合わせていないので、前線の4名は、ああ、やっぱり孤立して、取り囲まれて、グッサグッサ、ザックザックと滅多やたらに切り刻まれてさようなら…。山形のサイドアタックはオーバーラップやサイドチェンジが早いので、不用意に全体を押し上げるのが危ないのはわかります。わかりますが、このままじゃぁラチが開かないどころか、ジリジリ押し込まれていつかは破綻しちゃいますよ。ここは一つ、勇気を持ってググイと前へ行っちゃあみませんか?と、ここでハーフの笛です。さてさて、何とか半分持ちこたえたかなというのが正直な感想。局面の打開と好転の秘策は、ひとえに“勇気”。これに尽きます。頑張ろう。
 後半に入っても状況は何ら変わる様子を見せません。よく言えば「よく守っている」、悪く言えば「引き籠もっている」。前を向いてプレーする姿が少なく、山形の早いプレスに遭うたび、横へ後ろへ球を蹴ります。ピッチコンディションが悪い時に、ましてやよく走る相手と戦う時に、これが一番いけないパターンだってこと、アウェイゴール裏の住人はみんな知ってます(何度も見てきましたから)。こうなると必然、この瞬間は訪れます。後半13分、パスミス(前へのパスじゃねぇぞ!)を、嗅覚鋭く待ちかまえていた猟犬・レアンドロ選手に食い付かれ、あえなく昇天。失点直前に寺田選手→山崎選手で準備していた交代を、急遽依田選手→山崎選手に変更します(後半15分)。ワタル君が入り、寺田・佐田両SBが高い位置を取ることができるようになれば、自然と島田選手の働き場が増えてくるんですが、あれぇ? 前半よりも多少動きが出てきてはいるものの、山形の選手に比べると球も人も動いてません。ボールを出す時、受ける時、ともに足を止めてのプレーに終始します。止まっている相手から出るボール、止まっている相手に入るボールのケアほど容易なものはないでしょうし、それどころか、インターセプト後のアクションにも差が出てきます(相手は走りながら球をかっ掠って行くので、ほぼトップスピードでゴールに肉薄してきます)。こうして逃げる背中を追いかけての守備が始まり、自陣でのファール−FK献上へと繋がるわけです。中盤での攻撃の組み立てが全くできなくなった草津の取った手段は、自陣からのロングボール戦法。足下が悪いので、浮き球を有効に使おうというのは戦術的に宜しいとは思いますが、それも前線にポスト役とフォロー役、シューターがきっちり張っているのが前提です(後半24分の吉本選手から太田選手への交代はまさにポストの投入)。しかしながら、自陣から蹴り出されるロングフィードは、ことごとく山形側の手に落ちます。唯一の攻撃手段すら封じられた草津にとっては、もはや島田選手の直接FKくらいしか得点の可能性はなさそうに見えてきます。攻め手のないまま闇雲に球を蹴り込んでいるうちに、またしても自陣内での攻防に終始するようになってしまっています。こうしたときに付きものなのがFKからの失点…って言ってるうちにホントにやっちゃったよ。あれ?なんかみんなゴール前に集まっているような…。FKじゃねぇや、PKだぃね(後半28分)。あんな所でファールしたんは許されるもんじゃねぇけんど、もっと憤りを感じるんは、ファールでしか止められねぇような状況にまで至らしめた不用意さと不甲斐なさだぃね。しかも初めて観る光景じゃねぇときてるし。今日の状態で2点差はちっとんべぇきついけど、気合い入れりゃ、無理も通るってもんだんべ。いごーぜ、やってんべぇよ。ところが、入れるどころか抜けきった“気”を見透かされたように、直後の後半29分に、中央からポイッと放たれたミドルシュートはGK高木選手の頭上を越えて雨に煙る白いマウスの中へ。後半30分に秋葉選手を下げてマーロン選手を投入しますが、やることは全く変わらず、だから、その結果も変わることはありませんでした。
 いつしか本降り模様に戻ってしまった冷たい雨のなか、挨拶に来る選手達に対して100名近くは居るでしょう遠征してきた草津サポからかけられたコールは、『シュート撃て!』。ホーム敷島で、アウェイ遠征先で、僕たちの視線の先には選手達がいて、選手達の目には僕たちが映っているはずです。見えていますか?声は届いていますか?視線の端にその姿を捉えることがあるなら、ふとしたはずみにその声の一節でも耳にしたのなら、思い出して欲しい。ここにいるのは、みんな、嬉しいときも、辛いときも、一緒に泣ける仲間なんだぜ、ってことを。『シュート撃て!』なんて言いたくないんですよ、誰も。分かって欲しい。
 全て人は、愛されたいと願います。そして愛されたいが故に努力します。その結末がどうであれ、努力する課程、その姿はすべからく美しいものです。かつて、自らの夢へ向けて努力・邁進する集団がありました。取り巻く全てが乏しかった彼らでしたが、彼らには目指すべき未来があり、そのために汗する姿は次第に人々を魅了してゆきました。彼らはサッカーに愛されたいが故に、努力を続けたのです。そして、その姿をこそ、人々は愛したのです。勝利を渇望してやみません。やみませんが、その結末がどうであれ、努力する課程、その美しい姿を、我々は真に求めているのだと、どうか気付いてください。もう、ほんと…たのまぃ。
 試合の内容があんまりにアレなんで、それとは別のことで、感心したことをご紹介しておきたいと思います。徳島、山形、三ツ沢、長居など、他施設を併設した総合公園をホームとするチームはたくさんあります。うちもその一つです。公園内のボールパークの良いところは、季節感があること(散歩道がある場合がほとんどなので多種な樹木が植栽されています)、人が沢山集まること(運動施設利用者、ジョギング、散歩等が多いですね)など多数です。憩いの場としての存在であるために、潜在能力としての動員ポテンシャルは高いんですよ(うちの場合、動員実績もあるし)。あと一つ、二つ何かをこじ開ければ週末の敷島の杜の賑わいが増すんですがね。そこで、今日の山形の例。山形県では関東平野に住む我々には想像しにくいこととして、各都市への移動に思いの外時間がかかることが挙げられます。道路網はそれなりに発達してはいますが、なにぶん盆地の間の山越えが必須となることから、どうしても実勢距離以上に時間距離が遠くなってしまうという地勢的特徴を抱えています。つまり、試合を観には行きたいけど、(時間的に)遠くて、という人が少なくないという事があるのでしょう(海沿いの庄内地方からならなおさらです)。ここに目を付けたクラブ(あるいは関係団体)は、「地域観戦デー」を設けて、今日は○○町の皆さん、次は□□市の皆さん、といった具合にご招待ないし観戦ツアーご優待(だと思います)しているという次第です(詳細は不明ですが、そんな内容だと思います。間違ってたらすいません)。翻って我が郷里ではどうなのか。まあ、いまさら言うまでもありませんね。問題は山積みです。が、こうした試みも色々な状況を好転させる可能性を持つカードの一つとして持っていても悪くないと思いませんか。やれることは何でもやる、くらいの事をしないと、ね。場の雰囲気が思っていた以上に戦績に結びつく競技だということを、身をもって知った今季の我々です(ホーム戦の成績は上々ですし)。さらなる飛躍を求めるなら、その雰囲気を作り出す努力も必要だと思います。求むるに、まず与えん。
 僕にも夢や希望は星の数ほどありますが、いつの日か、県内の至る所でこんな会話が日常的に、挨拶のように交わされるようになっているといいな。
 「週末の予定は?」「土曜日?もちろん、Saturday in the Park!」
【ほーせん@高崎】



■ 2006年11月18日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第49節

徳島ヴォルティス 3−1 ザスパ草津

徳島県立鳴門総合運動公園陸上競技場 3175人

辛い時こそ

 第49節対徳島ヴォルティスとの一戦にオフィシャルバスで往復1500キロ近い道のり22時間近くの移動時間を費やし徳島県鳴門総合運動公園陸上競技場まで駆けつけました。深夜に群馬を出発、本格的に目も体も覚めた頃には淡路島あたりを走行していまして 淡路SAやバスの車窓から鳴門海峡の渦潮、橋などを目の当たりにし 「いや〜ここまで来たのか〜」と妙にワクワクしてきたものです。
 スタに到着し、椅子に荷物を置いていつものように「食べ物何処だ〜」とスタを散策。ホーム側の広場に徳島の選手の顔写真付きのプロフィールが掲示してあります。それをマジマジを観ていますとボードの中央に黄色いテープに「ザスパ草津にレンタル移籍中」と張られた秋葉忠宏選手の姿がありました。この付近を散策している最中に感じているいつもと違うAWAYの雰囲気はJFLからの同時昇格、そしてこの一件も起因しているのかなと個人的に感じた事です。それにしても「四国だから暖かいんじゃないのかな」という期待は見事に裏切られ、ゲーム前に元祖徳島ぶっかけそばを食べて体を温めます。もう一つ鳴門金時を使った「ヴォルティスロール」というロールケーキも購入します。一時間後に迎える一戦の前に思い残すことはなくなりました(笑)思い残す事も無くなったところで席に戻り気持ちを切り替え応援の準備をします。
 本日対戦する徳島ヴォルティスは7勝10分28敗(13位) 対する我がザスパ草津は9勝12分23敗(12位) ここ最近の5試合は徳島が湘南に勝ち仙台、東京Vに引き分けて鳥栖、水戸に敗戦。そして草津は鳥栖に引き分けて愛媛、札幌、山形に敗戦。直接対決でみても1勝2敗で徳島に分がある状況です。ここ数試合の負け方も悪く、こんな時こそ我々サポーターが選手を励まし、鼓舞し、雰囲気を作ること! 前日FMぐんまの番組放送内で高田選手が長渕剛の曲を聴いているという話を聞き、ゲーム前にサポーターが「とんぼ」を歌い「高田コール」を。それを聞いた高田選手が照れくさそうに手を上げて応えた一幕もありました。
 GKは高木、DFは佐田、田中、鳥居塚、チカ、寺田。MF櫻田、久々の中井、山崎、FW島田、高田というスタメン。5バックとFWに島田を使うスタメン。リザーブに北、依田、秋葉、マーロン、太田。スタメンに秋葉選手の名前はありませんでした。
 開始早々中井がシュートを放ち、櫻田は綺麗にボールを捌きます。ここ最近のゲームからすると攻撃的な印象です。対する徳島も片岡の遠目からのシュートなど両チームとも積極的に打つ展開です。8分、徳島 CKからフリーだったジョルジーニョ→小林がシュートと肝を冷やします。すかさず植木監督から山崎に指示が出たと思った矢先に佐田のパスミスを片岡に奪われ鳥居塚がペナルティーエリアで倒しPKを献上、それをジョルジーニョが決めて0−1。流れが徳島にかたむきつつある展開に19分、GKから西川にわたりそのパスミスを島田がすかさず奪いゴールに迫る。シュートで終わる事は出来なかったが、これを機に草津がペースを握りだし始めます。しかし、徳島にとって嫌な流れの中37分小林にゴールを決められ、あっという間に徳島に流れを持っていかれて0−2で前半終了となります。
 後半開始。開始早々の49分にペナルティーエリア内で寺田が倒されPKを貰います。それを島田が決めてGOOOOOAL!!!、1−2。マッチデーにも書かれていた「後半開始5分の失点」癖に付け込めました。徳島にとっては後半開始早々の失点となり、草津にとってはこの早い時間に1点を返せた事は大きいです。その後すぐに櫻田の思い切ったシュートなどもあり巻き返せる気持ちを持たせてくれました。立て続けに得点して徳島をバタつかせたいところです。しかし徐々に徳島に押し込まれる展開になり、辛うじて失点を免れる展開になってきました。
 61分、山崎に代えて太田を投入します。惜しい場面も出始めボールを支配する時間も増えはじめ74分MFの櫻田に代えてFWのマーロンも投入します。太田、チカ等長身の選手を前線に残し87分に中井が起点となって太田→チカとヘディングをつなぎゴールに迫りますが、これも「惜しい・・」で終わってしまいます。早く同点に追いつきたい・・・ そんなパワープレーを仕掛けている中でロスタイムに入る寸前、小林にゴールを奪われてしまいます。ロスタイムに入り最後まで戦ったものの1-3で長い笛を聴きます。
 歓喜に沸く徳島。そんな中でここ最近のゲームでは観られなかった気持ちの入ったプレー、そして遠目からでもわかる選手の落胆振り。それを目で追いながら選手コールを行うのですが、コールの最中に溜まらず涙が出てきてしまいます。悔しいというのもあるのですが、それ以上に結果が出ずに悩み苦しみ辛そうな姿を見ることが一番辛い。本当に辛い。喧騒が去った後の席でいつまでもタオルで顔を隠し頭を抱えているサポの姿を観ても辛い。
 帰りのバスに搭乗し、さぞ暗い雰囲気のまま群馬までの帰路を迎えるのかと思い席に座っていました。ところが行きのバスの車内からは想像も出来ないくらいに会話が広がってきます。そんな会話の中には「これから私たちが出来る事って何なんでしょうね?」「辛い時こそ支えていかないとね!」負けが込んだからって小さくなるどころか、今にも増してチームをサポートしていく気満々じゃないですか。みんな力強い!
 「元気出せよ!!いつも俺たちがついてるぜ!」サポーターは選手の喜ぶ顔が観たい!一緒に喜びたい!だから一緒に頑張ろう! いつまでもくっ付いて離れない金魚のフンの様な存在でありたいと思っております。 【梅@西毛】



■ 2006年11月23日(木・祝) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第50節

ザスパ草津 1−1 ヴィッセル神戸

敷島公園陸上競技場 4936人

共に闘おう

 「じゃあ、キナコで」。彼は砂糖キナコのたっぷりまぶされた揚げパンを片手に、こう切り出します。「いやぁ、うちも瀬戸際なんで」と。
 雨予報がどうやら回避される見通しとなった勤労感謝の日の敷島の杜には、何時になく大勢の人が集まっております。よく見れば、紺色に混じって、エンジ色のヒトビトも多数見受けられます。そりゃあ、そうだいね。噴水前を抜けてピンクのワゴンで揚げパンを購入し、口の周りを砂糖まみれにしながら、はみはみとパンを頬張るのがここ最近の僕のお気に入り。今日も件のワゴンの前で百円玉を握りしめて「まだかな〜♪」とパンの揚げ終わるのを待っておりますと、こちらに歩いてくる二人連れのお若い神戸サポさん発見。ここは気さくに「遠路お疲れ様です」とご挨拶。「今日はよろしくお願いします」とご返答。何かお探しのご様子だったので、「ここの揚げパンうんまいですよ」とご推薦。「じゃあ」、と言うわけで文頭に時間が戻ります。ノーサイドの交流はかくあるべし、かくあるべし。
 さて、瀬戸際なのは、当方も同じ(際の方向が上下逆なのはここだけの秘密です^^;)。覇気なくまみれた敗戦を重ねること4つ。みんな表だって言わねぇけんど、去年のことが脳裏をかすめらいね(思い出すのもやだいね)。一方、対戦相手である神戸さんも、ここのところ天王山で負け込み、まさに自動昇格崖っぷち。どちらがより高いモチベーションを持ち得るかは、言わずもがなですが、負けていい理由にはなりゃしません。残り試合も今日を入れてあとたった3つしかないんで、遮二無二突貫して欲しいところですぜ。
 本日はDF・4齋藤選手を出場停止で欠く中での陣備えとなります。GK:1高木選手、CDF:25田中選手・5チカ選手、SB・11寺田選手・7佐田選手、DMF:6鳥居塚選手・18櫻田選手・15中井選手、OMF:10島田選手、FW:9高田選手・24太田選手。このメンバーで組み上げる陣形は4バック-3ボランチ-トップ下-2トップ(4-3-1-2)です。ゲームの主導をとるであろう神戸の攻勢に対して、中盤を厚くすることで対処、反転攻勢時には左右のSBと3ボランチが連携し合い、サイド→中央あるいは中央→サイドと展開しつつポストたる太田選手目がけて、時にトップ下の島田選手を経由して攻め寄せるといった算段と見ます。キモは、まあ、ここ数試合同様ですが、プレスを早くして、相手の自由度を下げさせることができるか、といったところでしょう。縦横にボールを回されたら、はっきり言って手の施しようがなくなります(ここ数試合のように)。あとは、まあ、気持ちだね(←実は今一番大事なこと)。試合開始前には、草津サポ全員に『共闘』と大書された紙が配られました。ピッチアップ時、選手入場時等にこれを掲げ、僕らの願いを目で見える形でピッチに届けようという発案によるものです。闘牛の赤い布じゃあございませんが、なんか、こう、ビビっとくるものがあらいね。よし、頑張んべぇ!
 試合の方は、大方の予想通り神戸主導でスタートします。コートの半分より草津寄りでゲームを組み立て、バイタルエリアから前線に入るやギアアップして右・左・中央と目まぐるしくボールを回して草津守備陣を翻弄します。前半3分、神戸・右サイドからのクロスボール→中央でのフリーシュートを号砲として、激闘の幕が開きます。今日の草津はここ数試合にないほど積極的で、プレスもしっかりするし、なによりボールへの執着が強いように感じます。神戸サイドもそれを感じているのか、早めに士気を挫くべく早い時間での先制点を果敢に狙ってきます。そして前半9分、神戸・左サイドからの球足の速いクロスボールがゴール前に蹴り込まれると、DFチカ選手が体を入れて阻止を試みますが及ばず、伸ばされたアウトサイドキックによってゴール右奥へボールは流し込まれます。またしても、またしてもこの早い時間での失点。でも、こんなことで捨て鉢になるつもりは毛頭ありません。仕切り直しのサポのコールは、一層声量を増します。これが効いたか(効いたんでしょう)、我がチームの選手の動きがより活発になります。前半32分、自陣からのロングボールに反応した高田選手がドリブル突破でゴールに肉薄しますが、相手GKに体ごと弾かれてシュートを撃てません。直後のカウンターでは、今度は草津ゴール前でGK高木選手が相手攻撃陣を阻止します(双方PKでもおかしくないような際どいプレイだったいね)。この時ピッチ外では監督同士が額を合わせんがばかりのヒートアップを演じてたりします。今日はみんなが戦ってらいね。そして試合は神戸の1点リードのまま、後半へ続きます。
 後半に入ると、ちっとんべぇ草津の攻勢が強くなったように見えます。後半2分、左45°からの寺田選手のミドルシュートは神戸GKに弾かれますが、このこぼれ球を櫻田選手がキープ。さあ、二の矢だ、という刹那、ペナルティエリア内で倒されてしまいます。が、笛一つなし。さすがにこれはPKだろ、普通(今日は双方2つずつのPKっぽい場面がありましたので、おあいことしますがね、おーかこうゆうんが続くと、ね。ま、頼まぃ、緑のヒトタチ)。これで完全に火がついたね。俄然攻勢を強める草津攻撃陣。どういう訳か、プレスが弱くなり少し引き気味の神戸。こりゃあ、チャンスだ。そして訪れた後半8分。左サイド深く戻されたボールを寺田選手が猛然と追い込んでプレッシャーをかけます。これに慌てたか、神戸DFの蹴り返したクリアボールは寺田選手の伸ばした足に当たり、そのまま彼の足許に収まります。寺田選手の体勢はこの時ゴールマウスに向いています。数タッチのドリブルの後、迷わずゴール正面へ早いクロスを打ち上げます。このボールに誰よりも早く到達したのは、センターサークル付近から轟然と走り込んできた、Fly High・太田選手。走り込む勢いそのままに、倒れ込むようにしてヘディング一閃!ボールは値千金の同点弾となり GOOOOOAL!!! 太田選手、吼える吼える^^。前を向いていたからこそのチャンス。走ることを続けたからこそのゴール。これを待っていました。久しく忘れていた感動と興奮に、場内は一気にヒートアップ!後半32分、左サイドで得たFKを蹴るのは勿論、至宝・島田選手。ゴールに向かって蹴られたボールは、そのままゴールインではという勢いの弧を描き、ゴール前のチカ選手がその軌道を変化させるべく頭で擦ります。決まったか、と思いましたが、相手GKも然るもので、好セーブに阻まれました。一方の神戸も負けてはおりません。後半43分、右サイドの神戸・三浦選手から柔らかくあげられたセンタリングは、草津ゴール前の絶妙な位置に入り、ドンピシャのヘディングを呼びます。ここまでか、と思われたその時、神降臨です。触れることができなければ、サヨナラゴールになるところでしたよ。頼りになる最後の砦です。双方戦ったりの激闘は、このまま点を加えることなく終幕となりました。
 背を丸め、後ろを向いてボールを抱え込んでは横取りされた、あの惨めな姿は今日はありません。右サイドを迅雷が突き抜けます。左サイドを疾風が駆け抜けます。フィールド中央を貴公子が疾駆します。3枚のボランチが刻々と位置を変え、前へ前へボールを送り込みます。勝とうと思えば、戦力差を考えれば、ドン引きカウンター戦術が最善かもしれませんが、僕らのチームはそんな卑屈なサッカーは選択しません。いつだって先を見据えた明日のあるサッカーを選択します。今日、眼前で繰り広げられた戦いこそが、草津温泉蹴球の本質です。
 今日の良かった所を幾つか、というか、久々なんでたくさん書きます。田中選手;安定感が増してきましたね。プレスを受けても慌てることなく味方を探して的確なパス回しをしていたのが印象的でした。チカ選手;守備におけるハイボールの競り合いと処理、後方からのロングフィード、セットプレイ時の位置取りと高さなど、存在感を存分に示してくれました。櫻田選手;インターセプト後に考え無しに蹴り返さず、しっかり組み立ててから前線にフィードすることを心がけたことが好印象。このおかげで、残りの2ボランチがそれぞれの特色を生かしたプレイに専念することが可能となりました。これを好転させる次の要素が、左右のSB・寺田選手と佐田選手の果敢なサイドアタック。当然リスクは高くなりますが、補って余りあるチャンスが手に入るんですから、勇気ある攻勢は拍手ものです。特に寺田選手のボールチェイスは感涙ものでしたよ。中井選手;久々に切れのある球捌きを見せていただきました。パスを受けてから次のアクションへ移る時のビジョンが明確かつ機敏で、「よく見えている」と感じさせるプレーはさすがでした。鳥居塚選手;この人が守備的な仕事をしていて、かつあまり目立たないときほど攻勢にあることが多いんですね、実は。要するに、大ピンチになる前にその芽を摘んじゃうからなんですが、今日もその例に漏れず、危険な匂いをことごとく消すような渋い働きをしてくれました。さすが。島田選手;今日はトップ下ということでしたが、右に左に中央にと、前線での組み立てをしっかりしてくれました。それにしてもセットプレイ時の存在感の大きいこと(相手からのブーイングもおーか凄かったいね)。高田選手;今日も大車輪の大活躍です。守備でも攻撃でも、常に全力疾走な姿は、サポーターの胸を熱くします。もう、脱帽です。汗かきFWの鏡です。太田選手;走った、走った。同点弾は太田選手の激走なくしてはあり得ませんでした。後半途中にはヘロヘロになっちゃってましたが、それだけ頑張ったという証明です。櫻田選手の負傷退場に伴って急遽出場となった籾谷選手;一番危険な時間帯に投入されましたが、短い時間ながら仕事きっちり。次も頑張れ。植木監督&山岸コーチ;バックスタンドから見ても分かるくらいの白熱ぶり、凄かったです(二人で肩を怒らせてるところなんざぁ、まるで…)。そして手前味噌ですが、サポーター&観客の皆さん;早い時間の失点にも怖じけることなく、声の限り詠い吼え、力の限り手を叩き、絶えることなく選手を鼓舞し続けました。
 今日思う、紛れもなく、このチームは多くの人々から愛されていることを。子供達が間近にJの試合を観て、各々好きな選手の名を叫びます。名を呼ばれた選手が勇躍、活躍する度、この子等の胸は躍り、記憶は豊かになります。いいなぁ。いい。実にいいよ。今日は存分にその姿を見せることができたでしょうし、魅せていただきました。最後まで尽きない信頼を声に乗せ、僕らは詠う。心一つ通じる時、力となる。願いは叶う。奇跡だって起きちゃう。改めて知る、想いの力。心通ずる喜び。勝利こそなかったけど、もっと大切なものを、改めて教えてもらったように思います。その意味で、今日はみんなに「ありがとう」と。そして、これからも「共に闘おう♪」。【ほーせん@高崎】



■ 2006年11月26日(日) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第51節

水戸ホーリーホック 1−1 ザスパ草津

笠松運動公園陸上競技場 3116人

ミトナチオを破れ!




 試合は水戸の一方的な展開でザスパのシュートは前半なし。後半に入るとまもなくPKを与えてしまい、これを決められて先制された。その後は徐々に攻め入る場面も増え、79分にMF島田のシュートのこぼれ球をFW高田が押し込み同点とした。   (11月27日桐生タイムスより引用)





■ 2006年12月2日(土) ■

J.LEAGUE DIVISION 2 第52節

ザスパ草津 1−1 東京ヴェルディ1969

敷島公園陸上競技場 5500人

魂の継承

 駆ける!、駆ける!、駆ける!。僕らに一番近い右サイドライン沿いを最奥まで駆け抜け、相手DFと競り合い、競り潰してヨージは駆ける。背番号16を、僕らに刹那見せ、右足は振り抜かれる。ペナルティエリア中央に走り込んだNo.9・ヤスに送り届けられたのは、得点に至るセンタリングと様々な想い。胸中は熱く、しかし頭は冷静に、体はしなやかに。噛み締めるように、ワントラップ、ボールを落とした直後、炎を吹き上げんとする右足の豪打一閃!GOOOOOAL!!! 今季最後のゴールは、鳥肌立つビューティフルショットとなりました。
 試合は堺選手・高田選手の「らしい」活躍による1得点と、これまた今季の草津らしいPKによる1失点で、ドローとなりました。試合展開は、伝統とそれを支える高い技術に裏打ちされた東京Vの細かいパスサッカーを草津が受け止める形となり、前半はシュートすら撃たせてもらえないくらいに押し込まれる時間が長く続いていました。この劣勢にあって、しかし反撃の気勢は失わず、その時を待ち、そして逸しませんでした。後半に入ってからもシステム変更に混乱もなく、様々な局面における高い順応性を示してくれました。惜しむらくはPKに至った守備の乱れですが、これは来季への宿題としておきましょう。
 さてさて。今季の成績を見ると、昨季に比して明らかなのは、引き分けが多くなったことです(今日も引き分けたし)。昨年しみじみ感じたことの一つに、J2の長丁場で上位を狙う上で望ましいのは勝ち点3だけど、不可欠なのは勝ち点1を最低でも獲得することの重要性です。極論、全試合引き分けでも現状より成績は上になります(こりゃ、びっくり)。こうしてみると、今年のチームはJ2での戦い方が多少なりと身に付いたのかなと思えます。去年は「エラのない魚を水槽に入れたら途端に底まで沈んで二度と浮かんでこなかった」って感じでしたので、少なくともエラ(=自分達の住む世界に必要なモノ)くらいは備えてくれたんだと、その点に関してはしっかり評価してあげるべきでしょう(まだ泳ぐのは上手くないみたいで、底の方で藻掻いてますが^^;)。Jリーグのトップチームに比べて、我がチームは環境や金銭、(あまり言いたくはないけれど事実として)選手層等の物理的側面において相当の差があるのが現状です。これについては、今日明日にどうこうできるものじゃあないので、こつこつと、地道にその差を埋めるように努力するよりありません。もっとも、どこかの大企業が突如としてバックアップをしてくれるようになり、信じられないほどの大枚をドカドカつぎ込んで環境整備から大物選手の獲得までをしてくれるような状況になれば、来季のぶっちぎり優勝だってメじゃありませんが。しかしながら、僕ら草津のサポーターは、決してそんなチームは望んでいません。お手元に「ザスパ草津メモリアルブック〜Jへの軌跡2002-2004〜」をお持ちの方は、最初のページからじっくりと一枚一枚ページを見てください。美しくも厳しい高原の自然に抱かれて「清く貧しく逞しく」成長してきた、おらが町のチーム・選手達の姿を思い出すことができます。強豪だけど金満鼻た〜か高な鼻持ちならないチームにだけはなってもらいたくないものです。
 みんなで同じ方向を見て、吼えたり笑ったり、時には泣いたり怒ったり。試合前(アッチ君と竜ちゃんがレプユニの移動販売してました)、試合中(アッチ君、近藤君、豊原君、後藤君らが一緒になってコールに加わってくれました)、試合後と、あらゆる時間においてそんな身近なチーム・選手達の姿を改めて見ることができました。去りゆく選手が泣いています。残る選手達も泣いています。スタンドの至る所でサポーターも泣いています。流される涙は、しかし悔恨や憤怒のそれではなく、惜別と哀愁、感謝の涙です。ちょっと淋しくて、でもホンワカとあったかい、そんな今季のフィナーレです。今日去りゆく14名の戦友達。君達のことは、決して、決して忘れない。僕らが紡ぐ「草津サーガ」の序章の一幕として、永く語り継ぎ、そして伝説にしてゆきましょう。目を赤くして、それでも笑顔で、サポーターの歓声に応え、同志と抱き合い、言葉を交わす。この先何年、何十年と繰り返される魂の継承を、僕らは確かに目撃しました。
 大西さん、あなたの自慢の娘達、せがれどもは、今年、ちょっぴりだけど大きくなったよ。今季最後のスタジアムで、いつ果てるともない草津コールの中、暮れゆく初冬の空を仰いで、少し胸を張ってご報告、かな。【ほーせん@高崎】




第4クール、2006年シーズン終了
10勝15分24敗、勝点42、得失点差-32、12位

聖地国立での勝利以来、無念の失速・・・・


そしてザスパを去る14人の戦士たち、本当にありがとう・・・・



Special Thanks
ご協力、ご寄稿、画像のご提供あんがとね! (順不同)

昴⊂上州 様
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