「医療人のための群馬弁講座」特講





第22〜42節

最下位転落 覚悟召されよ








■ 2016年7月10日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第22節

京都サンガF.C. 0−0 ザスパクサツ群馬

西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 4545人

貴重な勝ち点1



 (前略)昇格圏内にいる相手から敵地で勝ち点1をもぎとった。・・・(中略)・・・ザスパはMF瀬川祐輔が前半にミドルシュート、後半に右クロスからドンピシャのヘッディングシュートを放つも、ポストにはじかれたり、相手GKの好セーブで阻まれるなど運もなかった。(7月11日『桐生タイムス』より引用)






■ 2016年7月16日(土) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第23節

ザスパクサツ群馬 0−2 セレッソ大阪

正田醤油スタジアム群馬 6986人

物足りなさばかり

 夏の3連休の初日、J2第23節は土曜日開催。お隣の上毛新聞敷島球場では、夏の高校野球選手権群馬県予選の真っ最中。スタンドにはザスパのレプユニを着ながら観戦する人もちらほら。前橋育英、桐生第一という全国制覇経験のある二校が登場し、大いに盛り上がった。第三試合は延長12回までもつれ、試合が終わったのはもう17時近く。球場を出て、正田スタジアムに向かうと、こちらも長蛇の列が周囲を取り囲んでいた。この日はベイシア・カインズスペシャルマッチ。さらに高崎市民デーということで、普段より多くの来場者が訪れ、メインスタンド北側はほぼ満席に。対戦するセレッソ大阪側も、連休を利用してかなり多くのサポーターが群馬に乗り込んできていた。
 ここまで2試合連続で引き分けとなっているザスパ。上位でかつ実力のあるセレッソをホームに迎えて、どこまでやれるのか。降格圏に足を踏み入れているザスパにとっては、一時も気の抜けない戦いが続く。しかし、この日は中盤の要の松下が、累積警告で出場停止。スタメンをいじらざるを得ない状況にある。GKは清水、DFは右から舩津、乾、坪内、高瀬。ボランチは中村と前節CBとして初出場を果たしたパク・ゴンが、松下の代わりに入った。右に山岸、左に高橋、トップは常盤と瀬川。控えは、鈴木、川岸、一柳、小林、平、永井、マテウス。対するセレッソは、3月のアウェイ戦で超絶ゴールを決めた柿谷がケガで欠場したものの、ドイツ帰りの山口蛍が先発、さらにユースからドルトムントに加入し注目を集め、今シーズンは帰国してトップチームに所属する丸岡満が初スタメンとなった。
 心配された雨も免れ、曇りがちだったためそれほど気温も上がらず、サッカー観戦にはちょうどいい陽気。18時、スタジアムに照明が灯り、キックオフとなった。
 立ち上がりから勢いを持って攻め込むセレッソ。ザスパは相手のパスワークに後手を踏み、防戦となる。開始3分でセレッソ早くも2度目のCK、一度杉本が擦らせたボールに飛び込んだ清原が合わせ、GK清水の頭上を抜き、あっさりと先制をする。その後もボールを支配するセレッソ、ザスパは時折奪ったボールからカウンターを仕掛けるが、バイタルまで侵入できず、シュートが打てない。個の力で勝るセレッソに局面でも勝てず、打開策が見えないまま、0-1で前半を終える。結局前半ザスパが放ったシュートは1本もなく、チームとしての成熟度も点差以上の開きを感じた。
 後半、ザスパがどう立て直すか、チーム力が問われる展開となった。前半と比べ、セレッソのプレッシャーが弱まったこともあり、ボールを持てるようになったザスパ。自分たちのペースに持ち込めるチャンスも垣間見えながら、効果的な突破やパスが入れられず、決定機を作ることができない。すると61分、敵陣深くで奪われたボールを右サイドにつながれ、DFが取りに行ったところをかわされると、前がかりでがら空きになった自陣をそのまま突破され、カウンターから杉本に追加点を許す。次の1点は、追いつきたいザスパではなく、突き放したいセレッソに入ってしまった。7,000弱の観衆の前で、このままでは終われないザスパ、71分にマテウス、77分に平、89分に小林と、攻撃的なカードを切るが、セレッソのゴールを割れない。高瀬のFKはクロスバーを越え、マテウスの右サイドから切れ込んでのシュートは、惜しくもポストの外。ついにこのまま力尽きた。
 終わってみれば、0-2、シュート2本という結果。強豪のセレッソ相手に、なす術がなかった。やはり中盤での守備を引き締め、攻撃のスイッチを入れる松下の不在は大きかった。実力のある相手に、急造のボランチコンビでは歯が立たない。守備においても攻撃においても、物足りなさばかりが目立つ試合となってしまった。さらに、今節最下位金沢が勝利し、得失点差でなんとか21位にいるものの、ついに勝ち点で並ばれてしまった。チームに劇的な好転を臨める要素は、今何もない。次節は降格争いをする北九州との対戦。中3日をホームで迎えられる地の利を生かし、相当の覚悟を持って臨まなければ、結果はついてこないと思われる。今できる最善を尽くし、目の前の一戦にこだわる姿を見たい。【yousie@中毛】



■ 2016年7月20日(水) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第24節

ザスパクサツ群馬 2−2 ギラヴァンツ北九州

正田醤油スタジアム群馬 2831人

執念のドローも ついに最下位転落



 ザスパは前半34分、コーナーキックから北九州にPKを献上して失点。後半は人数を割いて相手陣内に攻め込んだが、40分に自陣ゴール近くでボールを奪われ2点目を失った。
 引いて守る相手に対してようやくリズムをつかんだ42分、MF山岸祐也がゴール前の混戦からこぼれ球を流し込み1点を返した。ロスタイムにも途中交代のMF小林竜樹が押し込み同点としたが、逆転はならなかった。 (7月21日『上毛新聞』より引用)






■ 2016年7月24日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第25節

東京ヴェルディ 1−2 ザスパクサツ群馬

味の素スタジアム 3739人

8試合ぶりの勝利 降格圏脱出

 前節と同じ先発メンバーで臨んだザスパは、立ち上がりから3連戦最終戦の疲れを感じさせない鋭い動き出しでボールを奪った。前半24分に相手DFが2度目の警告で退場となって数的優位に立つも、前半を0−0で折り返した。
 後半最初から前節に値千金の同点弾を決めたMF小林竜樹を投入。後半21分に最終ラインとGKの連係ミスで失点したが、2分後にDF高瀬優孝のJ初得点で追い付くと、同32分に相手のミスからMF山岸祐也が落ち着いて決めて逆転した。 (7月25日『上毛新聞』より引用)






■ 2016年7月31日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第26節

愛媛FC 1−0 ザスパクサツ群馬

ニンジニアスタジアム 3278人

勝ち点1逃す

 前半から相手陣内に何度も攻めこむザスパ。後半も得点機をつくるが、ゴールネットを揺らすことはできなかった。このまま勝ち点1を持ち帰るかと思われた同44分、CKからのヘディングシュートをGK清水慶記が一度はじいたが、こぼれ球を決められた。 (8月1日『桐生タイムス』より引用)






■ 2016年8月7日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第27節

ザスパクサツ群馬 2−0 モンテディオ山形

正田醤油スタジアム群馬 3862人

平成利根川合戦

 時は平成二八年、葉月の七日−−−

 群雄割拠の乱世、出羽国よりはるばる軍勢を率いて上野国に攻め入るは、石崎信弘。これを厩橋敷島にて迎え撃つ、服部家当主、服部浩紀。追い詰められた服部軍は、決死の赤備えに身を包み、滔々と流れる利根川を背に、背水の陣を敷く。陽は西に傾き、暗闇が忍び寄る中、旗本頭、高山秀男の大音声に合わせて鬨の声を上げる、三千余の軍勢。決戦の瞬間は、刻一刻と近づいていた。

 口火を切ったのは、若武者、瀬川祐輔。左翼からは、高瀬優孝が香車のごとく一直線に石崎軍の右翼を突き崩す。昨年の合戦にて深手を負い、まだ傷も癒えきらぬ身体で敵陣に切り込むのは、侍大将、吉濱遼平。その後ろに陣取り、各処に目を光らせるのは、一度出奔しながらも再びこの地に戻った、歴戦の武名轟く、松下裕樹。服部軍は地の利を生かし、早々に石崎軍を本陣近くまで押し込んだ。右側面に回り込んだ吉濱が放った鋭い矢に合わせ、飛び込んだのは、身の丈六尺を超える偉丈夫の小牟田洋佑。馬廻集を勢いよく蹴散らし、見事本陣を陥れた−−−


 前節愛媛相手に終盤の失点で敗れ、最下位北九州とは勝ち点1のまま迎えた、ホーム山形戦。8月になり、夏本番の暑さの中、毎年恒例の記念ユニフォームの季節がやってきた。今年は大河ドラマの「真田丸」にあやかり、胸に金色の六文銭が入った、真っ赤な甲冑風のデザイン。見慣れた紺黄のユニフォームと違い、まるで別のチームになったかのよう。この日は上州真田の里サンクスデーとして、草津町、東吾妻町、中之条町、長野原町、高山村、嬬恋村の方が招待され、上州真田武将隊が来場、真田信之や小松姫に扮し、パフォーマンスを披露した。さらに高山眼科スペシャルマッチでもあった。昨年は雷雨によりあえなく中止、高山院長の魂の叫びを聞きそびれてしまったが、今年はその分、気合が違った。なんと高山院長Tシャツやタオマフが登場、その入れ込みっぷりは、ザスパサポの心をがっちり捉えている。
 熱気に包まれたスタジアムの期待に応えたいザスパは、前節から一部スタメンを変えて臨む。昨季最終節に靭帯を痛め、復帰まで8か月を要した吉濱が、今季初先発。また、前線には久々に小牟田が入った。坪内は今節もベンチスタート。移籍期間ギリギリで獲得したルーカス・ガウショ、チャレンジャーズから昇格を果たした鵜飼亮多も控えに入った。対する山形は、ディエゴや大黒など、過去にザスパが何度も煮え湯を飲まされた選手が名を連ねる。選手層の厚い山形にあって、かつて敷島で勇躍した、富居や瀬川の姿を見ることはできなかった。
 高山院長のキックインセレモニーを挟み、いよいよキックオフ。小牟田が前線でポストとなり、瀬川、山岸がボールをつなぐ。そして、復帰した吉濱が自陣内でボールを受けるとドリブルを開始、やはり彼がいると前への推進力が生まれる。そうした中で早々に得たCK。7分、その吉濱が鋭いボールを入れると、思い切りよく飛び込んだのは小牟田。GOOOOOAL!!! 豪快なヘディングシュートがゴールネットを突き刺し、願ってもない先制点をもぎ取った。これがザスパにとって、J昇格後通算500ゴール。そして、小牟田にとってはJ初ゴール。記念すべきゴールは、チームを勇気づける1点となった。しかし、個の能力で勝る山形は、縦横のパスでザスパのDFラインを揺さぶり、ゴールに迫る。大黒は常にDFラインと駆け引きし、ディエゴが精力的に動き回ってボールを受ける。何度か決定機を作られたが、決死のディフェンスでゴールを守るザスパの選手たち。前半はこのまま1-0で折り返した。この日出店していた、山形のホーム名物、炎のカリーパンを、ここぞとばかりに縁起担ぎで頬張る。
 後半開始早々から選手交代を行い、得点を奪いにきた山形を尻目に、ザスパは冷静に試合を進めていく。まだコンディションが万全でない吉濱に替え、高橋駿太を投入。すると、前がかりになる山形の隙を突き、66分にチャンスが巡ってきた。センターサークル付近で瀬川がボールを受け、山形DFをドリブルで引き付ける。そして、右サイドを駆け上がった高橋にボールを送ると、ゴール前に走りこみながらワントラップ、冷静にGK頭上を撃ち抜き、GOOOOOAL!!! 綺麗なカウンターで追加点を奪った。高橋はJリーガーとしての一歩を踏み出した山形を相手に、貴重な追加点を決めた。 その後も粘り強い守備で山形の猛攻を防ぎ、終盤にはキープ力のあるマテウスと運動量豊富な小林竜樹を投入。最後まで山形の反撃を抑え、5分のアディショナルタイムも過ぎて、ついに試合終了。2-0の完勝。スタジアムは歓喜に包まれた。
 試合後、スタンドからは、吉濱の復活を祝う大段幕が掲げられ、サポーターが歌うチャントが鳴り響く。この結果、岐阜をかわして19位に浮上。まだまだ残留争いからは抜け切れていないが、この日の戦いからは、残りのシーズンに大いなる希望を抱くことができた。【yosuie@中毛】



■ 2016年8月11日(木・祝) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第28節

カマタマーレ讃岐 1−3 ザスパクサツ群馬

Pikaraスタジアム 2744人

開幕2戦以来となる連勝

 ザスパは前半8分、FKからのヘディングを相手GKにはじかれるが、ゴール前の乾大知が押し込んで先制。26分には松下裕樹の強烈なロングシュートがゴール右端に決まり、 リードを広げる。
 前半終盤に1点を返されたものの、後半19分には瀬川祐輔のペナルティエリア手前からのミドルシュートで再びリードを広げ、1-3で勝利した。 (8月13日『産経新聞・群馬版』より引用)






■ 2016年8月15日(月) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第29節

ザスパクサツ群馬 2−1 水戸ホーリーホック

正田醤油スタジアム群馬 4002人

北関東ダービークラシカル・夏の陣

 前節アウェイ讃岐に3-1で快勝し、開幕以来の2連勝を飾ったザスパ。今季初の3連勝を狙う試合は、ホーム水戸戦。北関東ダービークラシカル、負けられない戦いだが、なんと過去7年に渡って、水戸からは勝利を奪えていない。群馬のプライドと、今シーズンの行方のかかる一戦。お盆休みということもあり、水戸からも多くのサポーターが駆けつけている。この日は女性無料招待、バースデーチケット対象の試合ということもあり、特にホームのゴール裏には多くのサポーターが集まった。両チームの声援が響き、雨の降り出しも予報より遅れているようで、スタジアムには熱気が籠っている。
 ザスパは連勝中ながら、選手のコンディションを優先し、スタメンをいじってきた。高橋が3試合ぶりにスタメン復帰、今日は右サイドハーフに入る。最前線には瀬川が先発復帰、そして常盤が数試合ぶりにスタメンに入った。水戸は、常盤にとってJリーガーとしての第一歩を踏み出したクラブ。前々節山形戦で恩返しゴールを決めた高橋のように、結果を出すことができるか。水戸の先発には、兵藤や湯澤などテクニシャンに加え、あまりいい思い出がないロメロ・フランクも名を連ねている。ベンチには元ザスパの萬代もいる。水戸の西ヶ谷監督とザスパの服部監督は、筑波大の先輩後輩。そういう意味でも負けられない。
 試合に先立ち、今季Bリーグ2部に参戦する群馬クレインサンダーズの選手たちが、激励の挨拶を行った。バスケットボール界もゴタゴタが収束し、Jリーグをお手本に再生を図っている。同じ群馬に基盤を置くプロスポーツクラブとして、今後も連携を図り、相乗効果を生んでいきたい。また、山形戦でJ初ゴールをヘッドで叩き込み、ザスパのJ通算500ゴールを決めた小牟田の記念セレモニーが行われた。前節までは2試合連続先発だったが、今節はベンチスタートとなっている。
 そしていよいよキックオフ。2試合目となった赤備えのユニフォームに身を包み、前線に速い選手を集めたザスパは、DF裏への抜け出しを狙って縦パスの入れどころを見つけようとするが、水戸のプレスがきつく、思ったようにボールを回せない。逆に奪われたボールを佐藤や田向にフリーで持たれ、ゴールエリアに近いところまで押し込まれる。前線でボールを受ける選手がいないため、ロングボールも拾えず、なかなか相手陣内に押し返せない。うまくいかない流れの中、セットプレイから先制点を奪われてしまう。32分、兵藤がCKを蹴ると、合わせたのは平松。ゾーンで守るザスパは、競る選手がなく、きれいに決められてしまった。絶対に負けられないザスパは、反撃を試みるが、相手陣内にうまくボールを運べず、チャンスをなかなか作れない。常盤と瀬川も精力的に動き回るが、効果的ではなく、そのまま前半を終了。前節までの勢いが見られず、サポーターもフラストレーションの溜まる展開だった。
 このまま3連勝を逃し、また水戸に敗れてしまうのか。選手交代なく後半開始。点を取らなくてはいけないザスパは、カウンターのリスクを負いつつも、前線への圧力を強めていく。逆に水戸はリードしていることで、前半よりプレスが緩くなる。中盤でボールを持てるようになったザスパは、その流れを確実に掴んだ。56分、センターサークル付近でボールを持った松下が、右サイドでフリーになっている舩津を見逃さず、絶妙なロングパス。受けた舩津が、この日何度か見せていた斜めのパスを前に送ると、走りこんだ常盤が合わせてシュート、戻った水戸DFにゴールラインぎりぎりで掻き出されるが、ここに詰めたのは瀬川!GOOOOOAL!!! 今季8点目のゴールが決まり、後半早い時間帯に同点に追いつく。そして、今節は控えに回っていた吉濱が、満を持して登場。同点に追いついたことと、吉濱の投入で、ザスパの選手たちが見違えるように躍動する。高瀬のクリアボールをそのままDF裏で受けた吉濱が左からゴールエリアに侵入、グラウンダーで送ったクロスは惜しくも防がれるが、これで得たCK、所定の位置にボールをセットした吉濱が、スタンドを煽る。沸騰する4,000人のサポーター。スタジアムの空気を変えられる吉濱の投入は、さらにザスパの勢いを加速させる。怒涛の攻撃で水戸ゴールを襲うザスパ。高瀬のクロスを飛び込んだ瀬川が合わせたボールは、惜しくもクロスバー。高橋のアウトサイドにかけた技ありシュートは惜しくも枠外。右サイドで作った起点から吉濱が入れたクロスに、合わせた山岸のヘッドは、相手GKのファインセーブに阻まれる。さらに水戸を追い詰めていくザスパ。 77分、起点はまたしても松下。縦に入れたボールを瀬川が落とし、受けた山岸がPA左に流す。ここ、というタイミングで走りこんできたのは、ボランチの中村!左足で放ったシュートは、ファーポストに当たり、ゴール内に転がった。GOOOOOAL!!! 逆転!湧き上がるスタンド。雨も落ちてきていたが、スタジアムの熱は冷めない。その後も優位に試合を進めるザスパ。久しぶりの出場となった坪内を投入し、守備の安定を図ると、終了間際に入ったマテウスも時間を作る役割を忠実にこなし、アディショナルタイム4分を過ぎ、タイムアップ。見事な逆転劇で久しぶりに水戸を下し、3連勝を飾った。
 北関東ダービーで水戸を破ったことはもちろん、今シーズンの順位にも大きな影響を与える一勝となった。熊本地震の影響で試合消化数に差はあるものの、29節を終わって、勝ち点32の16位。残留争いから一歩抜け出すとともに、12位の愛媛と勝ち点差3という、中位を狙える位置まで上がることができた。チームの雰囲気も良く、若いチームはまだまだ伸びしろが感じられる。次節、町田を下して、さらに勢いをつけたい。【yosuie@中毛】



■ 2016年8月21日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第30節

FC町田ゼルビア 0−0 ザスパクサツ群馬

町田市立陸上競技場 3679人

風吹かず

 一時の最下位とゆう厳しい状況から、一転して3連勝と勢いに乗るザスパ。果たして今節も勝利を納めれば、2011年以来の4連勝、クラブタイ記録。今節の相手は2012年以来、J2に返り咲いた町田。近場のアウェイとゆうことで、町田へのアウェイ遠征を計画。日本周辺にはトリプル台風があって、まっさか天気が心配だぃね。東武だと試合が終わって家に帰れねんで、JR籠原駅まで車で行って、そっから湘南新宿ラインで新宿、小田急電鉄に乗り換え、鶴川駅へ。こっから町田市立競技場への直通シャトルバスが出てるんさ。バスに揺られること15分ほど、丘の上の野津田公園の中の競技場脇へ到着。緑がまっさか多くって、ここが東京?と思っちゃったで。群馬と似た風景じゃねーきゃ(笑)スタジアムの脇には広場があり、小ちゃな子どもたちが喜々として親御さんとサッカーを楽しんでたで。敷島も周囲に試合の待ち時間に子供が自由にサッカーできる環境がありゃいんにねぇ。4年前の時は陸上競技場は改修工事をしてたそうだけんど、今は立派なメインスタンドもできるんだけんど、得点掲示板は昔ながらの電光。ゴール裏メイン側半分のアウェイゾーンに行ぐと傾斜が緩くって遠くがよく見えねぇ(´Д`)電光も斜め後ろになっちゃって、メンバーも時間も確認でぎねぇ(´Д`)っつーアウェイの洗礼を浴びたで。(トイレは近くっていいけんどね)試合開始まで、2012年Jリーグスタジアムグルメ大賞を受賞したYASSカレーさんの「角煮カレー」を食べながらまったり過ごす。トリプル台風の一角、台風9号が関東に近づいてるせいか、なんだか雲行きが怪しくなってきたで・・・だけんど、全然風はなくって蒸し暑ちぃのなんの。
 ザスパのスタメン、サブは前節水戸戦と全く同じ。熟成されたメンバーだとゆえば聞こえはいいが、連戦なんにターンオーバーもできねぇ選手層の薄さがなんだか悲しい。後半の勝負所で、切り札と化してる吉濱を投入する作戦なんだんべな。町田のサブには元ザスパの内藤、有薗が入ってるで。町田はエースストライカーのFW鈴木が今月アキレス腱のケガで今季絶望だとか。核弾頭を欠いた町田を叩いて、4連勝をモノにしてぇやぃね。
 今日のゼルビアは町田市民感謝デーと題し、町田市民ならワンコイン(500円)で観戦でぎるんだそうだぃね。こりゃ四面楚歌状態になっかなぁと思ったら、台風の接近で敬遠されたんかそれほどぎっしりっつーほどでもなかったぃなぁ。野津田の杜に、草津節が響き、無風の蒸し暑ちぃ中、試合開始。
 ザスパは常盤、2試合連続得点中の瀬川の2トップの4-4-2。対する町田も4-4-2みてぇだ。開始早々にFKのチャンスを得て、高瀬のキックに常盤が合わせるもサイドネット。逆に町田のCKから谷澤のシュート、一旦GK清水が弾いて難を逃れる。ザスパは瀬川に、町田は中島にともに長ぇボールを入れるんだけんど、両軍ともに守備陣が奮闘し、彼らに決定的な仕事をさせねぇ。サイドを使った攻撃も町田の中央付近の守備はまぁず固かったぃ。前半はザスパの攻撃は連携も今ひとつで迫力を欠いてたぃなぁ。前半終了、スコアレス。それにしても暑っちぃ。全然風吹かねぇじゃねーきゃ。本当に台風近づいてきてるんきゃ?
 後半開始。町田の攻勢。中島のシュートは清水が防いだ。後半13分、常盤から勝利の方程式・吉濱にスイッチ。吉濱をトップ下に入れ、4-2-3-1にシフト。後半15分、ゴール前のFKのチャンス。高橋のキックは無情にもクロスバーに弾かれちまった。その後も瀬川が裏へのパスに反応し、ペナルティエリアに侵入するも、シュートを撃つチャンスを逸し得点ならず。DF陣も集中力を切らさず町田の攻撃を跳ね返す。高瀬は左サイドからの度重なる進撃で大活躍さね。水戸戦では最後足を痛めてたんで心配してたんだけんど、全く大丈夫みてね。後半35分高橋に替え、小林投入。両軍一進一退の攻防。後半終了間際に、松下のFKから瀬川がヘディングシュートを放つが枠を捉えられず。ロスタイムは4分瀬川に替わってマテウスを投入するも、そのままタイムアップ。蒸し暑ちぃ中の消耗戦は、スコアレスドローにて終了。
 帰ぇりのバスを待ってたらポツポツ雨が降ってきた。あぁ台風きたんかぁと思ったら・・・すぐに止んじゃった。台風で小田急線や高崎線が止まっちゃうんじゃねぇかと危惧してたけんど、24時過ぎに無事自宅へと帰還。近ぇような遠いような町田遠征だったぃね。家に着いたら雨がザーッと降ってきて、やっと台風の影響が本格的に。
 台風の風も吹かず、勝利の風も吹かず4連勝とはならなかったけんど、勝ち点1を積み上げ、順位はひとつ上がって15位に。今日は連戦の疲れなんか、特に前半は動きにキレがなく、町田DF陣の寄せも良かったんもあるんだけんど、なんだか攻撃の迫力に乏しかったぃなぁ。後半勝負の吉濱の投入で若干流れが変わったもんの、瀬川が残念ながら今日は最後決めきれなかった。(とはいえこの蒸し暑ちぃ中、瀬川の縦横無尽の運動量は特筆すべきものがあるけんど)とゆうかこれだけ活躍してっと、相手チームからのマークもかなりきっつくなってるんだんべな。吉濱を最初っから使えるようになったら、また試合の流れや組み立てもだいぶ違うんだんべけんど、ターンオーバーもキツいチーム状況じゃ選手のやり繰りが大変なんだんべな。天皇杯を挟んだ中断期間で選手たちは十分リフレッシュしてもらって、9月以降少しでも上の順位に行ってほしいやぃね。(はぁ降格圏転落はカンベンだで)【すずき@東毛】



■ 第96回 天皇杯 (2016) ■

1回戦 8月27日(土)

ザスパクサツ群馬 1−0 ソニー仙台FC(宮城県代表)

群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場 880人

サカラグ・ラブ

 久々の観戦、久々の観戦記、そして久しぶりのサカラグです!いやーこのピッチと観客席の近さが良いですなあ〜ゴール裏もバックスタンドも芝生で子供たちが駆け回る、のどかな雰囲気がたまりません!!ピッチサイドで試合前のアップをする選手が近い近い♪あらためて幸せなスタジアムだと思います。
 対戦相手もまた、久しぶりのソニー仙台さん。2004年のJFLの以来だから、12年ぶりになるんですね!宮城県予選を勝ち抜いての対戦です。今日はお手柔らかに頼みますね!そうそう、今日は天皇杯の1回戦に挑む我らがザスパクサツ群馬、リーグ戦も4戦負けなしと好調なんで、こんなところで取りこぼすわけにはいきません!気を引き締めて頑張って欲しいものです。今年の天皇杯のパンフレットの表紙は、ETUの椿くんが「ジャイアントキリングを起こせ」なんて縁起でもないことを言っております・・・(それは3回戦以降にしたいですね)
 到着したころに降っていた雨もあがって、気温も低く絶好の観戦日和です。バックスタンドの芝生席の真ん中あたりに陣取って、スタメン発表を聞きます。GK鈴木雄太。リーグ戦ではなかなか出番がないので、落ち着いて頑張って欲しいですね。DFは右から一柳、川岸、坪内、そしてチャレンジャーズから昇格したばかりの鵜飼亮多選手。ロングスローが持ち味だそうです。ボランチに青木と中村、サイドハーフの左に竜樹、右にマテウス。2トップは永井とルーカスです。控えは、清水、常磐、小牟田、平、田代です。対するソニー仙台は、JFLで14得点をあげリーグ得点王争い2位の有間選手と同7得点の内野選手の二人に要注意です。
 今日の入場者は1,000人弱。まあ雨だし、天皇杯の1回戦だし。でも少数精鋭のサポーターが力の限りに歌うラスハルは、メインスタンドに反響して神々しくも響き渡ります。これもサカラグの醍醐味だいね。いよいよキックオフ!一泡吹かせてやろうという相手は、最初からガツガツくるので、立ち上がりは気を付けないとね。がしかし、立ち上がりから責め立てたのは我らがザスパイレブン、リーグ戦では余り組まないメンバーですが、前線では右に左にボールをちらし、FWとMFの連携も悪くなく何度となく相手ゴールに迫ります。空中戦では、ガットゥーゾ川岸(私が勝手に命名)が雄叫びを上げながら跳ね返し、ボールがサイドを割れば、注目の鵜飼選手の弾丸のようなロングスローがゴールを脅かします。ソニー仙台も内野選手がDFの裏へ抜け出し決定的な場面を迎えますが、ゴール左へ外します。危ねえ危ねえ。
 押しまくっていたザスパですが、前半25分すぎぐらいから、なんだかおかしなことになってきます。セカンドボールをほとんど拾われ、前線ではパスが繋がらず、DFラインでボールを持たされ、出しどころもなく、奪われ押し込まれ、危ないシュートを何本も浴びます。いったい、どっちがJリーガーなんだい?と疑いたくもなります。ほとんどチャンスを迎えることなく、逆に何度も危険な場面を、運良く失点は免れる形で前半を終えます。
 そんな前半の反省から、メンバー2人を替えて後半がスタートします。ポストプレーヤーとしてまったく機能していなかったルーカスと、途中で足を痛め、ほとんど走れていなかった永井を下げ、常磐と小牟田の2人のアタッカーを投入します。すると、前半とは別のチームのように連携が機能して、何度も決定機を作り押し込んでいきます。そして後半20分、敵陣の深いところからのサイドラインから鵜飼選手のロングスローがペナルティエリアの真ん中へ、空中戦で競り合ったこぼれ球に足を出したのは、2016年版ゲットゴーラー小牟田選手!GOOOOOAL!!! 待ちに待った先制点が入ります!その後も追加点を狙い、攻撃の手を休むことなく攻めつづけます。常磐選手が再三DFの裏へ抜け出しGKと1対1の場面を作り、マテウス選手がドリブルでサイドを切り裂きますがソニー仙台の選手の体を張ったディフェンスの前に得点を上げることができません。次々に交代選手を投入し諦めずに責め続ける相手を巧みにいなし、そのまま試合終了。天皇杯1回戦を無事に突破しました。
 色々(ものすごく色々)反省点の多い試合だったけんど、金星(銀星ぐらいかな)あげようと必死に攻め込んでくる未知の敵に対する難しさは、過去の経験から誰もが知るところではあります。天皇杯の醍醐味はまさに「ジャイアントキリング」その酸いも甘いも知っている(甘いは1度だけだけど)我々は、ほっと胸をなでおろし「良くやった」と今日は選手を褒めてあげたいと思います。福島で行われたザスパ草津チャレンジャーズは惜しくも敗れましたが、兄貴達は来週も勝って、その先の「ジャイアントキリング」に突き進むぞ!うん、突き進んで欲しいぞ!もっともっと楽しませてね。
 試合終了と同時に降り始めた雨の中、選手たちがバックスタンドに挨拶に来てくれました。疲れてはいるものの一人一人、丁寧にハイタッチしてくれます。子供や女性ファンの喜びの声、メインスタンドに響く勝利の草津節。やっぱりサカラグって最高!(※個人の感想です。)ですね!! 【マスターK@前橋】




■ 第96回 天皇杯 (2016) ■

2回戦 9月3日(土)

モンテディオ山形(J2) 5−0 ザスパクサツ群馬

NDソフトスタジアム山形 2310人

またもや大敗






■ 2016年9月11日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第31節

北海道コンサドーレ札幌 3−1 ザスパクサツ群馬

札幌厚別陸上競技場 9056人

判定にも泣かされ



 ザスパは前半10分、元チームメイトのFW都倉賢にゴールを許したが、同19分にMF瀬川祐輔が同点弾を放つ。その後もザスパはチャンスをつくり、ゴール前まで持っていくものの、得点は奪えず。しかし、首位チーム相手に互角の戦いを展開。どちらも決定機をものにできないままゲームを折り返した。
 後半は札幌が地力を発揮。ザスパは33分に勝ち越しゴールを奪われると、その4分後には都倉にこの日2点目を決められた。 (9月13日『桐生タイムス』より引用)






■ 2016年9月18日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第32節

ザスパクサツ群馬 1−1 松本山雅FC

正田醤油スタジアム群馬 9804人

赤備えで迎え討て

 多勢に無勢でも、あらゆる手を尽くして勝機を見出し、生き残っていくのが真田の戦。赤備えのザスパは、ホーム正田スタで松本山雅の大軍を迎え撃ち、隙をついて先制点を奪うも、相手の勢いに戦線はジリジリと後退、ついに守備網の一端を突破され、同点に追いつかれたが、その後の猛攻を最後まで耐え抜き、両者痛み分けとなった。
 天皇杯を挟んで再開された、2016年のJ2リーグ。前節は首位札幌相手に、一度は同点に追いつくも、追加点が奪えず1-3の敗戦。敗れはしたものの、今のザスパが上位相手にも十分戦えることは証明できた。今節はホームに戻って、松本山雅との対戦。現在2位、自動昇格圏にいる山雅相手に、3試合ぶりの白星を狙う。真っ赤な甲冑風の限定ユニフォームも3試合目。この日はマスコミ3社協賛のスペシャルマッチということで、来場したサポーターにも、真田幸村をイメージしたイラストと、六文銭がデザインされた真っ赤なTシャツが、無料配布された。天候は、秋雨前線の影響で朝から雨。キックオフ時間の19時には幸い上がってくれたが、少し肌寒さを感じる陽気の中での試合となった。悪天候にもかかわらず、今やJリーグでも有数の、熱狂的な山雅サポーターは、スタジアムのほぼ半分を緑色に埋め尽くすほど、大挙松本から駆け付けた。負けじとザスパサポーターもスタジアムを赤く染める。上毛新聞、群馬テレビ、エフエム群馬、3社の代表挨拶に続いて、両チームの選手入場、試合開始に先立ち、先日発表のとおり、8月のスカパー月間MVPを受賞、さらに讃岐戦で見せた圧巻のロングシュートで、月間ベストゴールもダブル受賞した、ザスパの心の燈台、松下裕樹の表彰セレモニーがおこなわれた。
 試合は山雅のキックオフで開始。ザスパは前節同様、GK清水、DFラインは舩津、乾、パク・ゴン、高瀬。ダブルボランチに松下と中村、右に小林、左に高橋、ツートップは瀬川と山岸。ベンチには先日加入が発表された、FWイ・ガンウが早くも名を連ねた。対する山雅は、田中隼磨、喜山や岩間など、おなじみのメンバーに加え、パウリーニョや高崎など、過去北関東ダービーでしのぎを削った選手も入っている。J2残留に近づくためにも、連敗は避けたいザスパ、立ち上がりから前線の選手がタイトな守備で、山雅の出鼻を挫く。奪ったボールはサイドに展開し、スピードに乗った攻めで早速決定機を作る。瀬川のシュートはブロックされたが、良い流れで試合に入ることができた。そして、その流れのうちに先制点を奪取する。14分、相手GKのキックをセンターサークル付近で松下が跳ね返し、山雅陣内に落ちたボール。高橋がDFと競ってこぼれたボールを拾ったのは瀬川。ドリブルで裏に抜け出すと、左斜めから迷わず左足を振り抜き、ゴールネットを揺らす。GOOOOOAL!!! 前節に続くゴールで、今季の得点をとうとう二桁に乗せた。昨年江坂(現大宮)がマークした、ルーキーシーズン13得点を上回る勢いでゴールを重ねる瀬川。スタジアムも大歓声に包まれる。
 前節の反省点も踏まえ、ここから追加点を奪いたいザスパだったが、山雅も長年反町監督の下で組織力を蓄えたチーム、徐々にザスパの攻撃に対応していく。左サイドの石原のスピードに乗ったドリブルを生かし、ザスパ陣内に切れ込み、PA内に侵入するが、ザスパDF陣も決死のブロックでゴールを割らせない。前回の対戦でもやられたセットプレイやCKも、何をやってくるかわからない怖さがある。加えて、サポーターの大声援で、スタジアムの空気を変えにかかる。ザスパもカウンターのチャンスを生かしたいが、なかなかシュートの形まで持っていけない。膠着状態のまま、前半は終了した。
 後半に入り、前への圧力を強める山雅とカウンター主体のザスパという構図がより鮮明になる。ゴール前でのクリアからなかなか攻撃につなげられないザスパ、徐々にDFラインが下がっていく。そして59分、クリアボールを中央でパウリーニョに拾われ、一瞬遅れたプレスを見逃さずに打ったミドルシュートが無回転で沈み、キャッチしようとした清水の手をすり抜けて、ゴール右隅にこぼれる。同点となったところで、服部監督は最初のカード、小林に替えて吉濱を投入。流れをザスパに戻しにかかる。中盤で受ける吉濱がドリブルで切れ込み、何度か惜しいシーンは作るが、ゴールは奪えない。一方の山雅も、決定機を清水のファインセーブや枠外で決めきれず、CKからゴールネットを揺らすがオフサイドの判定。ザスパは新戦力のイ・ガンウを投入、前線で動き回り、起点となる。 アディショナルタイム、高瀬が混戦で痛めて坪内と交代、最後に決定機を作るが、浮き球にダイレクトで合わせた高橋のシュートは枠外。そのまま1-1で試合終了。熱い上信決戦は勝ち点1を分け合う結果となった。
 後半押し込まれながら、1失点にとどめ、勝ち点を拾ったザスパ。最下位金沢とは勝ち点差8となった。次節はその金沢との対戦。この一戦に今後の命運がかかっている。前半に見せたサッカーをできるだけ長い時間継続し、相手にペースを握らせなければ、勝機は見えてくる。自信を持って臨み、良い結果を持ち帰ってきてほしい。【yosuie@中毛】




■ 2016年9月25日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第33節

ツエーゲン金沢 3−1 ザスパクサツ群馬

石川県西部緑地公園陸上競技場 3633人

突き放すはずが

 前半に2失点したザスパは、後半も攻撃のリズムが出ず、終了間際に1点を返すのがやっとだった。 (9月26日『桐生タイムス』より引用)






■ 2016年10月2日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第34節

ザスパクサツ群馬 2−1 ジェフユナイテッド千葉

正田醤油スタジアム群馬 6956人

少しでも高みを

 8月を無敗で乗り切り、上昇気流に乗ったと思われたザスパ。しかし、9月は一転、1勝も挙げることができず、再び残留争いに逆戻り。特に前節、最下位の金沢相手に1-3と不甲斐ない敗戦を喫し、これまで積み上げてきたチーム力に、疑問符が付く結果となってしまった。仕切り直しの相手は、ジェフユナイテッド千葉。J2暮らしも長くなってきたとはいえ、Jリーグ誕生以前から続く名門クラブ。資金力はザスパを大幅に上回り、必然的にチームの地力も相手のほうが上回っている。ただ、過去の戦績を見てもなぜか相性が良く、昨シーズンは2戦2勝。江坂がジェフキラーとも言える活躍を見せた。今年3月に行われたアウェイ戦でも、0-0のスコアレスドロー。その後千葉は、指揮を執っていた関塚監督が更迭され、長谷川コーチが監督代行を務めている。プレーオフ圏内を狙える位置に付けてはいるが、決して良い状態ではない。ザスパの付け入る隙は、充分にある。
 10月初めとは思えない強い日差しで、座っているだけでも汗ばんでくる。13時のキックオフが近づいてくると、スタンドは紺黄と緑黄で埋まり始めた。この日はサンワ創立70周年スペシャルマッチ。前橋市民デーも兼ね、メインスタンドは端まで観衆が入った。選手入場のあと、8月の月間ベストゴールに輝いた、松下裕樹の表彰セレモニーが行われた。大型ビジョンで流れる、讃岐戦のロングシュート。この大型ビジョンができて3年、こういう演出もできるようになった。さらにこの日から、CKなどのセットプレイ時に「GET GOAL」の文字とともに、遊友くんの映像が出るようになった。ちょっとしたことだが、観衆にもザスパのチャンスがわかりやすくなり、ホーム感が増した。
 ザスパのスタメンは、GK清水、左SB高瀬、CBパク・ゴン、乾、右SB舩津。ボランチに松下と中村、右SHに小林がスタメン復帰、左SH高橋。ツートップは瀬川と山岸。ベンチには鈴木、坪内、川岸、吉濱、マテウス、イ・ガンウ、常盤。千葉はワントップに船山を置き、リオ五輪のバックアップメンバーにもなったオナイウ・阿道はベンチスタート。今シーズンから千葉に所属する、小池純輝の凱旋はならなかった。
 前節の反省を生かし、立ち上がりから積極的にプレスをかけるザスパ。球際での競い合いも、目に見えて厳しく行っている。しかし、そんな期待を感じた矢先にアクシデントは起こった。8分、千葉が送った左サイドへのロングボールに、高瀬が自陣に戻りながら相手選手と競い合い、転倒。千葉のファウルとなったが、高瀬が起き上がれない。グラウンド内の松下から、ベンチに向かってバツ印が送られる。今シーズンここまでJ2の累計クロス数ダントツの1位、ザスパの王手を担う香車が早々にグラウンドを去ることになり、暗雲が立ち込める。スクランブルで左SBには坪内が入った。
 その後、お互い中盤での争いからDF裏への突破を試みるが、なかなか決定機を作れない。31分、ザスパは連携ミスから前半最大のピンチを迎える。右サイドDF裏へのロングボールに、GK清水がクリアのため飛び出したが、相手FWの船山が先に追いつき、ボールをキープ。GKのいないゴール前にクロスを上げると、待っていた吉田がヘディングシュート。失点確実かと思われたが、ピンチを読んでゴールライン上に戻っていた、パク・ゴンが難なくクリアし、事なきを得た。逆にザスパは38分、左サイドで高橋が前線に送ったボールに、瀬川がGKの前に入ってシュート放つが、枠外にはじき出され、前半はこのまま0-0で終了した。
 ハーフタイム、ハプニングが起きた。この日は「美人すぎるバイオリニスト」と呼ばれるAyasaさんの演奏が行われる予定だった。程なくしてインタビュー、演奏が始まったが、ハーフタイムは15分、演目は3曲。1曲が終わり、すでに残り時間はかなり少なくなっている。そして、2曲目の演奏中に、選手たちがグラウンドに出てくる。まだ演奏は続いている。円陣が解かれ、グラウンドに散る選手。バイオリンの音色が流れる中、後半キックオフのホイッスルが吹かれた。その後、流れていた演奏は途中で音を絞られ、Ayasaさんは2曲目の演奏が終わると退場。もともとの予定がどうだったのか定かではないが、スタンドからは途中で終わってしまったパフォーマンスを気の毒に思う声が多く聞かれた。Ayasaさんの演奏を最後まで聞きたかった方も、少なからずいたと思う。試合終了後のアナウンスやオフィシャルサイトでの経緯説明があったほうが良かったのではないだろうか。
 さて、後半もボールを保持する千葉、奪ってカウンターを仕掛けるザスパという展開。その中からチャンスが生まれる。68分、松下の縦パスを受けた山岸が前線で待つ瀬川にスルーパス。トラップしてPA左に侵入した瀬川は左足でシュートを放つが、GK佐藤の守備範囲内で弾かれてしまう。しかし、このプレーがゴールへの布石となった。70分、自陣内で奪ったボールを小林がドリブルで運び、中村に渡す。中村が浮き球のパスを前線に蹴ると、瀬川が再びトラップから左足を振りぬき、今度は豪快にゴール右のネットを揺らし、先制!GOOOOOAL!!! 相手にプレッシャーを与える時間帯に、先手を打つことができた。
 しかし、試合はそう簡単に終わらない。失点の直後、千葉は中盤のアランダ、SBに前橋育英出身の北爪を投入。前への圧力を強めると、77分、右サイドのFKからDF近藤にヘディングシュートを決められ、同点に追いつかれてしまう。このまま沈んでしまうのか。静まったスタンドの空気をもう一度押し上げたのは、1点目と同じ、中村、瀬川の大卒ルーキー2人だった。83分、相手陣内中盤でボールを持った中村が、1列前の瀬川に預ける。左サイドを走る小林に千葉DFの目が向く中、中村はそのままPA内に侵入すると、キープした瀬川からのパスを受け、インサイドでシュート!GKの手を弾き、ボールはゴール内に転がった。GOOOOOAL!!! これで勝ち越し。終盤、千葉の猛攻をDF陣の粘り強い守備とGK清水のファインセーブで凌ぎ、タイムアップ。2-1で千葉を下した。
 これで再び順位を上げ、16位。最下位北九州との勝ち点差は8、入れ替え戦対象の21位金沢との勝ち点差は7となった。次節アウェイ熊本での一戦で勝利を得られれば、J2残留はかなり濃厚になる。生命線の運動量と球際の厳しさを見失わず、常に挑戦者の気持ちで戦えば、自ずと結果は付いてくるはず。J1ライセンスも得た今、少しでも高みを目指すことが、すべてのステージアップに繋がっていく。【yosuie@中毛】




■ 2016年10月8日(土) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第35節

ロアッソ熊本 1−1 ザスパクサツ群馬

うまかな・よかなスタジアム 4281人

阿蘇山噴火すれど無事開催

 立ち上がりから熊本の守備ブロックを崩せず、有効な攻撃ができないザスパ。前半10分にFW高橋駿太が負傷退場するアクシデントもあり後手に回り、前半21分、左サイドからのクロスを頭で押し込まれた。
 悪いなりにも前半を1失点にとどめると、後半5分、右コーナーキックをMF朴建が頭で決めて同点。流れを引き寄せて攻撃的な選手を投入したものの、逆転はできなかった。 (10月9日『上毛新聞』より引用)






■ 2016年10月16日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第36節

ザスパクサツ群馬 3−0 V・ファーレン長崎

正田醤油スタジアム群馬 2980人

団結力

 10月に入り、急に気温が下がって一気に秋らしさが加速してきた。2016シーズンのJ2も、佳境を迎えようとしている。今節も含めて残り7試合。各クラブとも、昇格、残留、それぞれの目標を実現するため、総力戦の様相を呈している。ザスパは前節、雨中のアウェイ熊本戦を引き分け、勝ち点38の18位。最下位金沢が勝利したため、J2残留の勝ち点ラインが上がり、油断できない状況が続く。今節は、ホームに苦手V・ファーレン長崎を迎える。そもそも、長崎のJ2昇格以来、ザスパは公式戦で勝ったことがない。もちろん都度対戦するメンバーは変わっているのだが、長年応援するサポーターにとっては、どうしてもそのことが気になる。未勝利の呪縛から逃れ、残留に向けての勝ち点を積み上げたいところである。
 この日は会場となる正田醤油スタジアム群馬の使用スケジュールの都合で、19:30のキックオフ。日は沈み、冷え込んでくることが予想されるため、冬支度でスタジアムに向かった。相手が長崎ということもあって、スタジアムグルメにはあのリンガーハットが登場。試合前にアツアツのちゃんぽんをすすると、厚着があだとなるくらいポカポカに。苦手の相手とはいえ、気持ちだけは負けないよう、敵の名物を食らい、意気揚々とスタンドに陣取る。さすがにキックオフ時間が遅いせいか、スタンドの埋まり具合は厳しい状況だが、一時に比べると、ゴール裏のサポーターがまた増え始めたように思う。勝利後のハイタッチや選手のパフォーマンスを楽しみにしている人も多いのだろう。
 ザスパのスタメンは、GK清水、DF坪内、乾、パク・ゴン、舩津。ボランチに松下と中村、右SHに小林、左に高橋、FWは瀬川と山岸。前節、試合開始早々相手との接触から右腿を負傷し、交代を余儀なくされた高橋は、欠場することなくスタメンに名を連ねた。その強い気持ちに心を打たれる。また、今シーズン不動の左SBだった高瀬の前十字靭帯断裂、全治8か月の負傷がリリースされた。今節もそのポジションにはキャプテン坪内が入る。ベンチには、鈴木、川岸、一柳、吉濱、常盤、マテウス、イ・ガンウ。対する長崎は、得点ランク上位につけるFW永井龍がスタメン。スピードのあるMF梶川など、やっかいな選手が多い。試合開始に先立ち、みどり市民デーということで、石原市長がわ鉄(わたらせ渓谷鐵道)のわっしーくんとともに登場。桐生第一高校チアリーディングによるパフォーマンスも行われた。
 キックオフを間近に控え、円陣を解いた両チームの選手が入れ替わり始める。風のない時期では珍しいコートチェンジ。前半はゴール裏に陣取るサポーターに向かって、攻撃を行うことになる。試合はザスパボールでキックオフ。長いボールを入れて、相手陣内に侵入するが、長崎の出足も良い。3バックシステムの相手に、ザスパのプレスはうまくはまらず、たちまち長崎のペースに。序盤から厳しい状況に追い込まれる。クリアボールを拾われ、我慢の時間帯が続いたが、徐々にペースを取り戻すと、ロングボールからのカウンターで、何度かチャンスを作る。そして、膠着状態のまま迎えた41分。自陣内へのボールを坪内がヘディングで跳ね返すと、それを拾った高橋が、センターサークル付近からドリブルを開始。ぽっかり空いた中盤を駆け上がり、並走する坪内につられる長崎DFをよそに、PA外から高橋はそのまま右足を振り抜く。放ったシュートはゴールに突き刺さり、GOOOOOAL!!! ザスパが先制!前半を1-0で終了した。
 ハーフタイムには、前の試合でのJ2昇格後ホーム戦入場者数100万人達成を記念して、特別スポンサーとなったターキッシュエアラインズ提供の欧州往復チケットの抽選会があり、100万人達成のお祝いメッセージとして、地元群馬出身の細貝萌選手のコメント動画が流れた。
 そして後半の開始。1点ビハインドの長崎がさらに攻勢を強めようとするが、ザスパの選手たちは落ち着いていた。有利な状況を生かし、長崎の隙をうかがう。チャンスは56分に来た。右サイド、この日も守備に攻撃に勇躍する舩津が、相手陣内に侵入すると、バイタルの瀬川に斜めのパスを入れる。受け取った瀬川は、目の前に相手DFが詰めてくるのを感じると、それをあざ笑うかのように、ヒールで背後に流す。そこに走りこんでいたのは、高橋。放ったシュートは、ブロックに入るGKの脇からこぼれた。痛みをおして試合に出た高橋の執念を物語るように、ゴールに向かって転がるボール。掻き出そうとするDFを瀬川がブロックし、ボールはゴールラインを通過した。GOOOOOAL!!! 高橋のこの日2点目が決まり、試合は完全にザスパのものとなった。流れを変えようと、長崎も交代選手を投入するが、一度失った勢いは戻らない。 79分、ザスパは高橋に替えてイ・ガンウを投入。手綱は緩めない。85分には吉濱、91分にはマテウスを投入、盤石の態勢で試合終了のホイッスルを待つだけとなった。しかし、今日のザスパはこれで終わらなかった。93分、中央で受けた吉濱がドリブルで前を向く。前線にスルーパスを送ると、オフサイドラインぎりぎりで抜け出したイ・ガンウが、GKを右にかわし、角度がないながらも右足でゴール枠に入れ、決定的な3点目をゲット。GOOOOOAL!!! イ・ガンウのJ初ゴールは、長崎にとどめを刺した。スタジアムに高らかに響く草津節。試合終了の笛がなったのは、それより後だった。
 負けられない試合で、勝ったことのない長崎相手に、3-0の完勝。試合後、吉濱は背番号24のユニフォームを着て、ゴール裏のスタンドに向かった。それは昨年自身が負った、前十字靭帯断裂という過酷なケガに、同じく向き合うことになった高瀬の番号だった。スタンドからは高瀬への想いを届けるコール。ザスパは左の翼を一時失うこととなったが、それによって団結力という別のものを手に入れた。残り試合、その団結力を武器に、更なる高みを目指す。【yosuie@中毛】



■ 2016年10月23日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第37節

横浜FC 3−2 ザスパクサツ群馬

ニッパツ三ツ沢球技場 4751人

再逆転喫す



 前半4分に先制を許したザスパだが、同29分、35分に中村駿と小林竜樹がゴールを奪い、逆転に成功。しかし、後半8分に同点に追いつかれ、同28分に逆転を喫した。(10月24日『桐生タイムス』より引用)






■ 2016年11月3日(木・祝) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第39節

FC岐阜 2−1 ザスパクサツ群馬

岐阜メモリアル長良川競技場 3920人

混戦を演出

 数的不利になっても耐えていたザスパだが、最後に力尽きた。前半にDF乾大知が退場した中でFW高橋駿太のミドルシュートで先制。前半を1点リードで折り返したものの圧倒的にボールを支配され、後半に耐え切れず2点を失った。(11月4日『上毛新聞』より引用)






■ 2016年10月29日(土) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第38節

ザスパクサツ群馬 0−4 清水エスパルス

正田醤油スタジアム群馬 6227人

圧倒的な力の差

 10戦勝ちなしから立ち上がりかけた第15節。調子に乗るなと冷や水を浴びせられたようなリーグワースト記録の8点差敗戦。その相手、清水エスパルスを迎えたホーム戦です。今日は勝って雪辱を果たすしかないでしょう!もう9点取るしかないでしょ!9点取れば得失点差もプラスになるよ!勝つぞ!! ...と、少々無理やりに気持を奮い立たせないとやってられないほど寒い敷島です。昨日の雨はあがったものの、冬が間近なことを感じさせる冷たい風が強く吹いています。ピッチサイドの看板は大半がねかされ、応援のダンマクと大旗も今日は使用禁止です。
 今日はハロウィン企画で仮装コンテストがありました。試合前に、優勝した3人組の子供が紹介されました。高瀬選手の顔写真を拡大して作ったお面をかぶり、怪我の回復を祈るメッセージを贈ります。子供たちの素直な気持がグッと来るね〜。ちょっと泣きそうでした。
 本日のスタメンは、GK・清水、DF・舩津、パクゴン、乾、坪内、MF・松下、中村、吉濱、瀬川、山岸、FW・高橋。ひさびさに吉濱選手が先発に名を連ねました。サブは、GK・鈴木、DF・川岸、MF・小林、マテウス、FW・イガンウ、田代、平。おなじみのメンバーに田代選手、平選手が加わりました。彼らがどのようなタイミングで起用されるのかも楽しみです。
 対するエスパルスは、前線に鄭大世選手、大前選手が並びます。ふたりともここ数試合、得点をあげ続けています。前回の対戦でもふたりに2得点ずつ決められており、要警戒ですね。しかし、彼らを封じたとしてもどこからでも得点できるチームなので一切油断は出来ません。
 キックオフ。前半はザスパが風下となります。ザスパの前線はワントップに瀬川選手、その周辺を吉濱選手が動き、右に高橋選手、左に山岸選手です。立ち上がりから積極的に前へと押し込もうとするザスパ。いいリズムでゲームに入れたかと思った前半4分。右サイドからのクロスをボレーであわせたのは大前選手。華麗なゴールで失点です。そして11分にはセットプレーから波状攻撃。ヘッドでの競り合いが続き、最後は鄭大世選手。ゴールの隅へ流し込みます。あっという間に2失点。
 いやいやでも今日のザスパは意気消沈しません。一段と果敢にゴールを目指します。前線から激しく追う瀬川選手と吉濱選手、積極的に前線まで顔を出す中村選手、高い位置取りでボールを呼び込む舩津選手、時に逆サイドまでフォローする坪内選手。そんな姿勢をサポーターも後押しします。序盤に2失点もすれば普段なら、口汚い野次も聞こえてきそうなものですが、今日はバックスタンドも選手たちの背中を押そうと盛んに手拍子をおくります。劣勢の試合とは思えないほどの一体感さえ感じられるスタンドです。
 33分のコーナーキック。またもゴールネットが揺らされますが、これはオフサイドに救われます。それにしてもエスパルスはすごいね。個々のスキルの高さは言うに及ばず。フィールドを広く使い、ルーズになったボールも、クリアのボールもみなエスパルスの選手におさまる。しかも余裕を持っておさめているように見えます。オフザボールの動きの質が圧倒的なレベルです。なんなんでしょうか、これは?? まるでハロウィンの魔法にでも掛かったかのよう。高度に発達した技術は魔法のように見える、なんて言葉を、まさかサッカーの試合で思い出そうとは。
 0−2で前半終了。ザスパも果敢な姿勢を崩さないため、あっという間に時間が過ぎました。劣勢なので適切な表現ではないかも知れませんが、いい試合と思います。
 後半はザスパが風上に陣取ります。ハーフタイムの間に一段と風が強くなっています。エスパルス側のゴールキックはセンターラインを越えず、サイドラインを割ることも多くなります。ザスパは風を利用して遠目からもシュートを放って行きますが、ゴールは遠い。ペナルティエリア内に持ち込んでもシュートコースをふさぎ、体を預けて簡単にはシュートを打たせてくれません。こういうところも非常に上手いエスパルス。しかしザスパはチャレンジをし続けます。後半17分、吉濱選手に代わり小林選手が入ります。怪我を感じさせない走りを見せていた吉濱選手ですが、まだフルタイムの出場が可能なコンディションではないようです。フォーメーションは、右に小林選手、左に高橋選手、中央に山岸選手といういつもの布陣に。小林選手は今日も相手に嫌がられるようなねちっこいチェイスを見せます。
 後半24分またしても鄭大世選手にやられます。コーナーキックからふんわりとした弧を描きゴール右上すみに。チャンスには確実に決めてきます。手に負えません。エスパルスは大前選手と鄭大世選手を下げる余裕の采配。しかし交代で入ってきた北川選手に決められて4失点目。サイドを空けてしまったこと、マークがずれたことなどいくつかの小さなミスが重なったようで、右サイドからのグラウンダーのボールを中央でフリーで合わせられてしまいました。ザスパの選手たちは最後までゴールに向う姿勢を見せ続けてくれましたが、残念ながらのタイムアップ。0−4の敗戦となりました。
 しかしまあエスパルスは強かった! 今日のザスパは決して悪くなかったと思います。最後まであきらめずに難敵に喰らいついてゆきました。選手たちは全力を尽くしていたと思います。しかしそれでも通用しないのがエスパルスというチームなのでしょうね。個人のスキルに裏打ちされた組織の力が圧倒的でした。今日のところは仕方ありませんね。
 しかしこういうチームを相手にして真っ向勝負で勝てるようになることがJ1を目指すためには必要なのでしょうね。今日の試合、選手たちの全力には拍手を贈ります。しかし、厳しい現実としてこれが今のザスパの真の実力とも思えます。もう一歩上を目指すには、何かを変えないといけないはず。それをクラブはどういう判断をするでしょうか。その秋(とき)はもうすぐです。【ばた@前橋】




■ 2016年11月6日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第40節

ザスパクサツ群馬 2−0 レノファ山口FC

正田醤油スタジアム群馬 2850人

やっとJ2残留決定!

 前節、最下位の岐阜に先制したもんの、逆転を喫し痛恨の敗戦。J2残留争いの混戦を自ら演出しちまったザスパ。これで最下位グループに勝ち点4差に迫られちまった。2004年のJFLでは、残り2試合で勝ち点5を追いつかれちまった苦ぇ経験もあるだけに、一気に冷や汗もんになっちまったぃな。今節を含めて残り3試合で、ザスパの明暗が決まるで。今節の相手は、今季J2に昇格した山口。アウェイ戦では負けてるだけに、今日は何とか一矢報いて、自らの手で残留争いから抜け出してぇところだぃな。
 今日は日中に群馬県高校サッカーの決勝が行われたために、19時のキックオフ。日中から冷てぇ北風が吹き、11月になったら日が落ちると一気に冷え込んできてるんで、この時期のナイトゲームって観る方もつれぇよね。ザスパの試合前の勝ち点は41、勝ち点37の岐阜・北九州・金沢の3チームのうち、日中の試合で岐阜は勝ち、北九州は敗戦の報が入ぇる。
 今日のスタメンはGK1清水、DF2舩津、8パクゴン、16川岸、4坪内、MF30松下、32中村、26瀬川、25山岸、FW13高橋、6小林、リザーブにGK21鈴木、DF3青木、19一柳、MF10マテウス、FW38イガンウ、29平、そして17常盤。CBに最近スタメンだった乾が出場停止になっちまったんで、今日はスタメンCBに久々の川岸を起用。川岸の奮起に期待してぇやぃね。川岸の風貌・・・野獣よか、まるで「山賊」みてぇだったぃ(笑)
 すでに日は落ち、色づいた欅を揺らす北風がおーか寒みぃ。今日も強風で広告ボードは寝かされてる。(今日は応援の大旗はOKだった。)ここで17時キックオフだった金沢の敗戦の報が入ぇった。よって今節勝てば勝ち点44になって、敗戦で勝ち点37で変わらなかった北九州・金沢と残り2試合で勝ち点7差がつくんで、自力で降格圏を脱出しJ2残留が決定することが判明。ならば今日の試合は絶対に負けられねぇ!で。
 選手入場、舩津のJリーグ通算200試合出場のセレモニーの後、両軍ピッチに。とここでエンドを変更。(山口がコイントスで勝って風上を選択したらしい)11月の風は冬や春先と違って、夜半遅くまで吹くんは少ねぇんだけんどね。この選択が試合にどう影響するんか・・・
 試合開始。ザスパは瀬川と山岸がFWの4-4-2みてぇだ。前半早々、小林のクロスに高橋がこれに合わせてボレーを放つが、これは相手GKの好セーブにあう。この後も何度かチャンスがあったが攻めきれず、徐々に山口に流れが行ぎ守勢に回ったぃね。ザスパは前への攻めが遅く、ボールをこねくり回した挙句にDFに囲まれボールを奪われたり、狭いスペースを突破しようとして阻止されたりして、攻めあぐんじゃってるし。方や少ねぇボールタッチで前線にボールをつないでシンプルに攻める山口。特に山口のFW9の俊足が光ったぃね。前半20分過ぎごろからは山口の波状攻撃を浴びるが、23分の小池のフリーのシュートは、坪内が身を挺し至近距離で脇腹でブロック。まぁず痛げ。完全にセカンドボールも山口に支配されてたけんど、パクゴンや川岸ら守備陣の奮闘で前半は何とか無失点に抑えたで。ここまで見た限りはチームの練度は山口の方が上の印象だったぃ。ザスパは攻撃がまぁずちくはぐ。なんだか点が奪えそうな雰囲気がねぇやぃなぁ。
 ハーフタイムに来季のホームユニの投票の結果発表があって、ストライプ柄のデザインが選ばれたで。(オレ個人としては、正直どちらもビミョーだった(笑)んだけんど・・・2014年モデルみてぇに、まっとネイビーを濃くしてほしいんだけんどなぁ。)
 後半開始。メンバーの変更はなし。ザスパが風上になったけんど、風は前半より収まってきた。山口は群馬の風の吹き方も熟知してるんきゃ?(笑)それにしても気温が一気に下がってきて足元がまぁず冷えらぃな。後半なんとか点を奪って、J2残留を決めてぇやぃなぁ。開始早々、いきなし山口にシュートを見舞われるが、これは清水が好セーブで防ぐ。続くゴール前のFKとCKのピンチを凌ぐと、52分、中盤でボールを奪った山岸が中村へ。中村はディフェンスラインの裏に長ぇパス、これに追いついた高橋がペナルティエリア内に進入し、DFを一人かわしてシュート!GOOOOOAL!!! カウンター決まった!先取点はザスパ!高橋の2試合連続ゴールで、1-0。山口は前線3人を次々と交代し、分厚い攻撃を仕掛ける。川岸をはじめDFが奮闘し、なんとか耐え凌ぐ。追加点が欲しい。すると73分、清水のフィードを受けた瀬川が一気のドリブル、DFを振り切り、GKと1対1、これを落ち着いてシュート!GOOOOOAL!!! 瀬川の一気の速攻!J2残留を手繰り寄せる2点目!瀬川あんがと〜!あぁでもはぁこれで瀬川は完全にドナドナされちゃうんべなぁ。
 しかしまだ残りは15分以上。2-0は危険なスコアとゆわれるけんど・・・その後の山口の波状攻撃もDF陣の奮闘でこれを凌ぎ、最後は87分に瀬川からイガンウ、ロスタイム4分には小林から平、高橋から常盤にチェンジし狡猾に時間を稼ぎ、そのまま2-0でタイムアップ。勝ち点を44とし、これでやっとのことでJ2残留が確定したで。
 正直、前半のうちは今日でJ2残留が決まるとは思えなかったぃなぁ(笑)今日はゴール前のシュートを文字通り身を投げ出し止めた坪内、久々のスタメンで気をはいた川岸の奮闘が光ったで。もちろん電光石火のカウンターで点を奪った高橋や瀬川はお見事だったぃなぁ。これで来年もJ2リーグで戦える資格を得たで。降格の心配がなくなった残り2試合、ぜひ今季の集大成を見せて順位をひとつでも上げてほしいやぃ。・・・単独首位から最下位にまで転落した激動の2016年、いやぁJ2に残れて本当に良かったぃね。来年もJ2リーグで楽しむんべぇや!【すずき@東毛】




■ 2016年11月12日(土) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第41節

ザスパクサツ群馬 0−3 徳島ヴォルティス

正田醤油スタジアム群馬 5515人

ぞれぞれの「覚悟」

 長い2016シーズンも残り2試合。前節山口相手にJ2残留を決めたザスパは、この日ホーム最終戦。相手は、同期昇格の徳島ヴォルティス。今週、ザスパからは二人の選手の現役引退がリリースされた。3年間、ザスパのDFリーダーとして活躍した青木良太。そして、今シーズン加入し、エースストライカーとして期待された常盤聡。それぞれ理由はあるものの、苦楽を共にしてきた選手が去るのは、やはり寂しい。勝って彼らを送り出したい。ゴール裏には、いつも以上のサポーターが詰めかけ、紺黄の旗を掲げた。
 冬場に差し掛かった群馬とは思えない、風もなく穏やかな正田醤油スタジアム群馬。15時のキックオフ時間には、上着もいらないくらいのサッカー日和。ザスパのスタメンは、GK清水、DF舩津、パク・ゴン、乾が出場停止から復帰、坪内。MF小林、松下、中村、高橋。前線には瀬川と山岸という布陣。青木と常盤はベンチからのスタートとなった。対する徳島は、邑楽町出身の岩尾がボランチに入り、左SBには様々なチームで敵として渡り合ってきたアレックスもいる。ピッチアップ時から青木と常盤に大きな声援が飛ぶ。普段とは少し違う空気を感じながら、キックオフの時間は徐々に近づいていた。
 前半開始直後から、ザスパは後手に回った。プレスがはまらず、パスをつなぐ徳島の選手を捕まえ切れない。攻撃も何かちぐはぐで、前節みせたような気迫が感じられない。危機感を覚え始めた14分、早くもゴールを割られてしまう。左からのFKのボールがバイタルで弾み、落下点に入った徳島MF大崎がダイレクトで右足を振り抜くと、ゴール右上のポストに当たりながら、枠内に飛び込んだ。相手のシュートも上手かったが、そこに至るまでのプロセスでザスパは対応が取れていなかった。さらに39分、左からのスローインのボールを、今度は徳島FW渡がPA内で合わせてゴールネットを揺らす。パク・ゴンが体を付けていたものの、それを抑えるように右足を出した渡の、技ありゴールだった。ザスパは2点のビハインドを背負ってしまう。そして追い打ちをかけるように43分、空いた左サイドで受けたアレックスが上げたクロスに、渡が頭で合わせる。清水が辛うじて掻き出すものの、そのボールを再び渡が詰めて、3点目。なすすべなく前半だけで3点差となり、サポーターからもブーイングが飛んだ。
 後半に入っても、大勢は変わらず、たまりかねた服部監督は、スタジアムの空気を変えるべく、二人を一気にピッチへと送り出す。64分、中村に替えて青木、小林に替えて常盤を投入。青木が必死にカバーし、常盤はボールに食らいつく。その姿を忘れまいと、目に焼き付けながら声援を送るサポーター。確かにスタジアムの熱は上がったが、ピッチ上では徳島の守備を崩せない。85分にはイ・ガンウを投入し、攻撃を続けたが、最後まで徳島ゴールを割ることはできなかった。こうして、2016シーズンのホーム最終戦は、悔しい結果で終わってしまった。
 試合終了後、セレモニーが行われた。坪内キャプテン、服部監督の挨拶に続き、都丸社長からは、改めてJ1ライセンスの取得、下増田に造成中の天然芝の練習場とクラブハウスの供用、新選手寮への移転など、インフラ面の整備状況が報告された。大きくはないが、また一歩、クラブとして前進をして、来シーズンも再びJ2で開幕を迎えることとなる。そして、青木良太、常盤聡から、現役引退の挨拶が行われた。すでに日も落ち、急激に寒くなるスタンドでは、二人を送り出すために残った多くのサポーターが、その姿を見守った。ゴール裏で、青木は「魂を置いていく」と語り、常盤は「次節結果を出したい」と誓い、彼らを含めて、選手、スタッフ、サポーターが集まって記念撮影を行った。残すアウェイ岡山戦で、2016年の集大成を見せてほしい。【yosuie@中毛】



■ 2016年11月20日(日) ■

2016明治安田生命J2リーグ 第42節

ファジアーノ岡山 3−3 ザスパクサツ群馬

シティライトスタジアム 15204人

3点ビハインドを追いつく

 攻守が目まぐるしく入れ替わる展開の中、前半14分にフリーキックから先制点を献上。同16、20分と立て続けに失点し、アディショナルタイムにMF瀬川祐輔が1点を返して前半を1―3で折り返した。
 後半は立ち上がりの危機を一丸となってしのぐと、10分にMF山岸祐也が右からのパスに走り込んで2点目を挙げ、34分にも山岸が決めて同点。勢いに乗って攻撃を畳み掛けたが、決勝点までは奪えなかった。(11月21日『上毛新聞』より引用)









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